EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~ 作:エルミン
全話の書き直しを行いました。登場人物の名前や話の追加等、結構変わっていますので、この話を読む前に読み直してくださると嬉しいです。
一応、後書きに主な変更点を書いておきますが・・・。
「グレード
「第二変身!」
黎斗がゲンムレベルXに、士道がエグゼイドレベル2に変身し、戦闘を開始した。
士道は八舞姉妹を守るために、黎斗はガシャットを回収するために。
士道がガシャコンブレイカーのハンマーで殴りかかる。
黎斗はそれをノーガードで受けるが、やはりダメージは無い。
「わかっているはずだ、今の私は不死身だと」
すると、黎斗はガシャコンブレイカーを呼び出し、ハンマーモードにして構える。
デンジャラスゾンビには専用のガシャコンウェポンが無い。よって、他のガシャットから呼び出す必要がある。
今のガシャコンブレイカーは、プロトマイティアクションXガシャットから呼び出したのだ。
士道と黎斗、二人の振るったハンマーがぶつかるが、拮抗したのは一瞬。
士道のハンマーが力負けし、士道が後ろに下がる。
「だったら・・・!」
《ゲキトツロボッツ!》
「第三変身!」
ゲキトツロボッツガシャットを起動して、レベル3となる。
素早く接近し、左腕のアームで連続で殴り、キックも混ぜた格闘を叩き込む。しかし、仰け反らせ後ろに下がらせたが結局ダメージはない。
「不死身だろうがなんだろうが、諦めない!」
「無駄というのがなぜわからない?」
黎斗はプロトバンバンシューティングガシャットからガシャコンマグナムを呼び出し、ほぼゼロ距離で士道に発砲。
ダメージを受け、火花をあげながらよろける。そこに黎斗がガシャコンブレイカーをソードモードにして連続で斬りつける!
「チィッ・・・!」
《ドラゴナイトハンターZ!》
「第五変身!」
連続でダメージを受けた士道は一旦下がり、ドラゴナイトハンターZガシャットを起動し、レベル5のフルドラゴンになる。
一人で焦っていた時の士道と違い、精神的にも成長した今の士道ならフルドラゴンをコントロールできる。
「フルドラゴンをコントロール出来るようになったか・・・・・・だが無駄だ」
フルドラゴンの力で攻撃を仕掛けるが、黎斗はそれを片手で受け止め、上に放り投げてムーンサルトキックで蹴り飛ばしてしまう。
「「士道!」」
「来るな!!」
駆け寄ろうとした耶倶矢と夕弦を、士道は鋭い声で制する。起き上がり、再び黎斗に向かおうとしたその時、黎斗に向けて大きめのゴミ箱が投げつけられる。
「シドーをこれ以上傷付けるのは、許さんぞ!」
「士道さん、大丈夫ですか・・・?」
「十香、四糸乃!?」
十香と四糸乃が救援に駆けつけたのだ。先程のゴミ箱は十香が投げたのだ。
「四糸乃と一緒に買い物に行っていたら、爆発音が聞こえてな・・・。それで駆けつけた!」
「士道さんに、酷いことをしないでください・・・!」
「精霊か・・・力を十全に振るえない君達に何が出来る?」
「行くぞ四糸乃・・・練習の成果を見せるのだ」
「はい・・・!」
「「変身!」」
二人が士道達と同じように言うと、光に包まれて天使と霊装が出現した!
封印が行われた精霊は力のほとんどを失い普通の人間に近くなる。
二人が仮面ライダーへの変身を参考にしたイメージを持って特訓した事によって、変身の掛け声によって天使と霊装を不完全ながら顕現出来るようになったのだ。
不完全な霊装は、霊装の一部が着ている服に合わさったような外見だ。
天使は鏖殺公はそのままだが、氷結傀儡は二メートル位の大きさになっている。
「精霊の力が出ている・・・だと!?」
「シドー達が仮面ライダーに変身するのを参考に練習したら、出来たのだ。さぁ、行くぞ四糸乃!」
「はい・・・!」
「四糸乃とよしのん、いっきまーす!」
驚く黎斗に向けて、十香と四糸乃が攻撃を仕掛ける。
四糸乃が氷結傀儡の口から、極寒の吹雪の竜巻を放つ。黎斗はそれをかわし、ガシャコンマグナムで四糸乃を撃とうとする。
しかし、事前に黎斗が避ける位置を予測していた十香は黎斗の横に先回りしており、鏖殺公で切りつける!
四糸乃の吹雪は、先回りする十香の姿を隠すためでもあったのだ。
万全ではないとはいえ精霊の、天使による一撃のダメージは大きく、黎斗は持っていたガシャコンウェポンを手放して倒れてしまう。
《ガシャット!キメワザ!》
《DRAGO KNIGHT!CRITICAL STRIKE!!》
更に、その隙を狙って士道がドラゴナイトハンターのキメワザで、エネルギーを限界までチャージした両腕の剣と銃で連続攻撃を加えていく。
そのダメージはすぐに回復して立ち上がるが、状況が不利と悟り無言のまま撤退していった。
これ以上の攻撃はないと判断した士道は、変身を解いて十香と四糸乃に助けてくれたお礼を言った。
「ありがとう。十香、四糸乃・・・お陰で助かった」
「何を言う、シドーの力になるのは当然ではないか!」
「士道さんのお役にたてて、良かったです・・・」
すると、戦いを見ていた八舞姉妹が士道達に駆け寄り・・・。
「士道!さっきまでのは何!?ちゃんと説明して!」
「同意、耶倶矢の言うとおりです。説明を要求します」
「落ち着けって、ちゃんと話すから。実は・・・」
士道が事情を説明すると、耶倶矢は目を輝かせる。
「人々を脅かす未知のウィルス、それと戦う仮面の戦士・・・・・・格好いい!士道、それ貸して!私も変身したいし!」
「ちょっ、落ち着けって!?」
興奮して士道に詰めより、ゲーマドライバーとガシャットを借りようとする耶倶矢を何とか落ち着かせる士道。
夕弦はそんな耶倶矢に呆れたのか、小さく溜息を吐く。
「溜息・・・はぁ。耶倶矢、そんなんだから胸も性格も好みもお子ちゃまなのです」
「はぁ!?」
「事実。その通りではないですか、今も昔も格好いいものに惹かれたり言い方が変だったり・・・・・・」
「その方が精霊っぽいでしょ!私達は人間を超えた存在だし、そのように振る舞うべきだし!」
「嘲笑、精霊らしさといっても・・・耶倶矢のはズレているではないですか」
「何ですってぇ!?ガルルルルル!」
「二人とも、ケンカはダメだぞ!」
「お、落ち着いてください・・・!」
喧嘩のように言い争う二人を、十香と四糸乃が止める。
だが・・・・・・この言い争いが悪かったのか・・・・・・。耶倶矢に大きなストレスがかかり・・・。
「あーもー!夕弦、いい加減に゛っ!?」
「・・・耶倶矢・・・?」
突然、言葉を止めて固まってしまう耶倶矢。そして、そのまま倒れてしまった。
「お、おい耶倶矢!?」
「耶倶矢、大丈夫か!?」
士道と十香が駆け寄って助け起こす。オレンジ色の稲妻が走り、まさかと思いながら士道がスコープで見てみると・・・。
「ゲーム・・・病!?」
耶倶矢に、ゲーム病の症状が検出された。更に、耶倶矢からバグスターが現れた。それは、アランブラだ。
「フハハ、アランブラ降臨である!しかし、この場はすぐに撤退するのだ!」
アランブラは現れてすぐに、体を粒子にして去っていってしまう。
予想外にして最悪の事態・・・・・・精霊が、耶倶矢がバグスターウィルスに感染してゲーム病を発症してしまったのだ!
ーーーーーーーーーー
耶倶矢にバグスターウィルスが感染、ゲーム病を発症してしまう。
耶倶矢から分離したバグスター・・・アランブラは姿を消してしまい、まだ見つかっていない。
急いでCRに運ばれ、今は専用のベッドで横になっている。報告を聞いて、折紙と栞が駆けつけてくれた。
更に、琴里と令音も精霊がゲーム病という緊急事態の為か、CRに駆けつけている。
今、士道と夕弦が耶倶矢の側についている。
「士道・・・私は今、どうなってるの・・・?」
「耶倶矢・・・・・・お前は今、バグスターウィルスに感染して、ゲーム病になってしまっている」
「・・・・・・これが士道の言ってたゲーム病・・・そっか、このままだと私は・・・・・・」
「・・・・・・動・・・・・・揺・・・・・・・・・耶倶矢、夕弦は・・・・・・」
「こんな事になるとはな・・・・・・」
夕弦の顔色は悪く、今にも倒れてしまいそうで泣き出してしまいそうだ。現に今、目元に涙が溜まっている。
「大丈夫だ、二人共。感染したバグスターを倒せば、耶倶矢のウィルスは消えて健康な体に戻れる」
「懇願・・・・・・士道・・・お願いします!耶倶矢を・・・耶倶矢を助けてください!!」
堪えきれず、涙を流し士道に懇願する夕弦。
その必死さは本気だ。どちらが残り、どちらが消えるかを競っていたとは思えないほどに。
士道は夕弦の様子を見て、耶倶矢を救うことを決心する。
「もちろんだ、必ず助ける・・・・・・耶倶矢、俺達に時間をくれ。必ずバグスターを倒してお前のゲーム病を治してみせる」
「そうだぞ、耶倶矢!シドー達に任せれば安心だぞ!」
「私達に任せて、絶対助けるから」
「もちろん、私も協力するから」
「耶倶矢さん・・・・・・元気出してください・・・」
士道は強く、誓いの言葉を口にする。他の皆も耶倶矢を励ます。
「士道・・・・・・皆・・・・・・」
耶倶矢は顔を士道達の方に向けて・・・。
「私の事は・・・助けないで。このままで良いから・・・・・・死なせて」
耶倶矢以外の皆は、一瞬耶倶矢が何を言ったのかわからなかったが、今理解した。耶倶矢は・・・死ぬ気だ。
「ーーーっ!?何言ってんだよ耶倶矢!!」
「・・・・・・耶倶矢?」
士道は思わず叫び、夕弦は呆然と耶倶矢の名前を呼ぶことしか出来ない。
「・・・・・・・・・ごめん、でも・・・いい」
「・・・・・・っ!!」
「・・・・・・もう、いいから」
耶倶矢はそれきり、他の皆が何を言っても答えなくなってしまう。まるで、周囲に心を閉ざしてしまったかのように。
夕弦はショックの余り、泣きながらCRから走って去ってしまう。士道は十香達に耶倶矢の事を任せて、夕弦の方を追いかけていく。
ーーーーーーーーーー
「夕弦ーーーーーっ!どこだーーーーー!」
士道はあれから探し回っているが、夕弦の姿は見つからない。
川の近くにあったベンチに座って少し休みながら、耶倶矢がなぜ助けないでと言ったのかを考える。
耶倶矢と夕弦、二人は元々一人の精霊であり、何らかの理由で二人に別れてしまった。
現在は一人に戻った際の主人格を決めるためにあらゆる方法で争ってきた。
しかし、現状引き分けであり士道をデレさせる事で決着をつけようとした。
どちらも己が主人格になることを目指しているにも関わらず、いつまでも決着がついていない状態が続いている。
昨日も風呂に入っていた時に感じた違和感をもう一度考え直して・・・・・・士道の中で一つの仮説が浮かぶ。
「まさか・・・・・・」
確証はない、しかし今はそれしか考えられない。
真偽を確かめるためも含めて、改めて夕弦を探そうとしたその時、士道の前に一人の男が立ちふさがる。
「よぉ、士道」
穏やかな笑みで士道に声をかけてくる。
「俺はパラド、グラファイトと同じバグスターだ」
「っ!?」
咄嗟に身構える士道だが、パラドは気にせず続ける。
「警戒するなよ、今はお前と戦いに来たんじゃない。話をしに来たんだ」
「話・・・?」
「精霊を救いたいか?でもな、それは無理ゲーだぞ・・・・・・あの精霊とのやり取りはコッソリと見させてもらった。その上で言ってるんだよ。
死にたがってる奴を助けてどうする?
世の中には、"死こそが救い"って奴もいる。そういう奴も無理矢理生かすのが医者だというのか?」
「・・・・・・お前の言うことにも一理ある。確かに、死を望む者がいるのは否定しない。でも、耶倶矢は
「違う?あいつは死を望んでいただろう」
「言葉として発した事が、必ずしも本心という訳じゃねぇんだよ」
士道はパラドを睨みながら、ハッキリと宣言する。
「覚えておけ。人間も精霊も、お前が思っている程単純じゃない、言葉や表情だけでは計れないものがあるんだよ!」
パラドは士道の言葉に、パラドは何か思うところがあったのか、決して否定せず「そうか・・・」と呟いただけだった。
「俺は必ず二人を救う。お前が何を言おうと、黎斗さんが邪魔しようとも諦めねぇ!」
「・・・・・・なら、やってみせろよ」
パラドはあるものを取り出して、士道に向けて投げ渡した。
士道が見てみると、それはガシャットだ。これまでのガシャットよりも分厚く、全体が真っ黒だ。
「そのガシャットは、ゲンムが俺用に開発した新型のガシャットだ。
ただし、大量のバグスターウィルスが入っているから、人間が使ったら命に関わるかもしれないな。そいつを使ってみろ、お前の運命が決まる」
そこまで言って、パラドは姿を消した。士道は少しの間黒いガシャットを見ていたが、気を取り直して夕弦を探す。
そして、自然公園の中に入ったその時、ゲンム・レベルXに変身した黎斗と、黎斗と合流したアランブラが現れた。
「見つけたぞ、君のガシャットを回収する」
「我が魔法の餌食になるが良い!」
「・・・・・・やってやるよ」
士道は覚悟を決め、ゲーマドライバーを装着。
そして、パラドが渡した黒いガシャットを持つ。
「!?何故それを・・・パラドか!」
スイッチを押して起動し、ドライバーにセットする。瞬間・・・・・・。
「!?・・・・・・ア、グアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!」
ガシャット内部の大量のバグスターウィルスが士道を蝕む。密度が濃く、黒い煙のようにハッキリと可視化している程に。
「パラドの奴め・・・中々エグい事を考える」
苦しむ士道。どんどん遠のく意識・・・・・・そんな中、士道は・・・・・・。
「こんな所で・・・・・・終わってたまるかあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
目が赤くなり、Sの人格になって叫ぶ。すると、バグスターウィルスが士道の遺伝子に干渉し、士道の力のデータを取り込んで更なる力を発揮する。
ウィルスがオレンジと青緑の二色の光となって黒いガシャットに吸い込まれ、その力によってガシャットは新たな色、名前、力を得た!
《マイティブラザーズ
タイトルとゲームエリアが展開される。ガシャットにも色とイラスト、名前が新たに刻まれた。
「第十変身!」
《ダブルガシャット!》
《ガッチャーン!レベルアップ!》
《マイティブラザーズ!2人で1人!マイティブラザーズ!2人でビクトリーX!!》
キャラクターセレクト画面で、今まで「?」となって隠されていたパネルが解放される。
それを選ぶことによって士道はダブルアクションゲーマー・レベル
レベル1と同様の体形だが、頭髪が右はオレンジ色で左は青緑色になっており更に力もこれまでのレベルとは比べ物にならないくらいに高まっている。
ライダーゲージも三本に増えており、今まで以上に戦えるようにもなるだろう。
士道はレベル1の時のように縦横無尽に動き回り、黎斗とアランブラを攻撃していく。
その力と動きはこれまでのレベル全てを上回っており、両者を圧倒している。
「認めん、認めんぞ!ゲームマスターの私に許可なく、ガシャットを作り出すなど!」
黎斗はプロトタドルクエストガシャットから、ガシャコンソードを呼び出し、氷剣に変えて地面を凍らせる事によって動きを封じようとする。
更に、アランブラも魔法を発動して攻撃を仕掛ける。
しかし、士道は高くジャンプして氷を回避。上空からの飛び蹴りで黎斗を蹴り飛ばし自分も氷の範囲から逃れる。
追いかけてきたアランブラに、急速接近して頭突きで吹っ飛ばしてしまう。
「やるな士道。レベルXのゲンムと互角・・・いや、圧倒している。エグゼイドのレベル
パラドが木の上から、士道の様子を見守っていた。
士道は更に、レバーをもう一度閉じ再び開く。
「第二十変身!」
それにより士道は・・・エグゼイドは・・・。
《ガッチャーン!ダブルアップ!》
《俺がお前で!お前が俺で!(ウィーアー!)マイティ!マイティ!ブラザーズ(ヘイ!)
レベルXX・・・つまりレベル20にレベルアップした。そして・・・。
「「ノーコンティニューで、クリアする!・・・・・・ん?」」
「「ん?」」
「ん?」
士道が、黎斗とアランブラが、パラドが驚き目を疑った。何故なら・・・。
「「・・・・・・はぁ!?」」
分裂した士道はお互いを認識し、思わず声をあげてしまった。
次回予告
士道は語る、耶倶矢の真意を。夕弦は流す、涙を。耶倶矢は・・・。
第四話 涙とReal intention
「私・・・・・・私は・・・・・・!」
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変更点については、未読の方はネタバレになりますのでご注意を。
① 序章を三人称に書き直し。
② 栞と薫が風鳴一族の人間に。父親はシンフォギアの風鳴 弦十郎。一章八話後編に登場。
③ 衛生省の幹部が、エグゼイド本編と同じ日向 恭太郎に変更。
④ 一章十一話後編に、適合手術の話を追加。
⑤ エピソードZEROの一部修正。
他にも細かく直しているので、後書きを先に読んだ方も、読み直してくださると幸いです。