EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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お待たせいたしました。シンフォギアの小説更新を優先していました。


第二話 デレさせWars!?

夜の五河家。そこのお風呂に二人の美少女が入っていた。

 

十香と栞の二人だ。

二人は一糸纏わぬ姿となり体を洗っていた。

 

 

「栞、背中の洗い合いをしようではないか!琴里とはやったことがあるのだが、栞とは初めてだからな」

 

「うん、お願い」

 

最初に十香が栞の背中を洗う。

 

「よいしょ、大丈夫か?痛くないか?」

「平気、へっちゃら~。十香さん上手だよ」

 

「そうか!良かった。以前琴里を洗っときは、力を入れすぎてしまってな」

「それは痛かっただろうね・・・」

 

さぞ、背中が赤くなっただろう。そう思いながら十香に洗われる栞。

 

 

「うむ、これで終わりだ」

「ありがとう」

 

シャワーで泡を洗い流してもらい、今度は栞が十香の背中を洗う。

 

「ふむ・・・・・・栞は丁寧だな、気持ちいいぞ」

「そう?良かった♪」

 

栞の洗い方はとても丁寧で、洗われている十香も気持ち良さそうにウットリしている。

 

洗い終えてからシャワーで洗い落とす。さらに、髪の毛も洗い合いをする。

 

十香は髪を少し乱暴気味に洗っていたが、それだと髪を痛めてしまうと栞が髪の丁寧な洗い方を教えていた。

 

体の全てを洗い終えて、二人で一緒に浴槽に入る。

五河家の浴槽は少女二人で入っても余裕のある大きさである。

 

「・・・・・・栞」

「はい?」

 

「何か・・・モヤモヤするのだ」

「モヤモヤ・・・?」

 

首を傾げる栞。十香は少し顔を俯かせ、胸元に手を当てながら答える。

 

「あの二人の精霊とシドーとくっついていたり、仲が良いところを見ていたら・・・胸がモヤモヤして・・・痛くて・・・何か、嫌な気持ちになって・・・」

 

十香は初めて抱く感情に戸惑いながら、感じたままに伝えた。そこまで語った十香の体を、栞が優しく抱きしめる。

 

「十香さん、私も同じ気持ち。でも、その気持ちは真っ当で尊くて、大切なものなんだよ」

 

「そう、なのか?」

 

「うん。その気持ちがあるということは、士道を心から大切に想っている証拠」

 

「シドーが、大切・・・・・・」

「私も、十香さんも・・・」

 

「うむ・・・」

 

「もう一度言うね。そのモヤモヤは、真っ当で尊くて、大切なもの。だから、どんなに苦しくてもその気持ちから逃げちゃ駄目なの」

「うむ・・・ありがとうだ、栞。少し、わかった気がする」

 

「そう?お役にたてて良かった」

 

二人は微笑みながら、引き続き入浴を楽しむ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一方、四糸乃はリビングに通じる扉の影に隠れて中の様子を伺っていた。

 

リビングの中では、耶倶矢と夕弦にくっつかれている士道と、その正面に琴里がいて話し合っている。

 

ラタトスク司令官として、八舞姉妹と直接話して情報収集を行っているようだ。

 

「・・・士道さん・・・・・・」

先程士道から事情は聞いたが、自分から八舞姉妹と話すことは出来なかった。

 

少しずつ改善されているとは言え、まだまだ人見知りな所は残っている。

 

しかし、今隠れて見ている理由はそれだけではない。

 

士道に八舞姉妹がくっついているのを見ると、胸が痛む。嫌だという気持ちがどんどん溢れてくる。

 

士道が自分の手の届かない所に行ってしまうのではないか?・・・・・・そんな不安が押し寄せてくる。

 

四糸乃は初めて抱く感情をどうすれば良いのかわからず、リビングから離れて階段に座る。

 

「・・・・・・・・・・・・」

「うーむ・・・これは重症だねぇ。全く、士道君は罪作りな男の子だよ」

 

俯き、胸の痛みに耐えようとする四糸乃。よしのんはやれやれといった感じで慰めようとしたら、それより先に折紙が四糸乃を後ろから優しく抱きしめる。

 

「折紙さん・・・?」

「四糸乃ちゃん、不安なの?」

 

「・・・・・・はい。士道さんが・・・離れていっちゃうって・・・」

「うん、私も不安なんだ。でも、士道君は私達一人一人をちゃんと見てくれる、守ってくれる。

 

私はそんな士道君を信頼してる、だから・・・不安で痛くて苦しくても士道君は決して離れないって思えるの」

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

四糸乃は何も言わないが、心の中で自分の気持ちに向き合っていた。折紙はそんな四糸乃を優しく抱きしめたまま、そっと頭を撫でていく。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

現在、自家の琴里の部屋で琴里(黒リボン)と二人で話していた。

 

耶倶矢と夕弦の二人は「士道の部屋を見たい!」と言ったので、士道の部屋にいる。

 

 

「士道。《ベルセルク》は世界で初めて確認された、双子の精霊よ」

 

「あぁ」

 

「そして、風を操る精霊であり、非常に速く動くからラタトスクを含む精霊組織もほとんどその存在を把握出来なかったの」

 

「そうなのか・・・」

 

「今回のように、一ヶ所に留まるのは本当に稀な事。ラタトスクも最大のサポートをするけど、もし今回を逃したら・・・・・・」

 

「もう、会えないと?」

 

「プレッシャーをかけるような言い方しちゃってごめん。でも・・・」

 

言いづらそうな琴里の頭を優しく撫でる。

 

「家族がいがみ合うのは、放っておけない。何とかしてやりたい」

 

「・・・家族?」

「あぁ、家族だ」

 

「・・・あの二人が姉妹だから?私と士道みたいに?」

「俺達は兄妹だろ。まぁ、あの二人を仲直りさせる。それでいいじゃないか」

 

「そうね・・・。じゃあ、この話はこれでおしまいよ。今日の夕飯の準備を手伝うわ」

 

「あぁ、助かる。じゃあ、俺は耶倶矢と夕弦を部屋から出すから、その間に準備を頼む」

「えぇ。任せて」

 

 

琴里と一緒に立ち上がった士道が自室にいる二人を連れてこようとすると、先に耶倶矢と夕弦が戻ってきた。

 

「士道よ、今戻ったぞ!」

 

「・・・俺の部屋で何やってたか大体予想がつくが、あえて聞く。何やってたんだよ」

 

「フッ、我等は探していたのだ。色と性にまみれた色罪の書を!」

「解説。夕弦達は、男の子なら持っているであろう・・・その・・・そういう本を探していました」

 

「でも見つからないし。せっかくそういう本を頼りに士道の好みに合わせて誘惑しようとしたのに」

 

「いや、そんなもん無いからな」

「驚愕。男の子ならそういうものが好きなのではないのですか?」

 

「いや、まぁ・・・そうかもしれないけど、だからといって男なら誰でも持ってるとは限らないんだよ」

 

「ふむ・・・そういうものか・・・」

「首肯、そういうことにしておきます」

「しておくって・・・まぁいいや、今日の晩飯、食べていけよ」

 

「え、良いの!?」

「感謝、ご相伴に預かります」

 

「士道、具材は用意しておいたから、後は士道の仕事よ」

「ありがとう琴里」

 

すると丁度十香と栞が風呂から上がって出てきた。

二人ともパジャマ姿だ。折紙と四糸乃もパジャマ姿で合流。

 

「シドー、出たぞ。栞とは背中の洗い合いをしたのだ」

「お風呂、ありがとう」

 

「私と四糸乃ちゃんは、晩ご飯の後に入るね」

「はい・・・・・・あの、士道さん」

 

「ん?どうした四糸乃?」

四糸乃は士道の片手をそっと握る。

 

そのまま黙ってしまうが、四糸乃は士道ともっと触れ合いたいという気持ちと、士道が離れていってしまうのでは?・・・という不安があった。

 

そして、その手は少し震えていた。

 

士道はなぜ四糸乃が手を握ってきたか、何故震えているのか。四糸乃の表情を見て理由が薄々ながらもわかり、優しく四糸乃の手を包むようにくるむ。

 

「大丈夫だよ、四糸乃。俺はここにいる、四糸乃の手の届かない所に行ったりなんてしないから」

 

「・・・はい・・・!」

「ま、士道君にしては及第点かな~。完全にはわかってないみたいだけど」

 

士道に自分の気持ちが伝わり、温もりを与えてくれた事が嬉しく、笑顔になった。

 

よしのんは及第点を出しながらも、まだまだな評価であった。すると、今度は十香が士道に寄っていく。

 

 

「シドー・・・本当にいなくなったりしないな?」

 

十香も四糸乃も、士道が八舞姉妹に付いていって、いなくなってしまう事に心からの不安があった。

 

「あぁ、俺はちゃんとここにいるよ」

「本当の本当だな?」

「本当の本当だ」

 

「・・・わかった、シドーを信じるのだ!」

 

十香も喜び、士道の腕に抱きつく。

 

栞と折紙と琴里は、十香と四糸乃が元気になったことに安心し、士道が少しずつだが女心がわかるようになったことに安心していた。

 

「じゃあ私も士道にギュー♪」

「私も、良いかな?」

「んなっ!?・・・・・・士道、可愛い義妹も受け止めなさい!」

 

「ちょっ・・・おおお!?」

 

栞と折紙と琴里も、八舞姉妹がくっついていた事に内心でヤキモチを妬いていたので、十香達に続くように士道に抱きつく。

 

「・・・・・・夕弦、士道ってもしかして」

「確信、士道は天然の女たらしです」

 

「・・・だが、嫌な感じはせぬな。可憐な乙女達を惹き付けし禁断の果実だが、それは決して不快なものではない」

「同調。これは攻略のしがいがあります」

 

そんな騒動も何とか落ち着き、士道が夕飯を作る。八舞姉妹を含めた女子達がガールズトークで時間を潰していると、料理が完成した。

 

 

「さて、晩飯出来たぞ」

 

「「おぉ!」」

「よし・・・いただきます」

 

『いただきます!』

 

全員でいただきます。そして十香は相変わらず大食い。

そしてやはりというべきか、耶倶矢と夕弦がアピールしてくる。

 

「さぁ士道よ。我が捧げし供物を食らうがいい・・・ほら、あーん・・・」

「あ、ありがとう。あー・・・」

 

「・・・・・・士道、ちょっと可愛いし・・・」

「ん?」

「な、何でもない!」

 

すぐに普段の皮が剥がれて、素が出る耶倶矢。かわいい。

 

耶倶矢があーんで食べさせてくれたのは美味しくいただいた所で、夕弦が士道の袖を軽く引っ張る。

 

 

「要請。士道、夕弦にあーんすることを所望します」

「あ、あぁ・・・良いぜ」

 

具をとって、夕弦が小さく開けた口に入れる。

 

「モグモグ・・・美味、とてもおいしいです」

「それは良かった」

 

大人しくて静かな夕弦に、子供っぽい一面があるようだがそれは微笑ましく見れる。かわいい。

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

「?」

 

ふと視線を感じたので見てみると、他の女子達が羨ましそうに見ていた。

 

(・・・八舞姉妹がいるからって、他の皆を放っておくのは駄目だよな)

 

士道は八舞姉妹を攻略しなければならないが、だからといって十香達をないがしろにしていいわけではない。

 

反省した士道は、十香達にもあーんをしたりされたりした。四人とも嬉しそうだ。

 

琴里は八舞姉妹を優先してと言ってたが、士道がお前も大事だからと言ったら顔を真っ赤にしながらも受け入れた。

 

その時・・・。

 

 

「お邪魔します!新たな美少女参加&だーりんにあーんをしてもらえると聞いてやって来ました!」

 

「邪魔するなら帰って~」

「はーい」

 

美九が乱入しようとして帰され「違います!させませんよぉ!」無かった。

 

「大体何で美九がここに?しかも今の状況を知ってるんだよ?」

 

「ふっふっふ、これもだーりんと美少女への愛が成せる技・・・と言いたい所ですけど、本当はこっそり覗き見してましたー」

 

「もしもしポリスメン?」

「あぁん、おまわりさん呼んじゃ駄目です!」

 

「もしもしポリスメン?」

「琴里さんもひどいですよー!」

 

「士道君、覗き見、ストーカー・・・うっ頭が・・・!」

「だ、大丈夫か折紙!?」

「大丈夫だよ十香さん・・・もう一人の私が涌き出てくるのを阻止しただけだから・・・」

 

「四糸乃ちゃん、美九さんみたいな女の子には、なっちゃ駄目だよ」

「え、あの・・・その・・・」

「栞ちゃん辛辣ぅ~」

 

「う~、皆意地悪です!本当はお菓子の差し入れに来たら賑やかなので、気になって見ただけですよー」

 

「わかってるよ、冗談だ」

「でも、私は深~く傷つきました。だから・・・そこの新しい美少女姉妹さん!私を慰めてくださあぁぁぁぁぁぁい!!」

 

「ひゃあぁぁぁ!こっち来たあぁぁぁ!?」

「戦慄、逃げられmモゴ」

 

「はぁはぁ、美少女成分がチャージされていきます・・・・・・あ、自己紹介が遅れましたー。私はアイドルやっている誘宵 美九ですよ!」

 

「「モゴモゴ」」

 

その後、士道が美九を引き剥がして落ち着いた所で改めて八舞姉妹と自己紹介しあったのであった。

 

ちなみに、士道は美九にも食べさせる事になったのであった。

 

 

そして夕飯後。八舞姉妹は精霊マンションの空き部屋の、同じ部屋に泊まる事になった。栞、折紙、美九は自宅に帰った。

 

琴里がマンションへ姉妹を案内している頃、士道は一人で風呂に入っていた。

 

「あぁ~、今日も疲れた。でも・・・耶倶矢と夕弦・・・か」

 

士道は今日出会った新たな精霊、耶倶矢と夕弦について考える。

 

二人が一人に戻る際、どちらかの人格が消える。だからこそ、どちらが残るかを決める。

 

「・・・・・・」

士道としては、二人が消えずに済む方法を見つけたい。でもそのような方法を二人が受け入れるだろうか?

 

(いや・・・ちょっと待て。二人は確か俺と会うまで99回戦っていて勝数が同じなんだよな?

 

49勝49敗1引き分けだと聞いたけど・・・二人の能力が互角だとしても、99回も決着がつかないのはあり得るのか?)

 

(流石にそれは考えづらい・・・・・・何か引っかかる。でもわからない)

 

二人の状況に違和感を感じたが、その詳細がわからず考え込む士道。

 

 

「入るぞ士道!我らが共に入浴してやろうぞ!」

「失礼。お邪魔します、士道」

 

「えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

そこに裸体にバスタオルを巻いて、耶倶矢と夕弦が入ってきたのだ。

 

「な、何で入ってくるんだよ!?」

 

「いつから八舞の寵愛が、あの程度で終わりだと錯覚していた?」

 

「同意。夕弦達のアピールフェイズは、まだ終了していません」

 

「なん・・・だと・・・」

 

戦慄する士道に、耶倶矢と夕弦が迫っていく。

 

「さぁ士道よ、我にその身を委ねよ。さすれば桃源郷にいるかのような快楽を与えよう」

「誘惑、耶倶矢にはない魅惑の果実を授けます」

「待て待て待て待て待て!?」

 

二人が士道にくっつき、体を当てて来るが士道は必死に理性を働かせて、その誘惑に耐える。

 

数分間の攻防の末に、何とか耶倶矢と夕弦を離すことに成功。

 

湯船に浸かるままの士道の隣で、二人は体を洗い合っている。何とか耐えきった事に安心した士道。先程まで考えていたことについては、また明日考え直す事にしたのだった。

 

 

そして、耶倶矢と夕弦はパジャマに着替えて精霊マンションの自分達の部屋、その寝室で一緒に寝ていた。

 

「手強い・・・・・・!」

「同調。士道は本当に難攻不落です」

 

「・・・・・・でもさ。士道はちゃんと気遣いとか出来てるよね」

「首肯。女の子への対応はよい方です」

 

「何か、悪くないし」

「同意。悪くない感じです」

 

「・・・ふん。それでも勝つのは我だ。士道を我が存在なくして生きられぬ忠実なる者へと変えてみせよう。そして、我こそが真の八舞となるのだ」

 

「否定。勝つのは夕弦です。士道は夕弦の魅力にくらくらのメロメロとなるのです。八舞の主人格も渡しません」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

翌日。八舞姉妹のデレさせ対決も残っているなか、今日もまた日は昇る。

 

朝食は自分を含めて六人分作り、食べ終わってから学校へ。

 

士道達が学校に行っている間、大人しく留守番する事を耶倶矢と夕弦に約束させた。

 

 

そして、授業を終えて放課後。

 

八舞姉妹の為に早く帰ることにした士道が、校門まで来ると、そこには待ち人がいた。

 

「待っておったぞ士道!」

「慰労。勉強、お疲れ様です。士道」

 

八舞姉妹がやって来た。来禅の制服を着て。

 

「二人ともどうしたんだ?」

 

「フフフ、お前を待っていたのだ、士道。

勉学より解放されし時を共に過ごす時間のために!」

 

「解説。琴里から聞きました。放課後デートというやつです」

 

二人は学生デートの定番の一つ、放課後デートをしたいらしい。

副担任となった令音が、「・・・今日はインカムを着けておいた方がいいよ」と言った事に納得した。

 

『士道。放課後デートというシチュエーションで行くわよ。いつでもサポート出来るわ』

 

琴里の声がインカムから聞こえる。フラクシナスクルーもやる気に満ちている。

 

「OK、じゃあ行くか」

「うむ!」

「同意」

 

 

まず最初はゲームセンター。

 

耶倶矢と夕弦が遊ぼうとしているのは、幻夢コーポレーションが開発したゲームのアーケード版だ。

 

「くはははは!ジェットコンバットは我の得意なゲームだ!この最高難易度もクリアしてみせよう!」

 

ーGAME OVERー

 

「・・・・・・」

「嘲笑。プークスクス」

「やめてさしあげろ」

 

「鼓舞。ドレミファビート、夕弦の得意ゲームです。最高難易度を攻略してみせましょう」

 

ーGAME OVERー

 

「・・・・・・」

「ぶはははは!だっさー!」

「やめてさしあげろ」

 

 

「せっかくいいところを見せてやろうと思ったのに」

「まぁ、そういうときもあるだろ。次は何処がいい?」

 

「提案。士道、あなたが決めてください」

「俺?」

 

「首肯。士道が選んでください」

「どのような所でも、我の魔性の魅力を見せてやろう」

 

 

(そうだな・・・どこにするか)

士道が考えていると、琴里から連絡が入る。

 

『士道。フラクシナスのAIが選択肢を出したわ』

 

フラクシナスのAIが、久しぶりに選択肢を表示したのだが・・・。

 

 

『①ボウリングで勝負。②喫茶店で休憩兼アピール。③大人になれるホテルで性なる対決。

 

・・・・・・総員選択、五秒以内。ただし③、テメーはダメだ』

 

『んもう、司令ったら。③が選ばれたら士道君と八舞姉妹がアハ~ンな事をしちゃうのが嫌だからって!

ブラコンな司令が可愛すぎて昇天しちゃいギィィィィィィィ!!ありがとうございます!』

 

フラクシナスクルーの皆による集計の結果、①が選ばれた。

 

 

早速行こうとしたその時、黒いゲームエリアが展開された。更に、突然奇声を上げてバグスターウィルスの集団が現れた。

 

全てがボロボロの服装で、動きもゾンビのようにぎこちない。

 

「え、ちょっ・・・なにあいつら!?」

「驚愕・・・何ですかあれは・・・」

 

『司令、突如バグスターが出現!ゲームエリアの展開も確認!』

 

『直ちに発生箇所を確認、恐らく檀 黎斗がいるはずよ!

 

士道、そいつらはきっとデンジャラスゾンビのバグスターウィルスよ!気を付けて!』

 

「もちろんだ!」

 

フラクシナスの面々が、ゲームエリアの中心に黎斗がいると考え、その特定を急ぐ。

 

「二人は動くな、あいつらは俺が倒す!」

「「士道!?」」

 

士道はガシャコンブレイカーを呼び出し、ソードモードにしてバグスター達に斬りかかる。

 

このバグスターウィルス達は、動きがゾンビっぽい事を除けば今まで通りの強さしかない。

 

ガシャコンブレイカーを手に縦横無尽に動き回って、バグスターウィルスを切り裂いていく。

 

後ろから不意討ちを仕掛けようとしたウィルスには、回し蹴りで対抗。

 

そして三分も経たずに、バグスターウィルス達を倒してしまった。

 

『司令!士道君達がいるところに向けて、車が走っています!』

 

『停車して人が降りました・・・檀 黎斗です!士道君の所に向かっています!』

『士道、檀 黎斗がそっちに!』

 

「あぁ・・・」

 

 

「見事だ、ますます強くなっているようだね」

「黎斗さん・・・何のつもりです」

 

琴里からの報告通り、檀 黎斗が姿を現す。

 

「両手に花・・・いや、両手に精霊というべきかな?」

「!?・・・今、精霊って・・・」

 

「私は既に、精霊の存在を把握している。

それに、昨日そこの二人が喧嘩していて、君が仲裁していた所は私も見ていたよ。見かけたのは偶然だがね」

 

『何て事・・・既に精霊の存在を知ってたなんて・・・!』

 

琴里は黎斗を警戒して精霊の存在を教えなかったが、既に知っていた事は知らなかったので、士道も琴里も驚いてしまう。

 

「さて・・・本題に入ろう。五河 士道・・・君の持っているガシャットを回収する。それらは私が作った物だ、返してもらうよ」

 

《デンジャラスゾンビ!》

「グレードX(テン)、変身!」

 

黎斗はガシャコンバグヴァイザーを装着し、デンジャラスゾンビガシャットを起動し、変身する。

 

《マイティアクションX!》

「第二変身!」

 

士道もゲーマドライバーを装着し、ガシャットを起動して変身する。

 

 

「嘘・・・変身した・・・!?」

「困惑・・・一体何が・・・!?」

 

耶倶矢と夕弦は士道と黎斗が変身した事に驚き、一歩下がる。

 

その際の足音が、二人の戦いを開始を告げるゴングとなり、二人の戦いが始まった!

 




次回予告

士道は黎斗と戦うが、不死身の力を得た彼に苦戦する。
更に、戦いだけでなく大変な事が起こる・・・。


第三話 Twinsを守れ!


「こんな事になるとはな・・・」


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