EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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三日連続更新です!

デアラのアニメが新シリーズ製作が決まり、今から楽しみです!

さて、今回登場する精霊ですが、原作より早い登場となります。理由は後書きに書きます。


第三章 八舞テンペスト
第一話 第三精霊・Berserk


仮面ライダーゲンム・レベルX(テン)との戦いから数日後。

 

壇 黎斗の野望を阻止すると改めて誓った五河 士道。そんな彼が今、何をしているのかというと・・・。

 

 

 

 

「さぁ、士道よ。この八舞 耶倶矢を選ぶがいい。

天上の甘露を味わえるぞ?」

 

「否定。耶倶矢を選んでも、得られるのはお子ちゃま体型だけです。是非、スタイルに自信のある、この八舞 夕弦に一票を」

 

「お!? お子ちゃまスタイルじゃないし!立派なレディスタイルだし!」

 

「溜息。胸の大きさが夕弦より小さい時点で、お子ちゃまです」

 

「小さ・・・っ!?私が気にしている事を~っ!」

 

「嘲笑。それが耶倶矢の限界です」

 

 

両手に花をしている。双子の美少女姉妹にして、風の力を持つ精霊。

 

八舞(やまい) 耶倶矢(かぐや)八舞(やまい) 夕弦(ゆづる)の二人である。

 

さて、何故こんなことになっているのかというと。

 

 

ーーーーーー

 

 

今朝。

 

「おはようだ、シドー!」

「おはよう、ございます・・・」

 

「あぁ、おはよう」

 

十香と四糸乃が五河家にやって来てご飯を食べる。これは当たり前の風景となっていた。

 

「シドー、今日の朝餉は何だ?」

 

「今日は焼きたてパンと野菜炒めだ」

「おぉ!」

 

どんな料理でもおいしく食べてくれる十香を見ると、作りがいもある。そう思いながら作っていく。

 

カットした野菜を油の引いたフライパンに入れて炒め、途中で、士道が作ったオリジナルの味の素(レシピは秘密)を入れて更に炒める。

 

これは士道が試行錯誤の末に編み出した物のひとつだ。

 

炒めている途中、パジャマ姿で白リボンをつけた琴里も起きてリビングに入ってきた。

 

 

「おはよ~」

「おはようだ、琴里!」

 

「おはよう。もうすぐ朝ご飯出来るぞ」

「はーい」

 

琴里は返事をすると、早速士道の隣にやってくる。

 

「おにーちゃん、何か手伝うことある?」

 

「もうほとんど終わってるからな。じゃあ、皿を並べてくれ。野菜炒めもあるから、大きめのを頼む」

 

「はーい!」

明るく返事した琴里が皿をテーブルに並べていく。琴里が並べた皿に出来立ての野菜炒めを盛る。

 

パンも焼き上がっている。バターを塗って野菜炒めを挟んで食べる。

 

これこそ野菜炒めのおいしい食べ方だ。

 

 

「「「いただきます!」」」

宣言した直後、一斉に野菜炒めを取りまくる。

 

しかし、十香が毎回多く取っていくため、山盛りにしておいた野菜炒めはみるみる減っていく。

 

士道は十香の相変わらずな食べっぷりに苦笑していた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

朝食後。片付けをして三人で学校へ向かう。

中学の琴里とは途中で別れて、十香と二人で歩いていく。

 

 

雑談しながら歩いていくと、途中で栞と折紙の二人と合流。

 

「おはよう。士道君、十香さん」

「二人とも、おはよう!」

 

「おはよう」

「うむ、おはようだ!」

四人で並んで登校する、この光景も当たり前になっていた。

 

校門に着いたところで、士道の友人である殿町 広人が士道に向かって突っ込んできた。

 

 

「士ーーー道ーーー!」

 

無言で避ける。

 

「ベフォア!」

カエルのように地面に倒れるが、すぐに復活した。

 

 

 

「士道貴様あぁぁ!美少女三人と登校?美少女を独り占めだと!?

男が一度は憧れるキャッキャウフフイベントをリアルで体験しているだと!!羨ましいんだよチキショーッ!そしておはよう!」

 

 

「おはよう。そしておやすみなさい」

「グンナイッ!?」

 

拳骨一発。これが一番早い広人への対処法。

痛がる広人だったが、一瞬で痛みが引いたのか、ケロッとして士道達の輪に入った。

 

教室に入り、各々が自分の席に着いたところで広人が話しかけてきた。

 

 

「そういや、最近多いよな」

「?何がだ?」

 

「突風だよ。ここんところ、急に強い風が吹き付けることが多くなっただろ」

 

広人の言うとおり、天気も時間も場所も問わず、世界各地で原因不明の強風が吹き荒れる事が多くなったのだ。

 

「まさか、ここでもそうなるとか?」

「んー、可能性はあるな」

 

「・・・そうか」

まぁ、強風といっても自然現象だ。必ず収まるだろう。そう思った士道は、これ以上考えなかった。

 

そこでタマちゃん先生が来たので、話は中断。ホームルームに突入。

 

 

放課後。士道は行きの時と同じ四人で下校。

 

「十香、学校には慣れてきたか?」

「うむ、勉強は難しいが、楽しいぞ!」

 

四人で歩いて、他愛のない事で盛り上がっていたその時、強風が吹き荒れる。

 

「だぁぁ!?」

 

広人の言っていた強風が、急に吹き出した。

 

「わわっ!?」

「やん・・・っ!?」

「きゃあっ!?」

 

十香と栞と折紙の悲鳴が聞こえたので急いで振り向くと、スカートがめくれて下着が見えていた。

 

白とピンクと水色であった。

 

男の子らしくそういう光景にドキドキしつつ、スカートを手で抑える三人に申し訳なく思いながら、風の吹いた方向を見ると、そこには女の子が二人で睨み合うように立っていた。

 

 

オレンジ色の髪をしていて、二人とも似たような顔立ちをしている。姉妹だろう。

 

何よりも目立つのは、服装だ。

 

ボンテージのように黒を基調とした露出の高い格好。

ベルトが巻き付いているようなものであり、首元には南京錠のようなものを付けていて、体には鎖が巻き付いている。

 

士道は精霊だ、と確信した。世界各地で起こっている突風の正体だろう。姉妹の精霊は初めてだ。

 

 

「皆・・・精霊が現れた」

「「「え!?」」」

 

士道は走って二人のいる現場へ向かい、他の三人も慌てて追いかける。

 

 

 

「夕弦よ。今宵この日、決着をつけようぞ」

「賛成。百回目のこの勝負を持って、終わりとしましょう」

 

「クックック・・・我は風の精霊王との契約者(コントラクター)。我の風は夕弦の風を上回る。大人しく降参するがよい」

 

「溜息。私達自身が風の精霊です。それに、負けるのは耶倶矢の方です」

 

どうやら仲はよくないのか二人の口論は加熱していき、ついに二人は戦おうとしだした。

 

精霊同士の衝突が危険と判断した士道は、止める為に行動する!

 

 

「折紙、ガシャコンソードを貸してくれ!」

「え!?」

「早く!」

折紙は驚きながらも、言われた通りガシャコンソードを呼び出して士道に貸す。

 

「三人はここにいろ!俺が戻ってくるまで、ここで待機だ!」

 

「シドー!?」

「士道!?」

「士道君!」

 

士道は全力で走りながらガシャコンブレイカーを呼び出して、ソードモードにする。

 

今まさにぶつかり合おうとしていた二人の間に入り、腕をクロスさせてガシャコンブレイカーとガシャコンソードを盾のようにして、二人を止めた。

 

「なっ!?」

「驚・・・愕!?」

 

「・・・痛ってぇ~!腕が痺れる感じだ・・・!」

 

精霊の攻撃を武器で受け止めたが、流石に衝撃は防げず腕に痺れるような痛みが走るが、それ以上の悪影響は無いようですぐに収まった。

 

 

「お前、一体何者だ?我らの決闘を邪魔するとは」

「俺は五河 士道。さて、ひとつ聞くが、君達は精霊か?」

 

「「!?」」

 

「俺はちょっと訳ありでな、精霊の事を知っているんだよ・・・で、お前達は何で争ってるんだ?」

 

「・・・ふ。いいだろう、教えてやる。ただし、ひとつ条件がある」

 

「何だ?」

 

士道が訪ねると、女の子はチラチラと士道の持っているガシャコンブレイカーとガシャコンソードを見ている。

 

「あなたの持ってるその剣・・・私も持ってみたいんだけど・・・」

「いいぞ、ほら。あ、青い剣は仲間から預かったやつだから乱暴にしないでくれよ」

 

士道が柄の部分を向け、それを手に取った。

 

「あ、ありがとう!私、八舞 耶倶矢!」

 

「さっきも名乗った通り、五河 士道だ。士道って呼んでくれ。それにしても君、そっちが本当の自分?」

 

「うっ・・・そうなんだよね。精霊っていう、人間を超越した存在だから、それらしい態度でいた方がいいって思って・・・・・・変かな・・・?」

 

「大丈夫だって。それくらいなら、充分個性の範囲内だって。それに、どっちもかわいいと思うぞ」

 

「!?・・・あ、ありがとう・・・」

 

耶倶矢は顔を赤くしながらお礼をいって、少し離れて、振るう。

 

 

「おおぉ!かっこいい・・・」

 

目を輝かせ、色々な方向に振るうその姿は、欲しかったおもちゃを得られた子供みたいで微笑ましい。

 

しかし、耶倶矢はちょっとドキドキする事や赤くなった顔を隠すため、あえてオーバーに振る舞っていたが士道はそこまでは気づけなかった。

 

すると、もう一人の方が士道の肩を軽く叩く。振り向くと、もう一人の子がいた。

 

「確認。あなたは耶倶矢を口説きたいのですか?」

 

「いや、そんなつもりは無くて。ただ、家族で争うなんて悲しい・・・そう思ってな」

 

「・・・家族」

 

 

「俺にも妹がいてな。兄妹を持つものとして、何か放っておけなくてな」

「納得。そうですか」

 

「まぁ、二人の事情も考えずに割り込んでごめん」

 

「謝罪。こちらも周りを考えずに戦おうとしてしまいました。謝るのはこちらです」

 

「じゃあ、改めて自己紹介な。俺は五河 士道」

 

「自紹。八舞 夕弦と申します。よろしくお願いいたします、士道。私の事は夕弦とお呼びください」

 

「OK、夕弦。早速だが、何で争っているか教えてくれないか?」

 

「了解。まず・・・」

 

ガシャコンウェポン二刀流を振るっている耶倶矢を置いて、夕弦が説明をする。

 

曰く。

 

 

二人は元々は一人の精霊だったが、何らかの原因で二人に別れてしまったらしい。

 

一人に戻ること事態は可能だが、その場合、どちらかの人格は消えてしまうという。

 

そこで、どちらの人格を残すかを決めるため、様々な方法で対決して決めようとしている。

 

「・・・・・・そうか」

「首肯。今回で百回目になります」

「夕弦よ。我は勝負方法を決めたぞ」

 

すると、満足したのか、耶倶矢が戻ってきて士道にガシャコンウェポンを返してくれた。

 

「疑問。勝負方法とは?」

 

「それは・・・・・・女性としての魅力だ!どちらが士道をデレさせるか、それで勝負だ!」

 

 

「・・・・・・え?」

「驚愕。魅力、ですか・・・・・・結論。夕弦も異論ありません」

 

「士道よ。我らはこれからお前に様々なアプローチをかける!そして、その上で我と夕弦のどちらが魅力的な女性か・・・それを決めよ!」

 

「肯定。決定権は士道の物です」

 

「・・・・・・なんでさ」

二人の話を聞いて、士道はそう呟くことしか出来なかった。

 

 

 

そして、士道は十香達と合流。折紙にガシャコンソードを返却して皆に簡単に事情を説明。

耶倶矢と夕弦には来禅高校女子の制服をコピーしてもらった。

 

士道の家に向かう途中二人は士道と腕を組んで、様々なアピールを仕掛けていく。

 

十香達は事情が事情とはいえ、嫉妬心から後ろでほっぺを膨らませたり、悲しそうな表情をしていた・・・・・・。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

そして、冒頭に繋がる。姉妹を両手に花である。

 

一応、琴里には電話で連絡済みである。一旦家に帰り、そこで話し合うことになった。

 

 

「士道よ。夕弦の脂肪と魔性の固まりに惑わされてはいかん。我の体こそ、女の魅力を体現しておるぞ!」

 

「反論。夕弦の胸には魅力と母性が詰まっています。耶倶矢のお子ちゃまスタイルには存在しないものです」

 

「お子ちゃまスタイルしつこいし!ってゆーか、平均以上だし!」

 

 

「うぅ・・・シドー・・・」

「士道・・・・・・」

「士道君・・・・・・」

 

美少女な姉妹精霊こと耶倶矢と夕弦に腕を組まれ、攻略されそうになり。十香と栞と折紙はヤキモチを妬いていて・・・。

 

「・・・・・・」

 

士道はこれから自分がどうなるのか、不安になっていた・・・。




次回予告

士道は八舞姉妹と一緒に、色々な事を経験していく中で少しずつ心を通わせていく。


第二話 デレさせWars!?


「いつから八舞の寵愛が、あの程度で終わりだと錯覚していた?」

ーーーーーーーーーー


原作より早く、二巻と三巻の間に八舞姉妹が登場となりました。

理由としましては八舞姉妹の話と、エグゼイド本編の十三話・十四話は相性が良いと思ったからです。

士道が新たなガシャットによって得た力と謎は、八舞姉妹の問題と似ている所がありまして、この話をするなら八舞姉妹も入れた方が良いと考えたのです。

五巻の話になった時は、また別の精霊とデートをする事になります。

ご了承いただけると幸いです。

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