EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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久し振りに、SP話の更新です。


第SP話 狂三のエピソードZERO・2

時崎 狂三が、ゲーマドライバーとプロトバンバンシューティングガシャットを手に入れて数日。

 

狂三はその間に一人のゲーム病患者の治療の為に、感染者から出現したバグスターユニオンと戦おうとしていた。

 

狂三はゲーマドライバーを装着し、プロトバンバンシューティングを銃のように持って、人差し指でスイッチを押す。

 

 

《バンバンシューティング!》

 

モノクロのタイトルが表示され、ゲームエリアが展開。エナジーアイテムを収納したドラム缶も複数個現れた。

 

狂三はガシャットを銃を回すように器用にクルクルと回し、回転を止めて構える。

 

そして、ゲーマドライバーにガシャットを入れた。

 

 

「変身」

 

《ガシャット!レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!?》

 

《アイム ア カメンライダー!!》

 

全身がモノクロの、仮面ライダースナイプ・レベル1に変身した。

 

《ガシャコンマグナム!》

ガシャコンマグナムを持ち、銃口をバグスターユニオンに向ける。

 

「ミッションスタート!」

 

 

狂三がエネルギー弾を放つ。それは全弾命中してバグスターユニオンにダメージを与えたが、バグスターユニオンは狂三に突進攻撃を繰り出す。

 

突進を横に飛んでかわし、レベル1特有の身軽さを駆使して翻弄。

 

狙いの定まらないバグスターユニオンに隙を見てエネルギー弾を撃ち、ダメージが蓄積したのを見計らい、一旦止まって体を高速回転させる。

 

すると、弾丸型のエネルギーを纏った状態になり敵に突撃。その強力な攻撃によってバグスターユニオンは爆発、倒された。

 

同時に、患者の体からもバグスターウィルスの消滅がCRでも確認された。

 

バグスターユニオンが倒された事を確認して、狂三はガシャットを抜いて変身を解いた。直後・・・。

 

「くっ・・・!?」

狂三は突然苦しむように呻き、膝を付いてしまう。

 

これは、プロトガシャットを使用した"副作用"だ。プロトガシャットの力は強いが、体に負担が掛かる。

 

「体に負担が掛かるとは聞いていましたし、覚悟もしていましたが・・・・・・これほどとは」

 

体に掛かる負担が予想よりも大きく、狂三は少しの間動けなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

その後、ようやく動けるようになった狂三はCRによって報告と患者の見送りを済ませ、外に出てから誰もいない所で立ち止まる。

 

すると、精霊の能力で生み出した分身態と合流。以前依頼した黎斗についての報告を受けた。

 

「わたくし、どうでしたの?」

「見張りを始めて数日。檀社長には怪しい所は全くありませんでしたわ。普通に仕事をしていましたわよ」

 

「・・・・・・そうですか。では、引き続き監視の続行を」

「かしこまりましたわ」

 

狂三の分身態は一礼し、去っていく。その後で、狂三は幻夢コーポレーションに立ち寄り、黎斗と直接話していた。

 

 

「時崎さん。仮面ライダーに変身しての戦闘はいかがだったかな?」

「やっぱり、体に掛かる負担が問題ですわね。何とかなりませんの?」

 

「申し訳ない。今の技術ではそれが精一杯なのだが、もっと研究して技術も向上すれば、体に負担なく使えるガシャット・・・正規版を開発したいと考えているんだ」

 

「なら、その為にもっと変身してデータを寄越せ・・・と。まぁ、以前言った通りギブアンドテイクですわね」

 

「副作用については、今後調整をして少しでも減らしたいと考えている。

少しでも長く使ってもらいたいし、そうすればもっと多くのデータを得られる。確かに、ギブアンドテイクだね」

 

「そうですね。まぁ、負担が減るならありがたいですわ、是非お願いしますわね」

「承知した」

 

 

一礼して部屋を出る狂三。黎斗はパソコンに送られている戦闘データに目をやる。そして、プロトガシャットを調整する準備を始めた。

 

狂三を利用しているとはいえ、長く使ってもらいデータを多く得たいというのは、嘘偽り無い本音であるからだ。

 

すると、社員の者がやって来て、例の人物が来たと告げる。黎斗はすぐに通すように伝えると、その人物が入ってきた。

 

黎斗は笑顔で迎え入れた。

 

「ようこそ、新しい適合者。君を歓迎するよ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

狂三は幻夢コーポレーションの屋上で風に当たっていた。

 

「やはり、簡単には尻尾を掴ませてくれませんか・・・いえ、それともわたくしの考えすぎですの?」

 

黎斗の黒い部分は掴めず。まぁ、時間がかかるだろうと思い待つことにした。その時・・・。

 

 

「こんにちは~なのです♪」

「きゃっ!?」

 

突然、誰かが自分の腕に抱きついてきた。思わず可愛い悲鳴を上げてしまう狂三。

 

その人物はすぐに離れて、狂三の正面に立った。

 

 

肩までまで伸びているセミロングで赤銅色の髪は、空から降り注ぐ太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。着ている服は、白いTシャツに赤いフレアスカート。

 

「初めまして!あなたが檀社長が言っていた適合者の人?とっても可愛いのです!」

 

「・・・まさか、あなたも?」

 

「はいなのです!新しく適合者になった風鳴(かざなり) (かおる)といいます、よろしくお願いするのです!」

 

ビシッと敬礼していながら、満面の笑顔で挨拶をするこの少女・・・風鳴 薫。薫こそ、狂三に続く二人目の適合者だ。

 

薫はゲーマドライバーとプロトガシャットを取り出して見せた。

バイクレースゲームの、プロト爆走バイクガシャットだ。

 

 

「そうでしたの・・・わたくしは時崎 狂三と申しますわ。スナイプという銃撃の仮面ライダーですわ」

「はいなのです!」

 

薫が握手を求めて手を差し出す。狂三もそれに応じた。それから。

 

 

「それでですね、私には妹の栞っていう子がいるんですけど、これが本当に可愛いのです!あの子の笑顔だけでご飯が進むのです!」

 

「はぁ・・・」

 

薫と狂三の会話となったのだが、薫が一方的に話しており、狂三は相槌を打つだけであった。

 

薫の勢いに飲まれ、全く対応出来ないからなのだが、薫についてはある程度把握できた。

 

薫は日本の国防を担う「風鳴一族」の一人である。

 

自分の信念から、医者になるために医療の大学に通う大学一年生である事。妹が大好きである事。好きなものはバイクとスイーツ・・・等々の話を。

 

(こういう人は、少し苦手ですわ・・・)

 

薫のような人物と接するのは少し苦手なのだが、話が終わるまで離れられなさそうなので、相槌を打っていた。

 

 

「それで、時崎さん・・・いいえ、これからは"くーちゃん"と呼んで良いですか?」

 

「はぁ・・・・・・はぁ!?くーちゃん!?」

 

「だって、名字だとちょっと呼びづらいですし。これからは一緒に戦うパートナー同士なのですから、もっと親しくしたいのです!」

 

「だからって、くーちゃんは・・・!しかもパートナーって決定事項ですの!?」

 

「えへへ~。一緒に戦うパートナーが、くーちゃんみたいな可愛くて綺麗な子で嬉しいのです♪」

「・・・・・・」

 

薫は満面の笑顔で、本当に嬉しそうに語る。

 

 

「これからが不安ですわ・・・・・・」

狂三はこれからの事に不安しか感じなかった。

 

しかし、この時の狂三は知らなかった。

 

風鳴 薫とは、狂三にとって新たな親友と呼べる程に強い絆で結ばれる事を。

 




次回予告

バグスターに対して、コンビで戦う事になった狂三と薫。薫は狂三と仲良くなりたいと思い、自ら歩み寄っていく。


第SP話 狂三のエピソードZERO・3


「ノリノリで行っちゃうのです!」

ーーーーーーーーーー

薫を本格的に登場させました。シンフォギアシリーズに出てくる風鳴一族の一人でもあります。

そして、薫は医療の大学に通う大学一年生としました。

一章八話の薫についての説明も、大学生であるという説明を追記しました。

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