EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

21 / 54
お待たせいたしました。

やっと点を小さく出来たので、今後は小さい方を使っていきます。


この作品にも評価が付きました。高く付いていて、すごく嬉しかったです。

これからも頑張って書いてまいります!



第十話 狂三がFlying!(前編)

栞がギリギリチャンバラガシャットを手に入れた日の事。

 

幻夢コーポレーション内にグラファイトがいた。

 

 

ブレイブ・・・折紙との戦いで受けた傷も癒えて動ける状態であったが、新たな仲間であるコラボスバグスターが次々と倒され、残り一体になってしまった事に怒りと焦りを感じていた。

 

「俺達の仲間が・・・くそっ!!」

 

「落ち着けグラファイト。仲間のバグスターが倒されると冷静さを失うのが、お前の悪い所だぜ。アイス食うか?」

 

「パラド・・・アイスはいらん」

 

グラファイトを落ち着かせるパラド。アイスキャンディを差し出すがグラファイトは断り、パラドは一人で食べる。

 

グラファイトはこれ以上は何も言わず、背を向けて歩きだす。

 

 

「せめてコラボスの最後の一体だけでも、完全態に・・・!」

そう言って部屋を出たグラファイトを、パラドは見つめていた。何を考えているかは、わからないが・・・・・・。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

栞がギリギリチャンバラガシャットを手に入れた日から数日後。もうすぐ五月になる日の事。

 

 

時崎 狂三は公園で野良猫と戯れながらのんびりと過ごしていたが、ジョギングをしていた女性が突然、狂三の前で倒れてしまった。

 

「あらあら・・・」

 

狂三は女性に駆け寄り、持っていたスコープで見てみると、ゲーム病であることを示すマークが出ていた。

 

「・・・・・・」

狂三はCRに連絡を入れて、救急車が来るまで付き添った。

 

 

女性・・・・・・岩代はCRに搬送された。狂三は病室の機材でスキャンして状態をモニターで確認する。

 

ウィルスは進行しており、いつバグスターが出て来てもおかしくない。

 

ちなみに、今の狂三は黒を基調としたドレス風の私服の上にCRの制服の上着だけを着ているという姿だ。

 

 

「私は・・・・・・病気、何ですか?」

「そうですわ、このまま放っておけばあなたは消えてしまいます。ですが、わたくしが何とかしますわ」

 

「あなたが、治してくれるんですか?」

「えぇ」

 

狂三が頷くと岩代は突然苦しみだし、その体からバグスターユニオンが出現。

 

狂三はゲーマドライバーを装着して、バンバンシューティングガシャットを起動。

 

 

《バンバンシューティング!》

「変身」

 

スナイプ・レベル1に変身し、ステージセレクトで開けた草原のゲームエリアに入る。

 

コラボスバグスターは、ミサイルを口から吐き出して発射した。狂三は高くジャンプして避けて、体を回転させて巨大な弾丸の姿になり、体当たりを仕掛ける。

 

一回でなく、軌道を変えながら複数回攻撃し、トドメに上から急落下し、頭上からバグスターユニオンを攻撃。

 

その攻撃で、バグスターユニオンは限界を越えて倒された。

 

 

すると、コラボスバグスターが出現した。

 

頭に刺さっているガシャットを見て、狂三はそのゲームを特定した。

 

「"ジェットコンバット"。戦闘機を操作して空中の敵を撃ち落とす、フライトシューティングゲーム・・・・・・キヒヒ、わたくしに相応しいガシャットですわね。是非とも手に入れなければ・・・第弐弾」

 

 

ゲーマドライバーのレバーを開き、レベル2になる。

 

ガシャコンマグナムで撃つが、コラボスバグスターは飛行能力を得ている為、空を飛びながら回避していく。

 

Aボタンを押して砲身を展開させて、ライフルモードに変形させて狙いを定めて射撃を行う。しかし、それも回避されてしまう。

 

コラボスバグスターは反撃として、空中から銃弾やミサイルを撃ってくる。

 

狂三は走ってかわし、物陰に隠れた。

 

 

「厄介ですわね・・・・・・どうしましょうか」

空中にいる状態のコラボスバグスターの相手に苦戦する狂三。

 

どうやって動きを止めるかを考えていた所で、ゲームエリア内にグラファイトが現れた。

 

 

「お前が最後のコラボス。俺が守ってやる」

 

グラファイトはコラボスバグスターと一緒に姿を消した。

 

狂三は物陰から出て、先程までグラファイトがいた場所を見つめた。

 

 

数秒して、狂三は変身を解除。元のCRの病室に戻る。

ベッドの上には苦しむ岩代の姿が。

 

「・・・・・・ご安心を、必ず助けますわ」

狂三は岩代に優しく囁き、病室を後にした。

 

すると、連絡を受けて駆けつけた士道、折紙、栞の三人と合流した。

 

 

「狂三さん」

「あら、士道さん。折紙さんと栞さんも」

 

「患者の様子は?」

「バグスターが出た影響で、ウィルスは進行中。これから、逃げたバグスターを追いかけて倒しますわ」

 

 

「何か、手伝える事は?」

 

「そうですね、バグスターはグラファイトが連れていきました。ですので、グラファイトとバグスターを探すのを手伝っていただけますか?」

 

「わかった。二人も良いか?」

「「はい!」」

 

「ありがとうございますわ」

 

 

指示を出した狂三は、CRから出てコラボスバグスターを捜索する。

 

狂三一人で・・・・・・否。

 

 

「お願いしますわ、"わたくし達"」

「「「「「畏まりましたわ、わたくし」」」」」

 

()()()()()()()が狂三の背後で返事をした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一時間後、廃工場地帯。

 

グラファイトとコラボスバグスターは工場内部で待機していた。

 

患者がゲーム病で苦しむストレスで消滅するのを待っていた。

 

少々格好悪いという気持ちもあるが、完全態にするために手段は選んでいられない。

 

グラファイトが小さく息を吐いたその時・・・・・・!

 

 

 

「「「見つけましたわ」」」

 

 

「!」

工場内部に、狂三の声が響く。それも、一人ではなく複数人の声だ。

 

グラファイトとコラボスバグスターは、すぐに工場の外に出る。すると、出口の暗がりから複数の狂三が出てきた。

 

狂三が精霊としての力を使って出した、狂三の分身達だ。

 

 

「スナイプ・・・・・・そうだ、貴様も精霊だったな」

 

複数の狂三の中央から、狂三本体が姿を現した。

手にガシャコンマグナムを持っている。

 

ガシャコンウェポンは、対応するガシャットを持っていれば変身しなくても使用可能だ。

 

 

「わたくし達、ありがとうございました。下がってくださいな」

狂三の言葉に従い、狂三の分身体達は足元の影に潜って姿を消した。

 

 

グラファイトは、ファンガイアから貰った短剣を持って構え、走って先に攻撃を仕掛ける。

 

素早く接近し、短剣を一閃。狂三はそれをバックステップでかわしてマグナムを撃つが、撃たれた弾を短剣で切り裂いて防がれた。

 

 

コラボスバグスターも援護に加わる。

 

最初と同じように空中を飛びながら撃ってくるが、狂三はそれをダンスを舞うように体を回転させながら移動してかわす。

 

そして、回転している途中に攻撃を加えていく。その弾は全てではないものの、ある程度は命中してコラボスバグスターにダメージを与えた。

 

 

グラファイトがジャンプして空中から短剣を素早く幾つもの斬撃を放つ。

 

それは真空刃のようになって、複数が空気を裂きながら狂三に襲いかかる。

 

狂三は襲い来る真空刃に対して、正面に素早く走って真空刃をかわし、グラファイトに飛び蹴りを当てる。

 

腕をクロスさせて防いだグラファイト。その上からコラボスバグスターが今まで以上の弾幕をはる。

 

しかし、狂三は既に対抗策を考えていた。

 

 

《バンバンシューティング!》

「第弐弾、変身!」

 

ゲーマドライバーを装着し、ガシャットを入れてレバーを開き、直接レベル2になる狂三。

 

狂三はコラボスバグスターの弾幕を撃ち落とそうと、弾を撃ち続ける。

 

撃たれる弾。相殺される弾。地面に着弾する弾。

狂三とコラボスバグスターの銃撃戦は続いた。

 

 

ここで、コラボスバグスターの意識が完全に狂三に夢中になった隙に・・・!

 

「っ!?」

 

コラボスバグスターは、背後から銃撃を受けて地に落ちた。

 

撃ったのは、狂三の分身体だった。一体だけ別所に隠し、コラボスバグスターを撃ったのだ。

 

空を飛ぶコラボスバグスターの隙を作る為に考えた事だ。

 

 

グラファイトもその事に気付き、狂三を倒そうと動くが、新たに現れた分身体二人がグラファイトを捕まえて拘束する。

 

「貴様ら!」

「邪魔はさせませんわ」

「大人しくしてくださいまし」

 

 

分身体がグラファイトを抑えている間に、コラボスバグスターを倒すために動く。

 

バンバンシューティングガシャットをドライバーから抜いて、ガシャコンマグナムのスロットに入れる。

 

 

《ガシャット!キメワザ!》

《BANBAN CRITICAL FINISH!!》

 

クリティカルフィニッシュを発動し、エネルギーが増幅された弾を撃つ。

 

その弾は、分身体の攻撃で地に落ちたコラボスバグスターに直撃。爆発して倒された。

 

《GAME CLEAR!》

 

コラボスバグスターは倒され、ジェットコンバットガシャットを無事に入手した。

 

 

「これが私の・・・レベル3のガシャット」

 

手に入れたジェットコンバットガシャットを見ていると、分身体を振り切ったグラファイトが怒りを顕にしていた。

 

 

「最後のコラボスが・・・・・・許さんぞスナイプ!!培養っ!!」

 

《INFECTION!THE BUGSTER!!》

 

グラファイトは怒りのまま怪人態になるが、グラファイトの言葉を聞いて、狂三も低い声で答えた。

 

「・・・・・・許せないのは、わたくしもですわ」

 

 

そこに戦闘の知らせを受けて駆けつけた士道、折紙、栞もやって来たが、狂三の様子がおかしい事に気付いた。

 

「あなたも消したではありませんか。プロトレーザー・・・・・・薫さんを!わたくしの新しい友達を!!」

 

 

心から沸き上がる激情を吐き出すかのように、狂三は叫ぶ。変身しているので顔も隠れているが、その表情は怒りに満ちていた。

 

 

「己の目的の為に全てを捨てた筈のわたくしに、もう一度友の大切さを思い出させてくれた薫さんを・・・・・・消したあなたが許せない!!」

 

「俺も・・・許せない・・・!友を次々と消し去る貴様ら仮面ライダーが許せない!」

 

 

狂三とグラファイト、双方の怒りに士道達は気圧されるが、栞は狂三が薫の事を大切に思ってくれていた事を知り、嬉しくなった。

 

しかし、その嬉しい気持ちも狂三とグラファイトの重圧で押し潰されていく。そして・・・・・・!

 

 

 

「スナイプウゥゥゥゥゥゥゥ!!」

「グラファイトオォォォォォ!!」

 

狂三とグラファイトの戦いは、お互いの名を叫んで始まった!

 




次回予告


ぶつかり合う狂三とグラファイト。冷静さを失い、怒りのままに戦う狂三に対して、士道達は・・・。


第十一話 狂三がFlying!(後編)


「わたくしによる空の銃撃、お見せしますわ」


ーーーーーーーーーー

狂三は薫と出会った事で、原作と変わっている所があります。
詳細は狂三のエピソードZEROで語るので、お待ち下さい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。