EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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お待たせしました。

長くなりそうなので、前編後編に分けさせていただきます。


第四話 Clashする戦士達!(前編)

「見つけたぞ、五河 士道。いや・・・エグゼイド!」

 

「お前・・・バグスターだな」

 

「俺はグラファイト。誇り高きバグスターの戦士!」

 

 

グラファイトは士道を指差す。

 

「エグゼイド。貴様達は多くの仲間を倒した。その罪、死をもって償え!」

 

 

「死なねぇよ。俺は生きて、戦う」

 

 

『・・・士道?一体何が起こってるの!?説明して、その男を知ってるの!?あの怪人は何!?』

「琴里、話は後だ・・・・・・行くぞぉ!!」

 

士道は叫び、グラファイトに向かって走り出す。

 

「お前は手を出すな」

グラファイトはコラボバグスターに言い、迎え撃つ。

 

 

走る士道は、その勢いを利用してジャンプ、上から殴りかかる。

グラファイトはそれを横に少し動いてかわし、すぐに右足でキックを放つ

 

士道は咄嗟に身を屈めてキックをかわしてグラファイトへ向けてアッパーを放つ。

 

しかし、グラファイトはそれを読んでいたのか余裕で回避する。

 

そして、グラファイトもアッパーを放ち、それは士道に命中した。

 

 

「がっ・・・」

「ふん!」

 

痛みで怯んだ所を、腹に突っ張りの様に掌で打撃を放つ。

 

今度は命中し、士道は少しだけだが吹っ飛び地面に倒れる。

 

「シドー!!」

「大丈夫だ!まだやれる!」

 

「ふん・・・」

 

駆け寄ろうとする十香を手で制する士道。グラファイトは士道に素早く接近し、士道の頭を掴んで放り投げる。

 

 

「はぁ!」

放り投げられ、宙に浮く士道にグラファイトはキックを放つ。命中し、十香のすぐ側まで吹っ飛ばされる。

 

 

「諦めろ。お前では俺に勝てない」

 

「シドー!!」

『し、士道・・・すぐに逃げて!そいつから離れたらフラクシナスで回収を・・・!』

 

傷つき、苦しむ士道に十香と琴里は涙声になりながらも声をかける。

 

琴里も必死だった。士道が狙撃された時も、復活出来ると判っていながらも、罪悪感と恐怖と悲しみと苦しみで押し潰されそうになっていた。

 

 

士道を精霊への交渉役という重すぎる宿命を背負わせてしまい、人々の・・・そして世界の未来を士道に背負わせてしまった。

 

その罪悪感でいっぱいだ。しかし、士道は・・・。

 

 

「諦めるわけ・・・・・・ねぇだろ!!」

 

決して諦めない。彼は立ち上がる。

グラファイトは、そんな士道の姿に少しだけだが感心した。

 

「諦めが悪いな。だが、戦士としては及第点だ。俺も戦士として、全力で答えよう」

 

グラファイトは、右手に黒いグリップを持ち、左手で中央にモニターが、左右にAボタンと銃口・Bボタンとチェーンソーの刃が付いている機械・・・「ガシャコンバグヴァイザー」を手に持った。

 

Aボタンを押して、待機音がなっている中で。

 

 

「培養」

 

その掛け声の後、バグヴァイザーを右手のグリップと合体させる。そして・・・・・・。

 

 

《INFECTION!》

 

《Let's Game! Bad Game! Dead Game! What's Your Name!?》

 

《THE BUGSTER!!》

 

 

グラファイトは光と共に、緑色の龍人の様な怪人体に姿を変えた。

 

「なっ・・・!?」

 

『な・・・あの男も怪人!?』

『・・・何なんだ、一体・・・』

 

隣の十香から、インカムから琴里や令音達フラクシナスクルーの驚きの声が出る。

 

無理もない。十香達はバグスターの事を今、初めて見たのだから。

 

 

「エグゼイド、お前を倒す。そして、精霊を殺す」

 

「・・・・・・何だと?」

「精霊の存在と力は、俺達にとっても驚異となるだろう。そうなる前に殺すのだ」

 

グラファイトの言葉に、士道は・・・・・・キレた。

 

 

 

「ふざけるなあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

怒りの叫びを上げ、グラファイトを睨み付けたまま、ゲーマドライバーを取り出して装着。

 

マイティアクションXのガシャットを取り出して起動。

 

 

《マイティアクションX!》

 

音声と共に、ゲームのタイトル画面が出て、ゲームフィールドが展開される。

 

 

「させねぇよ!十香には、指一本触れさせない!」

 

「シドー・・・?」

 

士道の人格が変わる。『S』の人格になると同時に、目が赤くなった。

 

十香も士道が変わった事に気付き、困惑してしまう。

 

士道は『S』の人格になると、性格が普段よりも好戦的な感じになり目が赤くなるのである。

 

しかし、他人を思いやり苦しむ者を救いたいという優しさは何も変わらない。

 

 

 

 

「十香の運命は、俺が変える!!」

 

 

 

「変身!!」

 

 

決意を口にした士道は、ゲーマドライバーにガシャットを入れ、エグゼイド・レベル1に変身した。

 

「第二変身!」

 

更に、レバーを開いてレベル2へ。

 

 

「シドー・・・シドーも変わって・・・」

『士道・・・?』

 

「はぁ!!」

 

士道はガシャコンブレイカーを呼び出して、グラファイトの元へ走っていく。

ここで、グラファイトだけでなくコラボの方も動き出す。

 

グラファイトは、鋭い龍の牙のような双刃の武器「グラファイトファング」を持って、士道へ斬りかかる。

 

士道は横っ飛びで避けて、コラボのパンチにはブレイカーのハンマーを叩きつけて相殺。

 

グラファイトがファングで刺突を繰り出す。刺突を避けきれず受けてしまった士道は地面に倒れ、転がる。

 

しかし、すぐに起き上がってすぐ横にあるチョコブロックを破壊してエナジーアイテムを修得する。

 

 

《高速化!》

 

高速化のエナジーアイテムを修得、高速移動を行いながら、二人のバグスターに攻撃を仕掛けていく。

 

 

高速移動を駆使して、バグスター達に攻撃を次々と当てていく。すると、グラファイトは武器を構えて動かなくなる。

 

士道が攻撃の為に接近してきたのを見計らって・・・。

 

「はぁ!」

「なっ!?」

 

居合い切りの様に横に斬りつける。それは士道に命中した。火花を散らして倒れる士道。

 

胸元を見ると、ライダーゲージは残り70%位だろう。

ゲージがゼロになったら消滅して死亡してしまう。

 

グラファイトは、今まで戦ってきたバグスターの中で一番強い。だからといって、士道に逃げるという選択肢は存在しない。

 

十香を守るために、士道は立ち上がる。

 

 

「まだ立つか、その心意気は戦士として相応しい。しかし・・・実力が無ければ、俺は越えられない!」

 

グラファイトが武器にエネルギーを溜めて、士道に向けて放とうとしたその時、背後からの攻撃がグラファイトに命中。

 

攻撃は中断された。

 

 

「ぐっ・・・誰だ!」

 

グラファイトの問いに答える様に、その人物は「地面から」姿を現した。

 

仮面ライダースナイプ、時崎 狂三だ。すでにスナイプに変身済である。

 

「お久しぶりですわね、グラファイト。会うのは四年ぶりですわね」

「貴様・・・スナイプか!」

 

 

「狂三さん!」

 

「遅くなってすみません、士道さん。グラファイトの相手はわたくしが引き受けますわ。こいつとは因縁がありまして。それと、助っ人も連れてきましたわ」

 

 

狂三が言い終えると仮面ライダーブレイブ、鳶一 折紙と仮面ライダーレーザー、風鳴 栞が駆けつけた。

 

レベル2となった折紙が、同じくレベル2になった栞を運転してやって来たのだ。

 

折紙と栞は、士道の前で停車する。

 

「五河君、遅くなってごめんね!」

「私達も加勢するのです!」

 

「ありがとう、助かるぜ!」

 

折紙が降りて、変わりに士道が乗る。アクセルを吹かしてコラボバグスターに向けて走り出す。

 

運転したままガシャコンブレイカーの剣で切り裂いていく。

 

コラボバグスターは攻撃が強い分小回りは利きづらい方なのだろう。大きな拳も空振りが続く。

 

一方、折紙と狂三はグラファイトと交戦していた。

 

決して仲が良いとは言えないが、グラファイトという共通の敵を前に、剣と銃がコンビネーションを発揮して戦う。

 

狂三が放つ銃弾を防いだ隙に折紙が斬りつける。

時折フェイントを混ぜていくなか、グラファイトは一旦距離を取る。

 

 

「・・・これを試すか」

グラファイトは、ファンガイアから貰った短剣を取り出す。

 

その短剣に力を集中させると、赤く禍々しい光が集中し・・・。

 

 

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「「「!?」」」

 

降り下ろした短剣から強大な力が放たれ、それは斬撃となる。

 

その威力は、十香の天使から放たれる斬撃に匹敵する程の力になる。地面を深く長く切り裂いた。

 

 

「シドォォォォォォ!!」

 

手を伸ばす十香。巻き上がる煙から、士道が現れる。

両手に折紙と栞を抱えている。

 

しかし、変身が解けてしまっている上、体にダメージを負ってしまっている。

 

先程の斬撃をいくらか受けてしまったのだ。

 

 

十香の隣に着地して、二人を優しく下ろす。

 

「二人共、大丈夫か!?」

「士道・・・ごめん、なさい・・・です」

「足手まといに、なっちゃったね・・・」

 

 

「大丈夫だよ。十香・・・悪い、二人を見ててやってくれ」

「シドー!?シドーも傷ついているのに・・・!」

 

「・・・まだやれる」

 

士道のライダーゲージは、残り50%。

 

 

一方、グラファイトも膝をついて苦しそうにしていた。

短剣を持った左腕に痛みが走り、体力もゴッソリ削られている。

 

「ぐ・・・体への負担が大きいな。そう何度も使えない・・・・・・」

 

グラファイトが立ち上がると、士道もガシャコンブレイカーを剣にして立ち上がっていた。

 

睨み合う両者。すると、狂三が陰から現れてグラファイトを掴み、崖から飛び降りた。

 

「士道さん!グラファイトの相手はわたくしが引き受けますわ!そちらのバグスターを!」

 

「スナイプ貴様あぁぁぁぁぁぁ!」

 

落ちていく両者。残ったバグスターはコラボバグスターのみ。

 

 

気を取り直して士道がバグスターと向き合うと、また乱入者が現れた。その乱入者は。

 

 

「私が相手をしよう。エグゼイド」

 

黒いエグゼイドだ。その声はかなり強い加工が施されていて、正体は掴みづらい。

 

十香達が黒いエグゼイドの登場に驚くなか、士道は冷静に構える。

 

 

「お前・・・」

「一度、貴様と戦ってみたかった」

 

黒いエグゼイドは、左腰のホルダーから黄緑色のガシャットを取り出して起動する。

 

 

《シャカリキスポーツ!》

 

 

Xスポーツゲームの、シャカリキスポーツだ。

 

黄緑色のゲームエリアが天開される。それと同時にライダーをサポートし、共に戦う意思を持つメカ『ゲーマ』が出現。

 

 

BMX型のゲーマ、スポーツゲーマが召喚される。

自転車であるスポーツゲーマがクルクルと走る。

 

 

《ガッチョーン》

《ガシャット!》

 

ゲーマドライバーのレバーを閉じて、シャカリキスポーツガシャットを紫色のガシャットの隣に入れる。

 

 

「グレード3」

 

《ガッチャーン!レベルアップ!》

 

《マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクションX!!》

 

《アガッチャ!シャカリキ、シャカリキ!バッドバッド!シャカッとリキッとシャカリキスポーツ!》

 

 

スポーツゲーマが横向きに装着される。

 

頭にヘルメットのような飾りが付く。両肩に装備されたタイヤ、トリックフライホイールはクルクルと回り止まる。

 

 

「・・・!」

「あれが・・・!」

 

「レベル3・・・!」

「そうだ。レベルが一つ違うだけで、強さに雲泥の差が出る」

 

 

レベル3となった黒いエグゼイドは、士道に悪意の牙を向ける。

 




次回予告。

レベル3となった黒いエグゼイドの力は、士道を上回る。
士道に勝つ手はあるだろうか?


第五話 Clashする戦士達!(後編)


「ガチンコバトル、開始だ!」

ーーーーーーーーーー

士道が、『S』の人格になると、目が赤くなったまま固定されます。後、性格も好戦的な感じが出ます。

Sの人格について、分かりやすくするためです。


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