汚い艦娘を見つけたので虐待することにした   作:konpeitou

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学業に虐待されていたので久方ぶりの投稿です。
お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。


現実は冬でもこのお話ではまだまだ秋。
芸術の次はスポーツの秋。
そんな虐待の秋。


第四十話 天霧達とスポーツの秋

「さぁ司令官、用意はいいですかー!」

 

「うぉーっ! やる気出てきたよ!!」

 

「しかし提督、ホントに大丈夫か?」

 

 クックック、天霧の奴め、ウチに来たばっかだから俺の恐怖を知らねえみてえだなぁ。

 

 この俺が、お前ら相手に引くとでも思ってんのかよ!?

 俺は絶対に逃げ出さないし、正々堂々立ち向かう。

 そして完膚無きまでに叩きのめし、お前らの反抗心をベキベキに折ってやるのさ!

 

 

 此処は鎮守府運動場。

 並んで立つのは、史上最強の虐待提督こと、俺と。

 

 艦娘一の健脚を自称する長良。

 いちいち汗を流したがる鬼怒。

 そして駆逐の癖に筋トレ大好きな天霧だ。

 

 なぜこいつらと俺が運動場にいるのか。

 

 これにはたいして深くもない理由があるんだぜぇ……。

 

 

 

 …………。

 

 

 

「今日もいい天気だねぇ~っと」

 

 秋めく気候は実に過ごしやすい。

 この時期は花粉とかも飛んでねえし、最高だな!

 

 今年は台風もまだ来てねえし、外に出るには素晴らしい。

 

 適当に一人で鎮守府を散歩する。

 こうしてブラブラしつつ、虐待対象を見定めるのもまた乙なものだぜ。

 

 ふーむ、さてさて。

 

 今は午後の時間だが、今日は陸上訓練日ではない。

 そのため、鎮守府運動場にはほとんど艦娘共がいなかった。

 

 海上射撃訓練だから、今頃港に集まってんだろうな。

 

 よって、運動場には数名の艦娘のみ。

 そいつらは自由時間を外で使うタイプのやつらだ。

 

 足柄の件みたいに、無理して休みを削らなきゃ全くかまわない。

 スポーツが趣味ってのも健康的でいいもんだからなぁ。

 

 それに、こんな過ごしやすい日なんだ。

 運動したくなる奴らの気持ちもわかるぜ。

 

 

 ……。

 

 

 俺は運動場に入っていき、ストレッチをしている三隻の艦娘に声をかけた。

 長良、鬼怒、天霧だ。

 

 天霧はこないだ『浮上』した奴だ。

 俺の虐待的運営に最初はビビってたが、もう慣れちまったらしい。

 中々どうして、豪胆なやつだぜ!

 

「よぉお前ら。何やってんだ?」

 

「あ、司令官!」

 

「いやぁ、天霧ちゃんと『親睦会』でもやろうかなって」

 

 親睦会、ねぇ……。

 

 スパッツやらブルマやらジャージ姿での親睦会、ねぇ。

 何だそりゃ。

 

「天霧、鬼怒の言ってる意味が分からん。翻訳頼むぜ」

 

「ヒドイ!?」

 

「あー、鬼怒さん達と一緒にランニングでもしようって」

 

 はぁ、なるほどな。

 そういえばこいつら、結構体育会系だったか。

 

 仲良く楽しくランニングでも、ってかぁ?

 

 クックック、そいつは……。

 

「面白そうじゃねえか」

 

「お、なになに? 提督も一緒にいい汗かいちゃう?」

 

 鬼怒よ、そんなミエミエの演技は無駄だぜ。

 俺なんかが親睦会に混ざったら嫌だから、そうやって逆に俺を爪弾きにしてえんだろ?

 

 残念だったなぁ!!

 俺は逆風に突っ込む男なんだよ!

 

「いいぜ。一緒に走ろうじゃねえか!」

 

「司令官も走るんですか! ほんと!?」

 

 クク、そう嫌がるなよ長良ぁ。

 俺と一緒に楽しく走ろうぜぇ~?

 

「提督はその格好でいいのか?」

 

「上着は脱がさせてもらおうか。ククク……」

 

 やるからにはガチだ。

 制服は妖精さんに持っておいてもらおう。

 

「うわぁ……結構ガッチリしてるんですね」

 

「流石男の人だねー。ちょっと触っていい?」

 

 俺の虐待的肉体にビビってんな。

 そりゃそうか。

 

 圧倒的なパワーの差が、視覚化されてんだからなぁ。

 ま、艦娘は成人男性並のパワーが出せるんだがな。

 

 鬼怒め、俺の筋肉を遠慮なしに触りまくってきやがって。

 なんだ? 軟化させるマッサージかなにかか?

 

 そんなデバフが通用するわけねえだろがっ!!

 

「さて、ルールはどうすんだ?」

 

「ああ、デスマッチですよ」

 

 デスマッチ、だと?

 なんだその俺好みしそうな感じはよぉ!!

 

 テンション上がっちまうなっ!

 

「流石に倒れるまではいかないと思うけどね」

 

「限界が来たら自然に抜けていく感じです!」

 

 クク、良い心がけだ。

 己の限界も見極めきれねえ奴は居ない様だな。

 

 流石、俺の艦娘よ。

 

 

 ……。

 

 

 そして、冒頭に戻る。

 いよいよ始まる恐怖のデスマッチ。

 

 そして俺による残酷な殺戮ショー!!

 己の無力さを嘆きながら散っていきな艦娘共よ!!

 

「位置についてー……よーい!」

 

 長良の声に、全員が構える。

 

 秋の涼しい一陣の風が、頬を撫でた。

 

「ドン!!」

 

 そして始まったぜ。

 俺と艦娘の、想像を超えた過酷なレースがよォ……!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ハッ、ハッ、くっ、この鬼怒が……」

 

「ククク! どうした鬼怒ぅ? もう終わりかぁ!!」

 

 別にスピードを競ってるわけじゃなかった。

 ちょっと提督にいいところを見せよう、そんな程度。

 

 だが……。

 

「誰も俺を止めらんねぇ! クークック!!」

 

「うぁ~……もうダメだ!!」

 

 鬼怒さんがヘロヘロになって力尽きていく。

 これで脱落者は二人。

 

 走っているのは提督とあたしだけだ。

 

「っ! 待ちな提督!!」

 

「来いよ天霧! その筋肉は飾りかァ!?」

 

 あたしを侮る様な視線を送りつつ、全くスピードを落とさない提督。

 なんというか、流石だ。

 

 でも、あたしだって負けられない!

 散っていった鬼怒さん、長良さんの意志を背負ってるんだ。

 

「おおおっ!!」

 

「クク、此処に来て加速。大したもんだぜぇ」

 

 駆逐艦とか、人間とか、そういったものはもう関係ない。

 提督に勝つ!

 

 ……別に追いつかなくても自分のペースで走り続ければいいって?

 そうじゃあないんだ。

 

 たぶん。

 

「はっ、はっ、提督、もう限界なんじゃないか?」

 

「まさかだぜ。あと20周以上はイけるなァッ!!」

 

「……っ!」

 

 恐らく、事実。

 この人はそれが出来る男だ。

 

 もうあたしは、限界越えてるってのに……!!

 

「ククク」

 

「あっ……」

 

 提督が更に加速していく。

 

 どんどん離れていく。

 

 これじゃ……負け……。

 

 

「天霧よォ。お前は、お前らは努力したぜ」

 

「ナイスな腹筋、しなやかな脚。マジで敬意を払うさ」

 

「だがなァ、俺だって努力してきたんだよ……」

 

 

「お前ら艦娘を虐待して、絶望のどん底に陥れる為になァーーーッ!!!」

 

 

 提督は雄叫びと共に走り去っていった。

 はは、そうか。

 

 端から勝てるわけなかった。

 『虐待』モードの提督に。

 

 あたしは、全身から力が抜けていくのを感じ、脚を止めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ハイ勝者特権ンー!! お前ら全員罰ゲームゥー!!」

 

「ちょっと、聞いてないよ!」

 

「諦めよう鬼怒さん。あたしらの完全敗北だ」

 

 その通りだぜ。

 敗者は勝者に逆らえねえ。

 

 俺から受けるとびっきりの辱めを、屈辱に震えながら受け入れろよな!

 

「で、何するんですか?」

 

「ああ、鬼怒の『アレ』で思いついていたぜ……ヘイッ、妖精さん!」

 

 指を鳴らすと、妖精さんたちがやってくる。

 『拷問道具』を持って、笑いながらなァ……。

 

 可愛らしい見た目に反し、おぞましい笑みよ。

 まさに地獄の軍勢、悪魔の尖兵だ。

 

 そんな頼れる同志から受け取ったモノは。

 

「……なにそれ」

 

「『お肌の潤いを保ち、保温効果をもたらす』クリーム、らしいぜ?」

 

 らしい、というのは、コレは明石から貰っただけのものだからだ。

 俺は少ししか使ってなかったが。

 

 こういう場面で、活用できるとはな!!

 

「こいつを、お前らの肌に塗りたくりまくってやる!」

 

「ええっ!?」

 

 これぞ罰兼虐待!

 

 己を負かした相手に、上から目線で身体を触られる恥辱!

 それも、お前らの誇りである筋肉を!

 

 だが、塗るモノは身体にいいから抵抗も出来ない!

 俺お得意の寸法だ!

 

「まずは生意気にも最後まで粘っていた天霧からだ。そこに座れぇ!!」

 

「覚悟決めるか……」

 

「天霧ちゃんファイト!」

 

 潔く座った天霧。

 クク、もう逃げられねえなァ。

 

 俺は指ですくったクリームを、天霧の……。

 

 

 腹に伸ばすっ!!

 

 

「ひゃっ……提督っ」

 

「大人しくしなァ」

 

 俺の声に出かけた手を抑え、天霧はおとなしくなる。

 プルプルと身体を震わせて……。

 

 そんなに悔しいかァ!?

 

「クク、いい腹筋だな」

 

「あ、ありが、んっ!」

 

 駆逐とは思えん、見事な腹だ。

 手のひらでクリームを伸ばしつつ、その固さ、滑らかさを味わう。

 

 クク、俺の道具が強化されてる感じがして、いい気分だなァ?

 

「腹の次は脚、腕、首もやっていくからなァ?」

 

「は、はは……お手柔らかに、頼むぜ……っ!」

 

 顔を赤くして……怒り心頭か。

 負けた自分を恨むんだな、ククッ!

 

 

「うわぁ……これ鬼怒達も後でやられるんだよね」

 

「う、うん……天霧ちゃん恥ずかしそう」

 

「まさかこんなドキドキ親睦会になるなんて……」

 

 

 この後、三人ともみっちりたっぷり虐待してやった。

 終了後、息も絶え絶えだったぜ。

 

 ……それから数日間。

 何故か休憩時間に運動場でこれ見よがしに運動する艦娘が増えた。

 

 ……?

 

 




明石謹製クリーム。
媚薬の類ではありません。


なんとか書き出したので、また次回投稿は遅れそうです。
長い目でお待ちいただけたら幸いです。



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