カルデアに生き延びました。   作:ソン

30 / 69
FGO本編風に。
パールヴァティ実装記念と、英霊剣豪用の石を使ってしまった記念に。
結果? 青王が宝具レベル3になりました。


ちなみにプロットがようやく完成しました。一応、本編でセイレムが終わり1.5部が完結次第、オリジナルルートに入ります。2部と並走してたら多分終わらない……。
ですので、ちょっとオリジナルルートの展開にも触れていきます。予想しながら楽しんでいただければ幸いです。……ですが正直私の構成力で皆様に楽しんで頂けるかが不安なところ。頑張ります。
ヒントがあるとすれば、一言。
オリジナルルートに「彼女」はいません。
後、あまり長くないです。多分SNのLast episodeくらい。


異伝2 ロンドンのセイバー体験クエスト 「四つ目を超えて」

 夢の中。形も中身も見えない闇の底に何かがある。

 やがて見えたのは鎖に繋がれた誰かの姿だった。

 顔も朧気で声はかすれて聞こえない。獣の息遣いのようにも、耐えている人の呼吸のようにも聞こえる。

 ただ――どこか受けいれているかのようにも。

 それが自身の罰だとでも言わんばかりに。

 

 

 

 

 目が覚める。

 眼前に広がるのは、ロンドンの街。日は満ちているというのに、明かりは全て落ちていて。まるでゴーストタウンのようだ。

 

「――ウウウゥゥゥ」

 

 死者の声。振り返るとそこには人の形をした化け物がいた。人と獣が混ざり合ったような。余りにも中途半端な姿。

 それが犇めき合っている。思わず後ずさりしてしまう程。

 近くにサーヴァントはいない。ならば逃げるしかない――どこに?

 背後を見せればその瞬間、雪崩となって自分を飲み込むに違いない。

 にらみ合ったまま、少しずつ距離を離した。

 

「――うん、いい判断だ。

 例え絶望にあろうとも目を背けず、空を睨む――。それでこそ、カルデアのマスターだ」

 

 化け物達が燃えて、凍って、刻まれて、潰されて――ありとあらゆる手段で消えていく。

 まるで、この世界に存在する全てをここに体現したかのように。

 瞬くにそれは殲滅された。

 いつの間にか、目の前には一人の青年が立っていた。刀とナイフを手に、汚れ一つ無い純白の羽織、その下に着込んだ黒い着流し。こちらを優し気に見つめる蒼い瞳。

 

「君は彼じゃないな。初めまして、か。オレの事は……そうだな。ロンドンであったから、ロンドンのセイバーとでも呼んでくれ」

 

 自分を見るその眼はまるで、違う誰かの事を懐かしんでいるかのように。

 けど、どこかに、憧憬を秘めていた。

 

 

 

「ここは、多分別世界の第四特異点。その残骸だ。君はどうやらそこにレイシフトしてしまったらしい。

 疑似的な第二魔法と言う訳だ。だから通信も届かない」

『帰るには、どうすれば……』

「オレが案内する。一人心当たりがあるからね。……何せオレ自体がここの残骸のようなものだ」

『残骸?』

「かつてこの特異点で人にすらなれなかった人形とある王の戦いがあった。その戦いに勝者なんてどこにもいない。

 うん、だからまぁ。オレはね、その時の誰かを記録した模倣体に過ぎない。その戦いで“人形の永遠を望んだ何者か”の願いでオレは生まれた。

 だからまぁ、困った事にここから出ようにも切っ掛けがない。だからここにいる残骸どもを八つ当たりがてらに叩きのめしていたんだけど……」

『そこに自分が?』

「そういう事。だからオレにとっても君の帰還は望ましいモノなんだ。そうする事でここはようやく終わりを迎える。

 永遠なんてただキツイだけだ。そんなもの、願い事だけで終わればいい。終わるからこそどこかでまた始まりがある。ずっと続くだけの、何一つ終わらない小説なんて作者にとっても読者にとっても苦しいだけさ。例えそれが楽しいことであっても」

 

 そんな他愛もない話を、彼は語り続けた。

 逆に彼からの質問は全てカルデアの事だった。

 スタッフは何人いるかとか、近頃どんな事があったかとか。そんな身近な、何の変わりない些細な事を、彼はとても楽しそうに聞いていた。

 それを聞けて良かったと。まるでどこか、安心するように。

 

 

 着いたのは大空洞。

 かつて魔術王と対面した空間だった。

 だがそこには巨大なクレーターがいくつも散らばっていて、さらに奥には抉れた地面が地平線まで続いている。

 

「……あぁ、ここだ。ここで違いない。

 さぁ、カルデアのマスター。指揮を頼む。

 多分、ここにはまだ誰かの願いが渦巻いている。ここに残る事を望んだ何かの願いが喘いでいる。

 もう誰もいないのに、願望だけが残っている。そんなのは悲しいだけだ。――終わらせよう」

 

 そういって、彼は刀を構えた。

 現れたのは三体のシャドウサーヴァント。

 セイバーが二体と……恐らくアヴェンジャーが一体。三対一、余りにも不利だ。

 

「大丈夫。持久戦ならオレの得意分野だ。

 ――付き合ってもらうぞ、三人とも」

 

 その声と共に、彼は駆け出す。

 

 

 

 

 その剣戟は悲鳴のようだった。まるで思いをぶつけ合っているようにも見える。

 ただそれを、悲しいと思った。

 戦いに虚しさを覚えたのは、初めてだったかもしれない。彼は泣きそうに、けど強く笑って。シャドウサーヴァントを消滅させた。

 

「……」

『悲しい?』

「……まぁ、少し。でもこれで、ようやく終われたんだ。だから何も言わないよ。

 それと……いい指揮だった、マスター。もう少し手こずると思ったんだけど」

『マスター?』

「あぁ、今のオレはサーヴァント。そしてサーヴァントを指揮したのは君だ。なら、マスターと呼ぶのがふさわしい。

 でも嫌なら嫌と言っていい。人は、思ったより自由だから」

『大丈夫。マスターの振る舞いも慣れてきたし』

「頼もしいよ」

 

 そういって、彼は笑った。

 消えていく。周囲の光景が、光となって消えていく。

 

「あぁ、ようやく幕が下りる。ったく……慣れない事はするもんじゃないな。

 だけど、新しい縁が出来た」

『……』

「マスター、また何かあれば。その時はオレを呼んでほしい。どこぞのアヴェンジャーほど強くはないけど、まぁアレだ。我慢比べの戦いなら任せてくれ」

『うん、ありがとうセイバー。またどこかで』

 

 消えていく。目の前の景色が消えていく刹那、確かに。彼の声が聞こえた。

 

「あぁ、ようやくだ。ようやく五つ目の光景が見れる。旅の続きが、始められる。

 後は彼らがいるともう言う事は無いんだけど。まぁ、贅沢は言えないし。

うん……長かったなぁ」

 

 それはまるで、夢の続きを望む少年のような響きだった。

 

 

 

 

 悪に成ったモノを救う術はない。

 そんな彼を救う方法を彼女は望み、そして度を越えた願いの代償として消滅した。

 ならば応えなくては。――そんな彼女に報いる、己の答えを。

 

 

 

「ロンドンのセイバー、召喚に応じ参上した。……うん、まぁ。よろしく頼むよマスター」

 

 

 

 




多分コレ、攻略wikiとか荒れるレベル。

マテリアル

星5 ロンドンのセイバー
カード構成 アーツ×2 バスター×2 クイック×1
HP 18000 ATK 12000

クラススキル
対魔力EX 自身のデバフ耐性上昇+全ての行動不能を無力化。(単騎時のみ発動)
この世の全ての E-~A+++ 自身のクラス相性不利を無効化。(単騎時のみ発動)
鋼の誓い A 自身のNP獲得率上昇+毎ターンHP減少(500)
 
スキル

直死の魔眼 A++ 敵単体の強化を解除+強化無効+攻撃力ダウン+宝具威力ダウン+1ターン後スタン付与(単騎時のみ) CT5

数秒後の生存 A 味方全体にNP増加(30%)+NP獲得率上昇+スキルターン短縮(3ターン)+ガッツ付与(1回、2000)+無敵付与(1回) CT7(単騎時のみ6ターン)

星見の防人 EX 自身にターゲット集中付与+大幅に防御アップ+ダメージカット付与(3ターン) CT4(単騎時のみ3ターン)

宝具「証を示せ、我が運命―ライフイズストレンジ-」
 自身に攻撃力アップ(3ターン)+アタックプラス(3ターン)+クリティカル威力アップ(3ターン)+スター生成(3ターン)+NP獲得率上昇(3ターン)+ターゲット集中(3ターン)&防御力アップ(3ターン)+ダメージカット(3ターン)+HP回復(5000)+ガッツ(1回、永続)+無敵貫通(3ターン、単騎時のみ)+防御無視(3ターン単騎時のみ)+バスター性能アップ(3ターン単騎時のみ)+アーツ性能アップ(3ターン単騎時のみ)+クイック性能アップ(3ターン単騎時のみ)《オーバーチャージで効果上昇》

キャラクター紹介
 答えに辿り着いた彼の姿。その道に迷いはない。
 人理修復に奔走する誰かのために、彼は自身の命を使い尽くす。

《マテリアル未開放》
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