え、白い方? 獅子上は敵NPCじゃないですかーヤダー。
宝具LV2のグランドクソ野郎育て終わったら、156箱空けたネロ祭の備蓄がなくなったんじゃが……。
サポートでオール枠に絆レベル6でキアラ8/7/6にモナ凸つけてるやつがいたら私です。コキ扱ってあげてください。そして宝物庫でアァーしてあげてください。
ランサーアルトリアオルタ9/10/6もいるから使ってあげてください。私は彼女の有用性を広めたいです。第二スキルはマジで世界が変わる。
今回、書いたのはApoの影響です。
この話の彼にとあるサーヴァントはいません。
俺、アランのサーヴァントは現状一騎のみである。
ランサーのサーヴァント――カルナ。
いや、この方強すぎるわ。シミュレーションで立香のサーヴァントを三騎相手取って、引き分けまで持ち込むとかやばいわ。
ただ一つだけ問題がある。
「どうかしたか、マスター。時間は有限だ、使い道を考えるべきだと進言する」
とにかく無愛想かつ一言足りないのである。
ドクターや立香、マシュ、ダヴィンチちゃんは笑ってくれるものの、他のサーヴァントやスタッフ達には挑発と受け取られかねない。
第一特異点とか特にひどかった。
「竜の魔女か。なるほど、名に聞こえし邪竜を操るその力、特異点に相応する。
だが、俺は英雄だ。竜などに遅れはとらん」
「……へぇ、私がアンタより下って言いたいのねぇ、へぇ」
「心外だ、俺は事実を述べたまで。何よりお前の在り方は運命とは異なるだろう。求められた作り物。
俺のような存在には程遠い」
「――燃やす、燃やすわ、アンタ。私の炎で焼き殺してあげるわよ!」
「ならば力で語るがいい。その怨念が俺の炎を上回ればの話だが」
アレ、多分精一杯ジャンヌ・オルタの事ほめてたんだろうなぁ。
しかも、あの場でいくつか白いジャンヌにも飛び火してたし。
第二特異点ではローマ連合軍を単騎で相手取った。そしてひたすらレフを煽り、アルテラと一騎打ち。
第三特異点では、イアソンを煽り倒し、そしてヘラクレスと一騎打ち。あの大英雄同士の対決は凄まじかった。
テンションが上がって、令呪を使ったのは仕方がないだろう、うん。
「マスター、そろそろ次の特異点に召集がかかる。準備を怠るなよ」
「……分かってるさ」
第四特異点。
こうして一歩一歩、己が死に向かって歩んでいる事を自覚する。
かつて魔境にてとある女王からの言葉で、俺はようやく確信した。俺自身の運命を。
「アラン君が体調不良? バイタルサインは異常なしだったけど……」
第五特異点出撃前。アランが体調を崩した。
カルナ曰く部屋で嘔吐したとの事だった。
「……参ったな、今回の特異点もかなり規模が広い。早急に手を打たなくちゃならないけど……」
「ロマニ、正直な話第五特異点は崩壊目前だ。急がないといけないよ。
立香君は現状、君だけで何とかしてほしい。アラン君はこちらでしっかりケアする」
「……分かりました」
第五特異点――アメリカ。
これまでの特異点とは比べ物にならない激戦が予想される。
故に戦力は少しでも多く連れていきたい所だった。
「カルナ君、マスターが違うから戸惑うかもしれないけど同行してくれるかい?
君の力はどうしても必要だ、虫のいい話だとは思うけれど……」
「――断る。悪いが、俺は今回の特異点には同行しない。
今回の人理修復はお前とお前達のサーヴァントだけで果たすがいい」
「……カルナ?」
施しの英雄。どんな頼みであろうと断らない筈の彼が、今同行を強く拒否した。
ダヴィンチでさえ、目を丸くしている。
「何度言われようと俺の意志は変わらない。変える気もない。
――ではさらばだ」
そうしてカルナは管制室を去った。
あるべき場所に戻るように。
俺の一室で、カルナはずっと佇んでいる。
どこかに腰かければと声をかけたけど、彼はそれすら拒んだ。
「……カルナ、さっきの話聞いてたよ。
俺が頼んでも、いかないんだろ」
「無論だ、主を置いて戦いなど、本末転倒もいいところだ」
それは嘘だ。
俺はカルナのマスター。だから彼の事は、その生前は知っている。
彼の戦士の誇りも、それを踏みにじられた光景も。
ただそれが辛くて。元々弱かった俺だけど、カルナの生前を全て知ってしまって。
それが余りにも惨いものだったから。
だから、彼の死を見て。急に人理修復が怖くなってしまった。
「……情けない。貴方のマスターなのに、俺は死ぬ事が怖い」
「……」
「俺は死にたくない。けれど、もうそれは避けられない。
なら、せめて。意味だけでも得たい、あいつらの助けになりたい。
……人理修復に近づく度に、足が震える。自分の命が終わる瞬間が迫っていると、いやでもわかる。
でも、言える訳無いだろう。スタッフ達は不眠不休で頑張って、ドクターは休息すらロクにとっていない。立香はサーヴァント達の性質を知る事で精一杯。
――皆、欲を押し殺してるのに……。俺だけが、我儘なんて言える訳無いじゃないか……! なのに、体調なんて崩してる場合じゃないのに……!」
「――語るのは俺の本分ではないが、ここにいるのは俺だけだ。ならば答えるのが当然か。
人が求めるのは悲劇ではない。最初から悲しみを求める者などいはしない。マスター、お前とてその筈だ」
「……俺が、救済を願っていると。そんなの、そんなの許される訳が……」
「そうだとも。我が主よ。お前は心のどこかで己の救済を願っている。彼らの幸福を願い、己の価値が小さいものだと信じながら、それでもどこかで自身が救われる事を祈っている」
「……」
「だがそれは普通のことだ。己の矜持に意味を求めるのはごく当然だ。
不幸だと思う者が救済を求めるのは、何もおかしい話ではない。故にマスター、お前の思いは何一つおかしくはない。
お前のその嘆きはただ――間が悪かっただけだろう」
「……間が、悪かった……?」
「そうだ。お前自身の選択も、お前自身の取り巻きも、お前が良しとして、しかし手に入らなかった、ささやかな未来の夢も。
それらすべてが、たまたまその時だけ、かみ合わなかっただけなのだ」
「……何だよ、それ。カルナらしくない考えだ」
「……ある男の言葉だ。その生き様に感服させられたが故にな。その言葉を一字一句聞き逃さないようにした」
「……間が悪かった、か」
いつもは口数少ない筈のカルナ。
彼の言葉は現実を突き付けてくる。けれど、柔らかく、そして確かに優しさがあった。
「……なぁ、カルナ。お前行きたかったんだろ。今回の特異点に。
アメリカが特異点なら呼ばれるサーヴァントも相当強力な奴ばかりだろう。武人である貴方なら――いや、生前戦えなかったからこそ行きたかったんじゃないのか」
「――あぁ、確かに。だが、それは俺の目的とは異なる。
俺が呼ばれた理由は人理修復に賛同したためではない」
途端、カルナの手には槍が具現化した。
神殺しの槍――幾度となく強敵を沈めてきた必殺の宝具。
その槍を俺に差し出した。
「我がマスター、死にたくないと強く願った少年よ。この槍と日輪に誓おう。
俺はお前を守り続ける。
それは価値ではない、意味ではない。お前が救いを求めたからだ。故に俺は召喚に応じた。
それが今、ここにいる目的だ」
「――」
「お前は死人だ。元の歴史では既に死んでいる。
――だが、それがどうした。サーヴァントはマスターと共に歩む者。ならば俺には些細な事だ」
「……分からないよ」
「……」
「分からないんだよ、カルナ。
カルデアの日々は死人でしかない俺に、たくさんの記憶を与えてくれた。
その時代を必死に生きた人、サーヴァント。生きたかった筈なのに、死んでいった人々。彼らの言葉が、生き様が、俺達の時代の足元に埋まっている。あの人達が築いてくれたモノの上に生きている。
その恩に、俺はどう報いればいいんだ」
「……報いる、か。それは些か異なるぞマスター。
俺が言えた事では無いが……人は皆迷う者だ。彷徨いの中で答えを求めている。その答えがお前の言う報いなのだろう。
確かに、その境遇を考えれば分からなくもない。俺も一度、死ぬ事を極度に恐れていた人間と出会った事がある。――そして今の境遇と全く同じ者達を見た事も」
「……」
「人は皆、いずれ死ぬものだ。遅かれ早かれ、それが宿命であり結末だ。マスター、その恐れは決してお前だけに与えられた不幸ではない。
生きる者に待ち受ける、どこにでもある現実だ。受け入れなければならない痛みであり、越えなければならない喪失だ」
「だから、貴方は“それも当然”と受け入れるのか」
「無論だ、俺は元々望まれて生まれたモノではない。だが我が身一つで事が収まるというのなら、俺はそれを受け入れよう」
「……でも、悔しかったんじゃないのか。身分が低いからって、それでなにもかも決められて。一度も自分の望みを果たせずに、最期は――」
「――それでいい。確かにあの物語は、俺の生前は悲劇と言われるかもしれない。
だが、俺は生前の出会いを悔いた事は一度も無い。母は俺に愛を授け、拾ってくれた夫婦は情を授けた。
それらを違う事無く、死ねた。
そしてその過去があったからこそ、俺は――俺は彼女と出会えたのだ」
カルナの表情はどことなく微笑んでいた。
宝物を大切に抱きしめる子供のように。
「……そっか」
「……良い顔だ、マスター。息も落ち着いている。俺の……いや、彼の言葉が救いにつながったのなら、喜ばしい限りだ」
「確かに俺はこの先、死ぬ事は避けられないかもしれない。
でももしかすると、忘れられない出会いが待っていて、死ぬ事よりも悲しい別れがあるかもしれない。
……でも、だから。だからこそ、人は生きるんだろうな」
ありがとう、カルナ。
貴方のおかげで、少しだけ今が楽になったよ。
時間神殿突破。
後は時代の修正を待つだけ――。
いつもの空間、どうせここで俺は消えるのだろう。でも、もう怖くない。
彼の出会いと言葉があったから。この思いを知れたのは多分、彼を召喚出来た数少ない人間しかいないから。
「マスター」
「……カルナ、その、今までありがとう。
俺みたいな奴をマスターとして振舞ってくれて」
「胸を張れ。お前は俺の知る限り、指揮に秀でたマスターの一人だ」
「……大英雄の貴方からそんな言葉を貰えるなんて、思いもしなかった」
――もうすぐ俺は消える。
結局、カルデアにその事を告げる事は無かった。
あれ以上、職員に世話をかけたくなかったし。人類が滅んだら、それこそ困る。
俺一人だけが生きてたって何の意味もない。
「それとさ、カルナ。俺は後どれくらいで消えるんだ。
人理は修復された。だから俺はあるべき運命に戻るんだろ」
「……あぁ、それとだがマスター。
お前は死なない。この先も、お前は生き続ける」
「……は?」
時が止まったかのように思った。
ありえない。けどカルナは理由もない嘘をつかない。
「上手くいくか俺自身も分からなかったが、こうして見る限り成功したようだ。
見ろマスター。俺の体にあるべきものがない事に気づかないか」
カルナの体を見る。黒い衣類と神殺しの槍――。
そうか、確か彼は生まれつきの……
「鎧が、無い。持ってこなかったんじゃないのか」
「アレは俺にとって血肉同然。宝具となっているが、俺の元から消える事は無い」
「じゃあ、どこに……」
「お前に使った。人理修復の間、ずっとお前に纏わせたのだ。我が主。
人理では犠牲の辻褄を合わせるように生死が分けられる。ならば人理が戻った瞬間、お前は死ぬだろう。――だがもし、その死が否定されたら。死を跳ねのける加護があれば。
――人理は差し変わる。お前の死を、お前の生に変えるだけだ。アランと言う肉体はまだ完全に死を迎えてはいない。世界の修正も動きはしないだろう」
思考が追い付かない。
「……待て、カルナ。なら、お前はどうなるんだ。確かに俺はこれからアランとして生きるよ。この契約は続くのか」
「いや、俺はここで消滅する。お前の望みは叶った。だが俺が生きたままではお前が今度は死ねない体になるだけだ。
だから俺は消えなければならない。そうしてお前はようやく、人として歩む事が出来る」
……何で。
カルナは大英雄だ。インドでは絶大な知名度を持ち、知らない人はいない。
高潔な精神を持ち、無双の武芸を振るい、真贋を見抜く。
正直、俺なんかじゃマスターとして程遠いと何度思ったか。
「言った筈だ、マスター。お前は救いを求め、故に俺は応じたと。
そこに優劣など意味をなさない。全ての人は俺にとって同じ価値に見える」
「……」
「……む、何故だ、マスター。余計なお世話だったか。
それともやはり一言多かったのか」
「……違うよ。ちょっと、嬉しくて。
全部無意味なんかじゃなかったって言うのが、とても」
「……ならば良かった。
マスター、名残惜しいが、別れの時だ」
そうして彼は槍を空に振るった。
空間に亀裂が入り広がっていく。
「なぁ、カルナ。ありがとう、お前の言葉に、何度も助けられたよ」
「――そうか。彼女の言葉に、俺はようやく応えられたか。
ではさらばだ、マスター。生きるがいい。
きっと誰かが、誰でもないお前を待っている」
光を纏いながら、カルナは上昇していく。
それは美しい、黄金の光のようで。
新しい日々を照らす、太陽だった。
マスター絶対生かして返すマン。
ちなみにジャンヌ・オルタでのカルナのセリフ翻訳。カルナ語検定回答。
「竜の魔女か。なるほど、名に聞こえし邪竜を操るその力、特異点に相応する。
だが、俺は英雄だ。竜などに遅れはとらん」
↓
貴方が竜の魔女ですね。邪竜を操るとは、特異点に名前負けしてませんね。
私も貴方に負けないくらい、頑張ります。
「心外だ、俺は事実を述べたまで。何よりお前の在り方は運命とは異なるだろう。求められた作り物。
俺のような存在には程遠い」
↓
それは違います。貴方は誰かの理想として作られたサーヴァント。
私は求められてないので、貴方のように凄くないです。
「ならば力で語るがいい。その怨念が俺の炎を上回ればの話だが」
↓
ではいきましょう。私も貴方に負けないくらい頑張ります!