―交換日記(SNS)―
まほまほ『よっしゃーっ! あたしがいちばんのりだーっ!』
紗季 『お疲れ様。……って、真帆、あんた早いわね』
湊 智花『みんなお疲れ様。今日はいっぱい迷惑かけちゃってごめんね。みんなの気持ち、すごく
嬉しかったよっ』
ひなた 『おー。みんなはやいー。ひな、まだみほしのくるまのなかだよー』
まほまほ『なんだ。ヒナはまだウチにかえってなかったのかー』
紗季 『みーたんが私たちを一人一人送ってくれてるんだから仕方ないでしょ。愛莉の方もまだ
みたいね。……多分、お兄さんと一足早く反省会でもしてるのかしらね』
湊 智花『ひなた。慌てなくていいから、ゆっくり準備してきてね』
ひなた 『おー。りょーかいー。しっかりじゅんびばんたんになったら、またごれんらく
するよー』
まほまほ『んじゃ。ヒナとアイリーンがくるまでかくじでたいきだー』
紗季 『私も少し読書でもしてようかな、ちょっと前に良さげな良い本を見つけちゃったし』
湊 智花『紗季って読書家だよね。今はどんな本を読んでるの? ……良かったら、私も紗季の
おすすめの本を教えて欲しいんだけど……』
紗季 『えぇ!? た、ただの小説よ? ……ま、まぁ強いて言うなら、ちょっとだけ男同士の
深い友情が強調されてる感じのやつだから、トモやみんなにはあまり合わないかもしれ
ないわよ?』
まほまほ『まえみたのなんかゲームのぶきっぽいやつだったけど、字ばっかであんまおもしろそー
じゃなかったしな』
湊 智花『ふぇ? 前に昴さんが手に取ってたみたいなの? 確か……二人の男の人が聖剣……?
とかエクスカリバーとかだっけ? を突きつけ合ってお互いの友情を確認し合うみたい
なのだったかな?』
紗季 『ま、まぁそんな感じなやつね。みんなにはまだ早いというか、あまりみんなを巻き込み
たくないというか……』
まほまほ『まーたすぐそうやってオトナぶろーとするーっ。ショーガクセーなのにチューニビョー
みたいなことゆーな!』
湊 智花『私は友達とか友情って言葉、大好きだよっ。みんなが友達になってくれたおかげで、
本当に今がすごく楽しい。だから私がまだ知らない、紗季が知ってる友情の形っていう
のもちょっと興味があるかな』
紗季 『う、うん。そうね……機会があったら、いつか教えてあげるわ』
湊 智花『ありがとう紗季っ。約束だよっ!』
紗季 『ごめんねトモ。長谷川さん……もしトモが変わってしまったら私の責任です……本当に
ごめんなさいっ』
まほまほ『あーっもっかんばっかりずりーぞっ。あたしにもおしえろーっ!!』
紗季 『はいはい。真帆にもその内教えてあげるから、まずはマンガ以外の本を読みなさい』
あいり 『みんな遅くなってごめんね。お兄ちゃんとお話しするのに夢中になってて……』
ひなた 『おー。みんなおまたせしましたー。ひなもじゅんびばんたんー。あ、みほしがみんなに
あんまり夜更かししないではやく寝ろよ。だってー』
まほまほ『アイリーンもヒナもきたな』
湊 智花『愛莉、ひなた。お疲れ様』
紗季 『そんなに慌てて来なくても、万里さんとゆっくり話してても良かったのに』
あいり 『えへへ。ありがとう、紗季ちゃん。実はお兄ちゃんもちょうどこれからジムに行く時間
だったから、お見送りして来たんだ』
まほまほ『うしっ。それじゃモンダイなしだなっ』
紗季 『さっきの話はまた後でにして、さっそく今日の反省会を始めちゃいましょうっ!!』
まほまほ『おー! だからいつもサキがしきんなっ!!』
湊 智花『おー! 私にはまだ難しそうなお話だったら、紗季の都合が良い時でいいからね』
あいり 『おー!』
ひなた 『おー!』
紗季 『それじゃ、まずはみんな改めてお疲れ様。今回も無事に男バスに勝つ事ができたわね』
まほまほ『おっつー! こんかいもあたしはダイカツヤクだぜっ!!』
湊 智花『みんなお疲れ様でした。みんなのおかげでもっともっとバスケが大好きになれたよっ』
あいり 『お疲れ様でしたっ。今回はみんなのお役に立てたかな? お兄ちゃんもいっぱい褒めて
くれたよ』
ひなた 『おー。おつかれさまでしたー。ともかとあいり。ふたりともすごくかっこよかったー』
湊 智花『本当は昴さんにもここに来て頂ければ良かったんだけどな……』
まほまほ『だよなー』
紗季 『さすがにここまで長谷川さんを付き合わせてしまうのはご迷惑になっちゃうわよ。前に
長谷川さんだって『ここは君たちの本当に大切な場所なんだから、俺や他の人が無暗に
入ったり入れたりしちゃいけないよ』って仰って、私たちのことを気遣ってご遠慮して
下さったんだし』
あいり 『長谷川さん。本当に私たちのことを気に掛けてくれてるもんね』
まほまほ『まーたしかにタイセツなバショだけどさ。べつにすばるんならいくらでもはいったり
ジユーにつかってもいいじゃん。アタシらのナカマだしさっ』
ひなた 『おー。ひなもおにーちゃんになら、ご自由につかってほしいよ?』
湊 智花『……でも、さすがにあんまり私たちのお相手をして頂くのもご迷惑だよね。すごく気を
遣ってしまわれそうだし』
紗季 『いくら長谷川さんでも夜も私たち五人の相手は疲れるでしょ。特に真帆とひなた』
まほまほ『なんだよー。別にすばるんにメーワクかけてねーじゃんっ!!』
ひなた 『おー? ひないいこだよ?』
紗季 『ま、何よりも――』
あいり 『あ、でも私もちょっと恥ずかしいかも。長谷川さんがここに来るってことは、昔の日記
も見られちゃうかも……』
湊 智花『――!? そ、それは……ちょっと……う、ううん。かなり恥ずかしい…………かも』
紗季 『そうよねー。トモの長谷川さんへの溢れんばかりの熱い想いが、ぜーんぶ長谷川さんに
知られちゃうもんねー』
湊 智花『~~~~~~!!!!』
まほまほ『あー。あたしらはいいけどもっかんにはイチダイジだなっ』
ひなた 『おー。ともかのきもちが、おにーちゃんにバレバレになっちゃうー』
あいり 『や、やっぱり長谷川さんには来て頂くのはダメかも。長谷川さんに全部見られちゃう
って考えただけですごく恥ずかしいし』
湊 智花『み、みんなが好き勝手に書いてるだけで、わたしはまだ書いたことないもんっ!!』
まほまほ『そーいや。もっかん。まだこの日記ですばるんが好きって書いた事なかったっけ?』
湊 智花『はぅ!?』
紗季 『もうみんなにも知れ渡っちゃってるし、知らないの長谷川さんくらいじゃないの?』
あいり 『えへへ。なんか竹中くんみたいだね』
ひなた 『おー? たけなかもおんなじ?』
まほまほ『よしっ。もっかん。ナツヒよりももっかんのほーが上だってことをショーメイする
ために、ここにはっきり書くんだ!!』
紗季 『いいわね。トモ。いい機会だからせっかくだし、『私は昴さんが大好きですっ』って
書いちゃったら?』
湊 智花『書きませんっ!! もぅ。またそんな事言って、あんまり私をからかわないでよぉ……』
ひなた 『おー? ともか、おにーちゃんのこときらい?』
湊 智花『嫌いなんてこと、絶対にないっ!! 私がみんなとずっとずっと笑顔でいられる場所を
守って下さって、その後だって私たちのわがままなのにコーチとして側にいて下さって
……そんな昴さんを嫌いになるなんてこと絶対にないっ!!』
まほまほ『よーするに。やっぱりすばるんのことだいすきってことじゃんっ』
紗季 『やっぱり長谷川さんの事、好きで好きでたまらないんでしょ』
湊 智花『はぅぅ……まだ恥ずかしいよぉ……』
紗季 『ふふ。まだ早いかもね。まだまだ時間はあるし、ゆっくりと気持ちを整理していくと
いいと思うわ』
まほまほ『でも、ちゃんとケッシンしねーとダメだぞっ』
あいり 『自分の気持ちを他の人にはっきり伝えるのってすごく勇気がいるもんね。智花ちゃんも
がんばってっ!』
ひなた 『おー。ともかがんばれー』
紗季 『――って、ごめんね、トモ。いきなり脱線させちゃって』
まほまほ『今日はこのぐらいにしといてやるから、これからもすばるんにアピールすんだぞっ』
あいり 『ごめんね。智花ちゃん。でも、応援したいっていう気持ちは本当だよ』
ひなた 『おー。ひなもともかとおにーちゃんがもっとなかよしになってほしいよ』
湊 智花『うぅ……う、ううん。みんなも私のことを思ってくれてるんだよね。……私の方こそ
みんなの気持ちに応えられなくてごめんね』
紗季 『それじゃ、そろそろ本題に戻るわよ』
まほまほ『おー! ……って、だからサキがしきんなっ!!』
湊 智花『お、おー! 今度は大丈夫だよね?』
あいり 『おー! 最初のテーマお願いしますっ』
ひなた 『おー! おねがいしますー』
紗季 『今回のMVPはトモか愛莉のどっちかよね』
まほまほ『だよなー。アイリーンもエンリョなんかしねーでさー。しょっぱなからガンガンきめ
ちゃえばよかったのに』
あいり 『えぇ!? 智花ちゃんだけじゃなくて私も候補なの!?』
ひなた 『おー。あいりかっこよかったー』
湊 智花『うんっ。初めて愛莉に会った時はすごく失礼なことを言って泣かせちゃったけど、
やっぱり愛莉はすごいよっ!! 私がいくら背伸びをしたってできない事が簡単にでき
ちゃうんだから、すごく羨ましかったな』
あいり 『本当はお兄ちゃんからも、早い段階で自分に注目を集めさせた方がみんなが動きやすく
なるって言われてたんだけど。やろうとしても、なかなか覚悟が決められなくて……』
ひなた 『おー。あいりのことみんないっぱいちゅーもくしてたよ』
紗季 『全力全開のトモもすごかったけど、最後の最後で愛莉がみんなの視線や注目を全部
持っていっちゃったもんね』
まほまほ『あたしもだけど、みんなおもっきしビックリして、とまっちまったもんなー』
湊 智花『あの空気に飲まれなかった竹中くんもすごいよね。』
紗季 『まぁ、トモとの勝負もあったし、試合もこっちがリードしてたから、夏陽もとっくに
吹っ切れてたんじゃない?』
まほまほ『にしし……サイシュウテキには、もっかんぬいてヒナにとめられたんなら、ナツヒも
ホンモーだったんじゃねぇか?』
あいり 『ひなたちゃんも、よく竹中くんを止められたよね。すごいよっ』
ひなた 『おー。ひなもあいりのダンクみてカッコいい。っておもったけど。まだしあいちゅう
だったから、あいりにすごいー。ってきもちをおつたえするのはしあいがおわるまで
ガマンしてたー』
紗季 『試合が終わるまで油断もしないし、絶対に諦めないっていう長谷川さんの言葉を忠実に
守ってたのね。その結果の大金星か……納得』
まほまほ『あたしもヒナをみならってユダンしねーようにきをつけねーとな』
あいり 『智花ちゃん、ごめんね。本当はもっと早く私が決心してたら、きっと智花ちゃんに変に
気負わせずにすんだかもしれないのに……智花ちゃんが迷っちゃった時になって、
ようやく自分の中で決心ができたから……だから、ごめんね』
湊 智花『ううん。そんなことないよっ。みんなが本当に私が動きやすいようにってサポートして
くれたし、最後だって愛莉が絶対にボールを取ってくれるって信じたら、それ以上の
ものを見せてくれたし、ひなただって疲れ切って動けなかった私の代わりに竹中くんを
止めてくれた』
湊 智花『だからみんな。改めて言わせてもらうね。みんな本当にありがとうっ。みんなの気持ち
すごく嬉しかったよっ』
まほまほ『もっかんもすっげぇカッコよかったぞっ』
紗季 『私たちにバスケを教えてくれて、引っ張ってくれて本当に感謝してるわよっ』
あいり 『私も、自分に自信が持てるようになって、お兄ちゃんとも仲直りもできたし、みんなと
このチームでバスケができて本当に良かった!!』
ひなた 『おー。ひなもみんなにかんしゃー。ありがとうー!』
紗季 『今回の事で思い出したんだけど、トモって一番最初の頃に練習メニュー考えてくれて
たんだよね。長谷川さんも悪くないって言ってくれてたやつ』
まほまほ『あったなー。もっかんごめんな。あんときはめんどっちーとかいっちゃって』
あいり 『私もごめんね。あの頃は今よりもみんなにいっぱい迷惑掛けちゃってた……』
ひなた 『おー。ひなもごめんねー』
湊 智花『そ、そんなっ。みんな気にしないでっ。あの時から私はみんなとできるバスケが本当に
楽しかったんだからっ』
紗季 『……あのメニューを最初からやってれば、きっとトモが私たちとやりたかったバスケを
もっと早くからできたのよね……それに、もう少し真面目に練習してたら、そもそも
男バスとも部の存続をかけた試合になることもなかったかもね』
まほまほ『どーだろーな。カマキリのことだからシンヨーできねーし』
あいり 『もし試合をするとなったとしたら、長谷川さん抜きで勝てたのかなぁ?』
ひなた 『むー。たぶんひなはへたっぴなままで、みんなにいっぱいごめーわくかけちゃってた
ままだったかもー』
湊 智花『正直、昴さんがコーチをして下さってなかったら、ダメだったかも……あ、みんなを
信用してなかったわけじゃないよっ。多分、私が一人で必死になってみんなのことを
振り回しちゃってたと思う……』
紗季 『まぁ、結果的に長谷川さんがコーチに来て下さったおかげで試合にも勝てたんだし、
なにより私たちも本気でバスケを教わりたいって思えるようになったのよね』
まほまほ『もっかんが、かんがえてくれてたメニューをアレンジしてすっげぇたのしくして
メチャクチャバスケをおもしろくしてくれた』
あいり 『智花ちゃんと、長谷川さんで私たちにバスケを教えてくれたよね』
ひなた 『おー。ひなたちは、ともかとおにーちゃんにいっぱいつよくしてもらえたー』
紗季 『まさにトモと長谷川さん、二人の愛の共同作業ね』
あいり 『愛……すごくドキドキするね』
ひなた 『おー。ともかがおかあさんで、おにーちゃんがおとうさん?』
湊 智花『も、もー。またそんなこといって』
まほまほ『そう思いながらもニヤニヤをおさえられない智花さんであった』
紗季 『これからもお父さんと一緒に私たちを育ててね。智花お母さん』
湊 智花『はぅ!? ……うぅ、お、おねがいだから、もう許してぇ……』
紗季 『ま、冗談はさておき。これからは五年生たちとミニゲームをするくらいしか試合をする
機会はないかもしれないけど、しっかりと練習しないとね』
湊 智花『うんっ。ミミちゃんたちも葵さんのコーチですごい勢いで上達してるもんねっ』
まほまほ『つばひーに、げったん。おすしやミミミミにもまけらんねーなっ』
あいり 『最近だとどんどん僅差まで迫られちゃうことも増えてきちゃったもんね』
ひなた 『おー。まけられないし。ひなもかげたちにもっといっぱいバスケおしえてあげたいー』
紗季 『まずは当面の目標はこのまま下級生たちに全勝をキープすることね』
まほまほ『ったりめーだっ。……ってか、なにげにサキもマケズギライだよなっ』
湊 智花『あはは……私も人のこと言えないけど。結構みんなそうだったりするよね』
あいり 『私も少しだけそうなってきちゃったかも……でも、それだけ自分に自信が持てるように
なってきたってことだよねっ』
ひなた 『おー。ひなもいっぱいしょうぶしたいかも。いっぱいすればするだけみんななかよしに
なれるきがするー』
紗季 『長谷川さんも仰ってたけど、卒業まで長谷川さんのコーチの下でしっかりと学ばせて
頂いて、中学に上がってもみんなでバスケができるように頑張りましょうっ』
まほまほ『これからもガンガンれんしゅうしまくってメチャクチャうまくなってやるぜーっ!!』
あいり 『うんっ。いっぱい練習して、センターとしてみんなの役に立ちたいっ』
ひなた 『おー。ひなもみんなにまけないよーにいっぱいがんばるぞー!』
湊 智花『中学生になっても、大好きなみんなとバスケが続けられるんだね……すごく嬉しいよ』
まほまほ『泣くなもっかんっ! みえてなくてもないてんのバレバレだぞっ』
あいり 『えへへ。私も智花ちゃんの書き込みでちょっとうるうるしてきちゃった』
ひなた 『おー。ちゅうがくになってもみんないっしょだよー』
紗季 『今まではトモと長谷川さんに私たちのバスケを作ってもらったけど、中学からは私たち
五人で私たちのバスケを作りましょうね』
湊 智花『私たちのバスケ……うんっ。みんなとなら絶対にすごいバスケができるよっ!!』
まほまほ『うぉぉぉーー!! なんかすっげぇもえてきたぞーっ!!』
あいり 『うんっ。みんなとなら、私も頑張れるっ!!』
ひなた 『おー! みんなのバスケつくるぞーっ!』