ぐだ男がサーヴァントとしてぐだ子に召喚されたそうです 作:橘 翔
出ろ!頼光ランサー!!
うおおおおお!!!(なお、作者はまだ回していません)
もしかしたら読めばご利益ある……かも?
書いたから出るよね!(錯乱)
オルトリアと邪ンヌとはそれなりに仲良くなれたと思う。こうやってマスターやマシュと一緒に食事をするようになったのも大きな進歩だ。
「え!?邪ンヌぐだ男と一緒に寝てるの!?」
「し、しょうがないでしょう!?ベット壊しちゃったんだから!あいつを利用してやってるのよ!」
「……ベットを新調すればいいのでは?」
「……あっ」
マシュめ、余計なことを……
結局、邪ンヌのベットは新調されることになった。
もう一緒に寝るのも終わりかと思ったら、夜中に枕を抱えて部屋を訪ねてくるという極悪コンボを決めてきおった。うぬぬ、少し恥じらいながら枕をぎゅっと抱きしめ立ち尽くす邪ンヌ。極めつけは「あ、あんたが寝れないかもって思ったの!!」
かはっ(吐血)
そのあと存分にイチャイチャした。本人に言ったら否定するだろうけども。
オルトリアは相変わらずで
「今日はチーズバーガーなるものを頼む」
ほいほい、こだわり素材のチーズバーガーでーす。
「これは…………」
おうおう、無言でがっつくねぇ。
ちなみに材料は自分で調達するようにした。働かざる者食うべからず、だ。てかそうしないと死ぬ。
「では、前回の照り焼きバーガーを……あとは……」
これまた2時間コースかな?
なんてことが多々ある。
なんにせよ友好的になってくれて嬉しいかぎりだ。
もうそろそろやってみるか?
「オルトリア!邪ンヌ!ちょっといいか?」
「「?」」
「少しだけ霊基弄らせてくれない?」
「は!?何言って」
「構わん」
「!?あんたどうしちゃったのよ!あたまイッちゃってるの!?」
正直、俺もビックリですわ。黒王様意外とノリノリ?人間で言えば心臓触らせてくださいみたいなもんだぞ?
「考えてもみろ、ここまで苦労して我々を篭絡したのだ。その結果を投げ出すようなことはするまい」
篭絡とは聞き捨てならないな。主に俺の命的な意味で。
とりあえずきよひーは俺の世界で大人しくしてような!?(扉を閉じながら)
「た、確かに……」
「ふっ、私はこやつを信じているのだよ。貴様は信じられんのか?」
お、おう。オルトリアが挑発するように俺の腕を取った。なんかヒンヤリしてますね。あと相変わらず無いですね。どこがとは言わないが。おふっ……足踏み抜かれた……
「な、なななな!?なにしてんのよ!?」
「なに、軽いスキンシップだ。これくらい大したことあるまい?」
いや、こんなことしたの今日が初めてですよね?アッハイ、黙ります。今オルトリアは甲冑を脱いでドレス姿だ。生地が薄いから防御力(意味深)が低いんだよね……
「ぐぬぬぬぬ」
邪ンヌはオルトリアに取られた腕(もはや腕と腕が絡み合って密着して至福な感じになってる)を見て暫く躊躇すると、反対の手を取った。
「私だってそれくらいできるわよ!」
いや、なんで対抗心燃やしてんですか。ていうか、何について争っているんですか。やめて!私のために争わないで!
ほらほら邪ンヌ真っ赤になってるよ。無理しなければいいのに……
「ほう?ならこれくらい出来るな?」
オルトリアはおもむろに心臓辺りに俺の手を押し付けた。む、これは……微かな……しかし確かな柔らかさ……って違うわ、霊基弄るか。えっとー、ここかな?
「ぅん……ふっ……」
妙に艶っぽい声を出すのやめぃ。俺の理性が溶ける。え?揉んでないですよ?いやまじで。
「わわわわわわわわわわ!?」
邪ンヌ、完全にパニック。目がグルグルしていらっしゃる。
「わ、私だってコレクライ」
おぉ……もはや何も言うまい。……幸せですとだけ言っておこう。出来るだけ無心で(尚且つ楽しみつつ)霊基弄りまーす。
「あっ……んっ……」
「あぁ……ぅあ……」
これはR18ではない?イイネ?
「出来たよー」
「む……」
「これは……」
俺がしたのは
オルターズ、新宿バージョン!!!
あれカッコ可愛い最強の衣装だと思うんだ!!
「ふむ……この装いも悪くない」
「へぇ、あんたにしては上出来ね。褒めてあげるわ」
おふたりの反応も上々。いや待てよ?
いいこと思いついた♪
―――◇◆◇―――
ぐだ男が職員をメインホールに集めた。何を企んでいるやら……というか、あれ?マシュがいない。
『皆さん、長らくお待たせいたしました。ただ今より……』
『美女たちのファッションショーの時間だ!!準備はいいかみんな!!』
「「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」」
「はぁ!?」
え!?なに!?聞いてないんだけど!?
『まずはこの子!!みんなの頼れる盾役。後輩として先輩を支えます!!マシュ・キリエライト!!!』
「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」
マシュが少し恥ずかしげに出てくる。ええええ!?
『だがしかーし!これはファッションショー!!ってことで普段よりひと味もふた味も違った魅力、お伝えするぜぇ!!』
突然、マシュの周りを下から飛び出てきた壁が覆う。いつの間にあんな仕掛けを……
壁が下がると私服から霊装に変わっていた。
『少し過激?でもそこがいい!!この盾で皆を守ります!!霊装だああああ!!!』
「「「「「うおおおおおお!!!」」」」」
いい加減うるさいのだが……
『まだまだあるぜ!!』
また壁がマシュを隠し、今度は……
『夏の甘酸っぱい思い出、海辺でデート。水着だああああああ!!!!』
「「「「お……」」」」
「お?」
「「「「おおおおおおおおお!!!!!」」」」
今日1番の歓声が上がる。てか、水着!?いつのまに!?
『相変わらず可愛いですなー。ってこら!お前ら!あんまりジロジロ見るな!不愉快だから撤収!』
あ、主催者の私情入ったぞ。マシュ退場。
当然ながら観客からはブーイング。
『こらこら、ものを投げるな。……おい誰だ食べ物投げたやつぶっ殺すぞこら!!……こほん。お次はぁ!!みんな大好きツンデレ所長、オルガマリー・アニムスフィア!!』
「「「「………………」」」」
観客からは声さえ出ない。
何故なら、
あの所長が、
バニー姿で登場したのだから。
そこかしこで人が倒れる。灰になった人もいる。菩薩のような達観した顔の人もいる。前屈みになる人がいる。
まさに阿鼻叫喚だった。
『いつもはお堅い所長がバニー!?恥じらいながら睨みつけるのがまたイイ!!はーいマリー、ニッコリスマーイル!』
「……も、もう!!…………(ニコッ)」
―――ドキューン!!
観客全員が倒れた。
わ、私まで倒れてしまった。破壊力がありすぎる……
所長は恥ずかしくなったのか駆け足で引っ込んだ。
そんな中、次に出てきたのは
オルターズとエミヤ、ぐだ男だ。
「え?なんで4人かって?え?男はいらないって?まぁまぁ、そう言わずに……ご覧あれ!!」
―――パァーン!!
突然白い煙が焚かれ、何も見えなくなる。
そして煙が晴れると。
黒系の衣装で統率された4人が現れた。
なんていうか
「「「「「カッケぇえええ!!!!」」」」」
もはや会場のノリに呑まれているが気にしない。私も叫ぶしかなかった。
邪ンヌとオルトリアはラフなノースリーブやタンクトップ。ぐだ男とエミヤはスーツでバッチリ決めている。
例えるなら……あれだ、
めちゃめちゃ仕事が出来る殺し屋達みたいな感じがする。
「どうだお前らー!!え?男は引っ込め?……つれないなぁお前ら!!ちなみにオルターズは水着もあるよ!」
壁せり上がる→壁取り払われる→オルターズ水着
『アルトリアだけずるい?大丈夫、お揃いの水着を邪ンヌにもプレゼント!!水鉄砲であなたのハート(物理)を狙い撃ち!!』
「「「「うぉおおおおお!!!」」」」
今ハートの表現おかしくなかった!?
『そしてそして!我らがマスター、立花!!!』
「ほら、こっち来なさいよ!」
「ここは従った方が賢明だぞ」
オルターズに連行され私も舞台上に。
何にも聞いてないんだけど!?
「これに着替えるといい」
「拒否権は無いわよ!」
渡されたのはオレンジの水着。え?ビキニ!?これ着るの??
『壁が無くなるまでカウントダウンスタート!10、9』
アイツ後で絶対ぶっ飛ばす。
仕方が無いので急いで着替える。え?早すぎるって?これぐらいの無茶振りどうてことない!
「無駄な所でスペックが高いのだな」
「生身の人間がどうやってるのってツッコミしたいレベルの動きで早着替えしたわね……」
『2、1、0!!麗しのサーヴァントに囲まれて霞む?いえいえそんなことありません。カルデアの女性陣はレベル高すぎ!!藤丸立花!!』
「「「「うおおおおおお!!!」」」」
あ、これ満更でもないかも。そりゃ雰囲気に当てられているのかもしれないけど、やっぱり認めてもらえるのは嬉しいものだ。
『ちなみに結構ふくよかです!俺の見たてでは少なくともDいじょぐはっ!?いつの間に後ろに……』
『なななななななに言ってるのよ!!!』
変なこと口走らないでよね!!
「……今の動き、見えた?」
「いや……もはや瞬間移動に近いレベルだった」
「マスターって一般人なのよね?」
「さぁな」
なんてオルターズの不穏なやり取りは聞こえてない!(∩゚д゚)アーアーきこえなーい。
『これでファッションショーは終了だぜ……(がくっ)』
「ええ!?ぐだ男大丈夫!?立花の攻撃ってどうなってるのよ!?」
「所長、それは禁句です」
「とりあえず医務室に運ぶことをオススメする。マシュ、手伝ってくれ」
聞こえてないんだからね!!!
なお、その後の職員の作業効率が1.2倍ほどになった。まぁ、偶にはこういう息抜きがあってもいいのかな?って思う。
「先輩!大変です!!」
「わわ!どうしたのマシュ?」
「あのファッションショーの写真が流出したらしくて……」
「は!?それヤバいんじゃ!?」
「あ、いえ、そこではなくて……それを知ったぐだ男先輩が怒り狂って……その」
「またやらかした……か……」
「……はい……男性職員の部屋は軒並み破壊。それに抗議する職員達と戦闘が……」
ごめん、撤回。息抜き出来ねぇわ、これ。
思わず頭を抱えた。
―――◇◆◇―――
……久しぶりにブチ切れてしまった……
いや、あのだな……なんか、こう、ね?
この世界では俺の
他の男達の欲望に晒すのは……うん、嫌だったんだよね。だってあれだけの美女の水着姿の写真なんて使用方法が分かりすぎるほど明らかだろ?嫉妬……かな。それは所長やマスターに対しても同じ。あれ?でも俺はそれを
「ならあんなの開かなければよかったじゃない」
「あれ?声に出てた?」
今?所長にお説教されていたんだけど様子が変なことに気付かれた。よって頭を撫でられている。これ妙に安心するんだよな……おかげで少し本音が漏れてしまった。
「それに、その……あなたが見たいっていうなら、私はいつでも着てあげるわ……よ?」
(理性から)逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……
「うん、ありがとねマリー」
「あ、あのねっ!!私も撫でて欲しいなぁ〜なんて」
ひたすらなでなでした。
―――◇◆◇―――
2人の少女が対面する。
一方はブリタニアの王、一方はオルレアンの聖女。
どちらも由緒正しき英雄でありながら狂ってしまった存在。
「問おう、黒き聖女よ。何故やつらの味方をする?」
「なによ、呼び出したのはそんな理由?」
「答えろ」
空気が張り詰めていく。2人の魔力がぶつかり合い火花を散らす。
「……強いて言うなら楽しそうだから、かしら?」
「……その程度で従うのか?」
聖女は馬鹿にしたように王を笑う。
「じゃああんたは何なのよ?」
「……世界を……あの美しく優しい世界を守るため」
「あははは!それこそくだらないじゃない!!それも王の責務ってやつ?あはははははははは!!」
「……ちっ」
苛立ちを募らせる王とは対照的に、聖女は余裕を保っていた。
「やはり貴様は生かしておけない」
「あら?殺りあうっての?」
2人の間で殺気が膨れ上がる。
「はい、そこまで」
だが、突如現れた男がそれら全てをかき消した。
「俺の
「「なっ」」
2人の体から力が抜け、堪らず床に伏せる。それは彼女達にとって我慢のならないことだったのだろう。
「邪魔を……」
「するな!!」
立ち上がり斬りかかってきた2人を意外そうに見ながらぐだ男はその剣を受ける。血が飛び、四肢がもげ、
そしてその傷は瞬時に回復する。
「「なっ!?」」
心臓を貫き、首を跳ねても生きている。何度殺しても死なない。そのことに圧倒的な力の差を理解させられる。
「双方、剣を引け」
「……ちっ」
「……くっ」
彼女達は歴戦の勇者だ。だからこそ、彼に勝てないことが分かってしまう。それほどまでの圧倒的な存在感を彼は有していた。
「それじゃ、邪ンヌ」
「な、なによ……」
「今の邪ンヌのこと、嫌い」
「………………ぇ?」
その一言が余程ショックだったのか一気に蒼白になる。
「でも、許す。人は間違えるから。でも、仲間を傷つけるのは許せない。次は無い」
「……ッ!!」
首でも取れるのではないかと思われるほどに首を縦に振る聖女を見て、彼は苦笑する。
「反省した?」
「(こくこく)」
「ならこっち来なさい」
「(こくこく)」
「………………(じとー)」
「(ウルウル)」
「ったく、しょうがないなぁ」(ナデナデ)
「(ぱぁ!!)」
頭を撫でられた聖女はこの世の終わりのような顔から一転、気持ちよさげに目を細めた。
「気をつけろよ?」
「それくらいわかってるわよ」
「あ゛?」
「……ごめんなさい」
「ん、許す」
そうして聖女を退散させ、今度は王の方を向く。
「さて、アルトリア、理由を聞こうか」
その顔は惚れ惚れするような笑顔で、思わず王は身震いした。残念ながら目が笑っていないのである。
―――◇◆◇―――
どうしてこうなった。
俺が仲裁してなかった殺し合いしてたぞあれ。
「奴には……信用出来る証拠が無い」
「……?」
「裏切られ、寝首を掻かれるやもしれんと言っているのだ」
「あぁ……うん?」
予想以上に邪ンヌを危険視している。こちらを心配しているのかと思ったらどうにも違うみたい。自分の邪魔にならないか心配している?
「君が協力してくれるのは……俺たちを利用するため?もっとはっきり言えば自分のため?」
「……そうだ」
なるほどな。うむ、
「悲しいな」
「……許せ、守るためには手段を選べん」
「いや、最初から言ってくれれば喜んで利用されてあげるのに。まだ遠慮があって悲しいなーと」
「……は?」
理解できないものを目にしたかのように俺を見つめるアルトリア。まぁ、生前が生前だから1人でなんでもやろうとしてしまうのだろうか?
「いいよ、存分に利用してくれ」
「……お仲間ごっこをしているかと思えば……貴様は、いや、貴様
「なんとでも言え。俺は大切な人の役に立ちたい。その大切な人の中にお前もいるんだ。文句は認めない」
「全く……お人好しなのか馬鹿なのか……」
アルトリアは生涯孤独だった。
信頼出来る部下はいても、友はいなかった。だから
「その代わり、友達になってくれないか?」
「……その友、とはどのようにしてなるのだ?生憎生前に身につけられなかったのでな」
「簡単なことさ」
俺が初めての友達になろう。
「一緒に悩んで、苦労して、涙して、楽しんで、笑い合う。そんな関係のことを指すんだよ」
「……理解できない」
「だろうね。君は1人で出来すぎた。他人に頼ることを知らなさすぎた」
手を差し出す。
「何かあったら言え。損得とかそんなの抜きにして、助ける」
「私は何もする気はないぞ?」
「それでもいいさ。でも、」
迷っているアルトリアの手を握る。
「気が向いたら助けてよ」
「善処しよう」
オルトリアは苦笑していた。おそらく相当馬鹿だと思われたのだろう。だが、それでいい。人との関わりを知らなかった彼女と周りの架け橋になる。そうしたらきっと、
「あと邪ンヌだけど」
「ああ、やはり」
「信用していいよ」
「……根拠は?」
「俺が信じているから!」
「……薄いな。確証もない」
「そりゃそうだけど」
「だが、まぁ、貴様に免じて見逃しておいてやろう。せいぜい痛い目を見ないように気をつけるんだな」
「……うん、ありがとうアルトリア」
黒き王は1度もこちらを振り返ることなく去っていった。なんとなく、本当の彼女に出会えた気がする。相変わらず無愛想だけど。
ちなみにオルターズはずっと新宿衣装。異論は認めない!
どうも橘です
怖くて引けない、けど引きたい
ジレンマ!!
邪ンヌはチョロイン、オルトリアは攻略対象外みたいな心情かな?もうちょいインパクトがある好感度上げがあればオルトリアもいける……か?どっちかというとビジネスライクな関係。
所長成分を補給しますた。
邪ンヌ成分を補給しますた。
WARNING!ぐだ子の存在が薄くなっています。
立花「なんでよ!?」
ぐだ男「ヒロイン力たったの3か……」