ぐだ男がサーヴァントとしてぐだ子に召喚されたそうです   作:橘 翔

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最初に言っておく

キャラ崩壊ってレベルでチョロい

すまない……可愛い邪ンヌが書きたかったんじゃよ……

砂糖を吐く準備はいいか?


オルターズ攻略!!

「なぁ、マスター。どうすんのこれ?」

「そんなの私が聞きたい」

「うーん……」

 

私、ぐだ男、マシュで集まって話し合っている。何についてかって?

 

あの黒ずくめの乙女たちについてだよ(白目)

 

最初に召喚した以来からオルトリア(ぐだ男命名)は部屋から出てこないし、邪ンヌ(ぐだ男命名。イントネーションが独特で、ジャンヌと呼び分け可)は邪ンヌで廊下とかで出会うたびに焼かれる。睨まれると出火するんだよ!?

 

うーん……一応敵だった子達だもんなぁ……

 

「オルトリアはなんとかできる」

 

突然、ぐだ男はそう言い切った。ふぁ!?

 

「え、ちょ、まともに喋れてすらないのよ!?」

「え?うん、まぁ……コツがあるんだよ」

 

そう言うとぐだ男は1枚のメモを渡してくる。

 

「これは?」

 

どうやら大量の……食料について?

 

「オルトリア鉄壁城塞を落とすにはこれくらい必要なんだよ……」

 

ぐだ男は何故かそこで遠い目をしていた。

 

「でもこれ相当な量よ?それこそ一般人一ヶ月分くらい」

「……マスター、舐めないほうがいい。食料庫の半分が消える覚悟が必要だ」

「は?半分?」

「デミサーヴァントの私はともかく、サーヴァントは食事を必要としないはずでは?」

「ま、そこが攻略のキーポイントって訳よ。集めるのは任せた!」

 

ん?この量を?

 

「あんた面倒なこと押し付けたわね!?」

「えー?なんのことでしょー?」

「先輩!だめです!拳を下ろして!」

「マシュ!止めないで!コイツ一発殴らないと気が済まない」

 

うがー!!!

 

「ぐだ男先輩!先輩の力が凄くて止められません!」

「!?!?!?マシュって仮にもサーヴァントだぞ!?」

「喰らえ、昇〇拳ッ!!!」

「へ!?拳が赤くなってるんだけどぐぼら!?」

 

ぐだ男は壁を突き破りながら吹き飛んでいった。あ、やば、ロマニに怒られる!

 

「マシュ!今すぐ食料集めにいくよ!」

「え?あんなに渋っていたのに?」

「いいからいいから!」

 

あとはぐだ男が全ての罪を被ってくれるさぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛てぇ……マスターも順調に人間辞めてるなぁ……」

「うわぁ!?なんだこれ!?」

「おうロマニ。どした?」

「どうしたもこうしたもないよ!!なんで壁が壊れてるのさ!!」

「マスターが赤い拳を振り抜いたらこうなった」

「何訳の分からないことを言っているのかな?立花くんは人間だぞ?こんなこと出来るのは」ニコニコ

「サーヴァントだけだと?」

「(こくこく)」ニコニコ

「いや、まてロマニ。目が笑ってないぞ。え、なんで腕を掴むんですか?え、資材集め?今からやることあるんだけど見逃してくれな痛い痛い痛い!!分かった!分かったから!行くから!!……はぁ……ロマニまで人間辞めてたのか……」

 

―――◇◆◇―――

 

酷い目にあった……え?自業自得?反論出来ん……

 

高速周回は慣れたものなので問題無いけどな!

 

マスターに押し付けた理由?面倒だし疲れるんだよね、あれって。

 

「邪ンヌー?入るよー?」

 

オルトリアはマスターが戻ってきたら攻略。ってことで邪ンヌの部屋に突撃します。

 

「ん?居ないのか?」

 

返事が無かったので部屋を覗いてみる。あ、鍵はマスターキーもってるので問題無い。プライバシー?おま、ラッキースケベの可能性に賭けたくないのか!?

 

「邪ンヌ?」

「デュヘイン!!」

「ふぁ!?」

 

あっ、居たのね。

 

「え……!?効いてない!?」

「そりゃ霊基が育ってない状態だからな。散々きよひーに焼かれたせいで炎自体に耐性ついてきたし」

 

レベル差って偉大なのさ。

 

「ッ!!今度は何!?何をしにきたの!?」

 

そう、これだ。邪ンヌが上手くここに馴染めていない理由の1つは俺だ。特異点が修復された時点でそれまでの記憶は残らないのだが、あの特異点で生まれたサーヴァントたからか、はたまた相当強いトラウマなせいで忘れられなかったのか(後者な気がする)、特異点での記憶を彼女は持っている。

 

まぁ、簡単に言うと、

 

「こ、こないで!!」

 

めっちゃ避けられてます。辛い。

 

「特に何もしないってば……ただ仲良くしようと……」

「そうやって罠を仕掛けるんでしょ!?」

「思ったんですが……」

「落とし穴!?また落とし穴なの!?」

「ねぇ……」

 

話すら出来ないよ!?

 

「あれは俺が悪かったよ。悪ふざけが過ぎた」

「…………」

 

ぶっちゃけ敵同士だったのになんで謝ってるのか自分でもわからないけどな!邪ンヌはまだ疑い深い目で見てくる。そうやって他人を疑って憎んで、疲れるだろうに。

 

「無理に仲良くしようとしなくていい。俺のことを憎むのも構わない。ただ、全てを拒むのはよくないよ」

「ッッ!!あんたに何がわかる!!」

「わかるよ」

 

その返事が意外だったのだろう。少しだけ威勢が失われる。

 

「ばっかじゃないの?そんな気休めを言っておけばいいとでも思った?」

「いーや、知ってる。ジャンヌの(偽物)であることを地味に気にしていることとか、ジャンヌを想ってフランスを憎んだこととか、ほんとは優しくてお人好しなとことか」

「は……?何言って……」

「君が知らないことも沢山知ってる。人の温もりに飢えていることとか、憎まなければいけないと思い込んでいるところとか」

「やめてよ……」

「ほんとは、みんなと仲良くしたいのに、出来ないことを悔やんでることとか」

「やめろって言ってるでしょ!!」

 

あれ?お腹が熱いや。

 

あぁ、なんだ。邪ンヌの旗か。

 

「なんで、そんな、笑ってるのよ……」

「あれ?笑ってる?」

 

ああ、本当だ。俺は今、腹を貫かれて笑っている。

 

これじゃまるで変人みたいだ。

 

「すまんすまん。シリアスには似つかわしくなかった」

「そうじゃなくて!!……私は殺す気だったのに……なんで……なんで笑えるのよ……」

 

それは自信をもって答えることができる。

 

「邪ンヌのことが大好きだから。だから、ようやく向き合って貰えて嬉しい。避けられて辛かった」

「な……に……言って……」

 

そりゃそうか。ここの邪ンヌとウチの邪ンヌは違う。でも、違うけど、きっと同じで。

 

「今は人の優しさが怖いかもしれないけど、ゆっくり慣れていけばいいよ」

「意味わかんない……」

 

ふむ、そろそろ旗を抜きたいんですが。

 

イテテテテテ!!

 

引き抜いた旗は血で真っ赤になっていた。邪ンヌはそんなこと気がついていないかのように俺の顔を凝視している。

 

「あーあー、血で汚れちゃった。ごめんね」

「自分が傷ついて……それでも好きだから大丈夫だって……まるで……まるで……」

「ジャンヌみたい?」

「ッ!!」

 

ほんと、優しい子だ。

 

「そろそろジャンヌの代わりに憎むのを辞めてもいいんじゃない?人を憎むことについては、君は向いていない」

「そんな訳……」

「無いとは言い切れない、でしょ?」

「…………」

 

呆然としている彼女は、迷子の子猫みたいだった。

 

「おいで」

 

両手を広げる。

 

「は?ばっかじゃな……い……」

 

邪ンヌを抱きしめる。

 

「の……」

 

役得ッ!!おっと本音が。

 

「よしよし、辛かったね。頑張ったね」

「…………」

 

邪ンヌは何も言わなかった。それでも、離れなかった。

 

 

 

 

 

貧血で俺が倒れるまでその抱擁は続いた。しまった、傷を治すの忘れてた。

 

 

 

 

 

―――◇◆◇―――

 

「先輩!右方向、来ます!!」

「エミヤお願い!!」

「承知した」

 

あの馬鹿ぁぁぁぁあ!!!

 

4時間くらい狩りをしてようやく半分って

 

ふざけるなぁぁああ!!

 

「え、エミヤさん!先輩が!」

「ふむ、魔力を拳に纏って殴りつけているのか。あれなら確かに戦えるな」

「いやそうじゃなくて!!」

「わかっている。マスターの成長は喜ばしいことだ。少し食材を多く調達しよう」

「そうでもなくて!!というかこれ以上増やすんですか!?」

『はっはっはっー!!四次元ロッカーが役に立つだろう!!』

「あぁ、こんなところでフラグ回収なんて誰が想像したでしょうか!!あとロッカー自体の持ち運びがとても面倒です!」

『うぐぐ……』

「マシュ、それ以上はいけない。メタいのはぐだ男だけで十分だ」

「おらおらおらー!!」(3メートルほどの熊を殴り飛ばす)

 

あいつ帰ったら殴る!!

 

―――◇◆◇―――

 

うぬぬ……ここは、医務室か?

扉が開く音、そしてちらっと見えた黒いドレス。おおかた側で待ってたはいいけどなんて顔合わせればいいか分からなくて逃げ出したんだろう。

 

邪ンヌちゃんったらツンデレすぎ!

 

特に体に異常はなさそうだったので

 

邪ンヌの部屋に直行します。

 

「やっほー」

「え!?ちょ、はぁ!?」

 

傷?全て遠き理想郷(アヴァロン)というチートを知っているかい?

 

「もう動いて大丈夫……なの?」

「心配してくれるんだ」

「〜ッ!!ばっかじゃないの!?」

 

ふむ、

 

「おっと」

 

試しに倒れる振りをしてみる。

 

「ちょっと!!」

 

おおう、必死の形相で抱きとめられた。優しい。

 

「やっぱ優しいよね」

「え……大丈夫なの?」

「うん、演技」

「死ねっ!!」

 

はっはっはっー!過激だな!!殴りかかってきたよ!

 

「旗は使わないの?」

「あんたの血で汚れたから、ね!!」

 

嘘だ。

 

「さっきのこと気にしてる?」

「そんなわけ!無いでしょ!!ああもう!ちょこまかと!!」

 

ちなみに邪ンヌの部屋はそんなに広くない。つまり、暴れていると、

 

「「あっ」」

 

物を壊す。今回犠牲になったのはベットでした。思わず2人で顔を見合わせる。

 

「……なんかごめん」

「別にいいわよ……昔はカチコチのベットで寝てたし……今更床で寝るくらいどうてこと……」

 

それでも少し未練がましくベットを見ている。うぬぬ……

 

「よし、俺の部屋で寝ろ!!」

「はぁ!?ばっかじゃ」

「ん?2人一緒じゃないよ??え?想像したの?」

「(口パクパク)」

 

顔を真っ赤にして口篭ってしまった。可愛い……

 

「あ、あんたはどこで寝るのよ」

「んー?廊下?」

「ばか!風邪ひくに決まってるでしょ!」

「えぇー、いいじゃんかー」

 

邪ンヌは気づいていないのだろう。無意識に俺の体調を心配していることに。そもそもサーヴァントって風邪ひくの?沖田さんぐらいだと思うんだが……?ん?俺?気づいてからニヤニヤしてます。

 

「あぁもう!一緒に寝ればいいんでしょ!!いいわよ、それくらい!」

「……ありがと」(ニヤニヤ)

 

ここで新しいのを新調する、とか出てこないあたりポンコツで可愛い。

 

「あ、あんたの部屋どこ?教えなさいよ」

「ん、じゃあいこっか」

 

少し寝るには早いが、まぁ、いいか。

 

 

 

 

 

 

「ここだよ」

「へぇ……何にもないわね」

「まあね」

 

俺の部屋にあるもの?

 

・ベット

・観葉植物

 

以上!!

 

「少なすぎない?あのころのフランスでさえもうちょっと洒落っけがあったのに」

「余計なお世話だよ!」

 

そもそもこの部屋に入ること自体が片手に数えるほどしかないのだ。模様替えなんてやってられないよ。

 

「そ、それじゃあ、寝る?」

「ん?まだ早くないか?」

「そ、そそそそうね!」

 

なんだコイツ、可愛い(本日3回目)

 

「ま、いいや。横になりながらお喋りしようか」

「へ?」

 

ベットに横になると前の空間を叩く。ほれほれ、こいよー。

 

「ここに寝て?俺が後ろから抱きしめてあげるから」

「……ん」

「え!?」

 

ここで一悶着あると思っていたら案外素直に横になった!?

あまりに予想外すぎて恐る恐る手を廻す。

 

「いいの?」

「なによ、あんたが言ったんでしょ?それとも嫌になった?」

 

邪ンヌの声は震えていて、でもそれを必死に隠そうとしていて、

 

「んーん、嬉しいよ」

 

出来るだけ優しく彼女を抱きしめた。

 

「私は……」

「ん?」

「あんたみたいな偽善者が大嫌い」

「うん」

「自分が傷ついても気にしない自己犠牲が大嫌い」

「うん」

「裏切られることが大大大嫌い」

「……うん」

「あんた……」

 

邪ンヌが俺の手を掴む。固く、強く。

 

「さっきの言葉、嘘だったら絶対許さないから」

「……ん、分かった」

「裏切ったら殺してやる」

「うん、わかった」

 

彼女の体は震えていた。

 

「もう、独りになりたくない」

「うん、もう独りぼっちになんかさせない」

「裏切られて、絶望したくない」

「大丈夫、俺も、マスターだって裏切らない」

「もう、誰も……」

 

―――ジャンヌ(わたし)を傷つけないで。

 

あぁ、美しい。

 

ただ、そう思った。

彼女は最後の最後で、ジャンヌを想った。復讐者(アヴェンジャー)としての性質に歪められてしまったものの、彼女の本質とはジャンヌを守りたいという思いだった。ジャンヌのための怒りだった。ジャンヌが最後まで気づくことのなかった、自分のために働くはずだった感情だった。

 

「君は綺麗だ」

 

泣き疲れて寝てしまった邪ンヌの頭を撫でながら呟く。

 

「おやすみ、ジャンヌ・ダルク」

 

こーゆーシリアス求めてる訳じゃないのになぁ(白目)

 

―――◇◆◇―――

 

「おかえりマスター!ありがとね!」

「……はははは」

 

殴る気力すら湧かない。

 

「あの、ぐだ男先輩。実はこれ、先輩が5割ほど集めていて……」

「……………………はい?」

「マスターは武闘術の才能があるのかもしれんな。我流であそこまで戦えるなら大したものだ」

「……守られるはずが、戦ってたと?」

「「(こくこく)」」

 

ふふふ、ぐだ男が驚愕しているのが面白い。あ、ちょうちょだー。

 

「マスターごめん!だから正気に戻ろうか!!なんか目がイッちゃってるよ!」

「はっ!!ぐだ男ぉぉぉお!!」

 

正気に戻る→殴る

 

「キレが増してるだとあべし!?」

 

ふぅ、スッキリした。

 

「エミヤさん……先輩って本当に一般人ですか?」

「ふむ……さあな」

「もはや信じられません……サーヴァントと渡り合える一般人なんているのでしょうか?」

「まぁ、一般人(バケモノ)も偶にはいるのだろう」

 

なにやらマシュ達が失礼な事を言っているが無視無視。私は無害な常識人です!

 

「「「それはない」」」

 

そんなぁ……

 

「あ、そういや」

 

ぐだ男がフラフラしながら戻ってくる。ちっ、壊さないように手加減したのが不味かったからか……

 

「マスター、いい加減に正気に戻ろうか。それよりも、邪ンヌ攻略終わりましたよ」

「は?攻略?」

「そそそ。少なくとも今までよりは仲良く出来ると思う」

「……いったい何したのよ……」

 

あれか、催眠術とかか。

 

「失礼な。ちゃんと話を聞いてお腹を貫かれただけですよ?」

「貫かれた……!?それってだけ(・ ・)なの!?」

「うんうん。貧血で死にかけたけど」

 

駄目だこいつ……早くなんとかしないと……

 

「それじゃあ、オルトリア攻略しますか!エミヤ!!忙しくなるぞ!!」

「ふむ……?」

「先に厨房で仕込みしといてくれ」

「ふっ、なるほどな」

 

何か通じ合うものがあったらしくエミヤが素直に従う。

 

「厨房……ということは料理で釣るのですか?」

「そーゆーこと!マシュとマスターには料理を運んでもらうからよろしく」

 

なるほどね……でもそんなんで大丈夫なのかな?

 

「アルトリア・ペンドラゴン、と呼ばれる人物においては物凄く効果的だと思うよ」

 

そんなこんなでオルトリアの部屋に到着。

 

「セイバーさん、お食事一緒にどうですか?」

「馴れ合わんと言ったはずだ、帰れ」

 

うわっ、バッサリ。流石のぐだ男でもこれは……ん?ぐだ男が何かを取り出した。あれは……ハンバーガー?なんでまたハンバーガーなんか……?

 

「王よ、味見だけでもどうですか?美味しさは保証します」

「…………」

 

目にも留まらぬ速さで手が伸び、ハンバーガーを咀嚼する黒セイバー様。

 

あ、少し頬が緩んだ。美味しかったのかな?

 

「……お代わりは?」

「食堂にたっぷりと」

「行きましょう」

 

即答だった。もはや食い気味に答えていた。あのツンツンしてたオルトリアがこうもあっさりと!?

 

「よし、こっからが戦いだ。マシュ、マスター頼んだよ」

「「?」」

「行けばわかる」

 

早歩きで食堂に向かうオルトリアを追う。あれ?場所って知ってるのかな?あ、匂いで分かりますかそうですか(汗)

 

「食事の用意をお願いしても?」

「喜んで。もしご満足頂けた場合は僕らの戦いに協力をしていただけますか?」

「いいだろう。しかし私の判定は厳しいぞ、若き料理人よ」

「いざ」

「勝負」

 

それから先は、地獄だった。

 

エミヤが初めて召喚された時に勝るとも劣らない早さで料理が運ばれ、それをまた信じられないほど早くオルトリアが平らげる。まさに動くことをやめたら死ぬ戦場。その中をぐだ男とエミヤが協力して(途中からなりふり構わなくなったらしい)料理を作り、私とマシュが飛ぶようにそれを運ぶ。途中からロマニや所長、はたまたダウィンチちゃんまでもを駆り出して皿洗いをさせる始末。

 

そう、料理戦争とは、まさにこれだった。

 

「見事だ……これほどの美味と出会えるとは……」

 

全ての食材を使い切り疲労困憊の私達の前に王は毅然とした態度で立つ。

 

いや、まじでどんだけ食うのよあいつ……

 

「その働きに私も報わねばな。貴殿の力になることをこの剣に誓おう」

 

おぉ、攻略終わり?終わりでいいよね?

 

もう疲れたよ……

 

「次はもうちょい自制してくれ……」

 

ぐだ男が呟いた言葉に皆が大きく頷いた。

 

「ふむ、そうか?次からは気をつけよう」

 

もっとも、当人には自覚がなさそうだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――少し経った食堂での黒聖女との記録

 

「ちょ、ちょっと!私にも作りなさいよ!」

「うん、いいよ…………はいどうぞー」

「(もきゅもきゅ)あ、これ美味しい」

「ほんと?ありがとう」

「まったく、あの女にばっかり構ってるんじゃないわよ」

「……寂しかった?ごめんごめん」

「ばか、誰がそんなこと」

「本音は?」

「…………少しだけ」

(無言で抱きつき頭を撫でる)

「ちょ、なによ!」

「いや、可愛いなーって」(ニヤニヤ)

「はぁ!?ばっかじゃないの!?あ、ちょっと、撫でるのやめろとは言ってないんだけど!!……なによその目は!!悪いか!!」

「(あかん、こいつ可愛い……死ぬ)」




どうも、橘です

可愛いは正義……だろ?

正直チョロインにしすぎな感はありますが(今更)どうしても可愛い邪ンヌを書きたかったんだよ。後悔はしていない。

書いててニヤニヤが止まらなかった

黒王を流しすぎたので次は黒王メイン?

書くから水着来てくれよ……

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