遊戯王転生?(タイトル未定)   作:モフモフ好き

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腹話術と言ったな、あれは嘘だ!

今回実験的に書いてみたんですが、視点がコロコロ変わるのでちょっと読みにくいかもしれません。
そして原作からデュエル内容が少々変更がありますのでご注意の程を。


VS死のものまね師! 届け!海馬の叫び!

「復讐してやる、復讐してやる、復讐してやる!」

 時刻はちょうど3時を過ぎた頃でしょうか、遊戯さん達を探していると、人気のないデュエルリングで海馬くんの亡霊と名乗る者が立っており、遊戯さんがこれからデュエルを行おうとしていました。

 

「鈴音! あれ兄!?」

「しー、声が大きいよモクバ君、見つかっちゃう」

 慌ててモクバくんのお口を塞いでから、鞄から双眼鏡を2つ取り出す。

「ぷはぁ、なあ鈴音、俺はだんだんお前がドラ◯えもんに見えてきたぞ。

 一体その魔力で作った空間、面倒だから4次元ポ「それ以上はいけない」

 じゃあアイテムボックスか? それには一体どれだけの物が入ってるんだ?」

「容量は私の魔力依存だけど、大体海馬さんが何時も大量のレアカード入れるのに使ってるあのアタッシュケースぐらいかな? とりあえずこれで海馬さんの顔をモクバくんも確認してみて? あんな悪人ずらしてなかったよね? 髪型とか輪郭は近いけど」

 

 渡された双眼鏡で、茂みの中から覗く私達、除いた先に見えるのは一つのデュエルリング、そこに立つ遊戯さんたちと海馬(偽)さん。

 そして確か海馬さんの部下の一人だった、確かさ、さ、さわたり? だったかな? 何か違う気もするな? 沢渡だと人の頭にダーツ投げたり、エンタメに目覚めたりしそう。

 あ、思い出した、猿渡だっけ、I2社にKCの情報を流してる人だったはず。

 

 そしてデュエルの行方を見守る城之内さんたち。

 

「パっと見たなら、兄様に間違えそうだけど、よく見たらぜんぜん違うな、兄様あんな不細工じゃないし」

 どうやら原作の方でモクバ君が海馬社長と間違えたのは色々限界だったからなのかもしれないですね。

 

「しかし、この距離だと何言ってるか聞こえないな」

「でもこれ以上近づくと見つかっちゃうよ?」

 だけどそんな時にデジトロンが

(ピピッ、デュエルリング、マイクツイテル、オトナラヒロエルゾ、ヘカヨコセ、ソシテメデロ、ソシテトオトベ?)

 というのでかなり小さめで実体化させてみた。

 ヘカだって無限にあるわけではないのだ、節約できるとこは節約しないと。

 なお、姿を出させるのは不味いので、念のためポケットの中で実体化させてから撫でる。

 

「モクバ君、これ耳に当てて」

「これは、イヤホン?」

「そんな感じ、カードの精霊が力貸してくれたから、あそこのデュエルリングのマイクから音拾ってくれるみたい」

「なんかだんだん感覚が麻痺してくるな、鈴音がいると……俺の常識がガラガラ崩れていく音が聞こえる……」

 ちなみにこのイヤホン、デジトロンの頭の両サイドの突起が伸びた物だったりします。

 

 

『俺のターン、サイクロップスで攻撃』

 

「あのカードは、確かに兄様もデッキに入れてた……」

「……とにかく、様子を見ましょう、今考えられるのは3つ、一つはありえないけどあの人が海馬さん本人、二つ目が、海馬さんのそっくりさんに、ブルーアイズの入ってない、海馬さんのデッキを真似たものを使ってる、最後に、海馬さんのそっくりさんに、海馬さんのデッキを使わせてる、かな?」

「兄様は絶対に死んでなんか……」

 

 

 

 一方その頃海馬邸では、プロトデュエルディスクを組み立てていた所を襲撃され、窓から海に飛び降りたと見せかけた後、海馬邸の地下隠し部屋に海馬さんは向かっていた。

 地下書庫に入ると、本棚の本を一冊引くと、本棚そのものがスライドして扉が現れる。

 網膜認証システム式ドアに目をスキャンさせると、扉のロックが解除される。

 

 

『声紋を照合します、お名前をどうぞ』

「海馬瀬人だ」

『確認しました、瀬戸様、お久しぶりです』

「俺が眠っている間に何があった!」

 

 そこからコンピューターに告げられたのは、ビッグファイブとペガサスの企みであった。

 そしてその際にモクバが攫われ、ペガサスの元で幽閉されたということである。

 

「必ず木馬を救出する! だがその前に、ペガサスの乗っ取り計画を阻止するのが先だ、なんとしても遊戯を勝たせなければ!」

 

 そして、いずれここの端末を操作していることがバレるのが時間の問題と分かっているからか、速度優先で検索を始めた。

 

「まずは一般ユーザー用のネットで場所を特定する! 検索、デュエリストキングダム!」

 

 

 

 

 

 

 その頃デュエリストキングダムでは

 

「ふふ、今地獄から復讐の死者が蘇る、覚悟は良いな……遊戯」

 そして召喚されるブルーアイズにモクバ君と遊戯さんの精神が揺さぶられる。

 

 

 

「そんな!? あれは兄様の!?」

「落ち着いてモクバ君、とは言ってられないね、だけど残された可能性は、本人か盗んだデッキをそっくりさんに使わせてるかだね」

「遊戯、頼む……あれが兄様の偽物だって、信じさせてくれ!」

 

『さぁ、一緒に逝こうぜ、遊戯ぃ!』

(遊戯さん、お願い、負けないで!)

 

 

 

 

 

 

 

 場面は戻り海馬邸、地下室では

 

『検索完了、デュエリストキングダムの開催地を特定しました、現在、稼働しているデュエルリングは12』

「よし、稼働してるデュエルリングの中から武藤遊戯のブースを特定しろ」

 

 しかし、武藤遊戯のデータは公開されておらず、閲覧不可となっていた。

 だがそこで海馬瀬戸は、裏ルートでデュエルリングのデータを送信する際に経由する通信衛星から、I2本社のメインコンピューター『ミレニアム』にハッキングを仕掛ける。

 

『しかし、情報がなければ検索できません』

「それができるんだ、遊戯がデュエルしているならば、高い確率でブラックマジシャンが出ているはずだ。

 いいか、ブラックマジシャンを探すんだ!」

『了解』

 

 そして始まるハッキング。

「セキュリティウォールをヴァーチャルパージしろ! ステルスモード作動!」

 

 そこからドンドン手順を踏んで、I2社メインコンピューターに侵入を果たす。

 そしてモニターに表示されるのはI2本社ビル。

 

「第二段階、本社中枢コンピューター『ミレニアム』に侵入しろ!」

『了解、これより、ミレニアムのデジタルダンジョンに侵入します』

 

 そして、デュエルリングのブースから遊戯さんが戦ってるブースを探す海馬瀬戸。

 そして最後のブースに入ろうとすると、画面はそこでフリーズする。

 しかしそれはペガサス側が用意したカモフラージュだった。

 

「間違いない! このブースに遊戯はいる!」

『侵入方法は?』

「セキュリティキーホール破壊プログラムをセット! ドアごと爆破する!」

 

 そして、ドアを爆破した先にあったのは、監獄島といったグラフィックだった。

 

『中に侵入するためにはパスワードが必要です』

「いくぞ! パスワードは『アルカトラズ』! 戦闘開始!」

 

 こうして、海馬瀬人はサーバーに侵入を果たしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュエルリングでは今まさに、ブラックマジシャンと、ブルーアイズホワイトドラゴンが対峙していた。

 

「ふふふ、このターンは攻撃しない、お前のモンスターの逃げ場をなくす準備をしておこう」

 そしてカードを一枚場に伏せる海馬瀬戸?

 

「(一体何のカードを伏せた? 何かの罠か? それともトラップカードか?)」

 

 だが遊戯はほんの少し考え込んだ後、一息ついた。

 

「俺のターン! ドロー……俺はブラックマジシャンを守備表示に、そしてカースオブドラゴンも守備表示で場に出し、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「俺のターン、ドロー、俺は伏せカードオープン、最終突撃命令!(OCG版) これがある限り全ての表側表示モンスターは攻撃表示になる! いけ! ブルーアイズホワイトドラゴン、カースオブドラゴンを攻撃! 滅びのバーストストリーム!」

 

「くっ……」

 武藤遊戯:LP1000

 海馬瀬人?:LP700

 

「フハハハ、遊戯、貴様の敗北を海馬もあの世で喜んでいるぞ!」

 そう言って高笑いにふける猿渡。

 だが、遊戯さんは不敵に笑った。

 

「ふっ、悪いがこのデュエル、負ける気がしないぜ!」

「な、なに!?」

「俺のターン、ドロー! 俺は手札からマジックカード、マジカルシルクハット発動!」

 そして現れた4つのシルクハットの中にブラック・マジシャンが隠れた。

 

「さらに俺はカードを一枚、シルクハットの中に隠すぜ! さぁ打ってこいよ海馬! お前の復讐心が本物ならブラック・マジシャンを当ててみな!」

 

「小細工を、ただの時間稼ぎにしかならんという事を教えてやる、ひとつづつ蹴散らせ! バーストストリーム!」

 

 だが、狙ったシルクハットは空っぽだった。

「どうやらお前の復讐心とやらも見せかけだったようだな」

「なに!?」

 攻撃的な目で海馬? を挑発する遊戯。

「俺はカードを引いてターンエンドだ、さぁお前のターンだ!」

 

「くっ、俺のターンドロー、……真ん中だ! 攻撃!」

 ブルーアイズの攻撃でそのシルクハットは爆散、そこに土煙が舞い上がり、すこしして晴れる。

 だが其処にあったのは

「ふふ、当たりだぜ! トラップカード! 六芒星の呪縛(原作版)」

 現れた六芒星の魔法陣がブルーアイズを捕らえ、その力を弱体化させる

「ブルーアイズはたしかに無敵だが、こうして攻撃力を落とす方法もあるのさ!

 行くぜ俺のターン! ドロー! いけ! ブラックマジシャンの攻撃! ブラックマジック!」

 

 海馬瀬人?:LP500

 

 そしてブルーアイズを撃破した遊戯さん。

 

 だがその次のターン、海馬瀬人? は新たなブルーアイズを場に出した。

 

「忘れてないよな? 俺のデッキにはブルーアイズが三体はいっていることを、さぁいけ!

 ブラック・マジシャンを攻撃! ブラック・マジシャン撃破だ!」

 ブルーアイズの攻撃がブラック・マジシャンを襲う。

 ブルーアイズの攻撃が着弾し、辺り一帯に砂煙が巻き起こる。

 やがて砂煙が晴れたところで気付いた、遊戯さんのLPはおろか、ブラック・マジシャンが倒れていないことを。

 

 そして遊戯さんは

「勿論忘れてないぜ! だからこそ俺はこのカードを温存していた、リバースカードオープン! 和睦の使者!

 このカードを発動したターン、俺が受ける戦闘ダメージを0になり、モンスターも戦闘では破壊されない!」

 

「ターンエンドだ……」

 

「俺のターン! ドロー、さらに強欲な壺を発動! 二枚ドロー!」

 そして引いたカードを見た遊戯さんは

「まずは邪魔なそいつをどかせてもらうぜ! 俺は手札から魔導戦士ブレイカーを召喚!」

 遊戯の場に現れたのは甲冑をまとった騎士のようなモンスター。

「魔導戦士ブレイカーの効果発動、魔力カウンターを一つのせ、カウンターを取り除くことで魔法、またはトラップカードを一枚破壊する! 俺が破壊するのは最終突撃命令だ! マナブレイク」

 

 そして最終突撃命令が破壊され、ようやく表示形式が変更可能になった。

 

「ふん、だがそいつを攻撃すれば俺の勝ちだ!」

「行くぜ! このターン俺カードを一枚伏せてから、ブラック・マジシャンでブルーアイズを攻撃するぜ! だがその前に今引いたこいつを使うぜ! 魔法カード、突進! ブラックマジシャンの攻撃力を700ポイントアップ!」

「なに!?」

「ブラックマジック!」

「させん! 伏せカードオープン、亜空間物質転送装置! ブルーアイズをエンドフェイズまで除外する!」

 ブラック・マジシャンの攻撃が炸裂する瞬間、ブルーアイズの姿が消えた。

「躱したか……、ターンエンド」

 

 一転攻勢で攻める遊戯さんに対し、猿渡は驚愕の色を浮かべた。

 

「なぜだ!? 先程までやつはまるで違う……」

 

 先ほどとは一転、冷静な遊戯に驚きを隠せない猿渡、先程までうろたえていたはずなのに、逆に海馬? を追い詰め始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかった、いつものもう一人の遊戯さんに戻った」

「なあ鈴音、今度は何したんだ?」

「遊戯さんも精霊の声は聞こえるから、事実を教えただけだよ」

「え?」

「海馬さんはちゃんと生きてる、眼の前にいるのは、デッキだけ盗み出した偽物だって」

 

 そう言ってから木馬くんは一瞬嬉しそうな顔をしながらすぐにそれをただし確認してきた。

 

「鈴音、それ本当なのか? 嘘じゃないんだな?」

「それなんだけどモクバ君、海馬さんの屋敷に、海馬さんぐらいしか入れないようになっていて、なおかつネットにアクセスできる所ある? 具体的には地下とか」

 

 モクバくんは少し考えてから

 

「……あるぜ、でもなんで鈴音がそれ知ってるんだよ?」

「それは簡単なこと、私と一緒にいてくれる精霊にネットというか、電脳、コンピューター系に強い子がいてね、その子に海馬さんの事を調べてもらってたんだけど、そしたら今、あのデュエルリングにハッキング仕掛けている人がいて、探ったら海馬邸の地下からアクセスしてるみたいなの」

 

 私がそう言い切ったとたんモクバくんは今までの様子が嘘のように元気になったようで

 

「やっぱり兄様だ! 兄様は生きてるんだ! あそこに入れるのは兄様と俺だけだ!」

「後は、遊戯さんがあそこにいる偽物を倒してくれれば万事解決かな?」

「ああ、兄様が生きているならきっとこの島に来るはずだぜ!」

 

 これでモクバくんは大丈夫かな?

(デジトロン、いざとなったら海馬くんのサポートお願いね)

(ピピッ、リョウカイシタ、モウスコシヘカヨコセ?)

 そうして送るヘカを少し増やしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?」

 海馬邸の地下では、中枢制御コンピューター『ミレニアム』へのハッキングが続けられていた。

『断続的にフリーズを仕掛けてきています、中枢制御室からの警告を確認、ヴァーチャルパージ、解除されました、こちらのアクセスモードを察知された模様、指示を』

「構うな、このまま侵入しよう」

『了解』

 

 武藤遊戯のいるデュエルリングのブースに侵入、現在状況を確認する海馬瀬戸。

 そして、自分の名を語る偽物に、自分のデッキを使わせていることに怒りを露わにした。

 途中経過を確認して、ブルーアイズを一体倒し、あと一息で2体目を倒すところまで持っていった遊戯に賞賛を送る。

 

「だが、もう後がないようだな」

『はい、二枚目の攻撃に耐えうるカードは現在残されている武藤遊戯の使用カードデータには残されていません』

「絶体絶命だな……」

『如何しますか?』

「まだ手はある、二枚目の攻撃力に対するウィルスを注入する!」

 カードには細工できなくとも、実体化しているモンスターにならばウィルスを注いでその攻撃力を下げることができる。

 

『ウィルスのレベル設定を入力してください』

「MAXIMUMだ! 攻撃を開始しろ!」

『了解、ウィルス注入開始します』

 

 そして見る見るうちにウィルスが注がれていった。

 

 

 

 

 

「さぁ俺のターンだ! ドロー! さぁ終幕の時だ遊戯、俺と共に冥府に行こうぜぇ!」

 恐怖を掻き立てるような声を出しながらそう宣言する海馬? だがそれに対して遊戯さんはたじろぎもしない。

「いけ! ブルーアイズ! 魔導戦士ブレイカーに……なんだ!?」

 

 攻撃宣言をしようとしたところでブルーアイズに異常が起こった。

 ブルーアイズの攻撃力がみるみるうちに下がっていく。

 

「な!? 一体何が起こっている!? どうしたブルーアイズ!」

 

 これには猿渡も一緒に驚愕。

「どういう事だ!?」

 

 

 

 

 同じ頃、このデュエルをモニターで見ていたペガサスはすぐに海馬が生きていることを確信し、本社に支持を出した。

「本社の中枢制御室に連絡を、海馬瀬人は生きてイマース!」

 

 

 

 

『ウィルス注入率100%到達、攻撃力2300までダウン、更に減少中』

「よし、このまま三枚目に対する攻撃準備に入れ! 2600を下回れば今の遊戯ならLPが0になることはないはずだ」

 

 だがそこで、モニターが乱れ、固まる。

「どうした!」

『フリーズしました、攻撃力低下ストップ、原因は不明』

 そして次の瞬間、モニターにウサギを模したトゥーン系のキャラクターが現れた。

 

『ハロー海馬くん♪』

 そして画面には同じキャラクターがどんどん増えていく。

 

『バーストストリーム、発射されます』

 そして攻撃力低下が止まったところでついにブルーアイズの攻撃が発射される。

 

 そして、キーボードに手を叩きつけながら海馬瀬戸は好敵手の名を叫んだ。

「遊戯ぃぃぃぃ!」

 

 

 

「海馬?」

 そして同時刻に遊戯さんは、海馬さんの存在を感じ取っていた

 

 ブルーアイズの攻撃は魔導戦士ブレイカーに届く直前消滅、ブルーアイズもその姿を霧散させた。

 

「なぜだあぁぁぁぁあ!」

 海馬? も突然の出来事に頭を抱え、頭を掻きむしった。

「これで完全に確信したぜ! 海馬瀬人は生きている! よくも海馬のデッキを弄びやがったな、このクソ野郎が!」

 

「うるさぁぁい! 俺は死んだんだ!」

 そう言ってテーブルに拳を叩きつけるが、遊戯には通用しなかった。

 

「もう茶番劇は通用しないぜ! おい! いい加減正体をあらわしたらどうなんだ!」

 

「俺は死んだって言っているのに~!」

 そういった直後、海馬? の姿がブクブクと膨れだしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

『『『ハロー海馬く……ぎゃあぁぁぁあ』』』

 トゥーンなウサギが突然雷を受けて煙のように消えうせた。

『フリーズ、並びにトゥーンウィルスが何者かの手により解除されました、ブルーアイズの消滅を確認』

「おい、消滅理由を分析できるか?」

『できません』

 そして少し思考を巡らせてから

「カードは心……というわけか、だが、何者かの手によりフリーズが解かれたと言ったな、どういう事だ?」

『詳細は不明、外部から突然現れ、こちらに巻かれたウィルスをまとめて駆逐していきました』

「一体誰が……」

 

 そして、誰がやったのか考える間もなく、後ろの扉に動きがあったせいですぐに思考を切り替えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

『俺はI2社から派遣された死のものまね師だ、さぁ遊戯、遊ぼうぜ~』

 偽海馬が正体を現すと、さっきの姿とは打って変わってかなり太った男が現れた。

 杏子さんにいたっては「き、気持ち悪ぅ……」と言って震えるレベル。

 だけどこの時私が思ったのは、変装しているときの骨格とか脂肪とかはどこに行ったのだろうかということだった。

 頭がどうにかなりそうだった… 小顔マッサージとかそんなちゃちなものじゃあ断じてない。

 もっと恐ろしいものの片鱗を 味わった気分です……。

 

「ねえモクバ君、モノマネで骨格とか肉とかってどうにかなるものなの?」

「……俺に聞くな、俺も頭がどうにかなりそうだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、場にモンスターがいないぜ! さっさとだしな!」

 そして死のものまね師は思考をめぐらせた後

「グラップラーを守備表示、カードを一枚伏せてターンエンド、がはははははぁ」

 モンスターを守備で出して、3枚目のブルーアイズを待つ作戦のようだ。

 

「俺のターン、ドロー! 俺はカードを2枚伏せて、ホーリエルフを守備表示! さらにブレイカーも守備に変更

 加えて秘術の書とのコンボで攻撃力守備力アップ!

 秘術の書とのコンボで魔法を詠唱させるぜ! そしてブラックマジシャンの攻撃、ブラックマジック!」

 

 守備表示のグラップラーはブラック・マジシャンの攻撃で跡形もなく破壊された。

 

 武藤遊戯:LP1000 モンスター3体、伏せ3枚、手札1

 死のものまね師:LP500 モンスター無し、伏せ1枚、手札3

 

 そして死のものまね師のターン、3枚目のブルーアイズを引き当てる。

「ブルーアイズホワイトドラゴン!」

 

 そして猿渡は「借りにさっきのが海馬の仕業だとしても、もしそうなら、3枚目のブルーアイズにも手を加えているはずだ、だが三枚目には何の変化もない、つまり海馬はもう、こちらに手を出せない状況にあると見た」

 

 だが遊戯は猿渡の発言にも動じず、むしろ当然とでも言うかのように

「そいつは違うぜ、できなかったんじゃない、する必要がもうないというだけだ!」

 そう言い切った。

 

「何だと!?」

 

 そして死のものまね師が何故かポーズを決めながら

「でゅふふふ、きもちいいぜ! 滅びのバーストストリーム!」

 攻撃宣言をした。

 

「トラップカード! 聖なるバリアミラーフォース」

「げげ!? トラップカードかよ……だがこっちも魔法カード、攻撃の無力化(漫画版)だ!」

 そして余裕綽々とカードで仰ぎながら

「ダメダメ、俺はなんでもお見通しだぜ、さぁ、どうするのかな?」

 

 だが遊戯さんは動じずに、カードをドローした

「俺のターン! ドロー……ふっ、どうするかって? 決まっているだろう、お前はこのターンで終わりだ!」

「な、ナニィ!?」

「俺が引いたカードは、死者蘇生!」

「うそぉぉ! まさか俺のブルーアイズを復活させる気じゃないだろうな!?」

「そいつは違うぜ!」

 そして、遊戯が相手に指を指しながら宣言する。

「俺が復活させるのは、海馬のカードだ!」

 

 そして遊戯の場に現れたのは海馬瀬人のブルーアイズホワイトドラゴンだった。

 

「はは~ん、追い詰められて切れちまったのか? 俺のブルーアイズと同士打ちにしようって言うんだな?」

 うろたえながらそう言うが、それもすぐに遊戯に否定される。

「そいつは無理だね、言ったはずだ! このターンでお前は終わりだと!」

「ええ!?」

 そして遊戯はホーリーエルフを見ながら

「俺はホーリーエルフを場に出した時に言ったはずだ、魔法を詠唱させると!

 そして唱えさせていたのは、場のモンスター一体に、ホーリーエルフの攻撃力分、そのモンスターの攻撃力を上げる補助魔法!」

「何ぃ!?」

「ブルーアイズの攻撃力は確かに無敵、だが、その攻撃力3000は絶対じゃない!

 場合によっては変化させることもできる! 海馬がさっきそう教えてくれた!

 そして俺はこのカードを発動させる! 魔法カード! マジシャンズ・クロス!」

 

「な、なんだそれは!?」

「このカードは、場に二体以上の魔法使い族がいる時、魔法使い族モンスター一体の攻撃力を3000にする魔法カード! ただしこのカードを使ったターン、他の魔法使い族は攻撃できない

 だが、そのデメリットも魔法使い族以外がいるなら関係ない!

 いくぜ! ブラック・マジシャン、ホーリーエルフよ、今こそ闇と光の力を一つにし、青眼の白龍に束ねよ!」

 

 そして青眼の白龍にブラック・マジシャンとホーリーエルフの力が注がれていく。

 

 青眼の白龍 攻撃力6000

 

「ちょっとたんま! こんなのありかよ!?」

 手で顔を覆って静止を呼びかけるが、遊戯は止まらない。

「覚悟しろ! これは海馬の怒りだ! いくぜ!」

 

 そして青眼の白龍に込められた力が今解き放たれる。

 

「青眼の白龍の攻撃! カオスMAX・ハイパーバーストストリーム!」

 

 その一撃、死のものまね師のLPは0になった。

 

「海馬のデッキを汚し、心を弄んだお前を、俺は許しはしない、闇の扉が、開かれた! 罰ゲームだ!

 マインドクラッシュ!」  

 

 そして砕かれる死のものまね師の心。

 加えて遊戯さんは、城で見ているであろうペガサスに

「ペガサス! 聞こえているはずだ! 俺のこの怒りが! お前は鈴音を攫ったばかりか、薄汚い偽物を使って海馬瀬人の名を汚した! 覚悟しておけ! このロリコン野郎が!」

 

 

 そして城でそれを聞いていたペガサスの持っていたワインに罅が入り、やがて砕け散った。

「ふふふ、素晴らしい闇のパワーを感じましたよ、遊戯ボーイ」

 少し声を震わせながら言うペガサス。

「ユー以上に楽しみにしていますよ、この手でユーを葬り去る日が来ることをね……、ですが」

 直ぐ様頭を抱え

「ですが、私はロリコンではありません! ノー! ドンドン誤解が広がってマース!」

 嘆くペガサスの姿があったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ものまね師、お仕事でやったら精神を破壊された、あるいみペガサスの被害者かもしれない。
普段が何やっていたのかわからないので悪人なのかわからない人。

ペガサス島編のバニラモンスターの特殊効果、バニラなのに特殊とは、一体どういうことなのだろう……。
ルールが正確に知られていないって恐ろしいですな~。

そしてペガサスのロリコン疑惑が晴れる日が来るのか?
多分晴れるんじゃないかな?
と、思いながらまた次回に、今回も難産だった、エキスパートルールが待ち遠しい。
がんばって書くしか無い。

では皆さん、また次回でお会いしましょう。
多分次回は、多少端折りながら、プレイヤーキラーなどをぶっ飛ばし、ペガサス嬢に乗り込むことになるかも?

そして私は、城舞はジャスティスだと思っております。

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