ハリーたち三人はニコラス・フラメルについて調べることに成功した。ハリーがネビルから貰った有名魔法使いカードとハーマイオニーが読んでいたとある分厚い本のおかげだ。
また、ハッフルパフ対グリフィンドールのクィディッチ試合が行われたが、鬼灯はその場にいなかった。ハリーが気になって理由を尋ねると、
「私が試合に関わると、どうしてもルールを厳しくしたくなるので、自重しています」
とか言っていた。
しばらくして、ハグリッドの口から鬼灯やスネイプを含む、数人の教師が『賢者の石』を守っていることがわかった。ハリーたちは思った。ハグリッドに重要なことは絶対に話さないようにしよう、と。
ハグリッドは話している最中、チラチラと暖炉の方を見ていた。それに気づいたハリーがそこを見ると、炎の真ん中に黒い大きな卵があった。ロン、ハーマイオニーもその卵に近づくと同時に、ハグリッドの小屋の扉が勢いよく開き──もとい、吹き飛び、ハグリッドに激突した。
「違法行為があったと知らされたので来ました。ハグリッドさん、私は前にも言ったはずです。今度似たようなことをしたら八寒地獄に叩き込む、と」
扉の先には、いつも通り能面のような表情の鬼灯がいた。闇鬼神状態である。
「ドラゴンの卵は国際条約で取引が禁止されています。生徒たちにバレないようであれば私がなんとかしようと思っていましたが……どうやら、ここまでのようですね」
「こ、こんにちは。鬼灯先生」
「こんにちは、ポッターさん。先ほどから外で話を聞いていましたが、フラメルさんについて調べたようで」
「はい。蛙チョコレートについてくるおまけの、ダンブルドアのカードに書かれてました」
「ですが、そこから詳しい経歴を調べるのは大変でしょう。素晴らしい。
さて、ハグリッドさん、私はいくつか見逃すチャンスを与えました。一つ目は、これが生徒にバレないこと。もう一つは、私や校長先生など、他の教師に話すことです。次にこのようなものを手に入れたらちゃんと話してください。私だってドラゴンの誕生の瞬間とか見たいんですよ!」
「とっても私的な理由だった!」
思わずロンが突っ込む。そう言えばこの人、珍しい生き物とかには目がない人だった。
「す、すまん、鬼灯先生。見逃してくれんか」
「無理ですね。バラしてはいけないこともバラしてしまってるようですし……しかし、貴方をホグワーツから離すと森の動物たちが少しまずい。どうしたものか……」
「こいつが孵りそうな時に手紙を送る!これでどうだ?」
「………………」
ハグリッドの提案に、鬼灯が思案顔になる。少しして、結論を出した。
「…………うちの倉庫に一つ、どうしても効能を確かめたいものがあるんです。リリスさんの知り合いが作った魔女の薬なのですが……三つあるのですが、一つ飲め」
「強制!?」
「強制です。一つは『いつかはわからないが、でもいつか必ず突然尿路結石になる呪いの薬』。一つは『いつかはわからないが、でもいつか必ず突然全ての歯が虫歯になる薬』。それと、『こむら返りが定期的に来る呪い薬』。さて、どれがいい」
「どれも嫌だが、選ばないと……それじゃあ、虫歯にさせてもらう。マダム・ポンフリーに診て貰えば治るかもしれん」
「……スネイプ先生にご協力いただいたのですが、魔法では治せないようになっていますので」
ハグリッドは撃沈した。ハリーたちは苦笑いするしかなかった。
薬製作:マジカル・マリン
薬提供:レディ・リリス
薬改造:鬼灯、セブルス・スネイプ
ハリポタって基本真面目だから、鬼灯寄りの話作るとキャラが大変なことになる。
だんだんハグリッドが閻魔大王に見えて来た。