ホグワーツの冷徹管理人   作:零崎妖識

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今作の鬼灯様
約百年前に、十王、並びに各補佐官の署名により臨時休暇を取ることに。
イギリス・魔女の谷の観光中、たまたま谷に来ていた当時のホグワーツ校長にスカウトされる。
ホグワーツに勤め始めたが、補佐官業務もあるため、天国から不死鳥を借りることに。不死鳥はフォークスの親。
地獄とホグワーツを行き来していたが、五十年前、大王以下、閻魔庁の勧めによりホグワーツの方に専念することに。この時、補佐官は伊邪那美命に譲渡している。また、このような場合どうすればいい、と言うマニュアルも作成し渡している。
現在は数年に一度、地獄に帰り大王をどついている。

ここで年表を確認して見ると、鬼灯様がホグワーツに来たのは1891年頃。ダンブルドアがホグワーツに入学したのは1892年。
と言うことで、ダンブルドア先生も鬼灯様の生徒だったと言うことが発覚した。


一年の終わり

「それで、今年の夏はどうするのかね、鬼灯先生」

 

「いくつか用事を済ませて、あとは里帰り……ですかね。ああ、その前に、シュメール地獄のエレシュキガルさんからお茶会の誘いが来てましたからそっちが先ですね」

 

「エレシュキガル……メソポタミアの冥界神じゃのう」

 

「ペルセポネさんなども来るそうですので、参加しないと色々大変なんですよ。ティアマトさんも参加するかどうか迷ってると言うので…………」

 

「とんでもない名前が聞こえた気がするんじゃが。ペルセポネ神はともかく、ティアマト神?あの神は死んだのでは?」

 

「実際には封印に近いですからね。あの世であればある程度の行動は可能だそうですよ」

 

医務室、とあるベッドの横で、鬼灯とダンブルドアは話をしていた。ベッドにはハリーが眠っている。見舞いに来たものの、まだ起きそうにないので暇つぶしに話をしていたのだ。

 

「しかし……わしが校長になってから常々思っているんじゃが、君の上司になるとは……どうかね?今からでも校長になってみたら」

 

「大王にも話したことがありますが、私は副官ポジションとかが一番好きなんですよ。人に何かを教えるのも苦手ですし……それを考えると、一教師が性に合っている」

 

ハリーが身じろぎし、眼を覚ます。彼が最初に浮かべた表情は、安堵だった。

 

「鬼灯、先生……よかった、無事だったんですね」

 

「貴方に心配されるほど私は弱くないですよ。今回は説教はなしにしておきます。お大事に」

 

鬼灯は立ち上がり、医務室を出て行く。が、一度立ち止まった。

 

「金魚草サプリがありますので、是非使ってみて感想をお願いしたいのですが」

 

「遠慮しておきます」

 

今度こそ、鬼灯は医務室から出て行った。

 

 

ダンブルドアの後にはハーマイオニーとロンが来て、翌日にはハグリッドが見舞いに来た。ただし、ハグリッドは大きなタンコブをこさえていた。

 

「鬼灯先生に怒られちまった。俺が余計なこと言わなければ、お前さんが危険にさらされることはなかったんだってな。どっちかって言うと、機密情報を部外者や生徒に話しちまったことの方を怒られたんだが」

 

ハグリッドはタンコブを押さえながら、ハリーに一冊の本を手渡した。中には、ハリーの両親の写真が詰まっていた。

 

「お前さんの両親の学友から譲ってもらった写真だ。鬼灯先生も一枚持っててなあ。あの人が生徒の写真を持ってるだなんて、珍しいことだ。普段は廃墟や心霊スポットの写真ばっかりなのに」

 

鬼灯先生らしい、とハリーは笑った。そして、鬼灯はなぜ、ホグワーツにいるのだろうかと、少し気になった。

 

 

年度末パーティは盛大に終わった。グリフィンドールの一位が決まった途端、どこかでクラッカーが鳴らされ、紙吹雪が舞った。姿は見えなかったけれど、あれは座敷童子の仕業だったのだろう。

プラットホームに着いた時、ふらりと、鬼灯がハリーの前に現れた。

 

「ポッターさん」

 

「鬼灯先生?どうしたんですか?」

 

「夏に、一度家庭訪問に向かわせていただきます」

 

ハリーが何か言う前に、鬼灯はその場を去ってしまった。少なくとも、今年の夏は、ダーズリー一家にとっては試練の夏になることだけは、ハリーにもわかったのだった。




エレシュキガルとティアマトはちょっとふざけました。

今作において、神の死亡=神が冥界(もしくはそれに相当する場所)の住人になる、と言うことです。ティアマトは殺されて封印されましたが、あの世であれば自由に行動できます。最近はアルテミスとともにスイーツにはまっているそうな。ちなみにエレシュキガルは花を育てるのにはまっています。

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