俺のヒーローアカデミア[真オリジン]   作:さくそう

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急に個性のイメージが湧き書きました。文才皆無の亀更新ですがお願いします!




志すもの

 事の始まりは、中国・軽慶市において、発光する赤児が生まれたというニュース。

普通であれば暫くの間だけお茶の間を賑わせた。しかし、異変はそれだけにとどまることは無かったのだ。

 次々と、各地で『超常』が確認され、原因は判然としないまま時が流れ過ぎていく。

 『超常』が『日常』に、『異変』が『普遍』に偏移していく中、取り残された人々は何を思うのだろうか。

 

 発現した『超常』を、人は“個性”と謳った。早い話、前時代の超能力者やエスパーも、“個性”を持っている者に分類される。

そして世の中は個性の発現により治安は悪化。個性を悪に振り撒く者は『敵(ヴィラン)』と呼ばれ犯罪数は急激に増えて行った。。その一方で誰もが一度は夢をみた『ヒーロー』という職業も敵の発生と同時に現れた。〈『ヒーロー』が『敵』を捕まえる。〉今まではコミックの中だけだった物語が個性の発現で現実になった。そして人々は『ヒーロー』に憧れ目指すようになった。

しかし個性が発現し夢の中だけであったヒーローになれない者もいた。“個性”を発現しないまま育っていく前時代の者達は、“無個性”と称され、“個性”を持つ者が人口の八割を超えた現代においては、進化の過程で置いてけぼりにされた者達と罵られることも少なくない。だか個性を発現してもその個性の特性が故に人に軽蔑され避けられる者もいる。

 

これは個性が発現した世の中で1人の少年〈見極 真〉がヒーローを目指す物語。

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

昼休みが終わり五時間目のが始まろうとし生徒たちは各々席に着き教室に先生が入ってくる。

 

「みんな席に着けー。今からは進路希望のプリント回収するぞー。」

 

高校入試まで約10ヶ月。中学3年生は進学先を決める大事な時期だ。

 

「やっぱりみんなヒーロー科志望か。お?八百万やっぱり雄英か。俺のクラスから雄英生が出るなんて鼻が高いな。」

 

「マジで⁉︎あの雄英!」

「マジかよ八百万。」

「八百万さん雄英なんてすごいね!流石だね!」

 

雄英高校

プロのヒーローを多数輩出している名門校で、特に2クラス設けられている「ヒーロー科」の人気は高く、入試は300倍の倍率となり偏差値は平均70を超えている程の超難関高。

 

「まぁ八百万の個性なら当然だよな!」

「色々なことできるし『ヒーロー向け』の個性だもんね。」

「いえ、それ程では...「お?それと飛彩も雄英志望か。」

「...え?真はも?」

「マジかよ真wお前も雄英って本気で言ってんのかよw」

「...悪いかよ。」

「いやだってよwお前の個性って地味だしヒーローできんのか?w」

「オールマイトみたいな『怪力』もエンデヴァーみたいな『炎』もないのにどうやってヒーローなるんだよw」

「お前らー、その辺にしとけ。」

「確かにどっちかと言うと敵っぽいよなw」

「そんなのは使い方と使い所だろ。それに雄英受けんのに個性は関係ねぇだろ。」

「お前の個性じゃ実技試験が無理あるだろw」

「それにあそこ倍率もやばいじゃんw」

「でも真頭はいいから筆記はいけるだろ。」

「けど真の個性なら勉強しなくても満点とれそうだよなw」

「なんだとテメェ‼︎」ガシッ!

「⁉︎ゴ、ゴメン!冗談だって!そんなんでキレんなよ!」

「真さん!」

「真離せ!モブ男もいい加減にしろ‼︎」

「...ッチ。」

「ゴホッゴホッ!ちょっと冗談言っただけじゃねぇか。何マジになってんだよ。」

「テメェ...」

「やめろモブ男!職員室に呼ばれたいか!」

「ッチ。分かりましたよ。」

 

モブ男と真の喧嘩によってクラスが緊張した空気になりそのまま授業は終わり放課後となった。苛立ちを隠せない様な面影で参考書を買う為本屋へと向かう。

 

〈確かにどっちかと言うと敵っぽいよなw〉

〈けど真の個性だと勉強しなくても満点とれそうだよなw〉

 

さっきのモブ男の言葉が何度も頭の中を駆け巡る。今までに何度かあの様な言葉が言われたが何度言われても慣れてはいたがやはり頭にくる。しかし1番頭にきたのは...

 

〈オールマイトみたいな『怪力』もエンデヴァーみたいな『炎』もないのにどうやってヒーローなるんだよw〉

 

(クソ。ヒーローになるのにそんなに『力』が大事かよ。)

 

ヒーローには様々な能力が求められる。その中でも最も求められるのが分かりやすく至極単純な『力』だ。いち早く敵を見つけても敵に勝てなきゃ市民を守れない。『力』だけが全てではないが真自身もヒーローには『力』が必要なのは分かっている。

しかし真にはオールマイトの様な〈怪力〉も無ければエンデヴァーの様な〈炎〉も出せない。エッジショットの様な〈速さ〉もない。自分にはヒーローに必要な『力』が足りないのは自分が一番わかっている。兄達や父親に技術を教わっているもののやはり人に限界がある。

さらに今世間では個性で『ヒーロー向け』『敵向け』という考えが定着している。

 

(...けど俺は考えを変える為にも雄英に絶対入るんだ。そして個性に関係なくヒーローになれる事を証明してやる。)

 

 

真が雄英に入る目的は二つある。

一つ目はヒーローに憧れているからだ。恐らくこれはヒーロー科を目指す物は全員が持っているであろう目的だ。

二つ目は個性によるイメージの改変。これは個性によって〈敵向け〉や〈ヒーロー向きではない〉などの個性のイメージを変える事。真は個性が敵向けとよく言われるがそれは個性の使い方によって決まる。真は個性によってヒーローを諦めている人達に希望を与えるために雄英に入りヒーローになる事で個性だけがヒーローを決める要素ではないと証明する為だ。

 

「けどまずは雄英に受からないとな。」

「真さん!」

「ん?八百万か。どうした?」

「い、いえ。校門を出て行く姿を見かけたのでご一緒に帰宅をと思いまして...」

「俺少し本屋寄ってくけどいいか?」

「はい。構いませんわ。」

 

本屋へ向かう八百万と合流。道中雑談していると話題は先程の受験の話になっていった。

 

「しかしモブ男さん許せませんわ。真さんの考えも知らずに進路を笑うなんて考えられません。」

「まぁ俺が雄英目指す理由は八百万ぐらいにしか言ってないからな。大体の女子は俺とそんなに話したがらないし。男子達は笑うだろうしな。」

「私が許せないのはそこですわ。真さんは達成するべき立派な目的がありますのに自身でその目的を汚す様なことする筈ありませんのに。」

「ハハッ、こうやって俺と話してくれるのは八百万ぐらいだな。確かに使い方によっては敵向けだし女子が避けるのも分からなくもないしな。」

「そんな事ありませんわ。真さんは個性をその様な低俗な使い方はしませんわ。私が保証しますの。」

「俺もヒーロー科志望としてそんな使い方はしないけど周りには使ってないなんて分からないしな。」

 

 

個性:『視覚強化』

自身の視覚を強化する事が出来る。

 

1.動体視力強化 文字通り動体視力が強化され物の動きはがハッキリ見える。銃弾の速さまでなら躱せる。

2.観察眼 見たものを観察し対象の癖や特徴を記憶する。

3.遠方強化 遠くのものがハッキリとみえる。範囲は2キロ程

4.熱源可視 サーモグラフィーの様に熱源が見える。

5.複眼 視野に入ったものを複数同時に見れる。

6.全方位視覚 360度視認出来て死角がない。

7.透過 壁などを透かして見ることが出来る。

またこれら7つの能力を2つまでなら重複して使用できる。

 

 

これだけを見れば真の個性は強化だかクラスメイトに避けられる原因は7つ目にある。

7つ目は小学校の頃男子が悪ふざけで真が女子の服を透かして見てる、テストをカンニングしているなどの悪ふざけが広まりこのまま残ってしまってる。そのお陰で今でもテストは一人個室で受けている。

 

「それに正直雄英に受かるかは際どいしな。」

「そんな事無いですわ!真さんなら絶対に「いいよ八百万。」

「...!」

「俺だって雄英のヒーロー科は受けたいしヒーロー科で学びたい。確かに筆記で受かっても実技試験が相性が悪い。八百万も今年の実技試験の内容知ってるだろ?」

「...」

「俺の個性じゃ仮想敵演習は厳しいからな。」

「し、しかし今年の実技試験が仮想敵だと決まったわけでは...」

「一昨年去年って同じ実技試験で今年も仮想敵が採用されるって噂だからな。」

「ですが...」

「けど諦めた訳じゃないよ。ただ雄英に受かる可能性が低いから雄英に受からなかった時の事を考えてるんだけどそれがなかなかね。」

「そうですか。」

「なんで八百万が不安そうな顔してるんだよ。」

「いえ、私としても真さんには雄英に受かって目的を達成してほしいですの。それに...」

「それに?」

「ご友人が同じ学校にいないのは心細いですから...」

「...。」

「な、なんですのそのお顔は!」

「アッハッハッハッハ!そうだな。八百万と俺の為にも雄英に受からなきゃな!」

「笑わないださい!」

「アッハッハゴメンなんか以外でさ...」

 

他愛もない話をしながら真は参考書を買って八百万別れ家へと帰った。

 

 

〜〜〜

 

 

「ただいま」

「おうおかえり。」

「才人帰ってたんだ。プロヒーローの相棒どんな感じ?」

「今日明日って休みもらったんだよ。まぁボチボチだな。そっちこそ学校はどうなんだ?そろそろ受験だろ?」

「やっぱり第1志望は雄英だよ。第2志望とかは決め兼ねてるけど。」

「万が一のために第2志望も決めとけよ。...そうかやっぱり雄英受けるんだな。」

「目的達成のためにはね。せっかく帰って来たんだからどうせなら組手やろうよ。」

「やだよ。悔しいけど組手ならもう前の方が強いだろ、力也に頼めよ。」

「え?力也も帰って来てんの?久々にみんな集まってんじゃん。」

「ついさっきな。そろそろ飯らしいからリビング行っとけ。」

 

 

〜〜〜

 

 

「おぉ力也も才人も帰って来てたのか。みんな集まるのはいつぶりだ?」

「お疲れ父さん。半年ぶり?」

「一月じゃないっけ?」

「おかえり親父。3か月ぶりだよ。それより真。やっぱりお前受験校はやっぱり雄英なのか?」

「そこは変わらないよ。」

「...今年も実技試験が仮想敵演習らしいぞ?それでも行くのか?」

「それでも俺は雄英を受けるよ。」

「そうか受けるからには頑張れよ!」

「力也は士傑、才人は士戦、そして真は雄英。息子三人が名門校なんて親としては花が高いな!」

「父さん気が早いよ。そうだ飯終わったら父さんと力也組手に付き合ってよ。ちょっと試したいことがあってさ。」

 

 

こうして試験まで刻々と時は過ぎて行く。




主人公のプロフィールや家族構成、八百万との関係などは次の話の頭で書きます。

主人公の個性ですがざっくり説明すると写輪眼と白眼に熱源探知と嘘発見器がついたようなものです。

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