転生したら無限の龍神。 あれ?もしかして俺って最強?   作:lerum

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無限の龍神 この世界について知る

チリチリと音を立てる焚火、こちらに申し訳なさそうな顔を向ける少女。どうしてこうなった。

 

 事の始まりはつい先程、俺がどういう理由で彼女を助けたのか説明したところ、警戒しながらも謝罪してきたのだ。俺としては、謝られることなど何もないため頭を上げてもらったのだが、こうして申し訳なさそうな顔をしているのだ。

 

 実はこの少女、根はかなり真面目である。それが命の恩人に開口一番失礼なことを口走ってしまったため、罪悪感を感じているのだ。

 それに、オフィスのことを知っているため、もしかして怒らせてしまっただろうかと若干おびえてもいるなど、オフィスには知る由もない。

 

「取り合えず、俺のこと知ってそうだけど一応自己紹介させてもらうよ。俺はオフィス。まあ、知っての通り”公式チート”なんて呼ばれている。よろしく」

 

「えっと、アイラです。さっきは助けてもらったのに、その……すみません」

 

 そう何度も謝られても困るため、気にしてないから気にするな、ともう一度伝えておく。

 すると、一応、わかりました。という返事が返ってきた。若干納得がいってなさそうではあるが、こればかりは俺の精神的にきついのだ。年下の女の子に頭を下げさせるなど罪悪感がマッハである。

 

「それで、なんで俺のこと知ってたんだ?」

 

 そうこれが本題だ。俺のことがこの世界に伝わっていたのか、または、この少女が俺と同じく”元プレイヤー”なのか。この世界に俺のことが伝わっていると色々と面倒なので、できれば後者であってほしいが。

 

「えっと、私も”元プレイヤー”なんです。ちょうど一年位前に、ふと目が覚めたらこの世界に……」

 

 あまり思い出したくないのだろう。寂しそうな顔をしながらも語ってくれた。まあ、当然といえば当然だ。突然今まで一緒にいた友達や両親と突然引き離された挙句、別の世界にいたのだ。平然としてる俺の方がおかしいのだろう。俺の場合は前世で死んだというのおもあるが、家族がすでに他界していて未練があまりなかったのも原因の一つなのだろう。

 

「一年前か。俺がこの世界に来たのは今朝なんだが……。何かの条件で時間差でもあるのか?」

 

「多分その通りです。数百年前の歴史書に”元プレイヤー”が載ってたりしますから」

 

 何だとっ。まさかそれほどに差があるとは。あっても数年単位だと思っていたが、これは認識を改める必要がありそうだ。となると、”元プレイヤー”が残した厄介なものもある、ということか。

 

「ところで、敬語はやめてほしいのだが。そういうのはあまり好きじゃない」

 

「えっと、わかり――わかったわ。あなたがそういうならそうさせてもらうわ」

 

 やはり、敬語を使われるよりは対等に話せる相手の方がいいだろう。何より、敬語がかなり拙いのだ。思わず笑ってしまって機嫌を損ねるのは目に見えている。

 

「それで、なんで私があんな目に合ってたのか聞かないの?」

 

「聞いてほしくないんだろう? じゃあ、聞くのはやめておこう。聞かなければならないわけでもないからな。」

 

 俺がそういうと、目を丸くして驚いていた。そんなに驚くことか、と聞くと命を救われたのだから何か対価を払うものだと思っていたと。なんだそれは。この世界、意外とヤバかったりするのか……それともこの少女が真面目過ぎるのか。

 とはいえ、確かに理由のない善意ほど怖いものはないだろう。ここは、対価の代わりにこの世界の情報でも聞くのがいいだろう。

 

「じゃあ、この世界のことを教えてくれないか? さっき来たばかりでまだ何もわからないんだ」

 

 それならお安い御用よ、と言って説明をしてくれた。何でもこの世界は”ウロボロスオンライン”の世界に似ているらしい。名を”ヨルムンガンド”という。国や地形、存在する種族などはまったく違うのにも関わらず、レベルやステータス、魔法といったシステムはほとんどそのままなのだそうだ。

 もっとも、この世界最強の猛者が最大レベルが150のうち50ほどだというのだから警戒する必要もないだろう。それよりも”元プレイヤー”の警戒をする必要がやはり有りそうだ。

 

 アイラは魔法についても軽く教えてくれた。何でもシステムは残っているが、この世界の住民が使える魔法が最大でも上位魔法まで、だそうだ。

 上位魔法が使えるものは、賢者、あるいは勇者、などと呼ばれる英雄に値するのだとか。ちょっとレベルが低すぎないかと思った俺はきっと悪くない。

 

 そして、本題の世界情勢だ。この世界の中心に広大な大陸があり、この世界に存在する4種族の国がある。人間の数が一番多く各地に国が点在しているそうだ。

 まず、人間の国。一番大きな人間の国がアルファーリア帝国。人間の国の中でも特に強い国で割と人間至上主義の国のようだ。度々ほかの種族と戦争をしているという。

 次に、エルフの国。エルフとは、本来隠れ住む種族であったのだが、人間による異種族狩りが激しくなり、それに抵抗するために国が出来たのだとか。名を”ファースティス”。”ハイエルフ”などの上位種族を筆頭に魔法にはめっぽう強く帝国も簡単には手出し出来ないほどに強いのだとか。

 次に、ドワーフの国。名を”ドヴェルグ”。”デッグアールブ”などの上位種族が集ってできた中立国家。技術大国として知られており、ここに手を出せば技術の独占は許さん、と他の国が連合を組んで潰しに来るため、どの国も手出しすることができない。

 そして、最後に竜人族の国”カルス竜王国”。最上位種族”ナーガラージャ”の者を王として集う竜人達の国。単騎最強の種族、竜人族の種族だけあってかなり強いそうだ。もっとも、数がかなり少なく割と危険な状態ではあるらしいのだが。

 これに、様々な人間の中小国家を加えた国々が今の世界を形作っているそうだ。

 

 人間の国が一番多いのは予想していたが、まさか4種族しかいないとは……。そういえば、この世界にドラゴンはいたりするのだろうか。聞いてみたところ、存在するようだ。高位のドラゴンともなると知性があるので、王と契約し国を守るものもいれば、山奥で気ままに暮らしているドラゴンもいるそうだ。ドラゴンは、絶大な力を誇るため、触らぬ神に祟りなし、というのが暗黙の了解らしい。

 

 そうそう、何より一番興味があったのが”冒険者”だ。冒険者ギルドというどこの国にも属さない組合が世界中に支部を持っていて、冒険者自体も世界中にいるようだ。この辺りはテンプレなのだろう。

 

 一通り説明を聞いたところで、日が落ちてきたことに気が付いた。どうやら、旅にはアイラも同行してくれるようなので、明日からアイラに案内をしてもらつつ世界中を冒険者として回ろうと思う。

 

 差し当たってまずは、冒険者として登録するところから始めたいと思う。

 

 この冒険者登録でテンプレが起こるのは、もはやお約束なのだろう。

 




世界情勢を考えるのが難しい。
かなり曖昧になっています。

次回、いい加減戦闘を入れたいなぁ……

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