ダンジョンに偉大なる魔法使いがいるのは間違っているだろうか 作:フリーク
「そういえば…あの魔法はなんなんだ?見たこともないぞ」
リヴェリアの口から言われた
リヴェリアとの会話を聞いていた者が頭に浮かべたのは、ネギという少年が放った雷の槍の事だろう
「『巨神ころし』の事?あれ、簡単に言えば融合魔法だよ」
「融合魔法か…」
「そう。あれは二つの魔法を融合させて作ったんだ」
「だが、それは魔法を
リヴェリアが疑問に思った事を聞いてきた
彼女が言うのは強ち間違ってはいない
本来魔法というのは、呪文を詠唱し起動するものだ
「まあ、裏技みたいなものだよ。僕は起動させた魔法を自らの霊体に融合させることで、魔法を待機させることができるんだ」
「なるほどな。それならば二つの魔法を一度に使う事ができるし、詠唱無しで魔法をつかえるな」
さも普通に会話をしているが、話を聞いているものは皆驚いていた
というより、そんな秘密を話してもいいのかと
「ネギ、それは私でもできるのか?」
リヴェリアが考えながら聞いた
「うーん…多分出来ないと思う。僕が出来るのは、
「そうなのか…私も、その魔法は習得できるか?」
「挑戦は出来るけど、習得中に死ぬか、一生魔法が使えない身体になるよ」
「そうか…」
リヴェリアはとても残念そうに呟いた
周りからすれば発狂寸前だ
そんな会話をしながら一同は階層を登る
◆◇◆◇◆
「オイ、モンスターが逃げんのかよ‼」
地上へと戻る際に通った階層で、ミノタウロスの大量発生に出会った
《
そしてその先には上層への階段があった
彼らはミノタウロスを追い上層へと向かう
◆◇◆◇◆
数分後場所は変わりダンジョン五階層
「うわぁぁぁぁ!!」
少年の叫び声が響いていた
後ろから迫りくる
様々な曲がり角を曲がり奥へ奥へと、走る
振り向くと後ろには頭は牛、身体は筋骨隆起した肉体を持つモンスター
彼がギルドのアドバイザーから習った知識に当てはめると、一体の名前が出てきた
ミノタウロス…本来はもっと下の層にいるモンスターのはず…
そんな考えが頭を過ぎったが、すぐに捨て逃げることに集中した
◆◇◆◇◆
どれくらい逃げただろうか…
未だにミノタウロスは追っかけてきている
もうダメだ…そんなことを思った時声が聞こえた
「君!しゃがんで!!」
ほぼ反射的に身体が動いた
だが足の疲労もあってコケる、といったほうがいいだろう
そして誰かの影が重なったのがわかった
後ろを振り向くと少年と同じ位の人がミノタウロスへと、走っていた
そして彼は手に魔力を込めて
「桜華崩拳‼」
その声と共に相手を殴った
するとミノタウロスは一瞬で消え去り、支えを失った魔石がポトッと、落ちた
突然の事に呆然としていた
「大丈夫?」
後ろから声をかけられた
振り向くと金髪の少女がいた
いかにも『美しい』という言葉が似合う人だった
そして少年の容量のキャパシティーが超えたらしく
「うわぁぁぁぁぁぁー」
逃げ出してしまった…
沈黙する空間…
「まあ、取り敢えずフィン達と合流しようか」
少年の声で二人はそこを去っていった