大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

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なんで評価バー開いたらオレンジになっててお気に入りが200件近く登録されてるんですか…まだ2話目ですよ?

こんなクソザコナメクジに何を期待してるんですかぁ…

有難うございます(土下座)




3 祖龍(モドキ)、海兵になる

☆前回までのあらすじ☆

 

文明がねぇ!獣しか居ねぇ!

 

海賊ぐらいしか来る客が居ねぇ!

 

オラこんな島ァ嫌だ〜、オラこんな島ァ嫌だ〜

 

オラ海軍ンさ行くだァ〜♪

 

 

 

 

 

はい

 

 

 

 

 

 

俺を乗せた船は新世界からRLを渡って偉大なる航路へと戻り、向かう先は海軍本部だ。

 

ガープ爺さんの分かりにくーい説明によるとこの辺には『タライ海流』という海軍本部マリンフォード、司法の島エニエス・ロビー、大監獄インペルダウンの三つの施設を結ぶ政府御用達の海流があるらしい。

それに乗り、あっという間に海軍本部までの距離を縮めている。

 

エニエスなんとかとインペルなんとかにも行く機会があるのかな、聞けば一方は夜の来ない『昼島』と呼ばれる島でもう一方は海王類達が(たむろ)する『凪の海(カームベルト)』の中にあるらしい。

 

いつか行ってみたいな、楽しみだ

 

海王類といえは…

 

 

「全く…何なんだ一体」

 

 

目の前には黒焦げになって浮いている軍艦の10倍ほどはあろう大きさした海王類の姿が。これで今日三回目の襲撃だ。

俺達が船を出してから数日、ここの所殆ど毎日海王類がやって来ては返り討ちにし、別の奴がやって来ては返り討ちを繰り返してる。

 

 

「こんなでかい海王類を一撃で…」

 

モブの皆さん、驚き過ぎちゃう?これ位クザンにーさんも出来るで。ていうかワンピの人間ならこの大きさの海王類位指先一つでYou are shock!!出来るやろ、いまさらいまさら

(感覚麻痺)

 

「ぶわっはっは!スマンのおミラ!

客人に仕事をさせてしまって」

 

 

「構わんさ、外の世界は退屈しなくて楽しいな。」

 

 

煎餅齧りながらそういうガープ爺さんと他愛ない会話しながら考える。

なんでこんなに海王類と鉢合わせするんだろう?

クザンにーさんの話ではこの辺には海王類なんて滅多に来ないそうだ、しかも俺が甲板に出ている時に限って…

クッソ運悪いなあ俺…ん?運が悪い?

 

 

 

 

……あ

 

 

 

思い出してほしい、これはONE PIECEの世界の話ではなく「モンスターハンター」の方の話だ。

俺氏ことミラルーツは色んな作品に登場している。最初は2Gの塔の上で、ナンバリングが進みハンター達の移動手段が発達した4Gではシュレイド城に皆既日食と共に現れ討伐することが出来た。ダブルクロスでも同様だ。

そしてミラルーツの装備を作る際、どの作品でも必ずと言っていいほど付いてくるバッドステータスがある。

 

『不運』、もしくは『災難』だ

 

お分かり頂けただろうか?

 

これは向こうでは報酬が少なくなるっていう面倒なスキルだったんだがこっちの世界ではまた違った意味合いを持つのかも…

 

つまり、ミラルーツは運が悪い説が微レ存

 

海王類に何度も襲われるのも、結構な確率でスコールと鉢合わせたのも、ガープ爺さんの副官ボガードさんが度重なる心労で胃を痛めているのも全て俺の不運によるものだったのだ!今明かされる驚愕の真実ゥ!(え?最後のはガープ中将のせいだって?気にするな!)

 

 

「そうだったのか…私は…私は…」

 

 

圧倒的ッ!!運がッ!!悪い…ッ!!

 

 

「…?どうしたんだミラ?」

 

 

真実にうちひしがれわなわなと震えている俺を心配したのかクザンにーさんに気遣われた

 

 

「いや…なんでもない。なんかすまんかった」

 

 

「何故急に謝んのよ…?」

 

 

変な事実に気づいてしまった俺を乗せて船は海軍本部へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウェルカムトゥーようこそマリンフォード

 

目の前にはでかでかと「海軍」の二文字が書かれた日本の大阪城みたいなでっかい城の姿があった

 

そう。ここは海軍本部、通称「マリンフォード」

 

 

「これで私も海兵というわけか」

 

 

新品の水兵服を着飾ってその場でくるくる回りながら着心地を確認する

 

長ったらしい入学式も終わり、俺は晴れて海軍兵学校の候補生、その一員となった訳だ。書類審査などの面倒な事はセンゴクさんがやってくれたらしい。

年齢については見た目相応の年齢を記載してもらった、24歳位だったと思う。見た目は人だが中身は龍なので人化しててもこの身が老けることは無い、なのでそういう体質なのだと説明しておいた。

悔し紛れの言い訳だったけどこの世界に住む巨人族の寿命は300年(あまり)あったり悪魔の実の能力の副作用で身体の成長が止まったり、わりと肉体と年齢が比例しないヒトの多い世界だったのですんなり納得してもらえた

 

 

「おー、似合っておるぞミラ。馬子にも衣装とはこのことよな!」

 

 

「それ意味違いますよガープ中将、似合ってんぞミラ」

 

 

側には相変わらずせんべいを咀嚼しながらミラの門出を祝うガープ爺さんの姿が、そして隣にはクザンにーさんも顔を出していた

 

 

「にしても、入校前の体力試験をダントツでクリアしちまうとはな。」

 

 

「造作もない」

 

 

ふふんと胸を張り、豊満な胸がたゆんと揺れる。

俺としては力加減を覚えるための練習みたいなものだったけどそれでも龍と人間の力の差は激しいものらしい。某摩訶不思議アドベンチャーな世界と間違えて転生しちまったんじゃないか俺は?

それに拮抗してきたこの2人ホント何なんだ…人間核兵器?

 

 

「これから訓練過程じゃ、女の同期は少ないがしっかりやれよ」

 

 

「あいわかった。しかしこの敬語というのは難しいな…人間の上下関係も面倒なものだ」

 

 

「まあ人の社会に適応する練習じゃと思えい。

門出祝いじゃ。せんべい食うか?」

 

 

「頂こう……頂きます」

 

 

「敬語は要練習だなァ」

 

 

俺の最初の課題は敬語に慣れる所から、ということになった。

 

 

 

 

 

 

 

海軍の訓練は退屈だ

 

 

腕立て二千回とかトラック500週とか龍の身体だと余裕のよっちゃんである、組手も同期では相手にならないし教官である中尉クラスの将校でも一方的にボコれる。実際ボコボコにした

 

上官の面目とか全く考えずにやってしまった、本当に申し訳ない(メタル〇ン並感)

 

さて、自分だけ先に逝っといて主人公に一度着ると外せなくなるスーツを事前説明無しで着せたゲスの極み博士のことは置いといて。

 

訓練校の基礎的な訓練だけでは満足出来なくなってガープ中将にこっそりと六式や各種覇気の使い方を説明してもらった。教えて貰ってばかりなのでお返しに前やったら好評だった祖龍式電撃マッサージをやってあげている。

 

常人には習得不可能とか言われてる六式だけどそこは流石龍。乱脚なんかは脚を3回位振ったらスグに出た、それから剃はやらずとも雷速で動けるため割愛、一番役に立ってるのは月歩かなー、龍の姿にならなくても飛べるのは結構嬉しい。

つい楽しくなって月歩でマリンフォードからシャボンディ諸島まで行って帰った時は教官のゼファー先生にクッソ怒られたが…

 

 

退屈だったけど新しい発見もある、矮小な同期たちの成長だ。明日の将校を目指し一喜一憂する姿はとても美しい。

最近気づいたが俺はそういう「夢の為にひたむきに努力する姿」が大好きだ、これは最初から圧倒的な力を持ち全てを蹂躙できる龍には真似できない、こと戦闘に関して龍に「努力」は必要無いからだ。

それが堪らなく美しく、尊い物だと分かる。

 

にんげんっていいな

 

そんなある日

 

 

ガープじいさんから呼び出しくらった

 

俺悪い事した記憶ないんだけどなあ…一生懸命普通の訓練生を演じている筈だけど果たして…?

 

 

「おうミラ、来たか」

 

 

「ご機嫌麗しゅう、中将閣下」

 

 

呼び出されたのはマリンフォード中心部の外れにある広場だ、なぜか中将の後ろには3人の男の姿があった。中にはこの前闘ったクザンにーさんもいたよ

 

 

「いつも通りガープでいいわい。

今日はお前と会って貰いたい奴がおってなあ、紹介しよう。

中将のボルサリーノとサカズキじゃ」

 

 

「急ですね…まあいつもの事ですが。

宜しくお願いします」

 

 

「ガープ中将、急に呼び出したんはこの新兵と儂等を会わすためか?」

 

 

「おお、こりゃたいそうなべっぴんさんだねぇ〜」

 

 

向かって右側、フードをすっぽり被ってドスの利いた声で俺を威嚇するのがサカズキって人だ。左側の田〇邦衛の若い頃にソックリな人がボルサリーノっていうらしい。

 

ていうかこの2人確か後の大将ですやん、俺覚えてるよ。

まーた碌でもないこと考えてるなガープ中将は

 

 

「おうとも、ミラが最近訓練校で退屈しておるようでのう。

お前ら相手になってやれ」

 

 

……………ぱーどぅん?

 

 

「は?」 「おお〜?」

 

 

2人ともぽかんと口を開けて唖然としてる、当然だよ。

訓練校に通っているような新米と中将クラスの猛者を戦わせようってんだから、気が触れてると言われても文句言えない

 

 

「私は構いませんが、お2人が納得しておられないご様子ですよガープ中将」

 

 

「おお、スマンスマン!説明不足じゃった。

ミラは海軍に来る前、ワシとクザンの二人がかりでもかなわんかった相手じゃ。油断してると死ぬぞ」

 

 

「流石に命までは取りませんが…」

 

 

ガープとクザンが二人がかりで負けた。

半ば信じ難いかとは思うが事実である、2人の表情が真面目になった

 

 

「……分かった、だがやるからにゃ容赦せんぞ新兵」

 

 

「御手柔らかに…」

 

 

「ボルサリーノはどうする」

 

 

「まァガープ中将の仰せだしねェ〜、仕方ないよォ」

 

 

なんとか2人から了承は得られたのでガープ中将とクザン中将監視の元、俺VSサカズキ、ボルサリーノの稽古を行うことになったよ、唐突だね

 

 

……あれ?これわりとマジにならないと俺死んじゃう?

 

 

 

 

◆戦闘準備中…◆

 

 

 

海軍本部建物外れの広場にて、新兵一人対中将2人の勝負が始まった

 

「では……始めいッ!!」

 

ガープの合図で先に飛び出したのはミラだった。

瞬く間に2人の側まで歩み寄り、電光のように素早い回し蹴りはサカズキの首元を捉え、抉るように振り抜かれる。

 

 

「ぬぅッ!!?」

 

 

まさか新兵がこんな動きをするとは思わなかったのだろう、一瞬驚きそれを辛うじて覇気を纏った腕で受け止めたサカズキは反動で大きく横へ飛ばされ壁に激突した

 

 

「あらァ?サカズキ中将?

冗談キツイよォ〜…」

 

ガラガラとサカズキの激突した壁が崩壊している様を見せつけられたのも束の間、ミラはもうボルサリーノの目前まで迫っていた。

ボルサリーノは自身の持つ悪魔の実「ピカピカの実」の力で高速移動し、続くミラの一撃を回避することに成功。しかしミラの追撃は止まらない

 

 

「おう!?こりゃ見聞色の覇気だねェ…あっしの動きが全部読まれてるなァ」

 

 

「ボルサリーノ中将殿は光の速さで動けるのですね、自然系(ロギア)の能力はやはり凄まじい…」

 

 

「そのあっしを捉えてる君も大分凄まじいけどねェ…ッ!」

 

 

ミラの嵐のような連撃をいなしながらボヤいたボルサリーノは大きく飛び上がる。

この実力差、最早新兵がどうのこうの言っていられない。

下手をすれば自分がやられると踏んだボルサリーノはピカピカの実で生成されたレーザーの雨を降らせた

 

 

八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)ァ」

 

 

「おお!?」

 

 

一発一発が致命傷となる光の礫、ミラは一瞬驚いたようだったが下からじっとそれを見つめている。

 

 

「ちょ…避けてくんないと死んじゃうヨォ〜?」

 

 

後で流石にやり過ぎたと後悔するボルサリーノ、だが一度出してしまったものはもうしまいようがない。

レーザーの雨はミラの元へと殺到していった

 

すると唐突に彼女は足に力を込め姿勢を低くして

 

 

「……瞬雷」

 

 

そう呟いたミラの脚部が赤色の雷を纏ったように見えたその刹那、ミラが消えた。

続く轟音、そしてボルサリーノの頭上にミラが突然姿を現した。そのままオーバヘッドキックの要領で彼の頭に蹴りが突き刺さる。

 

「おぉ!?ォ…」

 

その勢いのままボルサリーノは頭から地面に激突し、間もなく気を失った

 

一拍遅れてボルサリーノのレーザーが着弾した爆発音とミラが通ったであろう道筋に雷が走った様な稲光、それに遅れて雷鳴がマリンフォードに轟いた

 

「ふう…殺す気ですかボルサリーノ中将、私じゃなかったら確実に死んでましたよ?」

 

遅れて地面に着地し、パンパンと服の汚れを払うミラ。

これにはクザンもガープも驚きを隠せず呆気に取られている

 

そしてようやく瓦礫を押しのけ脱出したサカズキも目を剥いて驚いた

 

 

「なんじゃあこりゃあ…ボルサリーノがあっちゅう間にやられとる。

派手にやらかしおって…」

 

広場を埋め尽くすボルサリーノのレーザーによって炎上した広場をバックに仁王立ちするミラの姿はどこぞの管理局の白い魔王の幼少期を彷彿とさせるがサカズキはそれを知る由もない

 

 

「さて、次はサカズキ中将の番です。

お覚悟を」

 

 

「ほざけ青二才が、海軍を舐めるなァ…!」

 

 

「(年齢だけならアンタより随分上何だけどな…)」

 

 

サカズキの怒りとともに彼の右腕はゴボゴボと赤く泡立ち、溶岩で構成された巨大な怪腕となってミラを襲う。

それを見たミラはまるで楽しい玩具を見つけた子供のように微笑んでいた

 

 

……

 

 

 

祖龍の雷と溶岩の激しい鬩ぎ合いの末、先に膝を付いたのはサカズキだった。

息も絶え絶えのサカズキは憎々しげに余裕の笑みを浮かべ心底愉しそうにしているミラを見上げている

 

 

「お見事でした、まさか私に傷を付けるとは…慢心していましたね」

 

 

「嫌味にしか聞こえんわい…ハァ…ハァ…

お前、詐欺じゃろうに…」

 

 

先程の、戦闘でサカズキがミラに与えたダメージは頬に掠めた赤いアザの一撃のみ。

それ以外は軽くあしらわれ、スピードで劣るサカズキは文字通り稲妻の様なミラの蹴りを防御しながら何度も食らった結果彼は限界を迎えてしまった

 

 

「そこまで、勝負アリじゃ。

ミラ、ご苦労じゃった。これでセンゴクの奴も納得するじゃろうて」

 

 

「は?センゴク?なぜその名がここで…」

 

 

「私がガープに頼んでけしかけたのだ、ミラ新兵」

 

 

驚くミラの背後から現れたのは現海軍大将センゴクと訓練校の教官ゼファーだった

 

 

「ガープ中将、謀りましたね…」

 

 

じとーっとガープの方を見つめるミラ、対するガープは豪快に笑っている

 

 

「ぶわっはっは!悪かったのうミラ!

じゃが実際に見てもらった方がお前を連れ出しやすいと思ってなァ」

 

 

「連れ出す?」

 

 

「そうだ、ミラ。

君の力、才能は訓練校に留めておくには惜しい。よってすぐにでも訓練校を卒業させて即戦力として利用させてもらう、ゼファーも構わんな?」

 

 

「ああ、こりゃ訓練校にいる意味無ぇ。飛び級だ飛び級、問題児が居なくなって清々するぜ」

 

しっし!と手を振るゼファーにセンゴクも納得したようだ。

この突然の登用にはゴールド・ロジャーの死後、増え続ける海賊達に対抗するため一刻も早く戦力を補強したいというセンゴクの考えも混じっているがミラにとっては退屈な訓練校から脱出するいい口実だった

 

 

「んーー…承知しました。

私は誰の下に付けば良いので?」

 

 

「差し当たりガープの部隊で下積みを積んでもらう、階級は…以前までの海賊討伐歴を考えると少佐スタートが妥当だろう。コング元帥には私から言っておく」

 

 

「承知致しました。ガープ中将、これからどうぞよしなに」

 

 

「おう!宜しくなァミラ!

サカズキ、ボルサリーノ、お前等も精進せい!今日の敗北で見えた事も多かろう」

 

 

「やれやれ…新米にボコボコにされてこの言われよう、貧乏クジ引いちまったねェ〜…」

 

 

「……ミラ、お前の力は確かに強大じゃ。じゃが一歩でも道を間違えてみい、そん時ゃ儂がお前も燃やし尽くしちゃるぞ」

 

 

いつの間にか目を覚ましたボルサリーノ中将が胡座を書きながらぼやき、サカズキ中将もまだ完全に納得していないと言った感じで俺に毒づいてくる。

 

 

「ご心配どうも。

私なりの正義で、海軍に尽くしてみせますよ。中将閣下」

 

 

かくしてミラは海軍でも異例の訓練校を飛び級で卒業し少佐の地位を得て海軍の将校となったのだった

 

 

「にしてもボルサリーノォ…貴様は能力にかまけ過ぎるなとあれほど言っただろうが!

こっちへ来い、根性を叩き直してやる!」

 

 

「勘弁してくださいヨォ〜ゼファー先生…本当に貧乏くじだァ…」

 

 

 

 

センゴクside

 

 

ミラが海軍中将2人を相手にした日。夜もどっぷり更けた頃、私は海軍本部内の小さな個室にゼファー、ガープ、おつるさんを集めた。

 

議題は勿論、先日入隊した海兵、ミラ少佐のことについてだ。

 

 

「それで?ガープ、アンタは何処まであの娘っ子の事を知ってるんだい?」

 

 

「ミラのことか?それなあ…ワシにも殆ど分からんのだが、奴ぁ電気を自由に操れる。そんでもって怪力に馬鹿高い瞬発力と防御力、天の与えた才能かのう?」

 

 

「ガープ…何年の付き合いだと思っとるんだ。正直に話せ、場合によっては五老星の耳にも入れねばならない」

 

ガープは俯き少し考えているようだったがやがて観念したのか渋々答え始めた

 

 

「………………わかったわい…

あまり他言するなよ?ゼファーもおつるさんもな」

 

 

「当たり前だ、約束は守る」

 

 

「さっさと言いな、時間が勿体ない」

 

 

この4人は共にゴールド・ロジャーの大海賊時代を戦い抜いた腐れ縁、故に秘密は絶対に漏らさない。そう信頼できる仲間だ

 

 

「ミラはな、龍じゃ。

今は人化しておるがあの状態でも凄まじいじゃろ?」

 

 

「龍…だと?」

 

 

「ああ、龍じゃ」

 

 

「龍ってぇとアレか?お伽噺に出てくる…」

 

 

「だろうねぇ、空想上の生き物。

…いや、もしかすると…」

 

 

「おつるさん、それ以上は言わないでくれ。

明日コング元帥と五老星に報告する、ミラには悪いが彼女の危険性は我々でも推し量れん」

 

 

「まァ妥当な判断だろうな、これを知ったジジイ共は殲滅を選ぶか共存を選ぶか…」

 

 

ゼファーの意見は最もだ、ミラは龍…この世界で最も危険な存在。

何故危険かは私の口からいうことは出来ないが四人全員が同じ危機感を感じている

 

 

「ミラはこの数年あの無人島から出ておらんと言っとった、ならまだ何も知らない」

 

 

「それについて信憑性は皆無だが…

我々が手綱を繋いでおく必要がある、それが海軍の為にもなるし政府も都合が良いだろう。

下手に敵対した所で死に目を見るのは我々だ、サカズキとの戦闘を見ていて確信した。

ミラは単騎で国どころか世界を滅ぼせる」

 

世界を滅ぼせる、その言葉は決して冗談で言っている訳ではない。

現にミラは本来の10分の1の力も出さずにサカズキとボルサリーノを圧倒して見せた、自然系の能力を有し将来有望な大将候補である2人を同時に相手取って、だ。

 

あの赤い電気を帯びる技、本人は体質だと言っているがあれは龍の御業に他ならないだろう

 

 

「そういやワシと戦った時は島を丸ごと更地にできそうな雷を起こしたりもしてたのう、悪魔の実にも雷を操る実はあるようじゃが…」

 

 

「だったら彼女が泳げる理由が着かん、訓練校の水泳授業にもバリバリ参加してたぞあの娘」

 

 

「あの子は自主的に海軍に従属する事を選んだみたいだけど…不安要素は拭えないね」

 

 

「ああ、やはり五老星に報告する。

ミラの存在は彼等にとって不都合になりかねない、もしそうなってしまったら…」

 

ゴクリ…と4人が息を飲んだ

 

 

「最悪の場合、海賊も海軍も貴族も天竜人も関係なくヒトの世界は終わりを告げる。

『龍』とは世界の始まりと終わりを創る者、文明の破壊者なのだ…!」

 

 

私は断固とした決意と共に『祖龍』ミラと付き合っていくことを決めた。

まだまだ不明瞭な事が多い。ミラの出生、能力、そして伝承通り()()()()()()()()()()()()()()

 

幸いミラは今の所友好的だ。だが彼女がこの世界の闇を…奴隷や天竜人の横暴を目撃した時、なんて思うだろうか。腐敗しきった王政、人の邪な感情を垣間見た時、果たしてミラは『人間』の行いを赦してくれるだろうか?

 

解散した後、私の心中は不安で一杯だった

 

 




ミラ、無双。そして上から超警戒されるの巻


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