大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

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多分これから所々実際の時代背景と違う部分があると思うけど許してヒヤシンス




2 祖龍(モドキ)、海軍にスカウトされる

オッス!オラ祖龍改めミラ!

 

 

やっべーよ、いきなりラスボスクラスの強敵と手合わせとか言っちゃったよ

 

相手は海軍の英雄ガープと自然系(ロギア)の身を持つ将来を約束された中将クザン

 

うん、ヤバイ

 

この身体、喋り方までおかしくなるし…俺はただ「そろそろ島を移動したいけど龍の姿になって移動するのは目立つから連れて行ってよ偉い人!」

て言いたかっただけなのにどうしてこうなった

 

 

初見殺し雷速パンチも防がれて挙句カウンター食らったし、龍の姿になってもビビらずに果敢に挑みかかってくるし、やっぱりワンピ時空のキャラはバケモンだらけだぜ…

 

最後は向こうの体力が尽きたのか倒れてしまった、でも死なないように極力手加減したから大事にはならないだろう多分きっと!

死なれたら後味悪いし、お話が先に進まなくなったら嫌だもんな(メメタァ…)

 

 

そんなこんなで俺は今軍艦の一室に居る、あの後急いで医務室に運ばれたガープじぃじと青キジおいたんを訪ねてみよう

 

 

「壮健か、2人とも」

 

 

お医者様、そんなにビビらないで下さい何もしませんから。取って食ったりしないから

 

 

「おうミラ!

見事な戦いぶりじゃったぞ!」

 

 

「…どうも」

 

 

さっきまでボロボロだった筈なのにこの2人はもう完治してるみたいだ、流石死人がほとんど出ないことで有名なワンピ時空

 

 

「大事無いようで何よりだ」

 

 

「いい雷じゃった、腰に効くわい」

 

 

本気出せば古龍すら一撃で仕留めるミラの雷を電マ扱いとか…さすが主人公の祖父、この祖父ありてあの孫ありと言ったところか

 

 

「勢いで島を出ると言ってしまったが…我から差し出せるものは島にあった財宝くらいか、他にこの島には何も無いからな。

あるとすれば…海の気を発する岩石くらいだが…」

 

ちゃっかり島を出る時に刀は一緒に持ってきちゃったけどね。もうこれ俺の持ち物でいいよね、所有権とか知らん。

 

「海の気を発する岩石?海楼石のことかい?」

 

ああそうそれそれ、厨二臭くてカッコイイよな海楼石

 

「そう呼ぶのか?最早あの島に未練は無し、海軍の好きに使うといい」

 

 

「そりゃ助かる、あの島は新世界では割と海賊の横行する海域じゃったからのう。前線基地でも作らせるか」

 

 

なんと、ここは新世界だったのか。

確かグランドライン後半の海だったっけ?

途中すっ飛ばしている気がするけどまあいいや

 

 

 

 

 

そもさーん、正義とはなんぞや?

 

強いのが正義?優しいのが正義?はたまた弱きを助け強きを挫くのが正義?

なーんて、こんな話を前世でいうTVのコメンテーターなんかに話させたら喧々諤々言い争いたっぷりの2時間特番が出来上がるだろう。

だがどこぞの麻婆大好き外道神父が言うように正義には相対すべき悪が必要だ、明確な悪がいなければ正義は正義足り得ない。

海軍が言う悪とはこの世界でいう即ち海賊の事、気まぐれに島を襲撃し、街を襲い、男を殺し女を犯す彼等は討伐されるべき「悪」として世界中に知れ渡っている。分かりやすくてイイネ

我らがワンピの主人公ルフィ君も夢を追い求めるという理由で海賊になり、一般人に被害は出していないものの広義では他数多の海賊達と同じ扱いを受けているのだ。それくらい海賊が民間人から敵視されているのが分かる。

この世界の個人の情報収集能力が極端に低いからかもだけどね、それぞれ島で隔離されていて唯一の情報が新聞一強なんて世界、やりたい放題だ。

そんな明確な悪が存在する中大義名分を掲げ海賊達を取締り、自身の『正義』を実行する組織、それが海軍だ

 

さて、気まぐれに行くことになった俺の正義はというと

正直龍としての生き方が長過ぎて色んな人間としての常識が欠如している為何とも言えない状態に陥ってる。

人としてのモラルとか、やってはならない最低限のライン(窃盗とか無差別な殺人etc..)は弁えているつもりだ、でも基本的に人間のやる事に対して共感が薄い。

例えば妻子を殺されて海軍に泣きついてきた男がいるとする。

テレビで見る殺人事件の被害者へのインタビュー見てる気分だ。あくまで第三者視点、「へーこんな事があったんだー」位にしか思わない。

ガープ中将やクザン中将の語る正義も俺にとっては宗教の勧誘みたいでちょっと引いてしまう。

 

そうさ、俺はヒトの掲げる正義などどうでもいいのだ

 

龍って無駄にプライド高いし妙に達観しちゃうんだよね、一応人間だった頃の記憶とか名残りとかがあるから完全に見下したりはしないけどさ。俺そこまで人でなしじゃない。龍だけど

それでも海軍に行くと言ってしまったのは……俺の心に欠片ほど残っている人間の感情が「ワンピの世界へ関わっていこうぜ!あと俺海軍大好きなんだ!」と訴えかけているからだろう。

 

カッコイイじゃん海軍。背中にコート背負ってさ、俺も六式使いたいよ。

それに海賊(あっち)サイドではなく、海軍(こっち)サイドならまた違った世界が見えるかも知れない。という興味もあった

 

じゃなきゃ矮小な人間の世界に関わる様な真似しねーよ、とか考えちゃう辺り俺も立派な龍ですな

 

龍は自由、嫌になったら辞めればいいし(楽観視)

 

さしあたり俺の掲げる正義は『自由な正義』という事にしておこう

 

 

 

島の調査や海楼石の案内などをするのに3日ほど要してから俺を載せた軍艦は島を出発、ひとまずマリンフォードという所まで送ってくれるらしい。

処遇はその後決まるとかなんとか

 

 

「船旅というのもいいものだな…飛ぶのとはまたひと味違う」

 

 

落ち着いて状況を整理しようぜ

まずは時代背景だ……分からん!

 

ガープ中将ちょっと若いし、青キジがクザンの名のまま中将だから原作開始より昔という事は分かるんだが…如何せん昔話はニガテで漫画でもテキトーに読んでた節がある

それに加えながいながーい間龍としての生を生きてきた、どれ位の間と言われると龍の感覚だから曖昧だが読み流した昔の漫画の内容を数十年単位で覚えてられるか!?無理だろ!

という訳でキャラもこれからのストーリーも朧気にしか分かりまそん、でもエースが死んだり等の衝撃的な事件は記憶に残ってたりする。ままならんね

 

 

 

「入るぞミラ!」

 

 

バァンッと勢いよく蹴破ってガープじいじが入って来た、一応レディの部屋なんだからノックくらいしろよ爺さん

 

 

「もう動いて大丈夫なのか?」

 

 

「おうとも!これ位軽い軽い!

そんでミラ、お前さんと話したいと言っとる奴がおってのう。

ほれ、伝電虫」

 

 

言われるがまま差し出されたカタツムリの上に置いてある受話器を取る

聞こえてきたのは落ち着いた感じの男の声だ

 

「ふむ、もしもし…」

 

 

『私はセンゴクというものだ。君がガープの言っていたミラという女性で間違いないな?』

 

 

「相違ない」

 

 

センゴク……確か海軍の超偉い人だった希ガス

 

 

『まずは手配書の海賊共を始末してくれた事に感謝する、奴らは札付きの屑だった。

君のお陰で捕まえる手間が省けたよ』

 

 

「島を脅かす無礼者を手打ちにしたまでだ、別に褒められるような事ではない」

 

 

『そうか、そう言ってくれるのなら幸いだ。

そこでだ、海軍も人材不足でな。

島での功績もある、正式に君を海軍へスカウトしたい。

悪い話ではないぞ?』

 

 

なんと、直々にスカウトと来たか

ガープじいさんが誘った事を事前に聞いたんだろうか

それとも新手の囲い込みか?

外堀を埋めて俺を権力の犬へ追い込む算段か!?

 

 

「………元より行く宛もなし、私は名も無き島で永きに渡って退屈な日々を過ごしていた。

ここで貴方がたと会ったのも何かの縁、その申し出受けさせてもらおう」

 

 

『そうか、歓迎しよう。盛大にな

では詳しい説明はマリンフォードへ着いてからにしよう。

不便な事があればクザンかガープに言ってくれ』

 

 

「問題無い、初めての船旅は良好だ」

 

 

『そうか、では』ガチャン

 

 

伝電虫はそれっきり途切れてしまった、これ大丈夫?向こうついた途端ミサイルカーニバルとかされない!?大丈夫!?

 

 

「そんで、どんな内容じゃったんじゃ?」

 

 

ニヤニヤしながらガープ爺さんがこっちを見てくる、あんたが口添えしたんだろうがよ

 

 

「私を海軍へスカウトだそうだ。

どうせ島を出て行く宛もなし、身を置かせてもらうとするよ」

 

 

「おおう、そうか。そりゃ結構結構」

 

 

ガープじいじは大変ご満悦の様子

そこへクザンのにーさんも合流ししばらく3人で他愛のない話をしながら時間を潰した

 

 

行き当たりばったりバンザイ!

 

 

 





正義なんてどーでもいいけど興味あるから海軍に首突っ込んでみるべ、な主人公。既に人としての軸がぶれている

次回、サカズキ、ボルサリーノ死す!デュエルスタンバイ!

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