東京喰種:re 皇と王   作:マチカネ

29 / 29
 これでラストになります。


エピローグ

 『V』との決戦の勝利。毒を持つ“落とし児”を生む“竜”卵管はカネキによって破壊したが、他の“竜”卵管は残り、“落とし児”改め、“竜遺児”は産み落とされ続けた。

 人類と喰種、共通の敵となった“竜遺児”。

 そして6年の月日が過ぎた……。

 

 

 

 

 CCGは解体され、“竜遺児”と戦う東京保安委員会、TSCが設立、初代長官になったのは丸手、次期長官は法寺項介(ほうじ こうすけ)。

 喰種側の《共同戦線》の代表は月山、副代表は万丈が務める。

 ちなみに万丈は三兄弟のジロと結婚。

 

 

 『柘榴』の量産化が可能になったより、喰種は人を喰わなくても良くなる。

 こうして人間と喰種の共存社会が築かれ、もう喰種は隠れて生きなくても良くなった。

 貴未は『柘榴』の研究を続け、喰種に人間らしい食事を味会わせることを目指す。

 そして姓を西尾にすることを夢見る。

 

 

 ライ、ジェレミア、英良を通じて饗団の存在を知った亜門は、所属しないまでも外部協力者となり、暁も共に歩んでいく。

 

 

 英良、一見風邪用に見えるマスクで口元を隠し、カネキの家に向かう。

 その途中に出会ったアヤトとヒナミと合流、一緒に家に行く。

 

「りお~」

 カネキとトーカの娘、一花(イチカ)はリオの肩に乗り、髪の毛にリボンを結んで遊んでいた。

 リボンを結んだリオの姿を見た英良、アヤトとヒナミは思ってしまった『良く似合っていて、可愛い』なと。

 そんな心情を察したリオの顔が赤くなった。

 遠目でヨモが自分がやられなくて良かったと、胸をなでおろす。

 一花のお気に入りのおもちゃになっているリオだが、他者のRc細胞を取り込み、新たな赫子を形成するという特殊な能力を持っていることで《共同戦線》の切り札中の切り札になっている。

「ああ、ヒデくん」

 キッチンにいたトーカが出てきた、すっかり主婦が板についている。

 

 英良、アヤト、ヨモ、リオと一花が遊んでいると、月山、万丈、ニシキ、ウリエ、才子が訪ねてきた。

「どこのお姫様かなっ、これは一段と美しくなられました」

「しゅー」

 一花を抱き上げ、くるくると回す月山。

「ママンワイフ、これむっちゃんから」

 才子はお土産のリンゴを渡す。

「うちの子、フルーツ好きなんだ。透にありがとうと書かなきゃ、ね」

 半喰種である一花は普通の食事も摂れる、特にリンゴと依子の焼くパンが大好物。

「やぁ、みんな」

 そこへカネキが帰ってきた。

 毒を持つ“落とし児”を生む“竜”卵管を破壊した後、体液の毒液の濁流に流されたところをアヤトに救出される。

 今はTSCと《共同戦線》の協力者。

 

 からんからんとドアベルが鳴る、一同が顔を向けた先、

「こんにちは」

 続いて入ってきた来訪者はライ。

「らい~きれい~」

 足元に駆け寄ってきた一花をライは抱き上げる。

「一花ちゃん、君だって大きくなると、かなり美女になるよ」

 意味を理解しているのかは解らないけど、きゃきゃと一花も大喜び。

 子供相手でも、容赦なく放たれるナチュラルジゴロ発言に、月山たちは引いてしまう。

 カネキは『僕の娘に手を出すな』と睨む。

 そんな視線には気が付かないライ、相も変わらず。

 

 

 一頻り遊んで遊び疲れた一花は眠りの中に落ち、トーカが部屋に運ぶ。

 その後はヨモの淹れたコーヒーで、コーヒータイム。

 

 様々な雑談を交わす中、

「なぁ、ライ。お前、どうして年を取っていないんだ?」

 ウリエの質問は、誰もが思っていた疑問。

 『V』との決戦から6年、どう見ても年を取っているようには見えないのだ。

 聞きにくかったが、ついにウリエが聞う。

 飲んでいたコーヒーカップをテーブルの上に置く、一同がライの答えに聞き耳を立てる。

「それはスーパーフードを食べ、適度な運動をかかざす、老化防止を務めているからだよ」

 おいコラと、みんなは突っ込みたがったが、誰も言葉には出てこなかった。

 

 多くの“竜遺児”を駆逐し、TSCの最強の保安官と呼ばれるジューゾーと同じく、ライも竜将の称号を得ていた。

 よく居なくなるので、新人の捜査官たちからは幻の美形と呼ばれている。

 

 (何が『新人だけどね』だ……)

 末端とはいえ饗団に片足を入れている英良は、ライが年を取らない原因には心当たりがあった。

 噂ではあるが、饗団のトップは年を取らないと。

 

 

 夜も更け、リオや才子は寝落ち、ソファーで仲良くすやすやと寝息を立てている。

 月山たちは大人トーク。

 

 

「ライさん、あなたなら、全ての“竜遺児”を何とかする方法に心当たりがあるんじゃないですか?」

 世代交代を繰り返し、“竜遺児”は急速な進化を続け、ついに姿も人間に近づき、5歳児ほどの知能を見に着け、グループを形成する個体も現れていた。

「どうして、そう思う」

「“勘”です」

 コーヒー片手に、ライとカネキは壁際に並んで座っている。

 カネキは、以前から感じていた考えをぶつけてみた。

「そんな方法は無い方がいい。人間と喰種の共存関係は“竜遺児”と言う、共通の敵がいることで成り立っている。悲しいことだけどね」

 コーヒーを一口飲み、カネキは表情を引き締める。

「“今は”そうでも、いつかは敵なんか必要なくなる。10年前、誰が人間と喰種の共存社会が出来ると思っていましたか。でもそれは実現した、なら敵などいなくても、人間と喰種の共存世界は築かれるようになる」

 ここまで言って、首を横に振る。

「いや、違う、必ず築いて見せる」

 その言葉を聞いたライ、嬉しそうにコーヒーを飲み干した。

 

 

 




 リオくんの能力が他者のRc細胞を取り込み、新たな赫子を形成するものでした。これが四種持ちの秘密だったんですね。
 ゲームでイベントをこなしたり、勝利するたびにスキルが増えていくのはゲーム上のシステムではなく、能力だったんですね。
 これってチートのような……。
 最終回でリオくんの目が王になっているのも気になります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。