普通とはかけ離れた奴が学院に紛れ込みました。   作:DaTa 23°

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どうも、冷えたどらごんです。
こっちが書きたくなったので書かせてもらいました。
書き始めて間もないのであたたかい目で見てください。
では、どうぞ。


とある非常勤講師がやってきました。

この、アルザーノ帝国魔術学院に通い始めてちょうど一ヶ月が、経った。

最近では、日常にもなり始めた学院では、魔術を習う。

いやぁ〜時の流れは早いですね。

今でも、思い出せますよ、一ヶ月前この国に来た時の思いは。

まぁ、来た理由が理由だしな。

おっと、自己紹介が遅れました。

俺の名前は、シュウ=クロイどこにでもいる、一般人だ。

 

 

って言えたらいいんだけどなぁ、俺はそこらへんの人間と

は少しいや大分違う。

 

それは様々だが今説明しなくてもいいだろう。

何やら今日は、非常勤講師が来る日だったか?

どんな先生かなぁ?どうせ普通の先生なのだろう。

さて、そろそろ学院に行きますか。

 

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学院の教室に後ろの方にある自分の席に座り、授業が始まるのを待つ。

待っている間は、教科書を開いてノートに魔術式の書き取りをする。

 

1時間後

 

「・・・遅い!」

 

うわっ⁈びっくりした。どうやらフィーベルさんがお怒りのようだ。

それもそうだろう『講師泣かせのシスティーナ』などという二つ名で知られているぐらいだから。

でも、確かに遅いもうとっくに授業が始まっている時間だ。

 

「あー、悪ぃ悪ぃ、遅れたわー」

がちゃ、と教前方の扉が開いた音の後声と共にその人物は

やって来た。

それは、遅れて来たのにもかかわらず反省の色はなく、

どこか抜けている感じがする男性だ。

 

まっ、絶対ロクでもないけど。

 

「やっと来たわね!ちょっと貴方、一体どういうことなの⁉︎貴方にはこの学院の講師としての自覚はーー」

 

「あ、あ、あああーー貴方はーーッ⁉︎」

 

「・・・・・・・・・違います。人違いです」

 

今の会話からして二人ともどこかで会ったことがあるようだ。

だが、俺には関係ないからノートの書き取りを進めよう。

それから、ほんの少し時が流れる。

男性の名前はグレン=レーダス。今日から一ヶ月間、

非常勤講師として働くそうだ。

 

そして、記念するべきなのかよく分からないがレーダス先生が黒板に文字を書いた。

 

 

 

 

 

 

 

自習。

 

 

 

 

 

 

 

ほう自習か。

自習。それは、自分で学習すること。

 

「えー、本日の一限目の授業は自習にしまーす」

さも当然、とばかりにレーダス先生は宣言した。

 

「・・・・・・眠いから」

さりげなく最悪な理由をぼそりとつぶやいて。

あー、やっぱりズレている。この、先生は違う。

 

「ちょおっと待てぇええええーーッ⁉︎」

 

フィーベルさんが叫んだのは、少し後だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やはりというべきかあの様子から当然というかレーダス先生はとにかくやる気がなかった。

二年次生二組の必修授業を全て受け持つことになったレーダス先生だが、黒魔術に白魔術、錬金術に召喚術、さらに神話学、魔導史学、数秘術、自然理学、ルーン語学、占星術学、魔法素材学、魔法戦術論に魔法道具製造術っといったありとあらゆる授業が、いい加減で投げやりだった。

もちろん、フィーベルさんは毎日のように小言をぶつけた。だが、レーダス先生の授業の様子は改善される気配は一向になかった。それどころか、日に日に悪くなっている。

確かに始めのうちは授業に似たなにかをしていた。

もちろん、やる気が全くなしの。

クラスでは、

「ああ、ヒューイ先生がよかったなぁ」

 

「ヒューイ先生なんで、辞めちゃったんだろ」

 

っといったことを言う生徒もいた。というかいる。

 

そして、とうとう。

 

「いい加減にして下さいッ!」

 

フィーベルさんの我慢が爆発してしまった。

 

「む? だから、お望み通りいい加減にやっているだろ?」

 

レーダス先生は抜け抜けとそんなことを言い放った。

それも黒板に教科書を堂々と打ち続けながら。

あー、早くなにか起きないかなぁ。

そんなことを考えていると

 

「貴方にそれが受けられますか?」

 

フィーベルさんが左手の手袋を外し、レーダス先生の顔面に当てた。

何しているの?っと言いたいがそんな雰囲気でもない。

 

「お前・・・マジか?」

 

「私は本気です」

 

「シ、システィ! だめ! 早くグレン先生に謝って、手袋を拾って!」

 

本当に分からないんです。何がだめで今から何が起こるのかも。全てが分からない。

 

「・・・・お前、何が望みだ。」

 

「その野放図な態度を改め、真面目に授業を行ってください」

 

「・・・辞表を書け、じゃないのか?」

 

何がなんだかわからいけど。

どんだけ辞めたいんだよ、レーダス先生ぇ。

 

「もし、貴方が本当に講師を辞めたいのなら、そんな要求に意味はありません」

 

「あっそ、そりゃ残念。だが、お前が俺に要求する以上、俺だってお前になんでも要求していいってこと、失念してねーか?」

 

「承知の上です」

 

えっ?なにそんなんあったの?

うわーそんなんあったんだったら今度学院長らへんに

仕掛けよっかな。いやいや、でもそんなことしたらこれからの学校生活が大変なことに…うーんどうしよかっなー

 

「その決闘、受けてやるよ。」

 

あっ、話終わっちゃった。

 

「ぷはっ!」

 

やっべ、つい笑っちゃった。うわー、みんなこっち見てるし。いやでも仕方ない格好良くつかみ取ろうとして失敗したのを見て笑ってしまうのは。

 

「ただし、流石にお前みたいなガキに怪我させんのは気が引けんるんでね。この決闘は【ショック・ボルト】の呪文のみで決着をつけるものとする。それ以外の手段は全面禁止だ。いいな?」

 

「決闘のルールを決めるのは受理側に優先権があります。是非もありません。」

 

あっ、そうなのか。じゃあ、学院長に申し込むのやめよう。魔術の知識で挑まれたら負ける自信しかない。

かもしれない。

 

「で、だ。俺がお前に勝ったら……そうだな?」

 

レーダス先生はフィーベルさんを舐め回すように見つめる。

そして、顔を近づけ、にやりと口の端を釣り上げて粗野な笑みを見せた。

 

「よく見たら、お前、かなりの上玉だな。よーし、俺が勝ったらお前、俺の女になれ」

 

「ーーっ!」

 

あっ、この先生ついに生徒にまで手出したよ。

ていうか、それぐらいの覚悟をしていたのを考慮して決闘を申し込んだんだろ。

 

「わ、分かりました。受けて立ちます」

 

おーい、ちょっと声が震えてるよ。

 

するとレーダス先生は

 

「だははははッ!冗談だよ、冗談!

そんな今にも泣きそうな顔すんなって!」

 

「ガキにゃ興味ねーよ。だから俺の要求は、俺に対する説教禁止だ、だ。安心したろ?」

 

あー、よかった。先生がロリコンじゃなくて。

 

「ば、……馬鹿にして⁉︎」

 

でも、安心したのは確かだろ?声には出さないけど。

 

「ほら、さっさと中庭行くぞ?」

 

「ま、待ちなさいよッ! もう、貴方は絶対に許さないだから!」

 

さて、俺も中庭に行こうかな。

さーて、勝つのはどっちだろう。

講師になってやる気を出していないため実力が分からないレーダス先生か。

それとも、学年トップクラスのフィーベルさんか。

まっ、俺はどっちでも良いんだけどね。

俺はいっつも独学であらゆる技術を磨いてきた。

講師が居るがいまいが関係ない。

あっ、俺以外誰もいない。俺そこまで存在感ない?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

黒魔【ショック・ボルト】は、この学院に入学した生徒が一番初めに手習う初等の汎用魔術だ。

微弱な電気の力を飛ばして相手を撃ち、

その相手を電気ショックによって麻痺させ行動不能にする、殺傷能力を一切持たない護身よう魔術だ。

 

呪文を唱えれば、指先から真っ直ぐに輝く力線が飛ぶ。

なんの奇もてらわないストレートな術なだけに、

【ショック・ボルト】の撃ち合いの勝敗は、いかに相手より早く呪文を唱えるか否かの一点に集約される。

、、、、、、、がこれは単純な魔術の撃ち合いだった場合の話。もし、回避されたら?などという考えがなしのやつだ。

 

「ほら?どうした?かかってこないのか?」

 

「……くっ!」

 

だが、レーダス先生はフィーベルさんが先に動くことを促している。ということは、先生は詠唱速度に絶対の自信があると考えることもできる。 が、

 

「《雷精の紫電よ》ーーーーッ!」

 

「ぎゃあああああーーっ!?」

 

命中したのだ。挑発しておきながら無抵抗に。

 

「……あ、あれ?」

 

フィーベルさんは指を突き出した格好のまま硬直し、脂汗を垂らした。

それは、そうだろうもっと、激しい勝負になると思っていたのが一瞬にして終わったのだから。

 

「わ、私……なんかルール間違えた?」

 

助けを求めるようにティンジェルさんの方に振り返るが、

ティンジェルさんは困ったように首を振るだけだ。

 

「ひ……卑怯な……」

 

と、その時、ようやく魔術によるダメージから回復した

レーダス先生がよろよろと起き上がる。

 

「こっちはまだ準備できていないというのに不意討ちで先に仕掛けてくるとは……お前、それでも誇り高き魔術師か!?」

 

「え? いや、でも、いつでもかかって来ていいって……」

 

「まぁいい。この決闘は三本勝負だからな。一本ぐらいくれてやる。いいハンデだろ?」

 

「は?三本勝負?そんなルールありましたっけ?」

 

「さぁ行くぞ! 二本目! いざ尋常に勝負だッ!」

 

あっけに取られるフィーベルさんの前で、今度は先生が先に動いた。

 

「《雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ーー」

 

「《雷精の紫電よ》ーーーーッ!」

 

「うぎょぉおおおおーーーーッ!?」

 

はぁ、もういい。力を見せないなら見る価値もない。

今日はもう帰ろう。

そして、俺は後ろで魔術を撃たれ悲鳴をあげている先生や

観戦している生徒達、そして、魔術を撃っているフィーベルさんを残して一人教室に戻った。

 

あー、あともう少しなんだけどなぁー。

アレができたら。 ふふっ。

 

 

 

 

 

 

 




最後まで見ていただきありがとうございました。

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