という事で、前編です。
更新が遅れて申し訳ないです。
仕事が忙しくなったり、左手骨折したりで遅れてしまいました。
今後も、最低1月に1話ペースで投稿していきたいです。
翔平と晴れて恋人同士になってから、早2ヶ月以上経った。
彼や一夏君達が入学してきてから、学園では様々な事があった。1年1組のクラス代表決定戦から始まり、クラス代表選と無人機の襲撃、問題しかない転校生2人の転入と、タッグマッチでのラウラちゃんのVTSによる暴走、男装してたシャルロットちゃんの国際問題に発展しかねなかった問題と………。
今考えても、問題が起こり過ぎだと思う。イベント単位で何かしらの問題が発生するってどうなんだろうか。
翔平は代表戦での無人機は十中八九篠ノ之束の仕業だろうと言っていた。
曰く、「大方一夏に専用機を与えて、それをどれほど使いこなせているかを確認したかったんだろう」だそうだ。
その結果として、自分の妹が危うく命を落とすところだったのだ。理解に苦しむ。
翔平はさらに、「あのクソ兎が自分の妹だけが専用機を持っていない状況を許すはずがない。次の臨海学校で何かしら仕掛けて来るだろうなぁ……」と言っていた。
篠ノ之束は、妹である篠ノ之箒を溺愛しているという情報は更識家も掴んでいるので、翔平の予測は信憑性がある。何より翔平の悪い予測は大抵が当たるのだ。
世界が注目する天才科学者を"クソ兎"と言う翔平は流石だと思うが、無人機襲来の時のことを考えると、まぁ当然か。
私としては、臨海学校は翔平の方が心配なのだけど、本人は大丈夫と言っている。
……やっぱり私も何とかして付いて行こうかな。
先に控える問題を考えて気が重くなるが、その考えを頭を振って消し、楽しみな明日に気持ちを切り替える。
明日はタッグマッチ前に約束していた、翔平とのデートの日である。
付き合い始めてからはじめてのデート、楽しみじゃないわけがない。
これまで、何度か日用品を買ったりするのに2人で出かけて、プチデートのようなことは何度かあったけど、1日時間を取って出掛けるのはこれが初めてである。
今は翔平と部屋で明日のことを話している。
明日の目的としては翔平の水着と、お互いの夏物の衣服の購入。
私も良いものがあれば水着を買おうと思っている。時間があれば、夏休みに翔平と海やプールに行きたいし。
ただ買うだけならレゾナンスで良いだろうけど、今回はデートなのだ。2人で話し合った結果、レゾナンスは避けて少し遠い所にあるショッピングモールに行く事にした。
レゾナンスなら確実に学園の生徒に見られるし、知り合いにばったり会う可能性が高い。せっかくのデートなのだからそういうのは避けて、2人で楽しみたい。
少し遠いと言っても、少し早く出発すれば問題ない。それに、目的地には翔平のバイクで移動する。これが、私にとっては楽しみなのだ。
これまで何度か乗せてもらったことはあるが、バイクでの遠出は今回が初めて。
前まではバイクの免許を私も取りたいと思っていたけど、最近では別に免許は要らないかもと思い始めている。翔平の後ろに乗るだけで十分満足している。
そうは言っても実際に乗っていると自分も運転したいという気持ちもまだ残ってはいる。翔平の後ろに乗るのもいいが、翔平とツーリングに行くのもそれはそれで楽しそう。
しかしまぁ、私には免許を取りに行く時間なんてないのだろうけど。
次の日、日課となっている朝のトレーニングを早めに切り上げて、シャワーを浴びて食堂で朝食をとった。
朝食を食べる際に、虚と簪ちゃんに今日の生徒会の執務を改めてお願いした。
元々、今日翔平とデートに行けるのは2人が私達の仕事を代わりにやってもらう事を了承してくれたからだ。今度お返ししないと。
簪ちゃんは来週に豊君とデートに行くらしい。
私と翔平の肩を押してくれた簪ちゃんも、つい先日から豊君と付き合い始めた。簪ちゃんが告白したらしい。
2人が付き合い始めた次の日の朝に、簪ちゃんからその話を私達は聞かされた。ちなみに、本音ちゃんは朝の食事は基本的に寝坊でほとんど参加せず、その日もその場に居なかったから聞かされなかったようだ。
簪ちゃん曰く、「本音には絶対に言わない」だそうだ。結局、今日まで本音は教えてもらえてないらしい。まぁこれまでの行いを考えれば当然か。
食事を終えて部屋に戻り身支度を整えて、私達は部屋を出た。
学園にある駐輪場に移動し、停めてあった翔平のバイクに乗る。ヘルメットに取り付けてあるインカムを調整して、私達は出発した。
それからは暫く、タンデムデートを楽しんだ。
やっぱり、バイクに乗ってしまうと私も免許が欲しいと思ってしまうのが正直な気持ちだけど、それ以上にこうして翔平の後ろでバイクに乗るこの時間を幸せに感じる。
そんな気持ちを正直に翔平に伝えるのが恥ずかしくて、その恥ずかしさがバレないように、胸を翔平の背中に押し付けて言ってみた。
すると翔平からは素っ気ない返事が返ってきたけど、これは翔平が照れてる証拠なので私はそれをからかった。バイクに乗っているから見えないけど、きっと彼の顔は真っ赤だろう。そう言う私も真っ赤になっていると思うけど。
何気ないこんなやり取りも私にとっては幸せに感じてる辺り、私はもう翔平の事が好きすぎて仕方がないのだろう。
もし翔平が居なかったから、きっと今のこんな幸せな気持ちも感じられずに、ただただ楯無としての自分の役目に追われていたのだろう。
本当に、翔平には感謝している。
今日のデートのどこかで、この気持ちを彼に伝えよう。翔平の背中を見ながら、私はそう決めた。
ちなみに翔平の背中に胸を押し付けた体勢はすぐにやめた。バイクの運転手は後ろから抱きつかれては運転がしづらいということは聞いていたので、翔平が本当に嫌がる行動はとりたくなかった。
一般的な女性の場合、バランスを崩して落下するのが危ないので運転手に抱きつく場合もあるらしいが、ロシア国家代表の私にそんな危険性があるわけがない。ISでの姿勢制御と比べたら造作も無い。
目的地のショッピングモールに到着し、駐輪場にバイクを停めて屋内に入った。
まずは午前中に目的を果たしてしまおうということになり、2人で水着売り場へと移動した。
外は暑いけど、屋内は冷房が効いているので快適な温度になっている。なので私は思う存分翔平に引っ付く事ができるので、彼の腕に抱きついた。翔平も予想していたのか、左肘を少し曲げてスペースを作ってくれていたことも嬉しい。
私は単に手を繋ぐよりも、こうして腕を組む方が好きだ。翔平を近くで感じられる。
流石にこの時期に外で腕を組むと暑いので自重しているけど。
腕を組んで歩き始めると、途端に周りからの視線が集まる。中には殺意が混ざったものもあるけど、私達がそれに動じるわけがない。見せつけるようにさらに密着したら、男性数人が泣きながら走っていった。いい出会いがあればいいわね。
女性は女性で翔平に見惚れている人が何人かいる。今日の翔平はベンダバールの待機形態をサングラス状にしている。バイクに乗るときは普段からサングラスにしているが、今日は変装も兼ねてこのままでいるらしい。
無事に水着売り場に辿り着いた私達は、早速水着を選ぶことにした。
翔平が、ただ選ぶだけじゃつまらないと言った時、私は良いことを思い付いた。お互い、相手の水着を選ぶのだ。
この時、良いものがあれば水着を買おうとしか思っていなかった私の考えは一瞬で消え去った。好きな人に水着を選んでもらうなんて最高じゃない。
翔平の了承も得て、お互いの水着を選ぶことになった。なので、私はさも当然のようにお互い別れて水着を選ぶことを提案し、1人で男性用の水着売り場へと移動しようとする。
1つ間を置いて、翔平が慌てて止めてきた。何だか今日の翔平をからかうのは面白いわね。それだけ私もテンション上がっているということなのだろう。
結局、先に私の水着を選ぶことになって女性用の水着売り場に移動した。
さて、翔平はどんな水着を選んでくれるのかしら。
翔平は店内をブラブラ歩きながら、数多くある水着を見て回っている。……見てるのは全部ビキニのようだけど。
翔平は買い物などで商品を選ぶ時は、こうしてしばらく見て回って目に付いた商品を即決で購入する。2、3種類まで絞り込んでからなかなか決められない簪ちゃんとは真逆のタイプだ。
ブラブラしながらも、目だけは真剣に水着を選ぶ翔平の後ろをついて行っていると、不意に翔平が1組の水着を手に取った。どうやらこの水着が目に付いたようだ。
水色を基調に白のラインが入っただけのシンプルなデザインの水着だった。私も派手なデザインの水着はあんまりなので、翔平のこのチョイスは嬉しい。まぁ翔平が選んだのなら、例え自分の趣味じゃなくても着るだろうけど。
今日の午前中は翔平がお会計の担当なので、翔平が水着の支払いに行っている間に私はもう少し店内の水着を見て回った。
その中で1つ、目に付いたものがあった。水着じゃないんだけど、2体のマネキンが着ているラッシュガードだ。
といっても、私が気になったのはラッシュガードそのものではない。その商品を紹介している"カップルにオススメ"という言葉に興味を持った。
支払いを終えて戻ってきた翔平と話して、このペアルックのラッシュガードも購入した。
私の水着は買い終えたので、今度は私が翔平の水着を選ぶ。
男性物の水着売り場に移動して、店内を歩きながら翔平に似合いそうな水着を探す。
中々決まらずに悩んでいると、翔平が「俺みたいに目に付いたやつでいいじゃん」と言ってきたので、目に付いたブーメラン型の水着を渡してみた。謝りながら返された。
元あった場所に戻しながら、ふとブーメランをはいた翔平を想像してみた。翔平は普段から、任務やISの操縦の為に体を鍛えている。そんな翔平がブーメランをはくと、よりその肉体が目立ち………。
……想像したらちょっと興奮した。
そんな煩悩は頭を振って消し去り、翔平の水着選びに戻った。
その時、さっき手に取ったブーメランの近くにあった濃い緑を基調に黒のデザインが入った水着が目に付いた。
ベンダバールの機体の色とよく似ているその水着は、翔平にピッタリだと思ったので、即決でその水着に決めた。
翔平も喜んでくれたので、折角なのでいつものセオリーは無視して、ここは私が購入した。お互いプレゼントするみたいな感じにしたかったのだ。
無事に2人の水着が購入できたあとは、さらに2人の夏物の洋服を見て回って気になるものをいくつか購入した。
購入したものを更識の本家まで郵送してもらうように手続きしたところで、お昼を食べるのにいい時間となった。
翔平とフードコートへ移動する途中、私は翔平に一言言って御手洗いに向かった。
その後元いた場所に戻って見ると、翔平が3人組の女性に何か言われていた。というよりも明らかに絡まれていた。
翔平から話を聞くと、どうやらこの3人は女尊男卑思想の人達らしく、男という理由だけで翔平に荷物を持たせようとしていたらしい。
それを聞いただけでかなりの怒りが込み上げてきたが、それを表情に出さないようにして、翔平は私とデート中であることを伝えた。
これで引き下がるだろうと思っていたのだが、リーダー格の女性はそんな事は関係ないと言わんばかりに、私には帰るように言ってきた。
翔平を馬鹿にされて、もう既にかなり頭に来ていた私は1発殴って張り倒しそうになったけど、翔平に無言で手を握られて思いとどまった。
すると、目の前のムカつく女は勝ち誇った顔を見せた。
何かと思えば、ここでまさかの和佳奈さんの名前が飛び出してきた。曰く、和佳奈さんの友達らしい。
…何だかこの人に怒ることも馬鹿らしく思えてきて、一気に冷静になった。
友達だと言うならば、直接話をしてもらおう。そう思い、私は和佳奈さんに電話した。
すると目の前の女はみるみる顔が青くなっていく。自分の置かれている状況に気づいたのだろう。
和佳奈さんと電話が繋がり、逃げられるといけないので簡潔に状況を説明した。状況を理解した和佳奈さんから、その人と代わってほしいと言われたので、目の前で顔を真っ青にしている女に一言伝えて携帯を差し出した。
電話越しにただただ謝った女は、話が終わって私に携帯を返して、慌てて後の2人を連れて逃げて行った。恐らく彼女の人生は、終わらないにしてもドン底に落ちただろう。
電話に出ると、まだ通話は繋がっていたので和佳奈さんと一言二言話した。
すると、今は翔平と2人で居るのか聞かれて、「そうです」と答えたら翔平に代わってほしいと言われた。
翔平にその事を伝えると、露骨に嫌そうな顔をした。まぁ十中八九、私達の関係の事を聞かれるのだろう。
電話で和佳奈さんと話している翔平の言葉を聞いていると、その予想は当たっていたようだ。
通話を終えた翔平は何とも言えない表情で携帯を返してきた。
何を言われたのかを聞いてみたら、来週のお母さんの御墓参りの時に色々と聞かれるそうだ。
恐らく、お酒が入った和佳奈さんに絡まれるのだろう。それを考えると、少し気が重くなって翔平とともに溜息をついた。
評価で10点と0点が1つも付かないなぁと思ってたら、そもそも設定を間違えていたことに今更気づいた。
もし良ければ評価で10点とかつけて欲しいです。
モチベーションが上がります。
ワールドカップ終わりましたね。
個人的にベルギーに優勝してほしかった。
中継を観ててふと思った事。
ISのキャラでサッカーチームを組んだら、それぞれポジションはどうなるか。ちょっと考えてみました。作者の独断と偏見なので異議等はあると思いますが、まぁ気楽に見てください。
本編とは一切関係ないんで興味ない人はスルーしてください。
フォーメーションは4-5-1で。
GK…一夏
男は黙って体張ってろ。
DF
鈴
身長的にサイドバックかなぁと。あとスタミナがあるイメージ。攻め上がりすぎて、裏のスペース狙われるから周りのサポートが必須。2トップならFWもありかな。得点の嗅覚とか持ってそう。
刀奈、簪
センターバックコンビは更識姉妹かなと。刀奈は鉄壁の防御ってイメージだし、刀奈とコンビ組ますとしたらやっぱり簪かな。簪は視野広くてフィードが上手そう。2人で連携してのオフサイドトラップとか決めそうなイメージ。あと、チームキャプテンはやっぱり刀奈かな。
虚
サイドバックのもう1人を誰にするか1番迷ったけど、更識姉妹と連携とか状況判断能力が高そうなどの理由で虚かなと。ボランチと迷ったけどサイドバックで。
MF
ボランチ
シャルロット、セシリア
バランサーっていう意味でシャルロットはボランチかなと。攻撃大好きな周りの面子のサポートとか上手そう。でも結果的に中盤での守備の負担が彼女1人に……。
セシリアはレジスタとかマエストロっていう言葉の響きを本人が気に入りそう。まぁそれ関係なしに、視野が広くて長・短のパスが上手いイメージ。
サイド
山田先生、箒
山田先生はピンポイントクロスとか上手そうなイメージ。会わなかったら、ワントップの女王様に怒られる。
箒は瞬発力ってイメージ。ドリブルのキレがありそう。派手なフェイント使わずに相手を抜きそう。……正直、箒のポジションが1番ピンとこなくて悩んだ。
トップ下
ラウラ
戦術眼とか状況判断とかが正確でパスを捌きつつ決定的なパスを出したり自分が2列目から飛び出したりしそう。1つ後ろのシャルロットと攻守で連携しそう。でも、前の女王様には逆らえないから、他にパス出そうとしてても呼ばれたら前に出しそう。
FW
織斑先生
エースってなったらやっぱりこの人でしょう。1人の力でゴールまで持っていきそう。競合い強そう。フィジカル強そう。キック力強そう。決定力高そう。
初めはトップ下かなと思ってたけど、あんまり上手く周りを使えなさそう。その点はラウラの方が上かなと。
……織斑先生1人で勝てそう。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
今後は月一ペースで頑張ります。
感想評価等よろしくお願いします。