どうせ転生するなら更識姉妹と仲良くしたい   作:ibura

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ロゼンダ夫人に関しては展開次第でアンチ・ヘイトのタグを付けようと思います。


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「さて、という事でシャルロットちゃんには、早速お父さんと話してもらおうかしら」

「……え?」

「翔平、連絡は??」

「今来たところ。準備出来たそうだ」

「いや、ちょっと……え?」

 

混乱するシャルロットを尻目に、刀奈の指示で俺はヨーロッパにいる仁さんに電話を繋げた。

そして、電話の向こうでは仁さん、そしてアルベール・デュノア社長…シャルロットの父親がスタンバイしていた。

 

実は、シャルロットが部屋に来たタイミングで俺は仁さんにメッセージを飛ばして、アルベール社長とコンタクトを取ってもらっていた。

ここ2、3日のうちにシャルロットが相談を持ちかけてくる事は予想できていたので、仁さんに前もって常にアルベール社長を捕まえるようにしてもらっていたのだ。

方法はどうやったかは知らないが、結果的に電話の向こうにはアルベール社長がいるようなので問題はない。

 

電話をアルベール社長に変わってもらい、俺もシャルロットに変わる。そこから、親子の会話が始まった。

 

今回のシャルロットの問題、解決策として俺たちは2通り用意している。

 

1つ目はシャルロットをデュノア社から出雲に引取るということ。その上で、今回の事も含むデュノア社の黒い噂をリークする。そうする事で、シャルロットを移籍させやすくする。フランスの代表候補生は降りてもらう事になるが、男装での転入を黙秘したことがあるのでフランスからは、何も言わせない。デュノア社は間違いなく、倒産かその一歩手前までには状況が悪くなるだろう。

 

2つ目はデュノア社において、今回の黒幕でもあるロゼンダ社長夫人を含む幹部複数人の解雇を執り行い、アルベール社長の社長としての実権と影響力を取り戻してもらう。シャルロットの一件は、世に知れ渡る為デュノア社が負うダメージは大きいが、アルベール社長には一から頑張ってもらうしかない。こちらとしては出雲との技術協力を提案する予定ではあるが。

 

つまりは、シャルロットの選択によってどちらの策を取るかを選ぶ。

デュノア社に残るかどうか、デュノア社を見捨てるかどうか、そして父親と和解するかどうか……。

そこを選ぶのはシャルロットであり、俺達ではない。

しかし、デュノア社におけるアルベール社長の立場は日に日に危なくなっているということは、仁さんからの報告で分かっていた。アルベール社長を擁護・助けようとする人は次々に解雇され、所謂"社長夫人派"が社内に増殖しているらしい。

したがって、動くなら早い方がいい。なので、急ではあるが今ここでデュノア親子には、電話越しではあるが会話してもらっている。

シャルロットがどちらを選ぶにしても、アルベール社長には了承を得ている。シャルロットが自分を見捨てるのは当然だ、というのがアルベール社長の言い分だった。初めから娘の為ならば自分と、自分の会社を切り捨てて構わないと言っていたし。そこは仁さんが説得してシャルロットの答えを待つという事に落ち着いたが。

結局のところ、今回の策が成り立っているのはアルベール社長の、自らが立ち上げたデュノア社にメスを入れるという決断を下してくれたことが大きいのだ。

俺としてはシャルロットとアルベール社長は和解してほしいが。

 

 

 

 

 

「シャルロットちゃんの再転入手続きは終わってるの?」

「刀奈のサインは貰ってるから、あとは学園長のサインだけで完了する」

 

少し距離を置いて、俺と刀奈はシャルロットに聞こえないよう小声で会話する。

 

「じゃあ明日の朝一で学園長にサインしてもらいましょう。先に連絡だけしておくわ」

「織斑先生にも連絡しておくか。十中八九、面倒ごとは山田先生に押し付けるだろうけど」

「部屋割りもあるものね」

 

流石に女と公言する以上、一夏との同室は解消しなければならない。

 

「一夏は暫くは1人部屋だな」

「そうなるわね」

 

 

原作では刀奈と一夏が同室になってた時期もあったはずだが、この世界でそんな事はさせない。刀奈との同室は俺の権利だ。

まぁ俺の我儘なんだけどさ。男の嫉妬は醜いとか言うけど、嫌なものは嫌なのだから仕方がない。

一夏を鍛える為ならせめて俺があいつと同室になる。それで解決だ。

……いや、やっぱ刀奈と離れるのは嫌だわ。

 

 

暫く待っていると、シャルロットは通話を終えて俺に携帯端末を返してきた。

その顔は、やはり複雑なものとなっている。まぁ当然か。

 

「やっぱり、すぐには受け入れられないか?」

「……うん」

 

シャルロットの答えに、俺と刀奈はやっぱりか…と顔を見合わせる。仁さんからの情報と計算、俺と刀奈の予想から総合的に判断して、今日中に動かなければならない、というほどには事態は緊迫しているわけではない。

 

「どうするか、一晩ゆっくりと考えなさい。明日の朝、女子用の制服を部屋に持って行くから、その時に答えを聞かせて」

「……はい」

「ごめんなさいね。本当はもう少しゆっくり考えて欲しかったんだけど、こちらとしても動き出しを遅くしたくはないの」

「い、いえ!?大丈夫です。ここまでしてもらっただけで充分です。私だけじゃ解決出来なかったはずですし……」

 

刀奈が申し訳無さそうに言うと、シャルロットは慌てて首を振って言い返した。

 

「本当に、ありがとうございます」

 

そう言って、刀奈に深々と頭を下げた。

 

「頭を上げてシャルロットちゃん。私達は私達の仕事をしたまでよ」

「それでも……」

 

引き下がらないシャルロットに、刀奈は苦笑しつつシャルロットの頭に手を置いて言った。

 

「なら、お姉さんからのお願いよ」

「はい」

「お父さんのこと、後悔がないようにしっかりと考えなさい」

「……はい」

 

 

シャルロットは頷き、刀奈も笑顔で頷いた。

 

「じゃあ、もうこんな時間だし、貴方は部屋に戻りなさい。明日の朝、改めて貴方の部屋に行くから」

「分かりました」

 

シャルロットは立ち上がり部屋の扉へと向かう。

 

「本当に、ありがとうございました。お休みなさい」

「お休みなさい」

「お休み」

 

もう一度頭を下げて、シャルロットは部屋から出て行った。

 

「シャルロットは明日は休みだろうな」

「でしょうね。生徒会長権限で特別に許すわ」

 

どうせシャルロットは今晩眠れないだろう。そんな状態で、明日授業に出たところで、効率が悪いだけでしんどいだけだ。シャルロットは頭良いから1日ぐらい大丈夫だろう。

こちら側の要求のせいでそんな事になるのだろうから、織斑先生にはこちらから事情を話して欠席を伝えておこう。

 

「俺達も寝るか」

「そうね」

 

生徒会、更識家としての事務的な仕事を済ませて、俺達も寝る態勢に入る。

さっきのシャルロットの件で記憶から飛んでいたが、今日はラウラの暴走事件などもあったので、結構疲れている。半分以上はいつもの書類地獄のせいだけど……。

そういう訳で、ベッドに入ると直ぐに眠気が襲ってきた。

 

「お休み、刀奈」

「お休み、翔平」

 

刀奈に抱き枕にされながら、いつものように眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、いつもの朝のトレーニングを早めに切り上げて一夏とシャルロットの部屋へと向かう。

 

「おはようございます」

「おはよう」

 

刀奈がノックして出てきたシャルロットは、予想通り眠れなかったのか目の下にクマを作っていた。

だが彼女の目には不安な気持ちは消えていて、覚悟を決めたような目をしていた。

 

「答えは出たようね」

「はい」

 

刀奈の問いかけに、シャルロットは力強く答えた。

 

「私は、デュノア社に残ろうと思います」

 

シャルロットが出した答えに、俺は内心ホッとした。顔に出さないようにはしたけど。

 

「差し支えなければ、理由を聞いてもいいかしら?」

「…正直父との事はまだ整理がついていません。だけど、昨日父と電話で話して、それでも父を一方的に憎む事はできない。これからもっと、父と話さなければいけないと思ったんです。それに……」

 

 

一度口を閉じ、自分の専用機のネックレスに触れる。

 

「この専用機の開発を行った技術者の人達は凄くいい人達だったんです。私が社内で除け者にされてた時も、あの人達だけは優しくしてくれました」

 

ネックレスから手を離して顔を上げ、シャルロットは再び刀奈と目を合わせる。

 

「私個人の気持ちだけで、あの人達に迷惑を掛けたくない。だから、私はデュノア社に残ります」

 

シャルロットは刀奈に対して、はっきりと宣言した。

それを聞いた刀奈は笑顔で頷いた。

 

「分かったわ。じゃあそういう事で話を進めるから、後のことは決まり次第また連絡するわね」

「はい、ありがとうございます」

「あと、これ。女子生徒用の制服よ。明日からはこれを着なさい」

「はい……明日?」

 

明日という言葉にシャルロットが聞き返す。今日は平日でいつも通り授業があるのだから、疑問に思ったのも納得できる。シャルロットの事だから、寝不足など関係なしに登校するつもりだったのだろう。

 

「今日は授業は休みなさい」

「え、でも……」

「ほとんど眠れなかったんじゃない?授業に出るのはその目の下のクマが無くなってからにしなさい」

「……分かりました」

「公欠扱いにしておくから、今日はゆっくりと休みなさい」

「ありがとうございます」

 

昨夜同様深々と頭を下げるシャルロットに苦笑し、部屋の奥にいた一夏にも一言声をかけてから、俺と刀奈は2人の部屋を後にした。

 

「あなたも休んでくださいよ、アルベール社長」

『あぁ…ありがとう』

 

自分達の部屋に戻りながら、俺は手に持っていた端末に話しかける。

シャルロットの部屋を訪れる前から、俺は昨日教えてもらったアルベール社長の個人の電話番号に電話をかけ、シャルロットと刀奈の会話をアルベール社長にも聞いてもらっていた。

電話越しに聞こえてきた言葉から察するに、アルベール社長も安堵しているようだった。

言葉ではシャルロットの判断に任せたものの、やはり社長として自分の会社を潰したくはなかったんだろう。これからデュノア社を立て直すのは大変だとは思うが、シャルロットや話にあった技術者達のためにも頑張ってもらおう。

一言二言アルベール社長と言葉を交わして通話を終了する。

 

その後自室に戻り、仁さんへの報告や指示等を刀奈に任せ、俺は先に部屋を出て職員室に向かう。

 

「おはようございます、織斑先生」

「あぁ、おはよう。どうした?」

 

職員室に入ると、織斑先生が自分のデスクにいたので、挨拶をする。

 

「昨夜にメールしたデュノアに関することで報告があります」

「待て、場所を移そう」

 

織斑先生に促され、職員室を出て人通りの無い通路へと移動する。

 

「それで、奴はどうするかを決めたのか?」

「はい。デュノア社に残るとのことです」

「そうか」

 

昨夜シャルロットが自室に戻った後、織斑先生にもメールでこの事を知らせておいた。

 

「それでメールにも書いてたんですが、やはりデュノアが殆ど眠れてないようなので、お伝えした通り今日は休みという事で」

「あぁ、分かった。生徒会長権限で公欠扱いにするんだったな」

「そうですね」

「なら更識のサインが必要な書類がある。放課後にでもお前に渡すから、明日までに提出してくれ」

「分かりました」

 

織斑先生に挨拶し、教室へと向かう。

これでようやく、溜まっていた問題を一先ずはクリアできたか。

 

 

ということは、週末は刀奈とデートか。

 

 

 

俺は鼻歌を歌いながら教室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではホームルームを開始します……が、その前に転校生の紹介をします……と言いますか、既に転校していたというか……」

「シャルロット・デュノアです。よろしくお願いします」

 

次の日のホームルーム。山田先生の何とも言えない紹介から、シャルロットが2回目の、正真正銘の自己紹介を行った。

クラス中は当然驚きの声に包まれた。




「「「仁さんよろしく」」」



ゴッドイーター3が出るらしいから買うか悩む。
リザレクションは買わなかったからなぁ……。
でも3にアリサは出るのだろうか??
アリサが出ないんだったらなぁ……。

久しぶりに2やったら赤オロチにコテンパンにやられました。



ラウラとシャルロットの話がひと段落ついたので、次からはようやく描きたかった話が書けます。

感想評価等よろしくお願いします。



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