落第騎士と一撃男【旧版】   作:N瓦

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発売された13巻を読みました。
相手が思ったより瞬殺されててびびった。けど次の14巻ですんなり行くとは思えない気がする。どうなるんだろう。すごく待ち遠しい。
そして買ったのはもちろん予約特典付き特装版‼︎
本当に9巻の決勝戦はアニメ化してほしい……。私はドラマcdなのに「終の秘剣 《追影》」のシーンで鳥肌立ちました………。




7.戦闘

サイタマは家に帰り、ゲームの電源を入れたタイミングで携帯電話が鳴る。

ゲームをやろうとしていたサイタマは、出鼻をくじかれ半分面倒臭がりながら携帯を見る。発信者は弟子である一輝だった。

 

 

『…もしもし!』

「……なんだ、一輝か?」

『突然すみません。サイタマ先生、お願いがあります』

 

電話口からは切羽詰まった声が聞こえてくる。

 

「どうした?」

 

サイタマが事情を聞くと、『破軍学園』が襲撃され、彼らが七星剣舞祭に出場できなくなるかもしれないと説明された。

あまりにも突然の出来事でサイタマは何が何だかよく分からなかったが、一輝たちの救援が必要であることは理解できた。

 

「ふーん……で、俺はどうすりゃいいんだ?」

『先生には、どうか場を収めて欲しいです。

……多分、先生が普通に戦えば周りにも被害が出てしまうので』

 

サイタマが周りを気にせずに戦えば、『曉学園』なんて赤子の手をひねるように片付くだろう。

しかしその場には代表生がいるはずだ。その上、『破軍』は夏休み期間で生徒が多くはいないと言えども、全くいないわけではない。襲撃により倒され、動けなくなった者もいるはずだ。

サイタマが戦った時の周りへの被害などを考えた時、やはり場を納める程度に実力を抑えて戦うのが最善なのだろう。

実際、ステラと手合わせした時は訓練場の壁と森が消し飛び、一輝と手合わせした時も草木が消滅した。サイタマの過剰な戦力は校舎を土に還すだろう。

 

「まあ分かった」

 

本当はよく分かっていないが、必要だと言うのなら助けるだけだ。

 

『ほ、本当ですか?』

「おう。『破軍学園』に行けばいいんだろ?」

 

サイタマは電話を切って、家を出るために準備を始めた

 

 

 

 

───────それがサイタマが駆けつけた十数分前のことだ。

 

「……あ……サイタマ……さん」

「ああ。ゆっくり休んどけ」

 

王馬の《月輪割り断つ天龍の大爪》直撃寸前ギリギリに刀華を救い出したサイタマは、彼女を優しく地面に下ろす。刀華は極度の疲労と《建御雷神》の反動から意識を失ってしまった。

 

「…………何なんだ、貴様は?」

「俺か?」

 

そして現在。

サイタマは『暁学園』と対峙していた。

 

「俺は趣味でヒーローをやっているものだ」

 

いや、正確にはサイタマは彼らに囲まれていた。

ヒーローを自称する謎の男の登場に唖然としていた『暁』だったが、それでも彼らはプロなのだ。雇い主からのオーダーの遂行を盤石なものにするために最適な行動を選ぶ。

一瞬のうちに荒れ狂う竜巻から刀華を救い出したサイタマを警戒して即座に彼を取り囲んだ。

 

「ぷふふっ………あはははは!」

 

つい吹き出してしまったのは《過剰なる女神の寵愛》紫ノ宮天音。

一応警戒はしているが、天音にはサイタマがふざけているとしか見えなかった。

たかが趣味でヒーローをしていると名乗った男。そんな相手など、今『暁』に揃っている面子ならば片手間に屠れる。

そう思ってしまった。

 

「誰だか知んないけどさ、"お遊び"でヒーローやってるお兄さんが何の用かな?

僕たち忙しいんだよね」

「………お前らだってガキのくせにテロリストの真似事してるだろ」

「あはは。それは違うよ、お兄さん」

 

天音の言葉とともにサイタマの横から飛び出してきたのは《不転》多々良幽衣。

もちろん《地擦り蜈蚣》も顕現させている。

 

「アタイたちはオマエと違って、ごっこ遊びじゃ無くてプロっつーわけだ!」

 

完全な奇襲だ。

振り向いた瞬間、眼前まで飛びかかっていた多々良を見てサイタマは驚きから目を剥いた。

 

「お、おい、お前‼︎」

「ギギギ!! 驚いたところでもうオセェ!死ねェェ!」

 

全霊の悪意と殺意を持って、多々良はそのままチェーンソーを首へ振り下ろす。

 

 

だが考えてみてほしい。

この程度の攻撃でサイタマの意識が持っていかれるのなら、合宿にてステラはサイタマに勝つことが出来ただろう。

 

 

「………ハァ⁉︎」

 

一直線に首に向かっていったはずの《地擦り蜈蚣》は、その首にしっかりと堰き止められてしまった。

ほぼ完璧に決まった奇襲、チェーンソーの刃の回転数、振り下ろした速度。

魔力防御をしていないサイタマは、どれを取っても無傷でいられるはずがなかったのだ。

 

なのに。

 

「………お前、夏なのにそんなに着込んで暑くねぇのか?」

 

サイタマは全く痛がる素振りもせずに、多々良の服装にのみ興味を示した。つい先ほどサイタマが驚いたのは、断じて多々良の奇襲に対してでは無い。

 

時期は8月。気温は30度を超え、誰がどう見ても真夏だ。

なのに多々良はコートを着て、マフラーを首に巻き、そしてあろうことかエスキモー帽子すら被っていた。

どう考えても暑い。暑すぎる格好だ。

サイタマが驚いたのはそこだった。

 

「ちぃッ!テメェほんとに人間か、オイ!」

 

チェーンソー型の《地擦り蜈蚣》を首だけで止めてしまうなんてありえない。しかもサイタマは魔力防御の一切を発動していなかった。

その守りはそれこそ、人類として『進化』をするまでに至り、鉄壁の防御力を持っている黒鉄王馬クラスかそれ以上だ。

お遊びのヒーローごっこをしている男がまさかそこまでだとは多々良は予測していなかったのだ。

 

「それとな、間違ってることがあるぞ」

 

サイタマは多々良にデコピンをしようと指を添えた。多々良は未だ空中にいるため、即座に回避はできない。

最も、彼女はそのような攻撃は避ける必要すら無いのだが。

 

「あ?デコピン?……笑わせんじゃねェ!《完全反射》!」

 

『"デコピンで攻撃される"』

この言葉だけなら、確かに多々良は舐められているとしか感じられないだろう。

事実、普通の人間がデコピンをされたところで「おでこが少し痛い」で終わるだろう。

その上、多々良は全ての物理攻撃を弾き返すことが可能だ。弾丸すら『反射』させる彼女は"デコピン"程度では揺らぎはしない。

 

「俺の趣味も『本気』の趣味だ!」

「うぎァっっ!!!!!」

 

──────そのはずだが、多々良がその衝撃を跳ね返すことは叶わず、彼女は軽く吹き飛ばされてしまった。

 

『"サイタマに"デコピンで攻撃される』

先程の言葉に「サイタマに」という言葉が加わっただけなのに、こんなにも"デコピン"の破壊力が増すのだ。

 

予想外の結果に『暁』全員─────ただし、《風の剣帝》黒鉄王馬だけはサイタマから目を離さなかった───────が驚きの顔で多々良を見た。

誰もが彼女の能力を知っているからこそ驚いたのだ。

 

多々良はなんとか起き上がって、サイタマを睨みつける。

 

「ってぇな‼︎

アタイに何をした‼︎どうして《完全反射》が効いてねぇ!」

「んなもん知るか」

 

いよいよサイタマへの警戒度が最大限に引き上げられる。

『暁』には相手が破軍学園生徒会役員の時のような余裕は既に無い。

 

「………お兄さん、なんで僕たちの邪魔をするの?僕たちは誰も殺していない。それに、僕たちはプロ。これは仕事なんだよ」

「よくわからねぇけど、お前らがいるせいで俺の弟子が大会に出られなくなるらしいじゃねぇか。それが迷惑だ」

「弟子?『破軍』代表生にヒーロー志望の子なんていたっけか」

「………俺の弟子は誰だっていいだろ別に」

「ふーん。まぁそれもそうだね。僕たちにとってはそんなことはどうでもいい。

お兄さんが言うように確かに、『破軍』のみんなに成り代わって僕たちが代表になりたいのさ」

 

サイタマは無言で天音の言葉を聞く。

 

「それとね、僕たちの"依頼主"はきっとお兄さんの手には負えないような大物だよ。

だからさ、僕たちの邪魔はやめてくれないかな?」

 

天音は交渉するようにサイタマに告げる。

『暁学園』は部外者であるサイタマが関わる事にデメリットしかないぞ、と。

 

しかし彼の口から出た言葉は断固とした拒絶。

 

「断る」

 

ならば。『暁』が取るべき対応は一つ。

 

「そっか。仕方がないね。

───────実力でねじ伏せることにするよ」

 

実力行使で仕事を遂行する事だけだ。

それが開戦の合図と成った。

真っ先に飛び出してきたのは、好戦的な多々良幽衣。

 

「ギギギギ‼︎ そっちの方がわかりやすくてイイじゃねェか‼︎」

 

《地擦り蜈蚣》のエンジン全開でもう一度突っ込んでくる。

そして、サイタマが後ろを見ると巨大な黒いライオンがそびえていた。

 

「ふふふ、どうだ英雄よ。これが我が漆黒の魔獣『スフィンクス』だ!無限の闇を内包するその瞳に叡智と力を感じるであろう?」

「いや、別に感じねぇけど……」

「お嬢様は『ふっふっふー!どうだ、ヒーローさん!これがペットのスフィンクスだよ!可愛らしい黒い瞳だよね!』とおっしゃっております」

「……おお、確かに言われてみれば」

「おい、てめぇよそ見している暇はアンのかァ⁉︎」

 

凛奈と話しているうちに多々良が距離を詰め、攻撃をしてくる。

サイタマはそれをかわそうと一歩横へ動くが、

 

「あ?」

 

それは叶わなかった。

外部から加わったなんらかの力によってその場に留まることしか許されなかった。その理由は、サイタマの白く染まった足元を見るとわかった。

 

「───《色彩魔術》導きのシルクホワイト。貴方はもうその『白』から抜け出せない」

 

そう。

色の数だけの能力を保有し、その多彩な力から『禄存学園』では《万華鏡》と呼ばれていたサラ・ブラッドリリー。彼女の伐刀絶技によりサイタマは横へ動けなかったのだ。

彼女が操る『白』は行動範囲制限の能力。その色がサイタマの足元に直径1メートルほどの円のように丸く塗られていた。即ち、サラの能力はそこからサイタマが出ることを許さない。

 

そして無防備なサイタマに《地擦り蜈蚣》を打ち込んむ多々良。

 

「さっきのお返しだァ‼︎」

「『スフィンクス』!」

 

凛奈の言葉で、多々良とともにスフィンクスが攻撃をしかける。

猛獣の巨大な爪は大地をも抉り、また魔力で編まれたチェーンソーはコンクリートすら容易く引き裂く。しかしサイタマは円から出ることができない。

よって彼がとった行動は回避。

 

「おお、これおもしれぇぞ」

 

遊び感覚で猛攻を一度も体に当てることなくかわし続ける。時には跳び、時にはしゃがむ。

まるでゲームセンターで遊ぶような感覚で避けるサイタマを見て、先に痺れを切らしたのは多々良だ。

 

「おい、リンナァァ‼︎このハゲの動きを止めろ!!これじゃあ埒があかネェ!」

「言われなくても分かっているわ‼︎」

 

このままでもいつかは攻撃が当たるだろうが、それでは任務遂行が遅れるだろう。だから凛奈が従えているスフィンクスの伐刀絶技を使ってすぐにでも勝負を決める算段だ。

 

「知るがいい……邪神呪縛方により解放された獣王の闇の力を!!」

「……マジで何言ってんだ?」

「竦めェェ‼︎ 《獣王の威圧》───────ッッ!」

「オォォオおオォォオおおおぉおオォォオ!!!!!」

 

魔力でバックアップされたスフィンクスによる威圧は、あらゆる者の動きを止める。サラの伐刀絶技で行動範囲が狭くなっていたサイタマにこれをかわすことはできなかった。

 

「今だ、やるが良い!」

「アタイに命令するんじゃねぇ‼︎ 吹き飛べ、ハゲ‼︎」

 

動けていないサイタマの腹部に、力任せに振り抜かれた《地擦り蜈蚣》が襲いかかる。

 

「──────!!!?テメェなんなんだ、ハゲ‼︎その"重さ"は⁉︎」

 

だがサイタマを吹き飛ばすには至らなかった。

彼が持つ圧倒的な"質量"の前では、いくら魔力で強化したとはいえ、多々良の力は微々たるものだった。

 

そしてサイタマを怒らせる数少ないワードを多々良は先程から口にしてしまってた。

 

「さっきから聞いてりゃ……お前、ハゲハゲうるせぇ!」

 

サイタマは《獣王の威圧》の影響下にあり、身動きが取れないはずだった。

なのに難なく右手を上げて、もう一度多々良にデコピンを打ち込んだ。《完全反射》が間に合わないほどの速度で。

 

「〜〜〜っっがぁっ!」

 

『反射』の発動が間に合わなかった多々良は先程以上に吹き飛び、地面を転がった。

息はある。しかし、起き上がってこないため、気絶しているのか その衝撃によるダメージのため動けないのか、どちらかだろう。

 

「何⁉︎我が魔獣の咆哮から逃れたというのか⁉︎」

「つーか、お前もいつまで吠えてんだ」

「⁉︎」

 

サイタマはスフィンクスの頭上に飛び乗る。

そこは既に"『白』からの支配圏外"だ。

つまり、サイタマは涼しい顔で行動範囲制限を振り切って獣の頭に飛び乗ったのだ。

 

「こんなこと初めて……‼︎」

 

サイタマにとっては、初めからそんなもの制限でもなんでもなかったということだ。

少しばかり『白』の外に出る時に魔力的な干渉を受けるだけで、障害と言えるほどのものではなかったのだ。しかしそんなことサラにとっては初めての体験だった。

 

「ガァァアア‼︎」

 

スフィンクスは頭に乗ったサイタマを振り落とそうと、頭を振り回したり地面に叩きつけたりした。サイタマにとってなんの意味もないのだが。

 

「猫は猫らしくおすわりしてろ‼︎」

「ガァおおあぁっっ⁉︎」

 

スフィンクスの頭頂部にサイタマの強烈な右ストレートが突き刺さる。そのままスフィンクスは顔ごと地面にめり込み──────

 

「……ん?おすわりは犬だったか?」

 

────動かなくなった。

 

愛犬(愛獣?)を一撃で叩き潰された凛奈は、すぐにでもシャルロットをサイタマにぶつけて打ち倒そうとした。

 

「…最高級の闇の力を秘めたる僕、『スフィンクス』をよくも……。わが憤怒はマグマの如く煮え返り───────」

 

 

しかし言葉を最後まで言うことはできなかった。

 

今まで動かなかった《風の剣帝》がついに動き出したのだ。見ればサイタマに向かって歩を進めている。

 

「茶番は終わりだ、『ヒーロー』」

 

その言葉は皮肉の意を込めてか。

倒れたスフィンクスには目もくれず、サイタマの前に立つ。身長は王馬の方が大きいため、サイタマは少しばかり見上げている。

 

「…………。」

「なんだよ、ジロジロ見て」

 

このタイミングまで王馬が動かなかったのは理由がある。

 

感じられる魔力量から、明らかにFランクの男など、Aランクである《風の剣帝》がわざわざ手を出す必要はないと考えたからか?

否。

サイタマから感じた圧力に竦んだからだろうか?そして心に植え付けられた"圧倒的な暴力"というトラウマがフラッシュバックしたからか?

否。

 

寧ろ、その真逆。

王馬は誰がどう考えてもFランクであるサイタマに危機感を覚えてしまったのだ。それが何故かを確かめようと動かなかったのだ。

 

相手を前に動こうともしないのは、王馬らしからぬ行動だった。

他の『暁』メンバーが苦もなく目の前の男を倒したのなら。そうだったならばこの危機感は王馬の勘違いだったということで終わる。その確認の意味も含んでいた。

 

だが結果はサイタマの勝ちと見て、なんの不都合も無いだろう。凛奈がシャルロットをサイタマにぶつけたところで結果は揺らがなかったはずだ。

そして戦いを見て、王馬は《伐刀者》としてのサイタマについて1つのことがわかった。

 

───────そもそも《伐刀者》とは。

彼らは各々が何らかの『概念』を体現しているのだ。

例えばサイタマの目の前に立つ黒鉄王馬は『風』を操作する。

例えばKoK世界ランキング四位の騎士は『不屈』の概念そのものを纏っているという。

はたまた、幻想種たる『竜』という概念すら、その身に宿す者もいるかもしれない。

 

そんな中、『暁』の1人である多々良幽衣の保有する概念は『反射』。つまりあらゆる物理的衝撃を跳ね返し、切り札として持つ《伐刀絶技》により蓄積したダメージを因果ごと『反射』することさえ可能なのだ。

サイタマは、自らの『概念』をそこまで使いこなしている多々良を2度もデコピンで吹き飛ばしてみせた。

 

同様に、サラは様々な『概念』を色彩にのせて放つ。その一つ、導きのシルクホワイトがもつ概念は『行動範囲制限』。

そして凛奈が操る獣であるスフィンクスの咆哮も然り。威圧とともに、一時的にだが行動を停止させることが可能だ。

だが、サイタマはそれを難なく破ったのだ。《伐刀絶技》により制限されたはずの行動をしたのだ。

 

王馬が着目したのはまさにそこだった。

サイタマは他の伐刀者の『概念』からの干渉を許さず、されたとしてもそれを破壊する。

 

つまり彼が、伐刀者として体現するのは

───────『最強』という概念そのもの。

 

王馬が感じた危機感がその結論に至らせた。

 

Fランクながらも、《覚醒》により運命の鎖を引き裂いて生まれ落ちた極めて異常で、異質で、規格外な存在。

サイタマの神を宿す肉体の前では、森羅万象が無意味と成るだろう。

 

故に、『最強』

 

《暴君》に植え付けられた恐怖心は、七星剣舞祭本戦で当たるだろう"《落第騎士》という枷を外し、覚醒した"《紅蓮の皇女》を打ち破ることで克服するつもりだ。

それは今も変わらない。魔力量こそが運命の強さなのだ。

 

だが、サイタマと戦うことは克服の一助にはならないと誰が言えるだろうか。だからこそ、黒鉄王馬は挑むのだ。例え相手がFランクだろうと。

 

「お前、この中で一番強いんだろ?

他の奴らとは纏う雰囲気が違うからよ」

 

王馬は《龍爪》を顕現させる。

物理的距離 わずか50cm。

 

だが、それ以上に"実力的な"距離はかけ離れている。その背中が見えないほどに。

 

「………貴様こそ俺の期待を裏切るなよ、『ヒーロー』」

 

《最強の英雄》対《風の剣帝》の火蓋が今、切って落とされた───────

 

 

 

天音 ( 早く終わらないかなぁ )

 

 




伐刀者について勝手に解釈したんですけども大丈夫……ですよね。あんまり間違えてないはず、です。多分。

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