マイペースな夜鳥さん(仮題)   作:倭ねこ

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人間とお喋りしたいと言いながらお喋りする場面が出てこないという。
人間側に認知されたと言いながら龍歴院とかの場面が出てこないという。

なのでぶっこむ(ノープラン)


いつの間にかUAが2000、お気に入りが30超えてました。
本当に何が起きてるんですか(震え)
ありがとうございます!!!wiki知識も混じえながらのゆるゆる執筆ですがこれからもよろしくお願いします!


6:迷子の迷子の子アイルーさん

―――――ザリッ……

 

―――――――……ザリリッ……

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

「(それで、どうしたの?迷子?)」

 

「……うん」

 

「宝探し、してたら……迷っちゃったニャ……」

 

 

相槌を打ちつつ話を聞いているんだが、その中で気になる話がひとつ。

このアイルー達はエリア2の隠れ家に住んでる訳ではないらしい。まあ確かに迷ったにしてもここまではアイルーの足では遠すぎるか……では何処に住んでるのかと聞けば。

 

 

 

古代林の中に、隠れ里……?え、人間も住んでるの??こんなリアルジュラシックパークみたいな所に???

 

 

 

幼い言葉からの推測だが、初めはアイルーだけが住んでいたのが外海から難破船が漂着、その生存者がアイルー達と知恵と技術を交換し、協力し、助け合いながらサバイバル生活する内に集落レベルまで発展。飛行船の技術が発達し外と往来出来るようになった今でも愛着が湧いた者達が住み着いており、ギルドだか龍歴院だかも現地調査の拠点に利用する事もあるらしい……ということは、こないだの行商人はそこに行っていたのか。

 

 

……でもそうなると不味い。何せ私はそんな場所は知らない。空から探して見つかるのならいいが、探索していた時にそれらしいものは見当たらなかった。おまけにモンスターが襲ってくる事はほぼないらしい。つまりそうそう簡単に見つけられるような場所ではないという事だ。

 

もう何度も言ってるがかといって今更放って置くのも気が引ける。それにじっくり聞けばエリア2のアイルー達の隠れ家とも交流があるようなのでとりあえずそこに連れて行こう。場所を知っているアイルーがいるかもしれないし、運良くそっちから来ている人が居たならその人に預ければいい。

 

 

「(上層のアイルーの隠れ家の方ならわかるから、とりあえずそこに行こうと思うんだけど……それでいい?)」

 

「……分かったニャ……連れてって欲しいニャ……」

 

「お……お願い、します……ニャ」

 

「(ん。じゃあ乗って。爪立てていいからしっかり掴まってるんだよ)」

 

 

暫く話すうちに信用してくれたのか、私の体をよじ登って背中にしっかり掴まる。爪が刺さってる感じはあるけど、この程度なら全然痛くない。ちょっとチクチクするくらいかな。

 

 

「(いくよっ)」

 

 

普段よりもゆっくりと飛び上がり、慎重に木々や巨大ゼンマイを避けながら上層へと向かう。離陸の瞬間こそ2匹は風圧に驚いていたが……

 

 

「ニャアア……!」

 

「うわぁぁ……凄いニャ……!」

 

 

深層の森の上空へ抜けた所で背中から歓声があがる。うんうん。いい眺めだもんね。私はもう慣れてしまったが、空から景色を見る機会のないこの子達には新鮮だろう。

 

さて、エリア2は……あっちか。

 

方向を確認してから速度を抑えて滑空する。大型モンスターへの警戒も忘れない。またこないだのようにリオレウスとかに襲われるのはごめんだ。

百歩譲って1人の時ならまだいい。なりふり構わず全速力で逃げるなり牽制なりする。でも今は背中に子供アイルー達が居るのだ、そんな無茶は出来ない。

 

 

何も無いといいんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ザリザリッ……

 

 

 

――――――ガギッ……

 

 

 

――――――――ドオオオン……

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

 

 

「(到着っと)」

 

 

「ニャアアアアアア!」

 

「ふにゃあああ!モンスターニャ!ホロロホルルにゃああああ!」

 

 

「(oh……)」

 

 

エリア2の隠れ家前にゆっくりと着陸するが、アイルー達が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。凹むなぁ……いやまあ、仕方ないんだけど……

 

 

「皆、待ってニャー……!」

 

「このモンスターは大丈夫ニャー!」

 

 

兄弟アイルーが私の背中から飛び降りてアイルー達に呼びかける。私は……何もしない方がいいか。兄弟アイルーの呼びかけに恐る恐る戻ってきたアイルー達に事情を説明する様子を大人しく見ている。攻撃的な態度を見せてないからか、もう逃げる様子はない。

 

 

……兄弟乗せる前にもう一度マタタビ採取してくればよかったな。まあ場所は覚えたしまた今度採ってこよう。

代わりに羽を数枚あげたら寄ってきた。現金だなぁ……

 

 

 

 

*****

 

 

時間は遡り……

 

 

 

 

「……ふーむ……」

 

龍歴院の集会所にて考え込む老婆が1人。

彼女はこの集会所のギルドマネージャーであり、手元にあるのは数枚の古龍観測隊の報告書やギルドの通達、それに伴い発行されたクエストの依頼書。

 

以下はその抜粋である。

 

 

 

 

――先日古代林の隠れ里への護衛クエストを受けたハンターから報告があった、朧隠の特徴や能力を持ち人語を話すという夜鳥についてですが、丁度そのハンターが遭遇した状況と思しき場面を観測していた者がおり、それによると、報告通り姿を消して乱入し、跳狗竜率いる群れを催眠波で制圧。

 

その後、同クエスト中にてハンターが撃退したらしき火竜とも交戦、負傷しつつも同様に昏睡させる。

 

大型モンスターをも容易く昏睡させる事から、低く見積もっても上位ランク以上の個体であると思われる。

 

戦闘後、絶命したマッカォを食糧に持ち帰るが、その際に薬草、アオキノコ、ハチミツを集め、摂取している様子を確認。

 

回復薬グレートの材料と理解しての行動なのかは不明だが、もしそうであった場合、人語を解する事と合わせ、かなりの知性を持つ事になる。

 

 

 

―――先日あった報告と同個体と思しき夜鳥との遭遇の報告が、古代林のクエストを受けたハンターからいくつか上がっています。以下はそのまとめです。

 

 

⚫人間に友好的で威嚇や攻撃を仕掛けて来ない。

  人間を外敵として見ていないらしい。攻撃を仕掛けようとしたハンターも居たらしいが、その際も反撃すること無くさっさと飛び去った模様。「なんだよ、もう」とか言っていた……らしい。

 

⚫発音こそ拙いが、会話はちゃんと成立する。

鸚鵡返しではなくきちんとした返答をする。

こんにちは、元気? → うん、ちょっと、ねむい、けどね

初めてのクエストで不安 → だれでも、はじめては、あるよ

等。言葉を理解し、適切な言葉で返せる知性の高さが伺える。

 

⚫羽鱗を分けて貰った。

この報告をしたハンターは大型モンスターの狩猟クエストをギリギリで達成した帰り道で遭遇したそうなのだが、「回復薬使い切った。疲れた」と何気なくぼやいていたら「げんき、だして」と金羽を貰ったらしい。

またこの金羽を素材鑑定したところ「夜鳥の黄金羽」であり、G級個体である事が判明。

 

 

 以上の点から、この夜鳥は特殊な個体として差別化し、朧隠の特徴や能力に加え優れた知性を持つ所から「朧慧(ろうけい)ホロロホルル」と呼称。以後ハンター側への敵対行動が確認されない限り狩猟禁止とする。

 

 

 

 ―――隠れ里を拠点に現地調査を行っている調査員から近頃森の奥から何やら硬い物を擦る音や爆発音がするという報告が上がっています。

 

 更に観測により燼滅刃の活動を確認。狩猟許可を持つハンターへ狩猟クエストを発行して下さい。

 

 

 

 

「……特殊個体に、二つ名個体……か。誰に回すかねえ……」




報告云々で文章力の無さや世界観への暗さを露呈した気がする。なるべく調べてるけど基本面倒くさがりだから……
古代林の隠れ里設定は慌てて生やした独自設定なので真に受けないように。
主人公G級個体なんですって。呼称も付いたんですって。本人知らないけど。


よく訓練されたハンターなら最初の1、2行で分かったかもですね。二つ名の方ですけど。
……村クエでモンスター目の前スタートとか予想出来ませんて……

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