【完結】また僕は如何にしてゾンビを怖がるのを止めて火炎放射器を愛するようになったか 作:クリス
「それではこれより巡ヶ丘学院高等学校の卒業証書授与式を執り行いたいと思います!」
圭の元気のいい声が教室に木霊す。今日は待ちに待った卒業式だ。月日が経つのは本当に早いもので、つい最近まで外を見れば雪が降っていたというのに今では桜吹雪が舞っている。教室は紅白の斑幕と花紙で飾り付けられ黒板には皆で書いた卒業式のプログラムが描かれている。
「卒業証書授与!」
教室の中央には窓側から僕、悠里、胡桃、由紀の順で座り、窓際には美紀と圭とるーちゃん、そして廊下側には佐倉先生が座っている。圭の言葉に従い佐倉先生が立ち上がり教卓に立つ。
「丈槍由紀さん!」
「はい!」
由紀が佐倉先生の前に立ち先生が卒業証書を読み上げる。
「貴方は巡ヶ丘学院高等学校の全課程を修了したことを称えこの証書を授与します。はい、由紀ちゃん卒業おめでとう! 本当に頑張ったわね!」
「め、めぐねえ……」
由紀が先生に抱き着きそうになるが寸でのところで我慢することに成功したようだ。ていうかもう泣いてるじゃないか。早いなおい。由紀は涙を滲ませつつ全員にお辞儀をする。
「恵飛須沢胡桃さん!」
「はい!」
冬服の制服に袖を通した胡桃はいつもとは違う印象を受ける。少しだけお淑やかに見えるというのだろうか。言ったらきっと怒ることだろう。
「はい、卒業おめでとう! 今まで私たちを守ってくれてありがとう。そしてこれからもよろしくね!」
「めぐねえ……」
あの日からひたすら皆を守り続けてきた胡桃にとってその言葉はきっととても重い意味を持つのだろう。大分僕に毒されたとはいえ彼女はただの女の子なのだ。卒業証書を受け取った胡桃は由紀と同じ様に涙を滲ませつつ全員にお辞儀をした後、席に戻る。
「若狭悠里さん!」
「はい!」
悠里はもう泣いている。まったく、この学校の三年生は涙もろすぎて話にならないな。僕を見習ってほしいものだ。
「卒業おめでとう! 悠里さんもよく頑張りましたね。貴方には助けてもらってばかりだった。これからもよろしくね? 部長さん」
「はい、こちらこそ!」
いよいよ、僕の番か。本当に卒業するんだな。前は卒業まで生き残れるかなんて下らないことを考えていたが案外呆気ないものだ。ここにはいろんな思い出が詰まっている。皆と共に笑い、共に歩き、共に成長していった。ここをただのコンクリートと鉄骨で作られた建物だと言うのは簡単だ。でも、ここは僕たちの大切な思い出の場所なのだ。僕はこの学校をいつまでの忘れることはないであろう。
「本田秀樹君!」
「はい!」
慣れない詰襟を着ているせいで少しだけ変な気分だ。サイズは別に問題ないが傍から見れば酷く似合わないと思われるであろう。
「卒業おめでとう。貴方はもう一人ではありません。この先何があっても私たちは秀樹君の味方であり続けます。どうか、それを忘れないでください」
「はい!」
もう、僕は独りなどではないのだ。一人でいるのは決して悪いことではない。誰の指図も受けなくていいし余計なしがらみに囚われることもない。でも、周りが楽しそうにしているのに一人で意地を張り続けるというのは寂しいものだ。
きっと僕はこれからも間違い続けるだろう。取り返しのつかない間違いを犯しそうになるかもしれない。だけど、みんながいれば僕は楽しく笑ってい生きることができる。卒業証書を受け取り全員を一瞥し全身全霊をかけて礼をする。今までの感謝を込めて、そしてこれからのために。
佐倉先生、由紀、悠里、美紀、圭、るーちゃん、そして胡桃、この七人を僕は死んでも守り通すのだ。そしてきっと僕も皆に守られるのだろう。助けた人に助けられ、また助ける。初めはただの自己満足だった。ただ、自分のためだけに戦った。でもそれだけじゃなかったのだ。情けは人の為ならず。己惚れるつもりはない。でも、僕はその言葉の意味をみんなとの暮らしの中で身をもって実感した。
「在校生、送辞! 直樹美紀さん、お願いします!」
「はい!」
美紀が立ち上がり壇上にあがる。美紀も既に泣きそうになっているではないか。まったく、軟弱極まりない。そんなことで一々泣いていたらこの先いくら涙を流しても足りなくなってしまうことだろう。美紀は一礼し、息を吸う。
「みなさん。ご卒業本当におめでとうございます。月日が過ぎ去るのはとても早いもので、私たちが先輩達と出会ったばかりだというのにもう卒業の季節です。学校の外は相変わらず不安で一杯です。この世界はとても残酷です。死は避けられません。人はいつか絶対に死にます。みんないつか死にます。ですが、今日ではありません。私たちは生きています。生きてこの両足で立っています」
そうだ。僕たちは生きている。生きているなら未来に向けて歩くことができる。生きていればそれでいいわけではない。だが、生きていなければ何もできない。
「だから、だから私たちは進めます。この先、私たちに何が待ち受けているのかは分かりません。ですが私はみんなと一緒にいればどんなことでも切り抜けられると確信しています。だから、もう何も怖くありません! 今まで本当にありがとうございました。そしてこれからもどうかよろしくお願いします! 在校生代表直樹美紀」
六人の拍手が教室に木霊す。本当にいい後輩だよ。まったく、僕たちは恵まれている。さて、次は僕の番かな。
「美紀ぃ……」
が、肝心の司会である圭が感極まって司会を放棄してしまっている。まあ、気持ちは分からんでもない。かくいう僕も危うく泣きそうになってしまった。それだけ皆と過ごした時間は掛け替えのないものであったのだ。
「け、圭! 司会!」
「あっ! 失礼しました。続いて卒業生答辞。卒業生代表、本田秀樹!」
壇上にあがり礼をした後、皆を一瞥する。本当にここまで長かった。こんな胸が詰まる卒業式は生まれて初めてだ。それは僕が本気で生きてきたからに他ならない。全力でこの世界にぶつかった証拠なのだ。
さて、何を言おうか。実を言うと何も考えていないのだ。言いたいことは殆ど美紀に先に言われてしまった。まさか僕の言った台詞をそのまま返されるとは思わなあった。これは不味い、完全にアドリブになってしまう。まあ、でも言いたいことは山ほどあるんだ。一度大きく息を吸う。準備は整った。
「美紀君、温かい言葉、本当にありがとうございます。でも、できれば僕の台詞を丸々引用するのは止めてもらいたかったです。貴方に言いたいことを殆ど言われてしまいました。えー、皆さん、卒業は人生の大切な門出、
などではありません!」
『はぁ!?』
教卓を叩き断言する。僕の当然の暴言に皆の目が点になる。言いたいことは美紀に言われてしまった。なら僕は本音をぶちまけるだけだ。
「卒業なんてものは所詮、人生という長い長い旅におけるモラトリアムが終わったに過ぎません。私たちはスタート地点に立ったにすぎないのです! 思い返せば僕は本当に恥の多い高校生活を送ってきました。一度は取り返しのつかない過ちを犯しました。ですが、そんな僕を引き戻してくれた人たちがいます。何を隠そうこの話を聞いている皆様方です。皆さんは僕に生きることの素晴らしさを教えてくれました。手を取って独りではないと教えてくれました。貴方達がいなければ僕はきっとその辺でくたばっていたことでしょう」
ここで一呼吸置く。さて、掴みはいいようだ。ぶっちゃけ思いついたことを片っ端から話しているだけなので整合性の欠片もない。だけど今言ったことは紛れもない僕の本心である。
「皆さん、この世界は本当に腐っています。歩く死体にランダルとかいうゾンビ映画の黒幕みたいな企業、挙句の果てには銃火器と爆薬と火炎放射器で武装した高校生擬きがいる始末。まるで映画かゲームのような世界です。本当に腐っている。ですがこれが僕たちの生きる現実です。決して夢や幻などではありません。人間、逃げるのは簡単です。目の前の現実から目を背けて都合のいい妄想にしがみつけばいい」
僕は母の死を記録にすることで目を背けた。復讐に狂うことで現実から目を背けた。狂っていると決めつけることで現実から目を背けた。本当に逃げてばかりの人生だ。これらは全て自分にとって都合のいい妄想に過ぎない。生きることは素晴らしいなんて言葉もあるが、これでは生きているとは言えない。皆と出会う前の僕は死んでいたのだ。
「しかし、逃げた先にはまた別の現実が待っています。結局は戦うしかないのです。否、生きるということは戦うことに他なりません! その先には死が待っているかもしれない。理不尽に殺されるかもしれない。だからなんだ! 最後の息の根が止まるその瞬間まで戦って戦って戦い抜いてやるんだ! この世界の腸に口径7.62mmの弾頭を叩きこんでやる! そして刻みつけてやるんだ。私たちはここにいますと! 以上です」
感情の昂ぶりに任せてとんでもないことを言ってしまった。とてもじゃないが卒業式で言う言葉じゃない。まるで戦地に行く前の司令官の演説ではないか。皆が口をぽかんと空けて僕を見つめる。これは失敗したな。
僕はそう思った。しかし、一人、また一人と拍手をする。いつしか七人全員があらん限りの拍手を僕に送ってくれた。僕は少し恥ずかしくなり逃げるように自分の席に戻る。卒業式はまだ終わらない。
「ほ、本田秀樹さん。ありがとうございます。次に卒業生より別れの歌」
僕たちは席を立ち、佐倉先生が指揮棒を手にして僕たちの前に出る。圭がラジカセの電源を入れしばらくすれば曲が流れだす。確か曲名は仰げば尊しだったか。定番の卒業歌だ。
僕か由紀が伴奏することも考えたのだが折角の卒業式なのだからみんなで一緒に歌うことにした。歌いながら横を見る。悠里が泣いていた、胡桃が泣いていた、由紀が泣いていた。頭を正面に戻す。佐倉先生が泣いていた。まったく、どいつもこいつも軟弱だ。そんなんじゃこの先やっていけないだろうに。
そんなことを考えていると視界がどんどん滲んできた。まるで水を零した絵のように世界がぼやける。これは、なんだ。僕は自分の目に手を当てる。水の感触だ。白状しよう。僕はさっきからずっと泣くのを我慢していた。男の僕が泣くなんて情けないと思って我慢していたのだ。
佐倉先生を目が合う。僕に笑いかける。まるで我慢しなくてもいいと言っているようだ。いや、本当にそう思っているのだろう。ならこの際恥は掻き捨ててしまおう。結局、僕は泣きすぎてまともに歌えなかった。
「以上により、巡ヶ丘学院高等学校、卒業式を終了いたします。一同、礼!」
全員で深く、深く、礼をする。時間にして十秒ほどの長い礼だ。そして身体を起こす。
「やっと、卒業だああああ!」
胡桃が飛び跳ねて喜んだ。本当に、長い、三年間だった。だが、あっという間だった。まあ、これで僕たちの高校生活は幕を閉じたわけだがここから去るわけではない。まだまだここでの暮らしは続くことだろう。後片付けが面倒だ。
「じゃあ、写真撮りませんか?」
圭がいつの間にかカメラを片手に提案する。
「ねえねえ、外で撮ろうよ!」
外はもう安全だし桜が咲いていていいと思うが死体が……。
「お、由紀ナイスアイデア!」
「じゃあ、外に行きましょうか」
気が付けば外で撮る流れになっていた。皆が廊下に出る。仕方ない、僕もいくするかな。武器は手元にないがもう不安はない。依存しなくなったと言うべきだろうか。
「秀樹! はやく来いよ!」
「分かってるよ!」
皆の背を追って歩く。目指すは校門前だ。
「はい、じゃあ並んで下さいね!」
圭がカメラを構え僕たちに指示を出す。佐倉先生を中心に五人で横一列に整列する。後ろには校門がいい塩梅で映っていることだろう。死体もいい具合に隠れている。このアングルを探すのにはひと手間かかった。卒業証書掲げる。
「はい、チーズ! オッケーです!」
「そうだ! 修学旅行行ってなかった!」
「は?」
由紀が唐突に叫ぶ。そう言えば遠出したのは僕たちだけで残りは学校で留守番だったな。思えばかわいそうなことをしたと思う。今から行ったら卒業旅行になってしまうが。まあ、悪くないかもしれない。
「そう言えばそうね」
「だったら、どこか行きませんか?」
「るーちゃんも遠く行きたい……」
すぐにあれやこれやと議論が始まる。やれ京都だの、軽井沢だの、沖縄だの、終わってしまった世界で話すことではないな。いや、終わってなんていない。社会や国は終わってしまったのかもしれない。だけど僕たちの世界は終わっていない。まだ始まってすらない。それにしても旅行か。車も丁度二台あるし案外いいかもしれない。
「やっぱり京都だよ、京都!」
「由紀ちゃん、流石にそれはちょっと……」
「熱海なんかいいんじゃないですか?」
「それだ! 結構近いし温泉あるしな!」
段々と話が煮詰まっているようだ。僕はさっきからずっと蚊帳の外だ。僕としても行くのはいいんだがここの維持はどうするのだろうか。まあ、それは追々考えればいいか。
「ねえ、なんの話をしてるのかしら」
「えっとな、折角卒業したから旅行に行こうってなってね。今、熱海がいいんじゃないかってことになっている」
「へえ、なら私たちも混ぜてもらっていいかしら?」
「うん、別にいいけど」
うん? 僕は今誰と話しているんだ? 視界の先には全員がいる。おかしいな、後ろから声が聞こえるなんて。突然の怪現象に頭を悩ましているといきなり何者かに耳を引っ張られた。痛いじゃないか。
「いいかげん、こっち向きなさいよ!」
慌てて後ろを振り向く。そこには少し怒った顔の朱夏が居た。後ろにはどこかで見たことのあるキャンピングカーとはじめさんがいた。こっちに手を振りながらどんどん近づいてくる。
「やっほー! 秀樹君、寂しかったよー!」
はじめさんは前に会った時と変わらぬテンションで僕の腕に抱き着こうとして朱夏に引っ張られた。話に夢中だったみんなも流石に気が付いたらしい全員が驚きながら二人を見る。僕も驚きを隠せない。
「はじめさん!? それに、あ、あんた!」
「はーい、久しぶりね、秀樹。そしてはじめまして学園生活部のみんな、私が神持朱夏よ」
はじめさんは一度僕たちの学校に来ているので皆顔を知っているが朱夏は僕たちの話しか聞いていない。写真もないため誰がわからなかったようだ。
「るーちゃん久しぶり! お持ち帰りしたーい」
「だ、め、で、す、よ?」
るーちゃんに抱き着いたはじめさんだが悠里の暗黒オーラによってすぐさま離れた。ていうか何故二人が一緒にいるのだろうか。
「何でって顔しているわね」
「そうだよ。朱夏、あんた旅に出たんじゃなかったのかよ。何ではじめさんと一緒にいるんだ?」
「旅の途中で偶然ラジオで一之瀬のこと知ってね、気まぐれで立ち寄ってみたのだけれど気が付いたらアシスタントにされてこの様よ」
あの人ならやりかねない。というかよく見れば僕が前にあげたククリは勿論、はじめさんにあげたシグザウアーP228まで腰に吊り下げられている。使い方は任せると言ったが人にあげなくてもいではないか。
「一之瀬じゃなくてはじめちゃんでしょー! あやちゃん!」
「あやちゃんは止めなさいって言ってるでしょうが!」
「えー、だって可愛いじゃん」
口ではそうは言っているものの満更でもない様子だ。本当に意外な組み合わせだ。いったいどんな化学反応が起きればこの組み合わせができるのだろうか。でも、これでこの様子なら二人とも大丈夫なようだ。
「美紀、あの黒髪の人だれ?」
「えっと、前に話した武闘派の人だよ」
「え!? じゃあ先輩にキスしたのってあの人なんだ!」
なんでそんな楽しそうなんですかね。僕はあの後胡桃をなだめるのに酷く苦労したというのに。気が付けば由紀と佐倉先生が前までやってきた。
「久しぶり! はじめさん!」
「由紀ちゃん久しぶり! 卒業おめでとう! 本当なら終わる前に来たかったんだけど遅れちゃったみたいだね。あ、慈ちゃん久しぶり!」
「え、ええ」
「ふーん、貴方達が由紀って子と佐倉さんね。初めましてと言っておこうかしら」
もう、何がなんだか。その後、朱夏の自己紹介を改めて行い、もう一度二人を交えて写真を撮る流れになった。その際、終始胡桃と朱夏の間で火花が散っていたがそれはきっと気のせいだと思いたい。
「じゃあ、みんなポーズとれよ! はい押したぞ!」
カメラを三脚にセットし急いで皆の下に戻る。胡桃の隣に立つ。僕の横には当たり前のように朱夏が立っていた。腕を組むな腕を。そして胡桃も対抗して腕を組むな。でも、少し嬉しい。
やがて、カメラのフラッシュの点滅の間隔が短くなっていく。
3、昔、僕は独りだった。隣には誰もいなかった。独りで血塗れの道を歩いていた。
2、だけど今、左右を見ればみんながいる。学園生活部の皆がいる。
1、僕は家族を手に入れたんだ。だから、こう言おう。
──生きててよかった!──
「なあ、何見てるんだ?」
「ああ、昔の写真だよ。ほら、卒業式の時の」
僕は隣に座った胡桃に少しだけ色あせた写真を手渡す。胡桃は左手でそれを受け取った。薬指には白金の指輪が輝いている。ちなみに僕の左手にも同じものが嵌められている。理由は言わなくても分かるだろう。
「あれから、もう五年も経ったんだよなあ」
「何言ってんだよ秀樹、まだ五年の間違いだろ?」
写真の胡桃と違い今の胡桃は髪もストレートで見た目こそお淑やかだが、中身はまるで変わっていない。あの頃のツインテールも頼めばしてくれるのでぶっちゃけ殆ど変わっていないだろう。変わったと言えば少しだけ背が伸びたくらいか。
「昔の僕は随分とぶっ飛んでたなあ」
「今もぶっ飛んでるだろが! 一カ月前に朱夏と一緒に自衛隊の基地から戦車盗んできた奴がよく言うわ」
「あれは戦車じゃない、装甲戦闘車だ!」
あの時は大変だったなあ。てっきりもぬけの空かと思ったらうじゃうじゃ湧き出すから。慌てたものだ。結局、二人で暴れる羽目になった。
「はいはい、わかったよ。って、そうじゃなかった。秀樹に報告したいことがあって、来たんだよ」
胡桃は途端に頬を赤らめてモジモジし始めた。なんだか凄い可愛らしいぞ。やがて決心がついたようで僕を見つめる。
「あ、あのさ秀樹…………できたみたい」
「へぇ、そうなんだ、
「えっ!?」
また僕は如何にしてゾンビを怖がるのを止めて火炎放射器を愛するようになったか
完
いかがでしたか? 空白の五年の間に何があったかは皆さんのご想像にお任せします。世界は良くなったのかもしれません。あるいはもっと悪くなったのかもしれません。ですが、学園生活部と秀樹がいればきっと何とかやっていけるでしょう。
これにて、「また僕は如何にしてゾンビを怖がるのを止めて火炎放射器を愛するようになったか」を完結せていただきます。まさかこんなにも多くの人に読んでもらえるとは夢にも思っていませんでした。本当に、本当に、ありがとうございます。こんな拙作を面白いと言っていただき本当にありがとうございます。
それではまたいつか、文字の世界でお会いしましょう。さようなら!