ペルソナ4 有里湊のif世界での物語 番外編   作:雨扇

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魔術師:花村陽介コミュ
コミュ2


 天城救出後。

 

「花村」

 

「ん?」

 

 放課後。ジュネスのフードコートにて僕は花村を捕まえた。理由は言わずもがな、アレだ。

 

「ジュネスって不定期バイトは無理なの?」

 

「無理に決まってるだろ」

 

 即答で返された。即答だったよ即答。

 

「そんな即答で言わなくても……」

 

「俺だってテレビの中行くときは仕方なく休みもらってるよ? だからってさ……」

 

「仕方なくなの? 助けたいとか男前なこと一番に言ってたのは誰? どこのジュネス王子?」

 

「それ俺しかいねーだろ」

 

 花村はいろいろと考えてる。ツッコミだと負けるけど今なら勝てる気がする。

 

「よし。有里、手紙書いてこい」

 

「……は? メールが主流になってるこの世の中で手紙? 何で?」

 

「親父に見せる。そんで親父に直談判してもらう」

 

 「その方がてっとり早い」と呟く花村。僕はバックからノートを取りだし一枚紙を切り取る。そう。ここで書くつもりだ。

 

「はいこれ」

 

「早いな」

 

「来月だと金欠ルートで餓死の可能性アップだから早めに」

 

「お、おう」

 

「早く渡さないとジライヤにジオダインうつから」

 

「それ覚えてるの持ってるのか?」

 

「……たぶん」

 

 花村は渡した紙を持ってバイトに戻っていった。夜ごはん、ここで食べよう。そんで売り上げ貢献してやろう。と思いたこ焼きを買った。ここのたこ焼きは美味しい。いくらでも食べれる気がする。

 

「……やっぱ暇だな」

 

 あのガソスタ店員の言っていたことが分かった気がする。バイトとかしないとホント暇。

 

「前から思ってたけどよく食べるよなぁ」

 

「……ん。花村」

 

 食べはじめてから数分。花村が来た。

 

「おまえに餓死でもされちゃ貴重な戦力が大幅ダウンだからな。さっそく見せてきてやったぜ」

 

「ありがひゃい(ありがたい)。ふぉれで?(それで?)」

 

「食べ終わってから喋れって。……ふふ。俺に感謝しろよ? 不定期バイトの許可出たぜ! これで気軽にテレビの中に行ける」

 

「感謝するのは花村じゃなくて親父さんだよね?」

 

「頼んだのは俺だからな」

 

 仕方ないので、小声で感謝を言っておいた。それと……。

 

「売り上げ貢献に協力。たこ焼き食べよ」

 

「まだ食べるの!?」

 

「これ今日の夜ごはん」

 

 そう言ったら「俺ん家食べにくるか?」とか言われたが断っておいた。流石にそこまで面倒を見てもらうワケにはいかないから。

 

「花村」

 

「何だ?」

 

 今度はちゃんと食べてから言った。

 

「絶対。犯人見つけて捕まえよう」

 

「……あぁ。小西先輩を殺したヤツを必ず見つけてやる」

 

 少し怖い顔をした花村。すぐにいつもの笑顔に戻った。

 

「有里のことも頼ってるから。一緒に頑張ろうな」

 

「……ほどほどにね」

 

 花村は、見た目チャラそうに見えて実は……スゴいいい人なんだ、と思った。

 

ーーランクアップ。「魔術師:花村陽介コミュ2」


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