ペルソナ4 有里湊のif世界での物語 番外編   作:雨扇

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コミュ4

 シャドウ雪子戦の日の夜中。

 

「一件落着だし、しばらくは来ないよね」

 

『そうだね。僕にとっては寂しいことだけど、仕方ない。そう僕が決めたから』

 

 恒例になってるのかファルロスが夜中に来た。シャドウ戦の夜中に来ると決めているので、しばらくは来れないハズだ。そろそろ僕の快適な睡眠時間が欲しい。

 

「今日は誰の話をするの?」

 

『決まってる。今日助けた彼女に話したあの人のことだ』

 

 美鶴先輩のことだとすぐにわかった。でも大体は天城に話してしまった。ファルロスも聞いていたらしく、別のと言われても特になにもない。

 

「何から話すの?」

 

『そうだね。まぁ全然天城さんと関係ない話なんだけど、屋久島の別荘はどうだった?』

 

 ホントに関係ない話だった。

 

「まぁ。凄かったよ。でかいし海近いしメイドがいっぱいいるって順平もはしゃいでた」

 

『そっか。確か帰る前日だったよね。アイギスと会ったのは』

 

「そうだね。研究所からも近かったんだと思った。桐条の別荘は凄いじゃなくて凄すぎ、だよ」

 

 ファルロスはそんな僕の話をすんなりと聞いていた。

 

「ねぇ。何で活動部のみんなの話をするの? この世界なんだから彼らでもよくない?」

 

『まぁいいんだけどね、それでも。……でもさ、本来君と彼らは出会うはずのない関係だ。なのに彼らのことを話してとても大切な存在になりました。ってなったら……』

 

 ファルロスは僕に何かを試すように声のトーンを少し落として、訊いてきた。

 

『君は、帰りたくなくなるかもしれない。特別課外活動部と、特別捜査隊のどちらを選ぶってなったら……選べる自信はあるかい?』

 

『現に、君はもう彼らに頼られてる。この物語は鳴上くんが主人公だ。君は偶然居合わせた「たまたま同じワイルドの力を持つ者」だ。いずれはこの世界から消える運命だということを、忘れないで』

 

 僕は頷こうとした。けど、中々頷けなかった。もう、この時点で僕は……彼らと別れは嫌だ。と思っているのだ。

 

 順平、ゆかり、風花、美鶴先輩、真田先輩、アイギス、コロマル、天田……そして荒垣先輩。

 

 鳴上、花村、里中、天城、クマ……これから出会う人たち。

 

 みんな僕にとって大事だ。

 

『まぁ、まだ事件は始まったばかりだ。仲間を大切にするのは当然のことだと僕も思うよ。でも、いつかは別れが来ることを忘れないで。今日はそれを言いたかった』

 

「わかってる」

 

 ファルロスは「バイバイ」と言って消えていった。しばらくは来ない。時計を見ると25時だ。完璧夜更かし。

 

「頼むからシャドウ戦後は早く寝かせてほしい……」

 

 シャドウ雪子戦は前の戦いと比べて大変だったらしい。目をつぶったらすぐに寝ることが出来た。

 

 ファルロスとの話しは、最近現実味を帯びている気がするのは気のせいだろうか?

 

ーーランクアップ。「死神:ファルロスコミュ4」


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