ソードアート・オンライン−−ギルド名『草生えるw』 作:tfride
バンドリが止まらなかったんだ。
ついでにドルフロも止まらなかったんだ。
Fateは前から止まってないんだ。
パズドラはだいぶ前から止まってるんだ。
これって俺が悪いのか?
まぁ悪いよな。
「オベイロンは自分の妃であるタイターニアと自身の子供をめぐって喧嘩し、魔法の花で作った惚れ薬でなんとか寄りを戻そうとする」
「タイターニアをアスナ、オベイロンを須郷伸之と仮定した場合。惚れ薬はどこに行った?」
「須郷とやらは明日奈にひどくご執心。レクトの社員で『研究』員。そしてALOと世界樹の上に幽閉されているアスナ」
「非道な研究(惚れ薬)の実態が露わになりそうじゃねーの?」
その言葉を聞いたキリトの顔は―――。
■
「グッドモーニング。ボンジュール。グーテンモルゲン。ブオンジョルノ」
そう一気に四か国語の挨拶を投げかけるのは、草生えるwギルドマスターのニンジャ。
深い森の中の中立地帯で、まるで何かに怯える様に木陰の中に潜むシルフ…シグルドに向かってそう話しかけた。
当の本人はそんなニンジャをまるで親の仇のように睨み返すのみ。
「あれあれま、嫌われたもんだな。あ、一本吸っていい?」
そんな悪意などつゆ知らず、目の前の木の根元に腰掛け煙草を一本オブジェクト化し吸い始める。
その間もシグルドはいつ襲われてもいいように腰の得物に手をかけ続けようやく口を開いた。
「出来損ないのレプラコーン風情が何の用だ。うせろ」
殺気にも似た感情を投げつけながらそう言い放った。
恐らくは、ニンジャの装備の貧弱さに当たりをつけて出来損ない…初心者プレイヤーと皮肉を言ったのだろうか。
その言葉に一切精神を逆なでされる様子もなく、逆に白煙をシグルドに向かって吹きかける。
ニンジャの行動となって返される返答に逆に精神を逆なでされ、ついには得物をゆっくりと抜き放つ。
返答を冗談とも本気とも取れないほどに、今のシグルドは追い詰められていた。
つい先ほどまでシルフ領の高価な椅子に腰かけ酒を嗜んでいた頃が嘘のような今の現状。
死しているはずの女が自分に下した追放という死刑宣告。
もう限界であった。
このひょうきんとした態度の糞野郎ですら今は細切れにしてモンスターのえさにしてしまわねば、自分の心は持たない。
その腹積もりで振り上げた剣…が振り下ろされる刹那。
自分の腹に掛かる衝撃。
木に叩きつけられる背中。
まだ育ち切っていない木をなぎ倒し、一回転して地面に倒れ伏す。
そして顔すれすれに地面に突き立てられる刀の切先と、踏みつけられる得物を握る手。
「んだよぉ。力づくでっていうなら最初からそう言えよぉ――話、聞いてくれる気になった?」
ひょうきんとした態度は相変わらずだったが、先ほどまで万人受けしそうな物腰柔らかい目つきは、完全に笑っていない。
しかし納得のいかないシグルドが放つ言葉は。
「このレネゲイド風情が――」
リアルで繋がりかける事実に多少の怒りを見せるニンジャ……笹原忍としての精神を遂に逆なでした。
正直なところ、ニンジャとしてもこんな茶番はとっとと終わらせて問題の解決にすぐに進みたい。
今こうしてシグルドの相手をしているのは、解決した後のALOでの自分の動きをなるべく自由にするためのいわば布石だ。
無くても問題ない行動。だからこそ堪忍袋の限界が近いニンジャからすれば、こうして長々とこのボンクラに割く時間はない。だからこそ…。
咥えていた煙草を、つばを吐き捨てるかの如く飛ばして、開いたままのシグルドの口の中に突っ込ませる。
火のついたままの煙草は口の中の粘膜という粘膜を焼き散らかし、しかも吐き出したいシグルドの遺志をあざ笑うかのように空いた左手で塞ぎ、喚き散らしながら鼻から焦げ臭い煙を放つ。
その光景をつまらないものを眺める様に、冷たい目で見降ろすニンジャ。
「こちとら触れられたくないモンに土足で踏み荒らされそうになって躍起になってんだよ。しかもそれを俺が一番信頼している三人に告げて、やらせたくもねぇ事やらせるために頭下げて納得してもらって…腸煮えくり返りそうなんだ。とりあえず黙って話だけでも聞いてくれよ。頼むよ、抵抗しないでくれよ。お前の名前を何億回デスログに残したってこの怒りは収まんねぇんだよ―――頼むよ」
■
「終わったか?」
中立地帯のとある宿屋のエントランスで広めのテーブルを囲うように座って待っていた三人。
ローキ、ウサギ、リク。
扉を開け周りを見回したニンジャをそう呼びかけたのはリクだった。
その言葉に親指を立てて返すニンジャは、ウェイトレスに飲み物を頼んでから座る。
「ニンジャ、こういうのを知ってるか」
「雄介の恩師の話は後でな」
親指を立ててそう力説しそうになったウサギをズバッと切り捨て話を続ける。
「さてさてシグルドは俺と超協力プレーしてくれることになったので良しとして」
「つまりはあいつがバグスターか」
「問題は世界樹の方だよな」
「うそーん」
一人しょぼくれるウサギ。
そんなウサギを無視して、運ばれた飲み物を口にした後、ニンジャが続ける。
「なーにが問題かって、キリトの話だと…リアルの話になるけど、入院中のアスナが結婚することになった」
「また結婚式するの?」
「このくそったれゲームの運営会社、レクトの研究員と」
「ごめん、黙ってる」
流石に空気が読めなかったと珍しく自粛するウサギ。
「んで、未だキスしてくれる王子様を待っているアスナの結婚予定相手…須郷って奴はどんな奴かなーって調べてみましたさ」
「ところでキリトは?」
「一人でグランドクエストにご執心」
「絶対クリアできないからほっとけ」
「その結論もスゴーってやつの話と関係あり?」
「ありありのあり」
キリトから得た情報は単純明快。
須郷という人間が明日奈との結婚を望んでいる事。
須郷が明日奈との結婚を望むのは財産目当てな部分が大きい事。
なにより、昏睡状態の明日奈との結婚…、法的には結城家の養子になる形にはなる事。
しかし明日奈自体に興味を持ち、あわよくば身も心も…というのは態度で察したらしい。
なにより元々SAOサーバーを維持していたアームズに成り代わって現在までそのサーバーを維持しているのが、結城家がCEOを務めるレクトという会社。
そのフルダイブ技術部門に須郷は在籍。
結婚式は須郷と初めて会った日から1週間後。
「CEOかー」
「CEOの意味知ってるの?ウサギ」
「センター、エラー、アウト」
「おっけい黙ってろ」
「んで、それらを総合してオベイロンの伝説を加味して…アスナが世界樹に幽閉されているとしたら?」
「んー多分だけど、須郷がアスナを幽閉して時間稼ぎかな」
「だけだったらまだマシかねぇ…、そんなに長い事昏睡状態のままにしておくわけにはいかない。けど目覚めさせたら明日奈と須郷の関係が元々悪いのもバレるし、明日奈大好き親バカお父様だったら即座に離婚させられる」
「けどどうやって…」
「オベイロンは惚れ薬を使ってタイターニアと寄りを戻そうとしたらしいぞ」
「……まじ?」
「違法な実験の可能性ムンムンだな」
「レクトは惚れ薬作ってんのか」
「ウサギ?」
「だまりまっす」
ここまではニンジャ…笹原忍の考察だ。
あくまで仮説に過ぎない。
しかしこれが事実だった場合はとんでもない結果になることは明白。
だからこそ……この世で最も下らないゲームにニンジャは三人を付き合わせることになる。だからこそ…忍は覚悟していた。
自分の大切な――駒としてはあまりにも優秀で、手札としてはあまりに異質な、大切な仲間が離れることを。
四人にとってゲームは楽しむもの。それは全員が認識していた。
今までつまらないゲームはスグに抜け出し。楽しみのみを求めたからこそ、ニンジャはなるべくいつも通りに接し、いつも以上に言葉に気を付けたつもりだ。
だが、そのニンジャの考察結果に、三人とも静かに…ギルドマスターの言葉を待っていた。
「あれ、誰も降りるとか言わない系?」
「言わせてぇのか」
「安心してよ、ニンジャの話以上に下らない事なんてないから」
「あ、うん…普通に凹むんだけど」
「ニンジャの無茶ぶり以上にいやなことないでしょ」
「俺そんなにひどい事言ってたっけ?」
『毎日』
「すみませんでした」
と、ニンジャの覚悟とは裏腹にすらすらと事が進む。
ならばと両膝を叩いてから立ち上がり、ギルドマスターとして言い放つ。
「んじゃ、明日世界一ツマラナイゲームをクリアしに行きますか?」
『あいよ』
「お前らホントに二つ返事だな」
「俺らのギルマスが決めたんだ。付き合うさ」
と、鼻で笑いながらリクが答える。
「――小説とかだったら涙ぐんでありがとうとか…」
「やめろ気持ち悪い」
「うっす」
と、各々が体を伸ばしたりと外に出ていく中、最後尾にいたウサギに対して、ニンジャが一言。
「だいぶたまってんな」
その言葉に目を丸くして…。
「最近嫁さんが相手してくれなくて…」
「そんなにこのゲーム嫌か?」
「そうなんだよ、これ始めるのだって結構説得して――」
「三回も四回も話を逸らす時は、大体腹に何か抱えてる時だぞ、お前」
「……バレた?」
そう答えるウサギの目は、ニンジャがシグルドに向けた目よりも冷たかった。
■
キリトが薙ぐ。
レコンが自爆覚悟で大穴を開ける。
しかし、そんな苦労も空しく大穴はゆっくりと閉じ、後方に回って回復に徹するリーファですら刃が向けられる。
たった三人で向かったグランドクエスト。種族単位ですら攻略不可能な、まさに難攻不落の城を落とそうと集まった、たった三人の妖精。
しかし、結果は戦力を一人失い。キリトは満身創痍。
後方に回って回復に徹するリーファも標的にされ、まさに絶体絶命。
絶対に三人で攻略しようと意気込んだあの決意を、こうも簡単にかき消される。
「無理だよ…」
心が折れる音がした。
たった一人の兄に…恋心を持ち、それでも尚、兄の恋人を助けたいと乗り込んだこのグランドクエスト。
しかし結果はこのざま。
そう。
無理だ。
「無理だぁ? カッコいいじゃねぇかよ! レコン!!」
その言葉にハッとし、下に位置する入り口に視線を向ける。
…が、目にしたのは自分の横を通り過ぎる四つの残像。そして巨大な門をくぐるシルフ軍、ケットシー騎竜隊。
「ごめーん! 装備を整えるのに遅くなったー!」
そう言い放つはケットシーのアリシャ。
が、先ほど自分を通り過ぎた四つの影を探し視線を上にあげる。
「あの者たちも駆け付けたみたいだな、一人は初めて見る顔だが…一体君たちはどういう関係なのだ?」
問いかけるシルフのサクヤも視線を上にあげ捉える人影は。
「にしても思ってたよりウジャウジャいるんだけど。マジクラスタ」
「あれをもうちょっとメタルチックにして目を黄色にしたら…」
「だとしたら勝ち目無いから。メタルクラスタホッパー何百とか絶対勝ち目無いから」
「マジハイクオリティ」
「マジメタルライズ」
「困ったらIQさげるのやめろ」
「相変わらずこんな状況でも遅れてくるんだな」
「皆さん聞きました?キリト君からボヤキが届きました」
「梱包して着払いにして送り返せ」
「誰がいるかよそんなもん!」
「確かにヒースの時も遅刻したもんね」
「時計が24時間ずれててな」
「一周…ってか二周回って問題ないよねそれ」
「日付が付いてるタイプかもしれない」
「だとしたら俺らがここに来るのは明日の今か」
「昨日の今かもしれない」
「かもしれない。どっちがいいキリト」
「戦えぇえええええええええ!!」
「本当にどういう関係なのだ?」
「さ、さぁ?」
遠巻きに眺めるサクヤとリーファがそんな感じに固まっている間にも、キリト達にガーディアンが迫りくる。
それらをまるで――そう、第一層のボスの時に見せた、掛け声の一切ない連携にて打倒していく四人を見て…。
「ホントにお前らって戦っている時とそうでない時のギャップって何とかならないのか!?」
「えぇ!?聞こえねぇよ!?」
「お前らのギャップってどうにかならないのか!?」
「キャップ!? キャップはニンジャだよ!?」
「アッセンブル!!」
「ギャップ!!!!」
「ギャロップ!?」
「お前ら耳あるんだよな!?」
「ウサギが歌いながらなモンだから聞こえねぇんだよ」
「何歌いながら戦ってんだ!! 陽気か!!」
「とか言いつつお前だってしゃべりながらじゃねぇか!! 器用だなオイ!!」
「やかましい!!」
「やかましいのはウサギ!!」
「知るか!!」
「知っててくれ!! そしてこいつを止めてくれ!!」
「お前らが止められないんだったら俺が止められるわけないだろ!!」
「SAOの英雄だろ!?」
「SAOの英雄をはき違えてんじゃねぇ!!」
「ウサギ歌ってんじゃねぇ!!」
「ゼロ!!ワン!!ゼロ!!ワン!!ゼロ!!ワン!!」
「なんでイントロだけさっきから歌ってんだ!! 次シンフォギアな!!」
「リクエストしてる場合か!!」
「俺『らしさ』がいい」
「ローキ君!? なに普通のトーンでリクエストしてるのかな!?」
「自分らしさってなんだぁあああああああああああ!!」
「安心しろ!! それがお前らしさだ!!」
「うるせぇええええええええええええええええええええ!!」
只々騒がしい。
それでもなおケットシーやシルフの援護があるものの敵を切り進めていく様は圧巻の一言。
しかしながらその行動に反して会話が幼稚。
それに見かねてリーファですら回復をやめ、キリトの背を守るため身を乗り出してきた。
「お兄ちゃん!」
「スグ!? っ、後ろは任せたぞ!」
「お兄ちゃん!?」
「お前ら兄弟だったのかよ!?」
「いやぁああああ近〇相〇!!」
「うるせぇ!! 手は出してねぇ!!」
「手は!?」
「手以外は出したのか!?」
「馬鹿野郎!!」
ホントにうるさい。
と、全員の一斉攻撃により見えた突破口。
この機を逃さまいと一気に上へと加速していくキリト。
会話だけ聞くと何故と言いたくなるような結果ではあるが、しかし見えた隙は逃す訳にはいかない。
そのキリトを逃すまいと前方に立ち塞がるガーディアン達に素早く反応したリーファは、自身の剣を上空のキリトに向かって投げる。
「お兄ちゃん! 受け取って!」
妹の思いと共に投げられた剣は、しかしガーディアンの横やりによって空しくも弾かれてしまう。
「そんな――」
「そうやって諦めてる場合かね? 妹ちゃん」
そう被せるニンジャの姿は、既に自由落下を始める剣に向かって一直線だ。
すぐさま追いついたニンジャは剣を手でつかむことなく、そのまま――
「今度は受け取れよキリト!!」
――柄を蹴り上げ先ほどとは比較にならないほどの速度でキリトに迫る。
最早キリトに対する攻撃だ。
それを難なくつかむキリトに、小さく舌打ちをする心の汚い奴は流石に居なかった。
二人の剣を重ね、それはもはや小さな流星。
開かずの扉に向かって一直線に伸びる光の突進は、容易に群がるガーディアンを突き抜け、天井に消えていった。
「あんなんで突破できるなら最初からそうしてくんねぇかな」
「リク、物事には順序があってだね」
「また第四の壁突破してんのかローキ」
「よし、そしたらば今度はウサギか」
「ほわい!?」
いきなりのニンジャの提案に、自分の事を指さして何事かと動転するウサギを他所に、他三人は再び得物を構えた。
「ちょちょちょ待った!! なんで俺も行くことになってんの?」
「はぁ? お前こそ行かなくていいのか? 直接運営に物申せるチャンスだぞ」
それは、まさにニンジャが宿を出る際にウサギに聞いてきた事をくみ取っての事だった。
恐らく、この四人の中で一番腹にため込んでいるのはウサギだと。
自分の事棚に上げて…ではなく、誰もがそう思ってウサギに行って来いと。そしてスッキリして戻って来いと背中を押す。
「やっぱりバレるもんなの?」
「何年の付き合いだと思ってんだ」
「そりゃね、分かるよ」
「ってことだそうだよ?」
「―――」
暫らくの沈黙の後。
「リク」
決意の固まったウサギの視線は、既に上空のガーディアン…その先の開かずの扉に向けられていた。
「あいよ」
そう返事をするリクは、自身の斧の腹を上に向けて構えだす。
それは振り上げの体制。
「扉は多分開かない、ただのオブジェクトなはずだ…お前には関係ないだろうけどな」
「ALOでまだ壁抜け成功したことないんだけど」
「ベニヤ板先輩完全に操ってるお前に言われても説得力無い」
「わおブッツケ本番」
「逝ってこい」
「字が」
もはや信頼なのか死んで来いと見送ってるのか分からないが、リクの斧の腹に両足を付けたウサギを確認し、そのまま全力全開。持てるすべてのパワー的ステータスをフル稼働してウサギを上に飛ばす。
「スパロボでこんな感じのあったよね」
「俺はDグレのシーンを思い出した」
と同時にウサギも持てるすべてを使ってそれを蹴りだし、上空に向かって一直線。
しかし、キリトと違い間合いの短い短剣ではそれほど大立ち回りもできない。
だからこそと言わんばかりに、ウサギは体をうねうねさせ、全身のオブジェクトが震えはじめる。
「おい、まさか」
と打ち上げた張本人であるリクが嫌な予感を覚えるも、時すでに遅し。
「うぉぉおおおおおSAO流奥義!! 『オイシイウメシュ』!!」
どこかで聞いたことある技名を叫びながら、これまたどこかで見たことある大きさに膨張するウサギの姿が。
「またやりやがった」
「BANされてしまえ」
そのまま一直線に扉へ…とはいかず。
ギリギリ届かなかったのか一体のガーディアンが目の前に…。
「うぉああああああじゃまだああああああ」
と、強烈な衝撃音と共に激突。
そのまま一緒に扉へと――。
「あかんぶつかるぅううううううう!」
と、ここで二人仲良くもみくちゃになりながらも体制を整え、しかしこのままではいかんと判断したウサギがとった行動は…。
「だぁああああ食らえキン肉バスター!!」
NPCに対しての突然のプロレス業である。
「やりやがった」
「やりやがったね」
そのまま一直線へ扉に着地…のはずが、キリトが恐らくつけたのであろう扉の切り傷の上に着地――――からの。
凄まじい回転と共に飲み込まれていくウサギ。
「あがががががががが」
ウサギの体が捻じれていきながら扉に吸い込まれていく。
「おほおおおおおおおおこのバグしゅごいのおおおおおおおお」
『汚い』
哀れウサギを見送る、傍観者三人の構図が出来上がった。
感想文でやたらとウサギに告白が来ているのですが。
これってマジ?(錯乱)
あと他の三人も相手してあげてよ。