死を視る王   作:水天宮

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暑いと創作意欲が激減しますね。
とりあえず第四次は終わらせないと……





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触手を斬りおとしながらこの先の行動を思考する。

上空で遊んでいる馬鹿二人と河川敷で待機している連中のことも忘れない。

ライダーと私は、迫ってくる触手を、時に協力して潰していた。

 

 

 

 

 

 

正直なところ、攻めあぐねているが、まだ何とかなっている。

私も魔術で焼いているし、何より征服王は私が作成した宝石剣の贋作を手にしている。

 

 

 

 

だが、足りない。

攻略の糸口となるあと一歩。

 

 

 

 

……聖剣を使うか?

だが、発動前の隙にあの海魔は一気に体積を増やして私を捕食しようとするだろう。

宝石剣も同様だ。安心して真名開放の前準備に勤しむことが出来ない。

 

 

 

 

 

 

「こりゃどうにもならんぞ、セイバー」

「ああ……必要なのは、時間稼ぎだな」

「? どういうことだよ?」

「例えばだが、私の聖剣ならアレを丸ごと潰すのもたやすい。だが、発動前に大きな隙がある。そこを突かれて捕食されるわけにはいかない」

「なるほど、故に「時間稼ぎ」が必要である、というわけか。──よし。一度引き上げるぞ。改めて策を考え直す」

 

 

 

 

 

ライダーの提言に頷き、二人で河川敷を目指した。

その間にも大量の触手が蠢き伸びてきたが、それもすべてを潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

────いいえ、いいえ。いかせませんよジャンヌ。

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、凍るほどに冷たい舌で背筋を一気になめられたような心地を味わった。

ひゅ、と私の喉から間抜けな息が漏れるのが耳に入った。

ライダーは振り返って眼を見開き、同乗しているマスターは余りの恐怖に悲鳴を上げていた。

 

 

 

 

一本の触手が私たちを潰そうと迫ってくる。

ぷし、と先端から毒々しい色の魔力が吹き出し始める。

……間違いない。この色は、森で辛酸をなめた呪詛の魔力だ。

 

 

 

 

 

 

────貴方もまた、私がもてなさなくてはならない客人なのですから。

 

 

 

 

 

「先に行けライダー! あの噴出しているのは吸うなよ!」

「貴様はどうするのだ!」

「無論、撤退だ。もっとも……殿(しんがり)だがな!」

 

 

 

 

たった二騎で殿というのも可笑しな話だが、役割としては正しいだろう。

とにかくあの呪詛をどうにかしなければならない。

 

 

 

 

 

 

Magic Ammunition,Begining(魔砲、始動)────Full firing(全弾発射)!!!!」

 

 

轟音を立てて魔力の塊が超高速で触手とぶつかり爆ぜ散る。

しかし、崩壊した触手が一気に黒と赤と紫が毒々しく混じり合った魔力へと解けてしまう。

 

 

 

「中々やるなキャスター……風王鉄槌(ストライク・エア)!!!」

 

 

 

突風で吹き飛ばし、呪詛を退け視界を確保し、水面に着地した。

 

……逃げられるだろうか。

もし河川敷までたどり着いても、あの呪詛まで飛んで来れば元も子もない。

幸いにも奴の狙いは私一人、ここにいれば待機している彼らに危険は降ってこない。

 

 

 

 

 

「まったく……仕方あるまい。いいだろう、私が相手だ、キャスター」

 

 

そう呟いて、剣を構え、魔力放出で海魔めがけて跳躍した。

 

魔眼を起動。

触手に絡みつく蔦のように走っている青い線を丁寧に、そして素早く斬りつけ(殺し)ていく。

霧散して呪詛の魔力にはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

────ジャンヌ。誰よりも気高く、貴き潔白の聖女。

 

 

 

声が聞こえる。

私はその声に応えない。ただひたすら、剣を振るう。

 

 

 

 

 

────その姿に希望を抱いた。その声に祝福を感じた。

 

 

────在りし日の栄光。あの美しかった日々。

 

 

────私は……それを……貴方を……

 

 

 

 

「? ……何だ?」

 

 

 

触手の速度が落ちている。

あれほど猛烈に向かってきていたというのに、のろのろと動きが遅い。

だが、確実に私を囲んでいる。

斬りおとそうと近付けば、確実に私を屠ろうと牙をむくだろう。

 

 

 

 

風王(ストライク)────」

 

 

 

 

……嫌な予感は、的中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────貴方を…………この手で、穢して、嬲って、殺したくてたまらない!!!!!

 

 

 

 

 

次の瞬間、取り囲んでいた触手が一気に魔力へと霧散した。

 

 

 

 

「──、鉄槌(エア)ッ!!!!」

 

 

 

回転斬りの要領で風によって魔力を吹き飛ばす。

しかし、一度は遠ざかった呪詛はまるで生きているかのようにその形を変え、刃と弾に変化した。

刃、そして弾の形をした呪詛が一斉に放たれる。

 

 

「っ……さすがは軍師……!」

 

 

思わず賛辞を呈するほどにこの戦術は完璧だ。

何が問題かというと、この呪詛は「当たらない」のだ。

この弾幕は、私を避けるように張られている。

少しでも動こうものならすぐ横を突っ切る呪詛の餌食となるだろう。

 

 

つまり、()()()()()()()()

 

 

 

 

 

故に、もし致命的な一撃が飛んできても、対処をすることは非常に困難である。

 

 

 

 

 

 

「ッ────ぐっ……!」

 

 

行動不能に陥った私を喰らおうと死角から飛んでくる細い触手。

我が身を穿つ十数センチメートル手前でどうにか魔力壁を作って押しとどめた。

 

 

 

 

だからこそ、この不意に対応できなかった。

 

 

 

 

 

 

バシュッ!

 

 

 

 

「!? っ──う、ゴホッ、カハッ……」

 

 

 

呪詛が眼前を通り過ぎる瞬間、爆散して目の前に黒と赤と紫の魔力が立ち込める。

アインツベルンでの戦いである程度の耐性が付いたのか、前回ほどひどい症状は無い。

 

 

 

 

 

すでに迫っていた二本目の触手は本当にどうしようもなかった。

 

 

 

 

 

「ガフッ?!」

 

 

 

腹に異物感、そして痛みと熱。じわじわと痺れが滲んでいく。

それらを認識した刹那、一本目に背後から貫かれるのが分かった。

 

 

 

 

次に両腕、そして両脚。

糸で縫うように一本の触手が何度も肢体を貫く。

とどめとばかりに呪詛の弾幕が一気に我が身へと殺到した。

 

 

 

肉体の奥底から焼け焦げるほどの熱が生まれる。

恐らく、まだ残っていた前回の呪詛だろう。

 

 

 

 

 

第六感は言わずもがな、五感はほとんど機能していない。

突き立つ触手から煮えたぎる毒の蜜が送られているかのようだ。

口からこぼれる温い鉄の味をした液体は、本当に血液なのだろうか。

 

 

 

 

「……いや……まだだ……!」

 

 

 

力を振り絞り、魔力を一気に放出する。

それだけで絡み貫いていた触手は一気に跡形もなく消滅した。

体中に穴を開けたまま、空中に放り出される。

だが、触手はそれを許さないとばかりに再び私を貫こうと上下から襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────セイバァァァアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 

不意に、機能しない聴覚にまで届くほどの大音量が夜に響いた。

誰の声だったかと頭を巡らせる前に多少手荒ながらもしっかりと抱きとめられる。

 

 

 

 

 

「……先輩?」

「ああ、俺だ。意識はまだあるようだな」

 

 

 

 

そうしてランサーは静かに着地した。

視線を動かせば、そこはライダーの戦車であるということが分かる。

マスターの少年はさすがに置いてきたらしい。

 

 

 

「手早く済ませろよランサー。そう長くおられんぞ」

「分かっている。──セイバー、少し衝撃が来るが、耐えてくれ。すまない」

 

 

 

左腕で私を支えているランサーは、よく見れば右手に宝石剣を持っている。

なるほど。ソレで吹き飛ばすと。

ランサーが剣を海魔に向けると、宝石剣が七色の燐光を纏う純白の輝きを纏う。

 

 

 

 

 

Es last frei.Werkzug(解放、斬撃)────!」

 

 

 

すぐ傍まで迫っていた触手が光に呑み込まれた。

黒と赤と紫の魔力も純白に塗り替えられていった。

 

 

 

 

Es last frei.EileSalve(解放、一斉射撃)────!」

 

 

 

再び放たれる純白の光が触手を薙ぎ切っていく。

宝石剣を操るランサーの横顔を盗み見るが、やはり霞んだ視界ではよく分からない。

ただ、何となく、静かに激怒しているようだった。

 

 

 

 

 

 

「ははは……力強いな騎士よ! 余も負けてられんわ! 遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)ォォオ!!!」

Eine,Zwei,RandVerschwinden(接続、解放、大斬撃)────!」

 

 

 

特大の光と、雷光を残して、三人の英雄を乗せた戦車は撤退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先どのような策を講じるにしろ、必要なのは「時間稼ぎ」である。

それには征服王の軍勢召喚固有結界が使えるだろう。

とはいえ、精々が数分の足止め程度。あの巨大生命体を完全に討つなどもってのほか。

 

 

 

 

────そこを、我が聖剣によって消し飛ばす。

 

 

 

 

私たちはそのような策を立てて、真っ先にライダーは駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイバー、しっかりして! 貴方がここで倒れるはずがないでしょう!」

「っ……ぅ」

「クソ、何だよコレ──どうやって治すんだよ……!」

「なるほど。中国系の呪術か……学問ではない、などと言われているが、まさかサーヴァントに有効だとは。さすがに予想外だ」

 

 

 

河川敷の草地に横たわった私をとりまく三人の魔術師。

ありがたいことに一応は敵対関係にあるライダーとランサーのマスターまで治療に参加している。

それでも手に負えないほどに現在の私は悲惨な状態にあるらしい。

 

 

 

 

 

 

「致し方あるまい……ランサー。少し来たまえ」

「は……しかし、俺に治癒の術は……」

「知っている。使うのはその剣だ。あまり好ましい手段ではないがな」

「──あぁ、なるほど。確かに、それなら治るだろうな」

 

 

 

 

 

平行世界から膨大な魔力を供給する宝石剣。

原典(オリジナル)はただ光の斬撃を生み出すのみの補助礼装、しかし私が作成した贋作はそれ以外の用途にも扱える。実質、極小規模の聖杯といっても過言ではない。

要は膨大な魔力によるゴリ押しで治療。これまで見てきた彼の人柄から察するに、確かに好みそうではない。だがそれしかないのだろう、と他人事のように考える。

それなりに回復した視界で渋い顔のアーチボルトを確認する。彼にとっては、頭が痛いどころの話ではないと思う。仕方ない、とため息をついていた。

 

 

 

 

「先生は、やらないんですね」

「私が土壇場で扱うよりある程度使い慣れたランサーが安全だろう」

「──承知いたしました。このランサー、必ずやセイバーを完治させましょう」

 

 

 

 

 

 

 

……もう彼らを討つことはできない。

単なる救助ならともかく、瀕死の重傷を治療までされた。なのに何食わぬ顔で剣を向けるなど、出来るのは多分衛宮切嗣だけだ。

いや、もしかしたらまだいるかもしれない。けれど、私にはできない。

 

 

 

 

 

 

「先輩、ありがとう」

「気にするな」

 

 

 

 

彼等に任せてしまおう。

宝石剣から流れる魔力が少し心地いい。

 

 

 

 

 

 

 

ふと、上空に視線を移すと、二機の飛行物体が天空を縦横無尽に駆け巡っているのが見えた。

 

 

 

 

 

「……まったく、あのバカが」

「セイバー?」

「いや、なんでもない」

 

 

 

 

 

ランスロットの行動に思わず悪態をついたものの、アーチャーを攻撃する指示は、恐らく間桐雁夜によるものだろう。

一概に彼が悪い、という訳ではないが、それでも複雑な感情を味わってしまう。

……キャメロットにおける誉れ高き湖の騎士としての彼しか見たことがないからだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても英雄王は本気で何しにきたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急降下する漆黒の機体を眺める。

海魔にぶつかりそうになった次の瞬間、征服王の固有結界に取り込まれて巨影が消えた。

ランスロットの操る飛行機はそのまま地上近くで方向転換し、私たちの前を通り過ぎて行った。

 

 

 

 

 

「──、ぐっ……」

「うわぁっ!」

「きゃ……っ」

 

 

 

 

強烈な突風が正面からぶつかってくる。

……自分の表情が基本的に、というより、ほとんど変わらない自覚はあるものの、今回ばかりは引き攣っている自信があった。

英雄王といい、この男といい、やる気がないのなら帰ってほしい。

 

 

 

 

 

「……先輩、一つ頼みがある」

「どうした?」

「ランスロット。奴がもし目に余るようなら、宝具化をその赤い槍で解除して欲しい」

「貴様の騎士ではなかったのか?」

「この状況で過去の因縁を持ち出すほど暇ではない。遠慮はいらないからな」

 

 

 

 

 

一瞬、小さな爆炎が視界に映る。

数十秒後、また小さい焔が落ちていくのが見えた。

間桐雁夜と遠坂時臣だろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったぞセイバー」

「ん──感謝する。この恩はいずれまた……」

「律儀だな」

 

 

さすがに倉庫街でランサーの黄薔薇につけられた傷は治っていないが、それでも十分だ。

地を駆け、天を飛び、剣術に魔術を手繰り、聖剣を発動することに問題はない。

 

 

 

 

 

次の瞬間、アイリスフィールの服から電子音が鳴り響いた。

 

 

 

「……あ、えっと、どうしたらいいのかしら……」

「ったく……魔術師殺しだろ? ちょっと貸せよ」

 

 

 

 

アイリスフィールから通信機を渡された少年は、そのままマスターとの会話をし始める。

……内容は、「ライダーの固有結界を解除した際、中身を狙った場所に落とせるか」どうか、だ。

少年の答えは「主導権はライダーに在るため、ある程度、百メートルの範囲で可能」だった。

 

 

 

「──まぁ、マスターのことだから、信号弾の一つや二つ、持っていてもおかしくはないか」

 

 

 

戦場を渡り歩いた歴戦の傭兵。

それが我がマスター、衛宮切嗣。

 

 

 

 

 

 

「策はなったのかね?」

「……そう、ですね。セイバーのマスターが示した信号に合わせて、固有結界を解除して」

「そこを我が聖剣でもって叩き潰す。これならいけるだろう」

 

 

 

 

 

アーチボルトの問いに少年が答え、そして私が続ける。

ということは、マスターが乗っていた船は緩衝剤代わりだったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、行くか」

 

 

 

宝剣をしまい、聖剣を呼び出し、纏わせていた風の鞘を全て取り払う。

現れるのは、黄金の輝きを剣の形にした至高の聖剣。

三人のマスターと一人のサーヴァントが、其々感嘆に息をのんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、上空から高速で移動する気配を感じた。

思考を戦闘へ瞬時に切り替え、一気に川へと走り抜ける。

 

 

 

 

 

「AAAAAAAAAAAAAAAAArrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ランスロットの咆哮が尾を引いている。

同時に、戦闘機の装備が火を噴き始めた。

その後を黄金の機体が追いかけるも、背後には目もくれないヤツの攻撃に晒されている。

恐らく爆弾の類だろう。

アーチャーはそのまま放置して、私に攻撃を仕掛けているランスロット。

 

 

 

 

 

……潰すか?

いや、聖剣の発動が控えているこの状況で、多大な魔力消費は控えたい。

ならやはり、先ほど頼んだランサーに任せるしかないだろう。

猛烈な弾幕が途切れた一瞬、河川敷へ振り返り、ランサーを見据えながらランスロットを指差す。

それだけで意味は伝わったらしい。

数秒後には戦闘機が崩壊し、二つの人影が落ちていくのが確認できた。

 

 

 

 

だが、人影の一つは物々しい銃火器を携えていた。

 

 

 

「っ──本当に空気が読めないな貴様は!」

 

 

 

 

理性なき男に私の悪態は届かない。

再び弾幕を張ろうとガトリングの銃口が私に向けられる。

 

 

 

だが、突然、無数の武器がランスロットめがけて飛んできた。

刃が次々にランスロットを切りつけ、銃火器を二つに分け、爆発にランスロットは飲まれた。

 

 

 

 

「……英雄王」

 

 

冬木大橋に立つ黄金の鎧を確認できた。

……さすがにまだ死んではいないだろう。恐らく、次に会う時こそ決着の時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターの信号弾が上がった。

数秒後には、その真下めがけて上空から巨大な影が落ちてきた。

戦車が宙を駆けているのが見える。

 

 

 

 

 

幾つもの視線を感じる。

聖杯戦争の参加者だけではない。野次馬達の視線も集めていると感じた。

 

 

 

 

「舞台は整った。願望を諦める覚悟はいいな、ジル・ド・レェ」

 

 

 

 

 

 

天へ聖剣の切先を向ける。

星の煌めきを持った粒子が草から、水から、溢れて剣へと集っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、それと────私は聖女ではなく王だ。今度こそ、間違えるなよ」

 

 

 

 

 

 

 

刀身から光があふれる。

水面を踏みしめ、息を吐き、柄を握りしめる。

 

 

 

 

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)──────────ァァァァァアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極大の光柱が天と水面を貫いている。

幾億もの星々を束ねたような余りにも眩しいその輝きに、ライダーは思わずため息をついた。

その悲しいほどの美しさと、いっそ痛ましく思えるほどの尊さ。

そして何より、亡霊のような赤子と称された騎士王の人生そのものに。

 

 

 

 

だが、アーチャーは最高の娯楽を見つけたかのように喜悦の笑みを浮かべていた。

見ているこちらが苦しく感じるほどの在り方に、愛しいと口にした。

恐らく生前の散り際に流しただろう涙は、どれだけ甘美な味を含んでいたのだろうか、と。

 

 

 

 

 

 

この冬木に集った三人の王。

彼らの信念が、重なることは決してない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

お待たせしました。

 

 

 

前半のキャスター戦は暗殺教室の夏休み編を参考にしました。

あの作戦、個人的に大好きなんです。

多分どっかでまた使うかもしれませんね。

 

 

 

またしても宝石剣。

光の斬撃オンリーな原典に対して基本なんにでも使えるシキトリアさん製。

ただし魔力量は低い。HF√終盤の投影品が1000なら人によって300~800ぐらい。

 

 

 

ランサー陣営生存確定。

散々悩みましたがこの方針でいくことにしました。

まぁ正確にはケイネス先生が、ですが。

ランサーはサーヴァントらしく聖杯戦争のみの活動とします。

 

 

 

まだあと一つ悩んでることがありますが、とにかく続けたいと思います。

 

 

 


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