この素晴らしい世界に殺人貴を!   作:朎〜Rea〜

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なんか、勢いだけで書いてしまいました。今回は駄文中の駄文です(´・ω・`)

もう、意味がわからないかも知れません。許してください、ほんと……




正義の味方 誰の味方?

「出涸らし女神が……運ばれてくよー……きーっとこのまま……売られて行ーくーよー……」

「もう街中なんだからその歌は止めてくれ。というか、いい加減出てこいよ」

 

 現在、うちの駄女神ことアクア様は、檻の中で座り込んでいる。檻自体は、馬に引かせているから問題は無いのだけれど、周りの目がなかなかに刺さる。

 

 カズマ君の言うとおりに檻から出てくれれば、なんの苦労もないのだけど……

 

「嫌。この中こそ、私の聖域よ」

 

 この通り、女神様は病んでいる。というのも、今日行ったクエストが問題だ。

 

 そのクエストというのは、湖の水質が悪くなりブルータルアリゲーターが住みつき始めたので水の浄化して欲しいとのことだった。

 

 もともと、アクアが借金のためカズマに泣きついてきたことから始まったのではあるが、アクアを檻に入れ、湖の真ん中に檻を置いたのであった。事実、アクアはアリゲーターから襲われることなく、湖の浄化に専念できてはいたのだが、現実はそう甘くもない。

 

 檻に入っているアクアを食おうと、アリゲーターは檻を攻撃したわけだ。

 

 おかげで、檻と檻の中にいたアクアの心はボロボロである。あんな中、よく湖を浄化出来たものだ。やはり、腐っても女神なのだろう。

 

「女神様じゃないですか! 何をしているのですかこんな所で!」

 

 誰だろう。フルプレートの青年が寄ってくる。そして、檻を手でこじ開けた。

 

 なにごとっ!?

 

「おい、私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ?」

 

 ダクネスがアクアに近づく青年を止める。

 

 しかし、ダクネスが珍しくまともなことを言っている気がする。

 

「あれ、お前の知り合いだろ? 女神とか言ってたし」

「女神…? ……そうよ、女神よ私は!」

 

 女神様は急に元気になる。まさか、自分が女神だということを忘れていたのだろうか……

 

「さぁ、女神の私に何の用かしら!? ……あんた誰?」

「僕ですミツルギ・キョウヤですよ!

あなたに魔剣グラムを頂きこの世界へ転生した!」

「……? あぁ、いたわねそんな人も!

結構な数の人を送ったし忘れてたってしょうがないわよね!」

 

 しょうがなくはないだろ。いや、逆に仕事をしっかりしてきたってことなのか……?

 

「お久しぶりですアクア様。あなたに選ばれし勇者として、日々頑張っていますよ。ところで、アクア様は何故檻の中に閉じ込められていたのですか?」

 

 それは、本人が檻から出たがらなかったためである。

 

 カズマ君はあったことを一点の間違いもなく話した。

 

「はぁ!? 女神様をこの世界に引きずり込んでしかも檻に閉じ込めて湖に漬けた? 君はいったい何を考えてるんですか!?」

 

 ミツルギという男は、カズマに掴みかかる。

 

 間違ってはいないけれど、言い方がなかなか酷い。事実であるから、何も言い返せないのが事実なのではあるが……

 

 にしても、アクアはカズマ君の特典だったのか……とんだ貧乏くじだったというわけだ。

 

「ちょ、ちょっと! 私としては結構楽しい日々を送ってるしここに連れてこられた事はもう気にしてないし」

 

 アクアは助け舟を出す。

 

 しかし、この女神。この世界に無理やり連れてこられ、楽しんでいるとはなかなか逞しいな……

 

「アクア様、この男にどう丸め込まれたか知りませんが、あなたは女神ですよ? それがこんな……」

 

 なるほど。アクアにも信者はいるという事か。それにしても、言いたい放題だな。

 

「ちなみにアクア様は今どこに寝泊まりしてるんです?」

「えっと……馬小屋で」

「は……?」

 

 カズマを掴む力が一層強くなるミツルギ。

 

「おい、いい加減その手を離せ。礼儀知らずにもほどがあるだろう」

「ちょっと撃ちたくなってきました」

 

 ダクネスが珍しくまともである。めぐみんはミツルギという男が気に入らないらしく、杖を構える。

 

「それは辞めてやれ。カズマ君も死ぬ。しかし、このクルセイダーの言う通りだ。いくら、君の尊敬する女神様が乱暴に扱われているからと、無礼すぎるんじゃないか?」

 

 こんなところで爆裂魔法を撃たれては、俺の命まで危ない。めぐみんを宥めるついでに、ミツルギにも忠告しておく。

 

「君たちは、クルセイダーにアークウィザード、アサシンか。なるほど、パーティーメンバーには恵まれているんだね。君はこんな優秀そうな人達がいるのに、アクア様を馬小屋で寝泊まりさせて、恥ずかしいと思わないのか?」

 

 どんどんカズマ君の顔が歪んでいくのがわかる。それもそうだ、このミツルギ青年はカズマ君の苦労など一つも知らないのだから。

 

「君たち、これからはソードマスターの僕と一緒にくるといい。高級な装備品も買い揃えてあげよう」

 

 なんだろうこの人間。なんていうか、すごく気に食わない。

 

「ちょっとやばいんですけど。あの人、ホントひくくらいやばいんですけど。ナルシストも入ってる系で怖いんですけど」

 

 それは、アクアも同じらしい。

 

「どうしよう。あの男は生理的に受け付けない。攻めるより受けるのが好きな私だが、あいつだけは無性に殴りたいのだが……」

 

 ダクネスに至っては、引いている。ミツルギはなかなか才能があるのかもしれない。

 

「撃っていいですか? 撃っていいですか?」

「だから、やめなさい。街が壊れるだろ? 何かあったら俺がやるから安心しろ」

 

 杖を構えているめぐみんに軽くチョップをする。

 

「えーと、満場一致であなたのパーティには行きたくないみたいです。じゃ、これで」

 

 俺達はミツルギに背を向け、歩きだす。

 

「待て。悪いがアクア様をこんな境遇に置いてはおけない!」

 

 しかし、回り込まれてしまう。

 

「勝負をしないか? 僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら何でも一つ言う事を聞こうじゃないか」

 

 カズマ君はこうなることを予想していたのか、少し口元が歪んだ気がする。

 

「よし乗った、行くぞ!」

 

 間髪入れずに、カズマ君は件を抜き、ミツルギに切りかかる。

 

「ちょっ!?  待っ……」

 

 もちろん、ミツルギはカズマ君との距離をとるが──

 

「スティールッ!!」

 

 魔剣グラムのスティールに成功したカズマ君は魔剣グラムの腹をミツルギの頭に落とした。

 

 スティールって、パンツしか盗まないと思っていたのだが、案外カズマ君が思ったものが盗めるのかもしれない。これも、彼の幸運あってのものか。

 

「グラムを返しなさい! グラムはキョウヤにしか使えないんだから!」

 

 ミツルギのパーティーメンバーが 

 

「……マジで?」

「魔剣グラムはその痛い人専用よ」

 

 アクア曰く、どうやら事実らしい。

 

「まぁせっかくだしもらっとくか」

 

 さすがはカズマ君。貰えるものは貰っておく精神が凄い。

 

「ちょ、ちょっと!」

「こんな勝ち方私達は認めない!」

「真の男女平等主義者な俺は女の子相手でもドロップキックを喰らわせられる男。手加減してもらえると思うなよ?公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ」

 

 カズマ君の手つきは、犯罪者そのものだった。ミツルギのパーティーメンバーの女子ふたりはかなり引いている様子。

 

「ま、待てっ! 今のはノーカウントだ。正々堂々と戦え、この卑怯者っ!」

 

 気絶していたミツルギが目を覚ましたらしい。傍観者に徹底していたが、そろそろ腹が立ってきた。なんて惨めなんだろう。

 

「いい加減にしろ。アンタは勝負と言ったが、開始の交渉はしていないだろう? 負けは負けだ。カズマ君を卑怯だというのなら、ソードマスターが冒険者に決闘をふっかけること自体卑怯だろう。それ以上言うなら、俺が相手になる」

 

 眼鏡を外し、ナイフを抜く。

 

「志貴さん、あいつは勝つまで言い寄ってくるタイプですよ。無視するのが一番です」

「志貴さん志貴さん。殺しはいけないのよ? いくら私がアークプリーストでも、志貴が殺した人を生き返らせるのは難しいわよ?」

「志貴、弱いものいじめはいけませんよ?」

「まて、志貴。その本気は私に向けてもらえないだろうか?」

 

「上等だ。クレメア、剣を貸してくれないか?」

 

 ミツルギは同じパーティーのクレメアという少女から剣を借り受ける。

 

「このコインが地面に落ちたら開始だ。それでいいな?」

 

 ミツルギが頷いたのを確認すると、コインをトスする。

 

 腰を低くかがめ、地面についた瞬間、俺を地面を強く蹴った。

 

 『閃走・六兎』

 

 瞬時に同じ箇所目掛けて蹴りを六発叩き込む七夜の体術である。それを、腹部めがけて叩き込む。

 

「勝負ありだ」

 

 ミツルギは腹を抱え、地面に倒れ込む。たが──

 

「僕は勇者だ…… こんなところで負ける訳にはいかないんだっ! この世界を……全部を救うとアクア様に誓ったんだっ!!」

 

 さすがはソードマスター。あれを直にくらって立ち上がるとは思わなかった。

 

「全部を救う、ね。さすがは勇者様。感心するよ。だけど、それは傲慢だ。人は何かを救えても、全部を救うことなんてできない」

 

 そう。俺は、秋葉を救うために、自分を殺した。それが、秋葉を救うための唯一の方法だと考えた。だけど、秋葉は救われたのだろうか……? 俺は救われたのだろえか……?

 

 秋葉はきっと俺のいない世界で、一生懸命生きている。そう思いたい。そう思うことで、俺は今、どうにか救われている。秋葉の元気な姿を思い浮かべることで救われている。

 

 だけど、秋葉は救われたのだろうか? 確かに、俺は秋葉を救ったと思う。だけど、その後は? 翡翠は? 琥珀さんは? 有彦は? シエル先輩は? みんなは? 

 

 救ったつもりが、みんなを悲しませる結果になっている。

 

 俺は人の死の上に立ちながら、死を選んだ。

 

 なんて、傲慢……

 

 誰もかもが救われる世界。それは確かに理想郷だ。だけど、そんな世界はありえない。

 

 それは、夢物語なのだから……

 

「僕は……間違っていない!」

「それが間違いなんだよ……」

 

 俺は、あの子を救うための方法は他にもあったかもしれない。だけど、俺はあの子を殺すことであの子を救った。

 

 今にも夢に見る。あれは、間違いだっんじゃないか。他に道はあったんじゃないか、と。

 

 斬りかかってくる、ミツルギの剣、そしてアーマープレートを殺した。

 

「勝負ありだ。これで文句はないだろ? これ以上何か言うなら、その肉体も切り刻むと思え」

 

 ミツルギは脱力し、その場に倒れ込んだ。

 

「ほら、みんな。帰るぞ」

 

 俺達は、ここで各自解散となった。




もう何も言うことは無い……

今回、ホントはベルティア戦をやるつもりだったのですが、思ったよりミツルギ戦が長くなりました……

駄文でごめんなさい(´・ω・`)

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