この素晴らしい世界に殺人貴を!   作:朎〜Rea〜

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本当は今日はお休みしようと思ったのだけれど、思ったより筆が走ったため、掲載です!

ていうか、月姫効果か、このすば効果かは分からないけれど、お気に入りとかの数がやばい事になってる(歓喜)

感想も来ていて、私のモチベマシマシなうですよ!
いつまで続くかわかりませんがねっ!!


夢というのは甘美で儚いものである

「ここは……?」

 

 それは、見たことがある風景。俺にとって、当たり前だった風景。

 

 俺が自害する前にいた町、三咲町だ。

 

「どうなってる? 俺は夢でも見ているのか?」

 

 眼鏡を外し、目をこする。

 

「線がない……?」

 

 直死の魔眼が無くなっている? 裸眼でも、世界が正常である。

 

「よお、遠野。どうしたんだ、ぼうっとしてよ」

 

 一人で悩んでいると、後ろから背を叩かれる。

 

「有彦……」

「おいおい、どうしたんだよ。死人でも見てるような顔してるぞ? 秋葉ちゃん、兄貴大丈夫か?」

「兄さんが惚けているのはいつもの事です。放っておいても問題ないでしょう」

「……秋葉?」

「って、ほんとにどうしたんですか? 熱でもあるんじゃ……っ!?」

 

 俺は秋葉に抱きついていた。

 

「に、兄さん!? 時と場所を考えてくださいっ!! いい加減に……しなさいっ!!!!」

 

 げんこつが飛んできた。なかなか、いいものを持っている……

 

「おい、遠野。お前はシスコンだとは思っていたがそれほど重度だったのかよ……秋葉ちゃん、病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか?」

「それもそうですね。検討しておきましょう」

 

 顔を赤らめ、踵を返す秋葉。

 

「ごめんごめん、悪かったって。なんか、こう……急に秋葉のことがね……」

 

 言葉に出来ない感情。それが、溢れ出てしまったのは否定出来ない。

 

「知りません。帰ったらお仕置きです!」

 

 秋葉はスタスタと学校に向かう。しかし、その姿すら愛おしい……

 

 ああ、俺はそれほど秋葉のことを……

 

「遠野、お前本当にどうしたんだよ?」

「いや、何でもない」

「ならいいんだけどよ。ほら、ガッコ行くぞ」

 

────────────────────────────昼休み

 

「遠野くん、遅かったじゃないですか。私、ずっと待ってたんですよ!?」

「シエル先輩、いい加減に兄さんにひっつくのはやめてくれませんか? はっきり言って迷惑です」

「あら、遠野くんは迷惑じゃありませんよね? あ、カレー食べますか?」

 

────────────────────────────放課後

 

「それじゃあ、遠野くん。また明日ね」

 

────────────────────────────遠野邸玄関

 

「お帰りなさい志貴さん。ご飯にします? お風呂にします? それとも、秋葉様?」

「ちょっ!? 琥珀!? 何を言ってるの!?」

「あらあら、秋葉様。そんなに顔を赤くしてどうなされたんですか?」

「姉さん、なかなか悪い顔をしています」

 

────────────────────────────遠野邸自室

 

 なんという甘い……甘美な生活だろう。これは俺の望んだ普通(幸せ)だ。だけど、俺には普通を得るなんていう資格はない。

 

 これは、夢だ……

 

「あら、察しが良くて助かるわ。これは夢。あなたが見たい夢じゃなくて? いえ、欲しかった未来かしら?」

 

 どこからともなく現れた白い少女はクスクスと笑う。

 

「……君は?」

「そうね……私は夢魔よ」

「夢魔? サキュバスみたいなものか?」

「ええ、そんな所ね。実際、少し違うのだけれどそう思ってもらってかわまないわ」

 

 そういい、少女は椅子にストンと腰を落とす。

 

「どうしてこんな夢を? 君の目的は?」

「ただの嫌がらせよ。なんで私がこんなやつを助けないといけないんだか……」

 

 最後の方はなんといったか聞き取れなかったがどうも、気まぐれでこんな夢を見せられたらしい。

 

「まあ、私の気まぐれよ。悪夢を見せてそれを食べる。それが私。アナタには悪夢(幸福)だったでしょう?」

「それもそうだ。お礼を言っておくよ」

 

 皮肉には皮肉で返してみる。

 

「あら、そろそろ時間ね。私はここでお暇させてもらうわ」

 

 そこで、俺の視界はブラックアウトした。

 

 

 

 

「──き────志貴、起きてください。いつまで寝てるんですか?」

 

 体が揺さぶられる。

 

「志貴、いつまで寝ているのですか? いい加減にしないと、ここで爆裂魔法をブッパしますよ?」

 

 不穏な言葉が聞こえた。

 

「やめてくれ。この宿だけじゃなくて、街が吹っ飛ぶ」

「あ、起きましたね。それにしても、大丈夫ですか……魘されてましたよ? ──って、なんで泣いているんですかっ!?」

「泣いて……?」

 

 頬に何かが伝うのが分かった。手を当ててみると、湿っていた。

 

「ああ、とても嫌な夢を見てしまってね」

「にしては、少し満足そうですね。気持ちが悪いですよ?」

 

 真顔でそんなことを言ってくる。

 

「うるさい。それにしても、何の用だ? めぐみんが俺の宿に来るなんて珍しいじゃないか」

 

 一応、パーティーのメンバーには宿の場所は教えてあるけど、今まできた者はいなかった。

 

「昨日言ったじゃないですか。志貴を爆裂道に誘うために迎えに来たのです!」

「考えておくとは言ったけど、行くとは言ってないぞ?」

「どうせ暇でしょう? 行きましょうよー!」

 

 これは、行かないといつまでも駄々を捏ねられるやつだ。

 

「わかったわかった。行けばいいんだろ?」

 

────────────────────────────古城付近

 

「生きとし生けるもの、全てを殺す爆炎よ、我に集い給う。その世界に残るは我一人。強さは孤独としれ! エクスプロージョンッ!!!」

 

 凄まじい爆発が古城をおそう。

 

「おいおい、こんなのを毎日やっていたのか?」

 

 爆風と音圧が凄まじく、体がビリビリする。

 

「当たり前です。それにしても、今日のはかなりいい感じだったのではないでしょうか?」

「さすがだ、めぐみん。ほぼ満点だ。これで、倒れなかったら格好がつくのにな……」

 

 カズマ君はめぐみんを拾い上げ、背負う。

 

「これが爆裂です。どうですか? 爆裂道を一緒に歩みませんか?」

「残念だけど、俺には無理だな。めぐみんだからできるんだ」

 

 そんな、偏ったスキルの振り方なんてめぐみんくらいしか出来ないだろう。

 

「ふっふっふ……聞きましたか、カズマ? この爆裂魔法は私にだけ許された、最強の魔法なのですっ!!」

「ソッカー、ヨカッタナー」

 

 俺の意図が唯一理解出来ていないめぐみんは満足気だ。

 

「カズマ、なぜ片言なのでしょうか?」

「さあな。ほら、帰るぞー」

 

 カズマはめぐみんを背負ったまま、アクセルの方向へ歩き出す。

 

 爆裂魔法か……あんなの喰らったら一溜りもないだろう。

 

 そう思いながら、俺は古城をみる。

 

「ん……? なにか……」

 

 違和感が拭えなかった。だけど、それが何なのかが全く分からない。

 

「志貴さーん、どうしたんですかー?」

「ああ、すまない。ちょっと考え事をしてた」

 

 そこで、違和感に気づけていたらなら、どれだけ良かったのだろう……

 

 違和感に気がついた時は、既にあとの祭りであった。




今回出てきた夢魔って誰でしょうね(すっとぼけ)
誰の指示なんでしょうね
目的はなんでしょうねぇ……

エクスプロージョンの詠唱は適当に考えました(´・ω・`)なんか、ごめんなさい……

今回は、ただやりたかっただけの回です。許してください、ホント……

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