言い訳はしない!!(死んでました)
課題課題課題で、携帯をいじる暇が……
で!! 今回で、ネコアルク編は終わりです。
さらっと終わらせます。これ以上カオスにしたら取り返しがつかないことになりそうですし(´ ゚ω゚`)
「おっす、元気かさっちん。────ところで、おまえから不幸の匂いがする」
もう、ギルドに居た気が狂いそうだったから、外に避難した。あの場にいたら、ブサイク猫が量産されてしまう。
────と思っていたのだけれど、どうも私に逃げ場というものは無いらしい。
街にくり出て見れば、さつきがブサイク猫に絡まれている様子。面白そうなので少しだけ様子を見てみよう。
「ひ……! だ、誰ですか、そんな失礼かつ本当のコト言う人はー! ……あれ?
初めて見るのに、なんかどこかで会った気がする人だ……」
「うむ、月箱ではお世話になった。格闘デビューも同期だし、貴方とは他人の気がいたしません。惜しむらくはネコ属性が皆無なところか。足りねえよ、さっちん」
なんか、あそことてもメタいわね……
「は、はあ……あの、そろそろ行ってもいいですか?」
「いいよー。なんかSOSサインを受け取ったのにゃが、さっちんじゃごめんなさい。なんつーか、ネコにも覆せぬ運命というものがある」
確かにあの子の運命は過酷なものだ。いつまで経ってもルートが作られないし。お祭りディスクに入れられるはずだったに、これも放置。まさに、可哀想な子……
「ネコさんに断言されるわたしの不幸……! あ、でも、頑張っていればいつかヒロインにしてもらえるって誰かが言ってたよ……?」
「にゃにゃにゃ、そりゃ聖杯でも叶わぬ望み。でもまあ、その建気さがさっちんのイイトコロ。ワタクシ、嫉妬(かんどう)のあまり我を忘れそうです」
菌糸類、今何処ぞの人理修復に忙しいからね。あら、これもメタ発言かしら。
「きゃー、逆ギレキャット!? 違う、
その漢字はかんどうって読まないからー!」
さつきに襲いかかるブサイク猫。しかし、さつきは思いっきりそれを殴りつける。
「あわわわわ……ついやっちゃったけど、大丈夫なのかな……」
「さすがはさっちん……容赦ねぇ……」
うつ伏せになったブサイク猫は顔を上げる。さっきぶん殴られたはずなのにピカピカだ。あの再生能力だけは、認めないとね……
それにしても、困ったわね……
あのナマモノは勝ちはしないけど、負けもしない。厄介すぎる。
「おうおう、SOS信号を出してたのはお前か、ツンデレ」
「ええ、出してるわよ。あんた達のせいでねっ!!」
もうイヤ……本当にもうイヤ……なんで私ばかりこんな目に遭わなければいけないの……?
「あ、レンさん!! このネコさんたちは何なんですかっ!?」
私に気づいたさつきが話しかけてくる。
「私に聞かれてもわからないわよっ! むしろ私が聞きたいわっ!!」
「こっちも逆ギレキャット!?」
「あら、あいつらと同じ表現とか、死にたいのかしら?」
つい右手から冷気が漏れる。
「うそうそ!! 冗談です!!」
「おやおや、レン。そんなところで休憩かい?」
「七夜……そういうあんたは?」
「なに、暇つぶしだよ。あそこにいてもネコしか来ないのでね。ところで、そこのお嬢さん。俺とデートなんてどうだい?」
でたわね、七夜のたらし癖。まあ、本人にはそんな気は全くないというのは分かっているのだけれど。
「おおおお、お嬢さん!? ししし、志貴君、どうしたのっ!?」
「確かに俺は志貴だが、フルネームで呼ばれるととたんに怪しくなる。それで、どうだい、吸血鬼さん?」
不敵な笑みを浮かべる七夜志貴。
「さつき、やめておきなさい。あれの望むのは殺し合いよ。あなたの望む結果にはならないわ」
それがあいつの根本なのだから……
「え……えっ!? 殺し合いっ!? なんでっ!?」
「あいつは七夜志貴。遠野志貴の使われていない部分よ。志貴であることは変わりないけど、無視するに限るわよ」
「そ、そうだね……」
そうは言いつつ、残念そうにするさつき。
「だそうよ、七夜。こんなところでも片思いなんて惨めね」
「そうでもないさ。どこかの素直になれない夢魔さんよりは百倍マシだと思うがね」
やれやれ、とオーバーなリアクションをする七夜。
「へぇ……それって誰のことかしら?」
「さてね。俺は振られた腹いせでもしてくるとするさ」
そう言って、七夜はブサイク猫達を斬りながらどこかに去っていった。
それにしても、本当に手のつけられないことになってきている。ブサイク猫の数は明らかに増えていっているし、このままではアクセルの街が潰れてしまいかねない。
早い段階でブサイク猫達がこちら側に来ている手段を見つけなければ、本当にまずいことになる。
「さつき、店の方はどうなってるの?」
教授がなにか手掛かりを掴めてたらいいのだけれど……
「あ、そうだ! レンさんを呼んでくるようにネロさんが!」
「早く言いなさい! 行くわよ!!」
ところ変わって、ウィズの店。
そこには、椅子に腰掛け、お茶をしている二人のカオス。一方はネロ・カオス。私のよく知る教授だ。テーブルを挟み、教授の正面に座っているもう1人……いや、もう一匹のカオス。
「ふむ、なかなかいいミルクだ」
ティーカップを置く、ネコ・カオス。
「ふざけないでっ!! なんで、あんたまでこっちにいるのよっ!!」
「吾輩が知ったことではない。既に宴は始まっているのだ。もはや、この最凶を止めるすべなどない」
神は非情だった。神様が目の前にいるなら本気で殴りたい気分だ。
あ、女神なら身近にいたわね。今度殴っておきましょう。
「で、教授。私に何か用かしら?」
「それがだな……非常に言い難いのだが、この元凶は我が店の店主ということだそうだ」
「……はっ!?」
意味がわからない。ウィズが黒幕?
リッチーだけど、いいやつだと思って見逃していたのに、恩を仇で返すの? いいわ、やってやるわ。骨の髄まで氷漬けにしてあげるわ……
「その話、詳しく聞いてもいいかしら?」
「勿論だとも。まず、事の始まりだが────」
「ち、ちょっと待った。何であんたが協力的なわけ?」
「他の猫達はこの世界を征服するなどとほざいているが、実際問題無理だし? 吾輩は無理なことはしないタイプなわけ」
なんかこのネコ、相当ドライね……
「あ、そう……」
「それで、詳しい話だが、人外のローブを着た、ウェーブのかかった茶髪の女性に呼び出されたのよ。呼び出された後は好きにしていいですよ、なんて言うから他のNECO達は征服をしようとしているわけだ」
聞いた限り、確かにウィズの容姿に当てはまる。
「で、その女性はどこにいるの?」
「動いていないのであるなら、この街を出たところにいるはずである」
「さつき、ウィズを探しに行くわよ……」
後日聞いた話だけど、この時の私の顔は相当怖かったらしい。
────────────────────────────────
ネコ・カオスの言った通り、アクセルを出てすぐの所にウィズはいた。
右手には、棒状の何か。棒の先は肉球になっている。魔法のステッキというと、そう見えないことは無い。
「ウィズ、そのステッキは何?」
「聞いてください、レンさん!! これ、凄いんですよ! ほら、こうやると────」
ウィズが手に持っていたステッキを振ると、ボン、と音を立て、煙の中からブサイク猫が出てきた。
私は反射的にそれを氷漬けにし、砕く。
「ああ!! なんてことをっ!! 妖精さんたちにはなんの罪もないのにっ!!」
「アイツらには罪しかないわよっ! それとも、ウィズ? あなたが代わりにその罪を負うの?」
全身から冷気が漏れ出す。周りの気温が下がったのか、さつきの息は白くなる。
「ちょっと、レンさん!? それ、冗談じゃすみませんからっ!!」
「生憎と、私は冗談が嫌いよ?」
「怖ぇ、キれた白猫超怖ぇ」
「うるさいわよ、少し黙っててもらえる?」
「ていうか誰だ誰だ? ウィズの姉さんの場所をこいつらに教えたのは?」
「黒い方のあなただけど?」
「あちしのパチモン……この借りは高くつくぜぇ……」
「とりあえず、ウィズ。そのステッキ、渡してもらおうかしら?」
「い、嫌ですぅ! 高かったんですから!!」
この貧乏店主。どうしてこうも不要なものを買ってくるのかが気になるところである。
「いいから寄越しなさい! って、届かないでしょうがっ!」
ウィズはステッキを高くあげる。奪おうとするけれど、身長差で届かない……
「おねがいしますぅ! 何でもしますからこれだけはぁ!!」
「分かったわよ。いくらで買ったの? それ」
「50万エリスですけど……」
この瞬間。私の中で、ウィズは馬鹿であるということが決定した。何でこんな得体の知れないステッキなんかにそんな大金を叩けるのだろうか……?
「分かったわ……100万エリスよ。それでいいでしょう?」
ウィズを納得させるにはこの方法しかない。少し痛手ではあるけれど、以前のキャベツ狩りで割と稼いでいるから、問題は無い……はずだ。
「いいんですかっ!?」
そういうことで、ウィズからステッキを受け取り、へし折る。100万エリスを
その行為は半ば適当だったのだけれど、効果はあったようで、ブサイク猫達は次第に透明になり、来てえていった。
これで、事件解決。ギルドに戻った時には、志貴は遠野志貴に戻っており、ここ数時間の記憶が無くなっていたらしい。
最後に、私は軽くアクアに氷の礫を落としておいた。もちろん、理不尽すぎる攻撃に納得いっていないようだったため、上司にでも渡しておいて、とだけ言ってみた。
後ろから気持ち悪い視線を感じたのは気のせいでしょう……
もう、カオス!!
こういうの好きですけどね!!
次回はまだ考えてません!!
感想等お待ちしてるよっ!!