お辞儀はどう頑張るのか?
ハリー・ポッターやダンブルドアはどう行動するのか?
そしてレナード・テイラーは?
それでは6章 更なる先へ
73話どうぞ。
73. 闇の侵攻
イギリス首相官邸
イギリスのトップである首相は執務室で頭を抱えていた。処理しなければならない書類が山のようにあるがほとんど作業が進まない。
(いったいどうすれば良いと言うのだ……。)
魔法。魔法使い。
科学技術が発達した現代ではそんな存在はおとぎ話やファンタジーの中だけの空想の存在だ。
そのはずだった。
事実、首相はその座に着くまでそんなモノが現実に存在しているなど欠片も信じていなかった。
だが、前任の首相から代々首相のみに伝えられているという事実がそれを覆した。
魔法は存在している。
魔法使いは普通の人々から隠れながら暮らしているということだ。
一度だけ、魔法使いのトップと会ったが普通はお互いのトップが入れ替わるたびに面会する程度でその繋がりはないも同然だった。
しかしトップが交代し、ルーファス・スクリムジョールになってからは異常だ。
最近は二週間に一回のペースでこちらを訪問してくる。
しかも来るたびに悪い知らせしか持ってこないのだ。
イギリスで多発している行方不明と原因不明の死亡事例、建造物の破壊、等々……。
それらはある魔法使いの一派が引き起こしているというのだ。
状況を察するに魔法政府側はかなり劣勢の様である。こちらで対抗はできないかと聞いたが無理の一言だ。
負の出来事が蔓延しているせいか、人々の不安が高まり政府への批判も相次いでいる。
支持率も下がり続け、他の政治家からも無能扱いだ。
酒の量も増えるし、抜け毛も枕にびっしりだ!
(どうしろってんだ! なんでこっちまで問題が来るんだよ! 魔法使い同士勝手にやってろよ!)
机に突っ伏して恨み言を言う。
結局書類は全然進まないまま時間だけが過ぎていった。
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闇の帝王復活。魔法省が破壊される。
魔法省からの報せは魔法界に恐怖と混乱をもたらした。
戦況がどのようになっているかなどの詳しい情報は発表されていないが、それでも悪い噂は飛び交っている。
ダンブルドアを中心とした例のあの人に対抗する組織は既に壊滅している。
闇祓いはほとんどが死亡し、辞めていく者が続出している。
闇の魔法生物の多くが例のあの人の配下になった。
等々、他にもキリがないほど噂は聞こえてくる。そしてその大半が事実なのだ。
例のあの人が戻って来てから凄惨な事件が多発している。
一家がまとめて惨殺される、出かけたままの親、兄弟、子供が帰ってこない、普通ではいるはずがない魔法生物に襲われる、そういった事件が頻発しているのである。
その被害者は決まってマグル生まれやその血が入った者たちだった。
人々は口々に自分は純血だと偽り、マグル生まれを忌避し近づかないようになっていった。
もはやイギリスにはマグル生まれの安息の地がないと悟って国外に脱出する者も後を絶たない。
しかし海外に脱出した後の彼らがどうなったのかは誰も知らない……。
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不死鳥の騎士団。
それは闇の帝王に対抗するためアルバス・ダンブルドアが中心になって結成した組織だ。
前回の大戦時には多くの
しかしその力強さは今では見る影もない。
多くの団員が死んだ。生き残った者もまともに戦える状態のものはすくない。
現在は同じく残り少ない闇祓いと合同組織を編成して闇の勢力に対処しているが戦況は芳しくない。
数の上で圧倒的な差をつけられているためあらゆる点で後れを取っているのだ。
更には
仮に偽物ではない
アズカバンは既にその機能が停止している。
そして
魔法省の一件もあり人々は恐怖して抗う気力が徐々に失われつつある。
家柄の良い者などは闇の誘惑に負けて帝王の軍門に下る始末だ。
ダンブルドアやスクリムジョールが全力で対応しているが劣勢を覆すにはもっと大きな力が必要だ。
そう……全ての闇を吹き飛ばせる大きな力が。
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世間の暗い雰囲気などとは無縁のような場所がある。
ロンドン郊外にあるテイラー邸だ。
ありとあらゆる害あるモノから守られたその場所を闇の手先見つけることはできず、仮に見つけたとしても返り討ちになるだけである。
「それじゃあ、行ってくる。今日は大きな仕事はないから夕飯までには帰って来る。」
「はい、行ってらっしゃい。気を付けてね。」
テイラー家の家長、アースキン・テイラーが仕事に向かう。
ルーファス・スクリムジョールが魔法大臣になったことにより闇祓いとして復職したのである。今ではスクリムジョールの代わりに闇祓い局の局長に就任している。
アースキンとしてはトップに立つより前線で働きたいと考えているので不満であるが、そうも言ってられないのが現状である。
「さてと、今日は午後からダイアゴン横丁に買い物ね。お昼ご飯を食べたら出発するけどレオとハーミーちゃん、クーちゃんは何か食べたいものある?」
「僕は魚かな。」
「私もレオと同じものをお願いします。」
「もちろんわたくしも。」
居間でホグワーツに必要なもののリストを見ていたレオとハーマイオニーが答える。
当然のようにハーマイオニーはテイラー邸で生活している。
ハーマイオニーの両親は現在イギリス国内にはいない。
闇の勢力に狙われているレオ、その彼女の両親ともなれば人質の価値は十分すぎるほどだ。
以前からありったけの防護を施していたが、それが破られればただのマグルが魔法使いに太刀打ちできる可能性は限りなく0だ。
なので少しでも危険から遠ざけるためにイギリスからは脱出していただいた。
現在はフランスで生活している。更に強化した防護とフランスの魔法省に研究協力するという条件で護衛も付けている。もちろん異変があれば即座にレオ達に知らせが届くのでよほどのことが無い限りは守り切れるだろう。
愛しい娘と離れるのは辛いが自分たちが娘や未来の息子に迷惑をかけるなら仕方がないとしてフランスへと渡っていった。
「さてとホグワーツのリストは特に変わったことはなさそうだね。」
「そうね。来年度の授業はどうなるのかしら? フリットウィック先生が騎士団の任務で負傷しているし誰か代わりの先生が来るのかしらね。」
「ダンブルドアからは僕に代わりを務めて欲しいってことなんだ。闇の魔術に対する防衛術はまた別の人を雇うらしい。まぁ、呪文学を教えるのも面白そうだ。防衛術の様に攻撃や防御だけじゃない色々な魔法を教えることができるからね。」
「例えばどんなの?」
「それは授業まで秘密。午後ダイアゴン横丁に行ったらフレッドとジョージの悪戯用品専門店にも顔を出してみようか。実を言うと結構楽しみなんだ。」
「私も楽しみにしてるのよ。あの二人はレオとはまた別のタイプの天才だから、想像がつかないようなものを売ってると思うのよ。」
その後もクーとフェリスを交えてダイアゴン横丁での予定を立てていく。
ここだけは闇の帝王の闇さえ影響がない平和な日常が流れていた。
世間的にはお辞儀の勢力が優勢です。
実際に騎士団と闇祓いには多数の死者、対して死喰い人はほぼ損害ゼロ。
そしてお辞儀もレオ対策として色んな事を試行錯誤中です。
死者だけでなく行方不明者が多いのはそのせいです。
対してテイラー家+ハーマイオニーは平和です。
お辞儀としても今のまま戦いを挑めば負けると確信してるので特に何もしていないです。
それでは次回お楽しみ。