とりあえず炎のゴブレットはほぼほぼ構想は出来ましたね。
これが完結したらどんなのを書こうかなと遠い未来のことも妄想したりしてますね。
ハリポタの東方とのクロスや百合百合な物語が頭に浮かんでます。
では41話どうぞ。
クリスマス休暇の直前。
本日は二度目のホグズミードへの外出許可日だ。
今回はレオとハーマイオニーだけでなくクーも同行している。
「お母様、本当にわたくしがご一緒してもよろしかったのでしょうか? レナード様と二人っきりの方が……。」
「遠慮しなくていいのよ。クーは外に興味があるでしょ。私はクーと一緒で楽しいし、もちろんレオもそう思っているはずよ。」
「僕もクーがいることに何の不満もないね。外の刺激はクーに良い影響があるはずさ。さぁ、行こうか。」
ホグズミードに到着した一行。クーは初めて見るホグワーツの外に興味津々といった感じだ。少し歩くたびに店を見ては目を輝かせ、どんな店なのか聞いてくる。
二人はそれを微笑ましく見守っていた。
「次の店は……、あっ、申し訳ありません。はしゃぎ過ぎですよね……。わたくしはレナード様の為に存在しているというのに、自分ばかり楽しんで。これではメイド失格です!」
「クーがどんなことをしようとも僕としては有益なデータが得られるから問題ないけどね。クーは自分がしたいことすればいいよ。」
「ありがとうございます。ですが、わたくしは細胞の一片、魂の全てにいたるまでレナード・テイラー様のものです。今後はもっと気を引き締めなければ!」
成長してメイドをするようになってからのクーは若干レオの対する忠誠心が暴走することがあるがとりあえずは放置している。小さいクーは天真爛漫、メイドクーはレナード至上主義。これから先、成長を続けたらどうなるかちょっと楽しみにしているレオであった。
一通り見て回ったので昼食にすることにした。前回も訪れたマダム・ロスメルタの三本の箒に決まった。
「いらっしゃい。あら、今回は彼女だけじゃなくて美人のメイドさんまで連れているのね。両手に花なんて案外やるじゃない。」
「こっちのメイドは僕が造った魔法生物で人間じゃないですけどね。まぁ、造った我ながら美しく育っていると思いますね。」
自分の造った魔法生物をメイドにして美しいなんていう趣味だと勘違いし、レオに若干引きながらもテーブル席に案内するマダム。注文はとりあえずバタービールに決まった。バタービールを頼むのはここ、三本の箒では当たり前なのか昼食のメニューを考えていたらすぐに持ってきてくれた。
「「「乾杯!」」」
ジョッキがぶつかるコンッという良い音が響く。レオとハーマイオニーは久々の、クーにとっては初めての味を堪能する。
「クー、どう? おいしいかしら? クーちゃんの状態のほうが好みの味だったりするかな。」
「甘くておいしいです! 小さなわたくしも絶対好きになりますね。」
その後に運ばれてきた料理もホグワーツの料理に負けず劣らず美味であった。三本の箒がバタービールだけで人気ではないと分からせるに十分な味付けだった。
「本当においしいですね。もっと料理について学ばなければ!」
「クーは料理の勉強中なのね。私も少しずつ練習してレパートリーを増やしているのよ。今度一緒に何か作らない?」
「是非ご一緒したいです、お母様!」
「じゃあ、僕も一緒に良いかな?」
「レオって料理できるの!?」
「ご存じなかったのですね。恥ずかしながらメイドであるわたくしは主であるレナード様より料理については劣っております。何でも『魔法薬と基本は同じで分量と手順がしっかりしてればできる。』とのことです。」
ハーマイオニーは驚愕の表情でレオを見る。魔法や勉強以外でレオに負けていると知ってショックを受けている。
「流石にレシピを知らないものやオリジナル料理は無理だよ。魔法薬だったらできるんだけどね。」
それからは好みの味やどんな料理が好きなのかで話が盛り上がった。
しばらくすると、店内に新しい集団が入ってきた。その集団を目にしたハーマイオニーは驚いた。
「魔法大臣のコーネリウス・ファッジだわ。マクゴナガル先生とフリットウィック先生まで。」
レオはファッジとは研究成果の発表や闇祓いの副局長である父、アースキンからの繋がりで何度か面識がある。かといって特別興味を引くような人物では無かったのであまり印象には残ってない。逆にファッジの方は素晴らしい発明をするレオのことを気に入っていて、魔法省がいかにレナード・テイラーに協力して新しいものを生み出しているかというアピールをしている。ゆえに魔法省はレオに対しては非常に寛容で甘いのだ。
「大臣、どうしてこんな田舎に? やはりシリウス・ブラックの件ですか?」
マダムが大臣に尋ねている。やはりホグワーツにシリウス・ブラックが現れたのに恐怖しているようだ。
「ああ、そのことについてホグワーツと色々と話してきたんだ。ん? おお! そこにいるのはレナード君じゃないか!」
レオを見つけると先ほどまでの憂鬱そうな顔から一転笑顔になって近づいてきた。
「いやいや、レナード君はこんなかわいいガールフレンドがいたんだね。君、名前は?」
「初めまして、大臣。ハーマイオニー・グレンジャーと申します。」
「大臣、彼女は我がグリフィンドールでも特に優秀な生徒だと思っております。」
マクゴナガルは自分の寮やその生徒に対してはなんだかんだかなり優しいのだ。
ハーマイオニーはいきなり褒められてちょっと面食らった。
「ほう! マクゴナガル先生がそこまで言うとは! かなり名のある家の子なんだろうね。」
「彼女はマグル出身ですよ。優秀かどうかにはそんな事些細な事ですけどね。」
「おおっとこれは失礼。それではそちらの真っ白なメイドガールは何だい?」
「以前に魔法生物規制管理部に申請した新しい魔法生物です。名はクー。今は成長途中なので詳細なデータはもう少し後になるかと思います。クー、挨拶。」
「はじめまして、コーネリウス・ファッジ魔法大臣。わたくしがレナード様によって創造された魔法生物です。クーとお呼びください。」
ファッジは目を見開いて驚く。申請された内容はそこまで詳しく読んでなかったが人型だとは思いもしていなかった。
「ああ、よろしく。それでだ、レナード君。シリウス・ブラック逮捕に対して何か開発とかしてないかな?」
「いえ、何も。今はクーと脱狼薬の改良が限界です。」
勿論嘘だが。ファッジは当てが外れて落胆している。
その後はファッジ達は別のテーブルでマダムを交えて飲み会を始めた。会話の内容はシリウス・ブラックや魔法省に対する批判の愚痴、ブラックがいかに凶悪な犯罪者であるかの話になった。
ブラックの話題は次第に昔、まだ学生だった頃の話に移っていった。マクゴナガルとフリットウィックは昔のことを思い出して語り始めた。シリウス・ブラックはハリー・ポッターの父、ジェームズ・ポッターと無二の親友で悪戯の常習犯。しかし成績も優秀で将来が非常に楽しみであったらしい。話を続けていくうちにファッジがシリウス・ブラックの最悪の所業があると話し始めた。教師たちは止めたが酔った勢いとストレスからかファッジは止まらなかった。
どうやら大量殺人の前にハリー・ポッターの両親のことを裏切り闇の帝王に売り渡していたらしい。そしてその裏切りを許せなかったピーター・ペティグリューが追って逆にマグルもろとも殺されたとのこと。
レオとしてはシリウス・ブラックの過去や裏切りなど興味がなくほぼほぼ聞き流していた。クーも同様だったが、ハーマイオニーだけは人並みにショックと怒りを覚えていた。
大臣たちの話でハーマイオニーの気分が悪くなったがそれ以外はホグズミードを楽しんだ。
昼食後も色々と見て回ってそのたびにクーが楽しそうにするので連れてきて正解だったと二人は満足している。
ふと、クーは気づいた。
「レナード様、あちらにあるボロボロの屋敷はなんでしょう? 人が住んでる様子もないですし、お店というわけでもないでしょうし……。」
興味のないことには本当に役に立たないレオに変わって情報は何でも知りたがるハーマイオニーが答える。ホグズミード村の店や場所はあらかじめ把握済みなのだ。
「あれは叫びの屋敷ね。何の気配もないのに満月の晩だけ不気味な叫び声が聞こえてくるらしいわ。だから気味悪がって誰も近づかないらしいのよ。中に何かいたりするのかしら?」
「ふーん……。クー、行ってみるかい?」
「そうですねぇ……。何事も経験らしいですし、なぜあのボロ屋敷が今でも残っているのかは気になります。何か危険なものがいるのならばレナード様の為にも排除しておきます!」
叫びの屋敷の前に立つ三人。こんなとこには誰も住みたくはないだろうといった外見だ。
「さてと、探査調査。」
屋敷の中の構造と生物の有無を魔法で調べるレオ。何もないと思っていたが小さな虫やネズミと思われる小さな生命以外に二階に大きな存在がいる。
「ん~? 何かいるね。大きめの動物かな? いや、人間もありえるか。」
「わたくしは今のところ人間の匂いは感知していません。嗅いだことの無い匂いを感じます。」
「どうする、レオ?」
「ここまで来たんだし、入ってみようか。門限までの少しの時間を使うには丁度いいんじゃないかな。」
三人はボロボロになっている扉から中に入っていく。
中には予想外のものが潜んでいるとも知らずに。
ホグズミードで子連れデート回。
知らない人からすれば魔法生物にメイドの恰好させてるレオはかなりやばい人ですよね。
料理ができるレオ。ただしレシピのまましか作れないし、別に味も普通である。
ハリポタ無能の代名詞ファッジ登場。この人なんで大臣になれたんだろ?
名家の出身なのかな?
叫びの屋敷に突入する三人。どうなる黒犬おじさん!
では次回お楽しみに。