【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

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秘密の部屋編終了です!
大体一巻辺り2カ月ペースですかね。更新速度は落とさずに行きたいですね。

では33話どうぞ。


33. 二年目が終わって

バジリスクが死に継承者も滅んだ。

この知らせは全校中に即座に広まり、夜中にもかかわらず大広間でお祝いのパーティーが開催されどの寮も朝までお祭り騒ぎが続いた。今日ばかりはいつもは厳しいマクゴナガルも大目に見て一緒に祝っていた。

 

ウィーズリー兄弟たちはレオに対して終始感謝し続けていた。普段はレオに対して突っかかってくるロンでさえ素直に感謝をしていた。

ジニーが医務室から戻ってきてパーティーに加わった。すぐにレナードを見つけ駆け寄ってくる。

 

「レナード! 本当にありがとう。あなたは命の恩人、いくら感謝しても足りないわ。もし何か困ったことが有ったら何でも言って! 絶対に手助けするわ! ……まぁ、あなたが困ってることで私が力になれるとは思えないけどね。」

 

やってきたウィーズリー双子にジニーがもみくちゃにされる。レオにも飛び火してきそうなので研究室に避難する。騒ぎが起こるといつも研究室に逃げている気がするが、自室が一番落ち着くのだから仕方がない。なんだかんだで色々あって疲れたので今日は寝ることにした。

 

 

次の日から平和で普段と変わらない日々が戻ってきた。

授業があり、宿題があり、休日があり、クィディッチもある。寮の点数に一喜一憂する、そんな当たり前の日常が流れていった。

闇の魔術に対する防衛術の免除課題は決闘大会でのハーマイオニーとの決闘内容からほぼ全ての生徒が諦めてしまっていた。今ではたまにある双子から決闘という名の悪戯商品紹介の場としてしか認識されていなくなってしまった。ハーマイオニーも今は勝てないと判断して自分の力を高めるのに集中している。

 

ハーマイオニーといえば一連の騒動が終結した後から少し様子が変であった。妙にレオをちらちら見たり、レオが話しかけたら答えに詰まったりするのだ。一週間ほどで元に戻ったのでレオとしてはそこまで気にはならなかったが。

それよりもレオは免除課題に挑むものがいなくなったのでいつもの勉強会や双子の悪戯グッズの開発を全てキャンセルしてまでバジリスクの研究に没頭中だ。魔眼や毒の解析など興味は尽きることは無い。

 

 

期末テストも無事終了。ほとんどの生徒は闇の魔術に対する防衛術の成績は格段に伸びる結果であった。魔法の使い方の講義もしたので変身術や呪文学にも良い影響が出ており、レナード・テイラーに今年一年だけでなくこれからも教師を続けてほしいという要望が後を絶たなかった。

 

 

終業式の前日。

レオはダンブルドアに呼び出されて校長室に来ている。

 

「レオよ、聞かせて欲しい。継承者、過去のヴォルデモートが日記に記憶を封じた魔法はどのようなものであったのか。もし、わしの考えている通りならば今後の対策を考えねばならん。」

 

「あのトム・リドルは記憶と言っていましたが、日記には魂の一部が封じられていましたね。僕が昨年にケルベロスに施した魔法と似ていました。おそらく自分の肉体の外に魂を封じることで死に対する保険になるのではないでしょうか。魂の身の存在であるからジニーの魂を喰らうことで力をつけたのでしょう。」

 

「やはりか……。レオ、おそらくその魔法は闇の魔法の極致、分霊箱(ホークラックス)じゃろう。君の推察通り魂を物質に封じることで疑似的な不死をもたらす魔法じゃ。ただし魂を裂くのに人を殺す必要がある、しかも魂を裂いた影響は肉体にも現れる。」

 

「ふむ……。なるほど、だから去年見たヴォルデモートはあんなだったんですね。でも魂を一回裂いた程度であそこまでになるのでしょうか?」

 

「いや、あやつは複数の分霊箱を造っていると考えている。正確な数はまだ推測の域を出ないがの。……レオ、いずれヴォルデモートは復活するじゃろう。その時には力を貸してはくれんか?」

 

「僕にとって不利益にならなければ。そろそろ学年末パーティーの時間です。それでは。」

 

 

一人残されたダンブルドアは考える。分霊箱がどのようなものなのか、その総数はいくつなのかを。そしてレナード・テイラー……。あの力は凄まじい、今後も成長を続けるだろう。仮に敵対した場合、止めることは容易ではないだろう。最悪なのはヴォルデモートと手を組むことだ。昨年に闇の帝王もレオの力には興味を持ったに違いない。何が何でもこちらの陣営に引き込まねば。そして、ハリー・ポッター……。推測が正しければハリーは……。

これからも気を抜けないだろう。

 

 

学年末パーティー会場は今年も青と銅、鷲の紋章で飾られていた。

レナード・テイラーが秘密の部屋についてほとんど解決してしまったのでレイブンクローがダントツでトップであった。もはやどの寮も今年は無理だろうと諦めて二位争いをしている状態だった。二位はハッフルパフ、三位はグリフィンドール、四位はスリザリンだったが二位から四位は僅差であり最後まで熾烈な争いだった。

 

今日でレナード・テイラーの闇の魔術に対する防衛術の教師としての生活は終わる。

最後にスピーチを頼まれたので壇上に立つ。

 

「えー、皆さん、食べて飲んで話して楽しんでいますか? こんな話より食事とかの方が楽しいでしょうから手短にします。僕にとっても教師は初めてでとてもいい経験になりました。来年度からは新しい教師が来ますが、僕が教えたことを覚えておいてください。いつか自分と大切なものを守るための力になるはずです。僕は一生徒に戻りますが、忙しくなければ研究室に見学に来てもらってもかまいませんし、勉強会も続けますのでこれからもよろしくお願いします。一年間ありがとうございました。」

 

大広間の全員から拍手がおくられる。こうしてレナード・テイラーの教師生活は無事終了した。

 

 

ホグワーツから戻る列車。コンパートメントはレオとハーマイオニーの二人だけだ。レオはバジリスクやその他色々な分析結果をまとめている。ハーマイオニーはレオの顔をぼーっと見たり空を眺めている。時折、生徒たちが挨拶に来るが、中には夏休みの間に家庭教師をして欲しいなんて言い出す生徒までいたがレオも夏休みは研究の予定が入っているので断った。

ハーマイオニーはふと気になってレオに尋ねてみた。

 

「レオは来年からの授業は何を選択するの?」

 

「うーん……。魔法生物飼育学と占い学かな。ハーマイオニーは決めてるの?」

 

「まだ迷っているの。できれば全教科受講したいってマクゴナガル先生に相談したんだけど、時間的に無理だから特別な魔法具を使う必要があるみたい。使用の許可を取るだけでもかなり厳しいみたいなの。レオはどうしたらいいと思う? なにかアドバイスが欲しいわ。」

 

「特別な魔法具……。逆転時計(タイムターナー)かなぁ。なんにせよ全部はおすすめしないね。マグル学はハーマイオニーには不要だろうし、占い学は合わないだろう。数占い学、魔法生物飼育学、古代ルーン文字学の三つでいいんじゃないかな。それなら時間も余裕があるはずだから大丈夫だろう。」

 

「そうね、マグル学は大丈夫よね。私、レオに追いつきたくて、あなたに見て欲しくて焦ってたのかもしれない。うん、決めた。その三つにするわ。」

 

レオとしては全部受講することで逆転時計(タイムターナー)を実際に見てみたい気持ちもあったがハーマイオニーに無理をさせてまでする必要はないだろうと考えた。魔法省に研究の為と頼めば貸してもらうことも可能だろう。

 

 

もうすぐキングス・クロス駅に到着という時にハーマイオニーがレオに宣言した。

 

「レオ、私目標ができたわ。」

 

「どんなの? 新しい魔法とか?」

 

「いいえ、魔法は関係ないの。でも絶対に叶える、そう決めたわ!」

 

「まぁ、どんな目標でもハーマイオニーなら大丈夫じゃないかな。目標が達成したら僕にも教えてくれ。」

 

(私の目標はレオ、あなたを振り向かすことなのよ。人の心には鈍感なあなた相手だと苦労しそうだけど、もう決めた。絶対あなたと未来を歩くんだから。)

 

キングス・クロス駅に到着する。レオとハーマイオニーが降りると家族が待っていた。

 

「二人ともお疲れ様。今年はなんか大変だったみたいね。無事に帰ってきて何よりだわ。」

 

「レオ、教師はやってみてどうだったんだ? 決闘大会とかやったって聞いたが久しぶりに俺とも決闘しないか?」

 

父、アースキンの誘いはハッキリと断った。勝負が長引くことは確実だからだ。

 

「レオ君、娘を守ってくれたそうだね。父親として心から感謝する。ありがとう。」

 

「ハーミーにとってはレオ君は教師でさらには白馬に乗った王子様ってところかしらねぇ。」

 

「もう! ママ何言ってるのよ!」

 

顔を真っ赤にして母の口を押えるハーマイオニー。その反応に両夫妻はハーマイオニーの変化を確信して心の中で拳を握った。

 

(後はレオをその気にするだけ!)

 

(ハーミーの女としての魅力を引き出させるようにしなくっちゃ!)

 

母親たちは二人をくっつけるための意見交換会の開催を決定した。

二人は両親とともにそれぞれの家に帰る。

ハーマイオニーは帰り道、両親に告白した。

 

「パパ、ママ……。私ね、好きな人ができたの。」

 

「知ってるわ。レオ君でしょ。」

 

「彼なら安心して任せられる。花嫁姿が楽しみだ。」

 

ハーマイオニーが顔を真っ赤にしている時、レオは来年度はどんな学校生活になるか考えていた。

 

(一年目は賢者の石、二年目は秘密の部屋……。三年目も何か起こるのかな?)

 

こうしてレナード・テイラーの二年目は終了した。




ロンさんの手首が超回転! ジニーを助けたので態度がかなり良くなりました。ロンはシスコンですかねぇ。

原作より速く騒動が解決したため平和なホグワーツにすぐ戻りました。もちろん試験もあり。

二年目の原作との相違点は結構ありますね。
・ハリーが蛇語使いと認識しない
・アラゴグ関連無し ついでにハグリッドの冤罪関連もなし
・ルシウス・マルフォイは理事のまま ドビーについてもマルフォイ家のしもべのまま
・グリフィンドール剣がバジリスクの毒吸収してない
今後に影響してきそうなのはこんなとこですかね。

ハーマイオニーの変化を確信する両親たち。特に母親たちはかなり喜んでます。
そしてすでに家族公認。知らぬはレオだけ。

最後に本作タイトルについて活動報告でアンケート取ってます。よろしければお願いします。

次回予告!

一生徒に戻ったレナード・テイラー。また研究三昧の日常が戻ってくる。

だが、そんな日常も最悪の監獄より脱獄した凶悪犯によって崩れ去る!?

猫、犬、鼠、人狼に吸魂鬼。三年目は魔法生物だらけか!?

レオ「じゃあ、僕もペットを飼おうかな、いや創るか。」

ハー子「囚人とかどうでもいいから。レオとホグズミードでデートしたい。」

次回、3章 囚人には興味がない

こうご期待!

※本編の内容は次回予告とは異なる場合があります。御了承下さい。
でも新キャラのペットは出ます。

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