エミヤ・オルタが転生したそうです   作:野鳥太郎

7 / 7
番外編初投稿です。
眠れないから暇潰しです。
本編とは一切関係ありません。



番外
ボブは爽やかだそうです


「おはよう一輝、ステラ。いい朝だと思わないかい?」

 

「「え?」」

 

 

早朝、何時ものようにステラと20Kmランニングをしていたのだが、気付いたら真横に衛宮がいた。真っ赤なジャージを着た衛宮が。

 

既に11Kmは走っている距離なのだが、衛宮は息切れ1つしていない・・・いやそんな事はいい。

 

———なんなんだその満面の笑みは。

 

 

「いやぁためしに走ってみるもんだなぁ!最近はずっと部屋で筋トレしかしてなかったから新鮮だよ」

 

「あ、ああそうだね。確かに朝のランニングはとっても気持ちいいというか・・・」

 

「ええと、今日は随分機嫌が良いのね。何か良いことでもあったのかしらぁ・・・?」

 

「うん?機嫌が良いのはいつものことじゃあないか!毎日爽やかな気分で生きてるよ、オレは」

 

 

はっはっは!と笑う衛宮。

 

目を夢見る少年の如く輝かせている衛宮。

 

凄く爽やかな衛宮。

 

見た目真っ黒なのに内面真っ白な衛宮。

 

 

———訳がわからない。

 

 

「さて、折角だ。競走でもするか?」

 

「いやいやいや、競走なんてしたらランニングの意味がないっていうか」

 

「今だってちょっとキツイのにペースなんて上げたら・・・」

 

「よし、じゃあ先に行っているよ。車には気をつけるんだぞー!」

 

 

そう言って凄まじい速度で走って行く衛宮。もう見えなくなった。

 

 

「・・・ってなんなんだアレ!?衛宮?本当に衛宮!?」

 

「わかんないわよ!?何があったのよあのガングロボブ!?」

 

 

ランニング中呼吸を乱すのはいけない事なのだが、そんな事言ってる場合ではない。

とりあえず衛宮士郎(らしきもの)ものを追いかけ真相を確かめねば。

 

 

「ステラ、一気に行くぞ!」

 

「わかってるわよ!」

 

すぐさま魔力で身体強化を施す。コレで普通に走るよりも速度も持久力も増強された。

 

 

「うん?そういえば魔力の残滓を感じないな・・・」

 

「え、なに。ボブの奴まさか・・・」

 

「「地力で走ってった?」」

 

 

思考が一瞬止まった。伐刀者とはいえ余程のスピード特化でもない限りあんな速度出せる訳がない。

 

 

「ホントなんなのよアイツー!」

 

「ステラ落ち着こう!この速度で走ってるんだから安全確認怠っちゃダメだ!」

 

 

ひたすら走り続け約1時間。ようやく学校まで戻ってくる時には既に僕達はヘトヘトだった。

 

そこで目にしたのは

 

 

「2人とも遅かったじゃないか。ほら、スポーツドリンクだ。確り冷やしておいたから、落ち着いて飲むんだぞ?」

 

 

先と変わらず満面の笑みの衛宮だった。その手には二本の水筒。どうやら僕とステラのぶんらしい。

うん、有り難く頂こう。

 

 

「・・・じゃなくて!衛宮、君本当にどうしたんだい?いつもの衛宮はもっとこう、言っちゃ悪いけど仏頂面で目が虚ろで・・・」

 

「そうよ、やっぱりアンタなんかおかしいわよ色々と!」

 

「?2人ともなに言ってるんだ?さっきも言ったがオレはいつも通りだよ。短い人生だ、存分に楽しんで生きないとなぁ!」

 

 

今度は笑い声がHAHAHA!に聞こえる気がする。なんというか、もう深く考えちゃ負けな気がしてくる。

 

 

「うーむ、朝のHRにはまだまだ時間があるな。折角だしもう一周してくるか」

 

「「は?」」

 

 

またとんでもない事を言い出した。いやお前マジでどうした。

 

 

「2人も来るか?」

 

「「遠慮しておく!」」

 

「そいつは残念だなぁ。じゃあ行ってくる、時間までにはしっかり戻ってくるから安心してくれ!」

 

 

またまた満面の笑みで走って行った。凄まじい速度で。多分時速200Kmは出てるんじゃないかな・・・。

 

 

「・・・一旦部屋に戻ろうか、ステラ」

 

「・・・そうね、凄く疲れたし」

 

 

今日はこのままあの衛宮と過ごすことになるのか・・・?精神持つだろうか・・・。

 

 

「ん?なんだこれ」

 

 

ふとベンチを見ると、なにか置いてある。2つの・・・布で包まれた箱。この形、まさか・・・。

 

 

「「弁当箱・・・」」

 

 

よく見れば弁当箱の下になにかが置いてある。・・・メモだ。

 

 

『普段仲良くしてもらっているからな!食堂の厨房を借りて2人に弁当を作って置いた。コレでも腕には自信がある。よく味わって食べてくれ!あ、食べる前に確り手を洗うんだぞ!食べ終わった後は確り歯を磨くように!』

 

「・・・オカンだ」

 

「・・・オカンね」

 

 

・・・・・・

 

 

「・・・・・・」

 

「い、イッキ?顔色悪いけど・・・」

 

「いや、なんでもない。なんでもないよステラ。僕は至って正気だ、なにも変な夢なんか見てない。満面の笑みで走り回る衛宮なんて夢は見てない。うん、断じて、絶対に、間違いなく」

 

「ちょっとイッキ、本当に大丈夫なの・・・?」

 

「オレがどうかしたのか?」

 

「うわぁぁ!?」

 

「あ、ボブ。おはよう」

 

「ああ、気怠い朝だな。顔を見た途端飛びあがられるせいで余計に気怠い」

 

「え、えーと。衛宮だよね?普段の仏頂面で目が死んでで内面空っぽな衛宮だよね?」

 

「ちょっとイッキ!?」

 

「友人に対して随分な言い様だな黒鉄。まあ別になんとも思わんが・・・一体どうした?なにか悪い物でも食ったのか?」

 

「あ、この話し方、態度。間違いなく衛宮だね・・・。そうか、これは現実か、夢じゃないのか!」

 

「あの、ボブ」

 

「言わなくてもいい。まあ、暫くすれば大人しくなるだろう」

 

 

この日、黒鉄一輝は何かから解放されたような、晴れ晴れとした顔をしていたという。

彼になにがあったのかは不明である。




ふざけましたハイ。
ただのネタですハイ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。