とりあえず夜を廻ろうか   作:ミシシ

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とりあえず始まり

この街にはたくさんの『ナニカ』がいる。

 

朝や昼はただの疎遠気味の街だが夜になると全く別の場所にワープしたのではないかと疑ってしまうほどこの街は変貌する。

 

そういえば自己紹介がまだだったな。

 

俺の名前は霧崎真鳴(きりさきまな)だ。後転生者だ。

 

最初は焦ったが何日か過ごしていくうちに自分の住んでいるところなどはだいたい把握した。

 

アパートぐらし(一人で)。仕送りは(多分)親からちゃんと多めにくる。中学生(中身は16)。

 

冒頭でも説明したようにこの街は夜になるとたくさんの『ナニカ』が徘徊している。まるでゾンビのように。

夜の街に出歩くこと人は誰もいない。

 

この『ナニカ』は外を徘徊するだけでなく人を襲う。

ソースは俺。ちびるかと思った。

 

最初の1日目は探検と言うわけで少し昔の中二心が目覚めかけたのか夜の街を探検したいと思いイザ出てみれば電柱の影からもやもやの黒い人影やらが襲いかかって来てアパートに全力疾走した。

 

翌日は布団に包まりガタガタ震えましたよほんと…

 

まぁそのおかげでどこの中学校に通ってるのかわかったんだけどね。

でもアイツラは許さねぇ…俺の敷布団……

 

で、いつまでも自分に後悔していても何もわからないので部屋にあったカバンに必要な教科書を詰め込みスマホで学校の場所を調べてから家を出た。

 

 

こっちの世界では友達いるかな〜と思い教室を開けるとなんと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということはなくこっちの世界でも安定の孤高者でした。

 

自分の席がわからないため一番遅く来たから俺以外の人は全員来ており、俺が教室に入った瞬間一瞬目線がこちらに向くがすぐにそらされ「誰あいつ?」などの小声(のつもりのリア充)が聞こえた。

 

自分の座る席を確認してその席に向かいそのまま突っ伏した。ちょっと泣きそう。

 

どうやら俺は友達づくりに失敗しているようだ。どこまで俺に再現されてんの?

 

その日は何もないまま学校が終わり悲しさを紛らわすために『昼の街』を散歩がてら探索した。

 

人が少ない割には街は広く商店街(もしくはシャッター通り)、学校、田んぼ、などなど結構ある。

 

偶然見つけた小さな公園でブランコに座りボケーとする。歩くの疲れたなぁ…

 

そのまま数十分座っていると視界の中に人影が写った。

 

昨日の幽霊!?と思い肩が跳ね上がるがよくよく見てみると頭に大きなリボンをつけた小さな少女だった。

 

少女は白い可愛い犬をリードに繋いでこちらを見上げていた。

 

お互いに無言で目をそらさずに見ていると少女のリードに繋いである犬が飛びかかってきた!

 

びっくりして転びそうになったが片手でブランコの紐を掴みもう片方で犬を受け止めた。

 

受け止めた犬はまんべんなく俺の顔を舐め回してくる。

好かれたようだ。

 

顔を舐め回してくる犬を両手で引き剥がし少女のもとに優しく返す。

 

「ちゃんとリードは握っとけよ」

 

なるべく怖がらせないように一言いうと少女は「ありがとうございます」と深くお辞儀をして帰ろうとする。

 

だが犬は俺から離れたがらないようだ。人間は離れるのに犬は近寄る。複雑だな…

 

「どうしたのポロ?……散歩の続きしよ?」

 

少女は愛犬、ポロに語り掛けるが俺から離れるのが嫌なのかクゥ〜ンと悲しそうな声を上げる。

 

少女は困ったように俺を見る。……どうしようか?

 

空は夕暮れに染まり始めていて内心早く家に帰りたい。

 

ため息を吐きつつ少女を家まで送ることにした。職質されないよね?

 

「ほら、家まで送るよ」

 

少女は困ったように俺と犬を交互に見てそして俯き考え始めた。

 

少しして少女は顔を上げて「お願いします」と、小さくつぶやいたのでブランコから立ち上がり軽く背伸びをして「じゃあ、行こうか」と少女の手からリードをももらい犬をべったり足にくっつけられながら少女の少し後ろを歩いた。

 

 

 

 




今更だけど夜廻の新しいやつが出るそうです。買わなきゃ(使命感

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