とりあえず夜を廻ろうか   作:ミシシ

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全話を見てみたら2017年だった。あれから6年くらいたってるんやね、夜廻も3作品も出てるんだね、時の流れはとっても早いね。

言い訳も何もしません、本当に申し訳ございませんでしたm(_ _)m

もはや時間が開きすぎてどうしようもなくなってたんだ…
ていうか書き方ももはやわかんねぇや、誰か続き書いて(懇願)

でももうちょいで完結なのであと少しは頑張る…。まぁ時間開きすぎて誰が見るかは知らんけど。それでも良ければどうぞ。


とりあえず怖い

 意識が戻ったときまず一番に感じたことは寒いと感じた。

 冬場に感じる寒いとは違い『心の中』が負の感情で凍っていくかんじだ。

 

 起き上がろうとするも手足に力は入らずすぐに諦めて目の前の木の床に視線を漂わせる。

 逃げないといけないとわかっているが逃げる気は起きなかった。それに()()にいるやつから逃げれるとも思えなかった。

 

(そういえばここは少女の姉が捕らわれてる場所だったっけ?)

 

 朦朧とする頭でなんとかこの先の出来事を思い出そうと思考する。

 そして以外にもすぐに答えは出た。

 

(あぁ…思い出した。ここってゲームで最後に来るところだったな…)

 

 心の中につっかえていたものがスっと取れたような気がした。

 代わりに耐え難いほどの絶望と叫び出したいほどの恐怖が胸の中に溜まっていくがそれがどうでも良くなるほど思考を埋め尽くす。

 

 きっとこの体のだるさは今おれの後ろにいるやつが原因だろうが、もうどうでもいい。

 たとえゲームの智識があったとしても、ここに連れてこられてくる未来は変わらなかっただろう。

 唯一の救いはその連れてこられた人物が少女の姉ではなく、俺だっただけでもだれか褒めて欲しい。

 

 後ろを振り返ることなく心の中でざまぁみろと思い目を閉じようとすると視界の先で階段から誰かが登って来るのが見えた。

 

 その姿を見て、俺はどんな顔をしたのだろうか。

 助けが来ないと思っていた所へ突然救いがやってきた嬉しさか、はたまた、来て欲しくなくて逃げてくれと叫びたいのに声が出ない絶望か。

 

 階段から上がってくる影は2人。

 どちらも見るからに震えていて、それでも挫けないようにどらとも手を繋ぎあい、決意の籠った顔で俺の後ろにいる化け物へと、睨みにけるように対峙する少女と姉。

 

 2人は後ろにいる怪物…忘れ去られた神様を見たのだろう。ゲームで見たがあんなのが現実で見えたら俺なら尻尾を巻いて逃げ出すだろう。それでも2人は震えながら、その瞳に決意を灯し歩みを進める。

 

 なんとか逃げてほしくて、声を出そうとするが漏れるのは息だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかで音が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識がまた遠のいて行く。

 

 

 せめて、最後まで見届けなければいけないのに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると、目の前には古びたトンネルがあった。奥は暗く真っ暗で、その先を見ることはできない。

 

「ワンワン!」

 

 すぐそばで鳴くその声に飛び上がり視線を向けると、白い可愛い犬がこちらを見上げていた。

 

「…ポロ?」

 

 そう声をかけると「ワン!」と元気に鳴き、尻尾を振りながらこちらへと飛びついてくる。それを受け止める衝撃で尻餅をつくが、ポロはお構いなしに顔を舐め回してくる。

 

「ポロくすぐったいって!」

 

 ポロにそういうがそれでもポロは数分ほど顔を飽きるまで舐め回してくる。まぁいいか、とポロの頭を撫でながらあたりを見回す。ここは確か少女がゲームの最初できた…いや違う。ポロがいるということは終盤であるトンネル、言い換えれば三途の川みたいなところかな?。

 

 まだパロがここにいるということは俺はしんでないのか?

 考えようにも元の体の方は確認のしようがないためなんとも言えないがもう俺にできることはないのかもしれない。

 

 2人の少女はどうなったのか?

 俺はこれからどうなるのか?

 

 これからのことを考えようとしてはと思い出す事があった。少女は最後に姉を助け出す本当の最後に左目を潰されてここへくる。そしてトンネルへ入ろうとするが、ポロが追い返してことなきを得たはず。

 

 もしそうなら、時期にここへ少女がやってくる。

 

 俺にできることは何もないと言ったが最後に一つだけできることがあった。

 

 ポロを撫でるのをやめ、そっと脇へと下ろして立ち上がる。ポロは心配そうに鳴く。

 

 「俺のためにこんなところまできてくれたから、せめてあの子がこれ以上痛い目に合わせないために…」

 

 トンネルへと近づこうとするとポロは俺の前へと立ち塞がり、さっきの態度と変わって唸るように吠えたてる。そんなパロへと安心させるように「大丈夫、まだあっちへ行くつもりはないよ」と伝える。

 ポロはその言葉を聞き渋々と言った感じで横へとずれる。とても優しくて賢い子だなぁ。

 

 トンネルの入り口へと立ち、自分の左目を瞼の上からそっと撫でる。連れ去られた影響かは知らないが、きっとこの奥にあの神様はいる。そんな神様へとお願いを伝える。

 

「お願いします、こともちゃんの左目はどうか取らないでください。代わりに俺の左目を、足りなければ両方差し上げます。だからどうか…」

 

 トンネルへと向かって深く頭を下げる。

 


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