とりあえず夜を廻ろうか   作:ミシシ

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間空きすぎてやべぇよやべぇよ

見てくれてる人がいるのかこれもうわかんねぇな


とりあえず優しくない

「彼は見逃して!」

 

その言葉を発した少女に「逃げろ」と言おうとするが声が引き攣って出なかった。

すぐに周りを見渡して何かこの状況を打開できるものを探す。

そして見つけたのが遠くから大きな袋を持った黒い影だった。

 

(あれは…よまわりさん!)

 

すぐに少女に逃げろと伝えようとしたが男は俺から意識を外してすでに少女の方えと近づいて行く。

 

「ッ…グッ!」

 

背もたれにしていたコンテナの窪みを両手で掴み、悲鳴を上げる筋肉を奮い立たせ何とか立ち上がる。

視界がグルグル回るような感覚と、誰かに体を握られているような不快感があり、まっすぐ歩くことができない。

 

(おかしい……疲れただけでこんなにも気分が悪くなるのか?)

 

そんな疑問を浮かべたがすぐに消えることになる。

男がよまわりさんの存在に気づいたのだ。

男はいつの間に少女から奪ったのか、お守りを震える手でよまわりさんに突きつけている。

 

震える体を気力で抑え、ゆっくりと音をたてずに男の後ろに近づいて行く。

手をできるだけ伸ばしそっと男の手に持っているお守りに照準を合わせる。男は気づかない。

 

よまわりさんをちらっと見るがただ不気味に男に近寄り、俺には意識を向けていない...と思う。

 

男までの距離はあと二、三歩歩けば届く距離まで来た。

コンテナに目を向けると目尻に涙を溜めてる少女と目があった。

その少女になるべく音を出さないようにと人差し指を口元に持っていきシィーと、誰もが(多分)知っているジェスチャーをする。

 

少女から視線を外して男を見る。男は何か言ってるが俺には聞こえなかった。

 

狙うはお守り。

 

覚悟を決めて手を伸ばし男が持っているお守りを右手ででつかむ。

男はいきなり出てきた俺に虚を衝かれた顔をしたがもちろんお守りを握る強さは変わらず手から離れることはない。そこで男が冷静になる前に左手で男の右眼を力いっぱい殴りつける。

男はたまらず手の力を緩め、すかさずお守りを抜き取り飛び込む勢いでコンテナにかけ込む。

 

少女は俺がコンテナに入り込んだのを確認してすぐに扉を閉め、開かないように近くにあった棒で扉をひっ掛ける。

 

『ドンッ!』

 

外から扉を殴りつける音がする。男がやっているのだろう。

 

「うあああああああああげろおおおぉぉ!」

 

叩かれてい扉からなるべく離れるように反対側のコンテナを背に座り込む。

少女は顔を伏せ俺の右手を両手で握り恐怖で震えている。その手を握り返しコンテナの扉が開かないように俺は願う。

 

その時ぱっと男の声が聞こえなくなった。

どうしたのかと思い耳をすますと『グルン』と大きな物体が裏返る音が聞こえた。

その音の正体は何となくだがよまわりさんだと確信した。

 

「あぁ…ひぃ…」

 

男が地面を這う音が聞こえる。

今のよまわりさんがどんな姿をしているかわからないが見えなくて良かったと心の底から思う。

 

「ひぃ…やめ」

 

男の言葉はそこで途絶え、代わりに何か…男を飲み込む音が聞こえてきた。

その不快音に耳を塞ぎたくなったが右手を強く握りしめている少女のため、代わりに左手に持っているお守りを強く握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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いつの間にか意識が飛んでいた。

あの男の声も呑み込む音も聞こえなくなりかわりに少女の静かな寝息が聞こえる。

 

今だに体の不調は続いているがそこまでま酷くない。かわりに圧迫感がましたが…

 

少女に握られてい右手を起こさないように引き抜き代わりにお守りを持たせる。

かなり怖いがコンテナの外の様子が観たいのでつっかえ棒を外しコンテナの扉を少しだけ開ける。

 

外には男もよまわりさんもおらず代わりにもう使われなくなったコンテナや工場だけだった。

 

後ろから少女が起きる音が聞こえた。後ろを振り返ると少女と目が合う。これから妹も探さなきゃいけないしやることはたくさんある。

 

少女に声をかけようとすると少女の顔が恐怖で歪む。

 

 

少女の目は俺の後ろを見ている。

 

 

さっきまで見ていた風景に視線を戻すと大きな『手』が見えた。

 

 

そこで何も見えなくなった。




約六ヶ月間も空いたくせに文字数少なくてほんとにごめんなさい。
忙しいってのは言い訳に聞こえるかもしれませんが本当に忙しかったんす。

この作品をまだ見てくれる人がいるかわかりませんがどんなに期間が空いても完結はさせます。

多分ニ、三話ぐらいで終わると思うのでよろしくお願いします。

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