お気に入りしてくれる方本当にありがとうございます。
少女が泣き止み、体から離れる。
目が少し腫れていたが気持ちがスッキリしたのか恐怖で怯える感じはしない。
もう一度学校に入って探索したかったが人面犬が真顔で俺を睨んでくるので流石に無理と結論づけた。
記憶は思い出せなく次は何処に行けばいいかいいかわからないので一度家に戻ってみる。
家に少女の姉がいないのはわかっているが走り回って喉が乾いたのと、スマホを取りに戻る。
スマホは時間確認と地図代わりに持っていこう。
途中で帰る道には公園があり、少女は散歩コースの一つで通る道、と言っていたので次の場所がわからないのでナニカを避けていきながら公園を目指した。
公園に行く途中ごみ捨て場に目が止まった。
「どうしたの?」
少女は少し不安そうに尋ねてきた。
見ている先を指を指して教える。
「あそこにあるパトランプが目に入っただけだよ」
それに近づきなんとなく手に掴んで見る。
新品同様でまだ使えたので勿体無いな、と元の場所に戻そうとして手を止める。
(これをパトランプに渡したら許してくれるかな?)
そう思いそれを片手に持って「そろそろ行こうか」と少女に言う。
その時の少女の顔は何とも言えない顔をしていた。
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公園に着き辺りを見回すと砂場には頭に傷をつけたパトランプがいた。
すぐに少女の手を取り物陰に隠れる。
パトランプは涙を拭く仕草をしながら砂でお山を作っていた。
そして時折傷ついた頭の部分を触りながら。
あいつらは生きている人を引きずり込む奴らだがなぜかとても申し訳ない気持ちになってくる。
「紙と何か書くものある?」
少女に尋ねると折りたたまれた薄い画用紙に少し先が丸まった鉛筆が出てきた。
少女に感謝して紙に謝罪の言葉を書いていく。
一通り書き終わったら手に持っているパトランプを重しの代わりにして公園の入り口に置く。
後はパトランプ次第で、許してくれるなら嬉しい限りだが…
再度心の中で謝罪をして少女の手を取る。
記憶では多分まだ始まりぐらいだろう。
少し意識が飛びそうになるが、隣にいる少女の手の体温を感じながら頭を軽く振り意識をリセットする。
お姉ちゃんの方は情けなく守れなかった。でも今度は絶対に守ってみせる。二の舞いはもうしない。たとえ体のどこかを犠牲にしてなくなっても。
その時左目を掴まれたような感覚が襲うが一瞬だったためあまり気にしなかった。