幼馴染が根源の姫だった件   作:ななせせせ

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(こっそり置いとけばバレないだろう……)


あ、ちなみにこのセーバーたちは亜種特異点AOMORI開放の時にPUされて以後ストーリー召喚に追加される感じのあれなのでここのカルデアはあの狂気の特異点攻略後です。


ミリオン記念閑話集
ミリオン記念:ハッピーカルデアライフ1


 カルデアに召喚されてから約一週間。

 その間順調に戦闘能力皆無であることをアピールすると同時に嫁に戦わせて自分は応援しているだけのクズアピールも(意図せずして)十分に出来た頃。

 ……いや別にね? 俺も好きで愛歌に戦わせてたわけじゃないんだよ?

 

 ただ俺が戦闘で瀕死になって、ナイチンゲールさんにお世話になるたびに愛歌が666の獣を放出しようとしたりするもんだから……世界を救うはずの機関が世界を滅ぼしましたなんていう笑い話にもならないバッドエンドを回避するために、仕方なくね?

 

 愛歌が楽しそうにしていたことが唯一の救いだろうか。

 

 ――まあ、そんなことはどうだっていいのだ。

 現実逃避もここまでにして、ちゃんと現実を見よう。

 

 

「さっきからため息をついてばかりだけど、どうかしたのかい?」

「……いや、なんで俺の隣に座るのかなぁって」

「君とゆっくり話がしたかったから……というだけでは、不十分かな」

「はー辛いなにこのイケメン。いいよいいよ、好きにしろよ。そもそもここはみんなの場所だし」

 

 

 何が楽しいのかニコニコとしながらブリテンの王が来なすった。

 いつもの蒼銀の鎧ではなく何故か白いタキシード姿で。それがすごい様になっているものだからイケメンは得である。

 俺が着ても絶対に浮く。

 

 ブリテンの王――プロトアーサーと呼ばれていた彼はカクテルを頼む。俺は愛歌から禁酒令が言い渡されているのでジンジャーエールだというのに。

 

 

「……それで、その格好は? アンタの趣味ってわけでもないだろ?」

「ああ、これかい? マスターからどうか着てみてほしいと頼まれたんだけど、思いの外好評だったから、しばらくはこのままでいることにしたんだ」

「マスター、というと……ああ、藤丸くんか」

 

 

 一週間も経過したというのに、まだ主人(マスター)使い魔(サーヴァント)という関係には慣れない。

 というかどうにも不思議な感覚だ。昔自分が大好きだった作品の中にいるというこの感覚は、くすぐったいような、奇妙で気恥ずかしいものだ。

 もしかしたら今こうしている自分のことも、『誰か』が作品の登場人物として見ているのかもしれない――なんて、ちょっと考え過ぎだろうか。

 

 

「もう、ここには慣れたかい?」

「おかげさまで、ってやつかな。良くも悪くも濃い奴らばっかりで疲れるけど。……それで? そんなことが聞きたいわけじゃないんだろ?」

「……うん、そうだね」

 

 

 まあ、この王様が俺なんかに聞きたがることなんてあのことくらいしかないだろう。

 

 

「――君は、沙条愛歌という人間がどういうもの(本質)か知っていながら、それでも彼女を選んだ」

「……ああ」

「その結果彼女を救って、世界も救った」

「……うん?」

「僕には出来なかったことだ」

 

 

 それきり黙り込んだアーサーの顔は、薄暗い室内のせいでよく見えない。

 大体予想はつくけど。

 ……はぁ。なんでこんな、いきなり人生相談染みたことをされなくてはならないんだ。放っておけない俺も俺だが。

 

 

「なんていうか、アンタは多分、考え過ぎなんだよ。色々と」

「考えすぎ、かい?」

「もっと単純な話だろ」

「ええと……つまり?」

「女の子がタイプだったかそうじゃないか」

「……え」

 

 

 もちろんこれは愛歌との人生を駆け抜けた今だからこそ言えることであり、生前――それも、高校生までだったらそんなことは言えないだろう。

 彼が愛歌を選ばなかったことで傷ついていたのは確かだし、どの世界線でも最後には裏切られてしまうことを知っていた彼女が震えていたのも事実だ。だから、そこに関しては怒りすら覚えているけれど。

 

 選ばれなかった、もしくは、選ばれないということを知っていたからこそ俺が愛歌と一緒になれたのかもしれないということを、分かっているから。

 その点では、感謝しているといえなくもない。

 

 

「アンタにとって沙条愛歌という少女はタイプじゃなかったけど、俺にとっては瞼の裏に姿が焼き付くくらい魅力的な女の子だった。それだけのことだろ?」

「い、いや、流石にそれは……」

「ただあれだな。振り方が良くなかったな。あの夢見る乙女が一つや二つの障害で諦めるはずがないし、むしろ恋心を燃え上がらせて何をしてでも、ってやる気にさせる。」

「……はは」

 

 

 ……って、何をらしくないことを。

 変なことを言ってしまった、と自省する。

 

 

「――うん。やっぱり、そうなんだろう。そんな君だから、愛歌と一緒にいられたんだな」

「別に俺じゃなくても――」

「いいや。君はそうやってすぐに自分を卑下するけれど、もっと自信を持つべきだ。君のその強さは、僕にはなかったものだから」

「……そりゃどーも」

 

 

 爽やかな笑顔と共にそんなことを言われては毒気も抜かれてしまう。

 手の平で覆うようにして顔を隠す。そうでもしなければ、嬉しさに緩んだ頬を抑えられなかった。

 

 なんというか、結局のところ。

 俺は蒼銀の騎士王、プロトアーサーに憧れていたわけで。

 その憧れの人から評価されるというのは、想像もしていなかった事態なだけに動揺が激しいのである。

 

 

「ああそうだ。セーバー、君さえよければだが――僕の、友人になってくれないか?」

「……考えさせてくれ」

 

 

 

 

 その後しばらくして、度々二人で遊ぶ様子が見られたとか、ないとか。




男の英霊二人……同じ部屋に二人きり……何も起こらないはずもなく……この後滅茶苦茶二人で遊んだ

そういえば、この作品のメインヒロインが愛歌様である点からも分かり切ってるとは思うんですが私は基本的に悪役というか、人を人とも思わないようなキャラとかすごく好きなんですよ。
まあ、あれですね。
つまり何が言いたいかっていうとアカネちゃんめっちゃ可愛くてすこなんですがそんなことより六花ちゃんのふとももに挟まれたいっていうのと女神官ちゃんの聖水はどこで買えるのでしょうか

ちなみに僕のハロウィンはスプリングフィールドとWA2000のハロウィンスキンをなんとか手に入れて悦に浸るだけの悲しいハロウィンでした。ひもじい。

次の話は?

  • スイート
  • ノーマル
  • ビター
  • デーモンコア

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