BBには白野だけ!という方は即ブラバを……というかタイトルで分かるか。うん。
口調とか、ちょっと違和感あるかもしれないです。
その時は改善点か何か教えてください。なるたけ努力はしました。引っ越して以来触れていないPSPを引っ張り出してきてまで確認したんです。
ついでにいうとみんなの先輩はログアウトなされた。
保健室。
それは学生にとっての聖域。
仮病を使って寝不足解消に勤しむための
まあ何にせよ、白い清潔なシーツに寝転びうとうとするのは最高に気持ちがいい。
「……で、俺は誰だっけ」
ひんやりとしたシーツの感触をしばらく楽しみ、はてと気付く。
これは困った。
混乱のままに身体を起こそうと力を込めたが、何かに阻まれて動くことが出来ない。
視線を向ける。黒いキューブ状のもので腕がベッドに繋がれている。
「ふむん」
現状は恐らく拉致監禁され、その際の何かによって記憶の一部を喪失した、といったところだろうか。
事件だな。
「それで、これは一体?」
「あ、ちょっと気付いてたなら早く言ってください! 折角サプライズで驚かせようとしていたのに、恥ずかしいじゃないですか」
「別に気付いてたわけじゃないんだが……なんかいるんじゃないかなぁと思って」
「本戦から全く変化のないポンコツっぷりで何よりです。
こう、一人で帰っている時に突然立ち止まって「そこにいるのは分かっている……」とかやるノリで言ってみたら本当に誰か出てきて困惑している。
……しかし、なんかすごいのが出てきたな。
こんなパンツ丸見えの黒コート、一回見たら忘れな――
「って、BBだと!?」
「はい、ラスボス後輩系ヒロインことBBちゃんです。よく眠れました?」
まじかよ……
どう考えても拷問ルートじゃないですかやだー
BB。Fate/EXTRA CCCにおけるラスボスというか、メインヒロインというか……そんな感じのあれだ。詳しくは実際に購入してみてほしい。
とりあえず、超危険人物である。
主人公ではない俺をこうして拘束しているのは恐らく甚振るためか。元々の桜と仲良かったからそのせいかもしれない。
走馬灯のようにこれまでの記憶がよみがえる。
12月24日のこと。一人ぼっちでクリスマスを過ごしていた時、突然深夜にチャイムが鳴って、「誰だろうこんな時間に。サンタクロースかな?」なんて冗談で言っていたら本当に死をプレゼントするサンタさん(強盗)に襲われた阿呆がいた。――そう、俺だ。
そして気付いたら月の聖杯戦争に参加していた。しかも本戦。
予選はどこいった。
幸いにしてサーヴァントはいるようだったが、目からビームを出すやけに渋い声の黒い猫……猫? という詰みゲー。
余りにも訳が分からなさ過ぎてストレスで
これは不味い、と保健室に向かえば原因不明のエラーと言われる始末。昼夜問わず保健室で健康管理AI――間桐桜にお世話になることになった。
滅茶苦茶桜と仲良くなれて、内心で舞い上がっていたところでのモラトリアム終了のお知らせ。ちなみにキーだか何だかはサーヴァントが取ってきていた。
そして、運命の第一戦。
俺は――普通に負けた。だってゲームじゃ見たことのないマスター相手だったし。こっちのサーヴァントのこと何も分かんないし。
短い人生だった……と思ったのも束の間。
また学校内にいた。まさかの二週目である。
そんで、CCCの主人公と同様の流れで虚数空間に――いや、俺普通に校内で滑って、らめぇ入ってくるぅ状態に……はなってないけど捕まったんだった。
「どうしたんですかセンパイ? まさか、頭を打った時に色々吹っ飛んじゃいました?」
「割と真面目にそうかもしれないな。……まあいい。やるならさっさとやってくれ」
痛くしないでくれ、とは言わない。
絶対されるし。
目を瞑って平常心。身体の感覚をシャットアウトする。……いや魔術師でもハッカーでもないからそういう気分になるというだけだが。
「センパイにしては珍しく殊勝な心掛けですね。BBちゃん、感激です。時間も無限というわけではありませんし、手早くヤッちゃいましょうか」
怖っ!
何されんの俺!?
……ああでも、最期が彼女の手によって、というのなら悪くはない気がする。
これがどこぞの根源接続者だとかテラニ―だとか原初の母とかだったらもっと酷いことになっていた可能性もあるし。
なんだかんだ言って健康管理AIをベースにしてるからちょっと手加減してくれるかもしれないし。
「じゃあ、失礼しますねセンパイ」
その言葉の直後。
柔らかくも確かに質量を感じる何かが腹の上に乗っかってきた。これは……馬乗りになられている?
いや、本当にどうなるんだ俺。何されるんだ俺。
「ん……」
唇に柔らかい感触。
それと同時に花のような甘い香りが鼻腔を擽る。
あと胸元にもずしりと柔らかいものが。
「ん、んっん……」
目を、開ける。
視界一杯に広がるのは、少女の顔。
限界まで頬を赤く染め上げた彼女の眦から滴が零れてぽたり、と俺の顔に痕を残していく。
……何が起きた?
リソースを吸われているのかと思えばそういうことでもなく、むしろこっちに流れ込んで不足していた分が補充されている。
脳内が疑問で埋め尽くされて処理落ちしそうだ。
「……ぷは。ごちそうさまです、センパイ」
顔を赤く染めながら、挑発的な笑みを浮かべてこちらを見下ろすBB。
全く訳が分からない。
完全に脳は機能停止状態に陥っていた。
「訳が分からない、という顔ですね? では、察しの悪いセンパイにもう一度大ヒントをあげちゃいます。オトメゴコロの出血大サービスですよ?」
「え、いやちょ、んむっ!?」
二度目。
二度目の、キスだ。
これはつまり、なんだ、その。
……わけわからんポイントが一上がった。
「っ……! こ、これでもまだわかりませんか!? センパイには人の心が無いんですか!?」
「……いや、正直大体予想はついているというか分かっている部分はあるんだけどいまいち信じられないというか……俺は主人公じゃないし」
「じゃ、じゃあどうすれば理解ってもらえるんですか!? 24時間BBチャンネルでも流しますか!?」
「それは真面目にやめてくれ……」
なんで分からないんですか馬鹿なんですか、と罵られながらちょっと状況を整理してみる。
いや、うん。
キスされたし、これはそういうこと、なんだよな……?
あ、やばい。
なんだこれ。顔がすっげぇ熱い。
目を見ていられない。ここから逃げ出したくなる。
しまった腕が拘束されている!
「あ、その反応はようやく理解しましたね? じゃあ時間がないのでズバリ聞いちゃいます。わたしのことどう思います? あ、回答は大きな声でお願いします」
もちろん好きに決まっている。
そうでなければここまで動揺しない。
だが、それを大きな声で言えとは……どんな羞恥プレイだ!
「ほら早くしてくださいセ・ン・パ――きゃあ!?」
爆音。
保健室の一部がごっそりと削れて虚数空間的なアレが見え隠れしている。
今思ったがどこだここ。
煙の中から姿を現したのは主に上半身が危ないやつと主に下半身が危ないやつ。実際に自分の目で見るとちょっと心配になるくらい危ない。
「お母様だけズルい!」
「私たちを出し抜こうなんていい度胸じゃない」
「仕方ありません。……それじゃあ返事はまた今度ゆっくりと聞きますね? あ、時間制限を守らなかったので罰として今日一日その状態で過ごしてくださいね、センパイ?」
「ちょ、待て、せめてベッドから切り離して――おいぃぃぃぃ!!!!」
叫びも空しくBBはパッションリップとメルトリリス、二人のアルターエゴと一緒に姿を消してしまう。
「桜のことは大好きだが、それを面と向かってっていうのはなあ……」
ハードルが高すぎる。
もう誰もいないだろうと油断して呟いたそれは、しかし。
からん、と甲高い音が響き渡った。
「……あ」
「き、聞くつもりは無かったんですけど……! え、ええと、私……ちょっと備品の確認をしてきますね!」
何か言う前に白いカーテンの向こうへと消えてしまう。
後に残されるのはベッドに拘束された俺と、床に転がったままの金属製のお盆。
「ああくそ。……寝よう」
眠気なんて欠片もないが瞼を閉じて意識を闇へと落とす。
……大好き、というよりは愛している、の方が正しかったかもしれないな。
大体BBちゃんメインヒロインムーブしてたと思うがどうだろうか
明かされない裏設定
今回のキアラさんはマイルドだった。イッタイドコノセカイセンナンダロウナー
少女の恋心をフル開放するのみに留まり、結果として聖杯戦争が進行すれば確実にデッドバッドエンドを迎える気絶王を救うためにムーンセルを掌握。
全プレイヤーとNPCをデリートして気絶王を保健室に隔離。
この後は現実に肉体を持たない気絶王を永遠に閉じ込めておくべくアルターエゴたちとせっせと箱庭造りに勤しむ。
初期案では気絶王がBBちゃんの後輩となっていたが、BBちゃんの口調とかがどう変わるか考えるのがめんど、げふんげふん、大変だったため没に。
あとなんでもするとは言ったけど……みんな無茶ぶり大好きだよね
……よぉしやってやろうじゃねぇか畜生!
馬鹿野郎お前俺はやるぞお前!(やけくそ)
剣式でもゲーティアでもフォウくんでもR-18でもなんでもこいやァァァァ!!!!
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