幼馴染が根源の姫だった件   作:ななせせせ

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この作品も結構長くやってますね……半年以上になるかな?
UAもずっと増えてますし、(ないとは思いますが)ミリオン達成したらなにか企画をやりたいところですね。多分達成しなくてもいつかやりますが。

それから、お願いというか、注意というか。
現在活動報告に『幼馴染が根源の姫だった件の閑話』というタイトルのリクエストボックスを作っておりますので、こういう話が見たい、読みたいという方はそちらへ書き込みいただきたい、ということが一つ。

もう一つが、あまりタイトルやこの作品の趣旨からかけ離れたものはご遠慮いただきたい、ということになります。今現在もたくさんのリクエストをいただいていて、とても嬉しいのですが、稀に「これはこの作品でなくてもよいのでは……? というかこの作品でやったらだめなのでは……?」というものもあって、大変困っております。ご理解ご協力のほど、よろしくお願いします。


……それから、TSまではいける気がしてきたエゴ


18

 夕暮れの教室。そこに年頃の男女が二人きり。これはもう、そういうことになる流れ以外ありえないと思うのだけど。

 それでも余りにも強固な理性をもった彼は決してその流れに乗ろうとはしない。魔術を使われてもなお抵抗することが出来るほどの、相当な意志力。……そんなところも愛おしい。

 

 けれど、激しく揺れている。もうひと押し。もうひと押しで、多分落ちる。

 更に身体を密着させる。……ふふ、動揺してる動揺してる。

 

 

「っ……!」

「? ……ふふ」

『近い近い近い! 当たってる!』

 

 

 必死に外面は取り繕いながらも内心物凄く慌てている彼が可愛らしくて、つい意地悪をしたくなる。

 

 

「……やっぱり、綾香?」

 

 

 わたしが問い掛けたことで、何やら考え込み始めたけれど……まあ、彼に限って綾香をそういう意味で好きになることはないと思う。

 ……ない、はずよね?

 

 

『確かに、綾香は大事だけど……そういう目で見れるわけないよな』

 

 

 ……そう、そうよね! まだまだ綾香は子供だし!

 ついでに、本当についでだけど、彼の近くの子について聞いておこうかしら。

 

 

「……それじゃあ、美沙夜ちゃん?」

 

 

 少しドキドキしながら聞いてみる。さっきと同様に、ちょっと考えるそぶりを見せるけど……すぐに首を横に振った。熱に浮かされているせいでその動作はゆっくりとしたものだったけれど、でもはっきりとその意志は分かった。

 

 

『美沙夜ちゃんも、確かに大事だとは思うけど。でも、それは別に恋愛感情に繋がるわけじゃないしな……』

 

 

 よし、よし……! これはもう勝ったも同然ね……!

 ……けど? 一応? 一応聞いておくのもありよね?

 

 

「……なら、やっぱり私?」

「……っ」

『……好きだ。誰よりも、何よりも大好きだ。けど、そう言ってしまったら、俺はきっと――』

 

 

 ……まだ、完全に割り切ったわけじゃない、か。けれど、それならどうして彼は好意を自覚してしまっているのかしら。本来なら、彼がセイバーのことをどうとも思わなくなるくらいに割り切れる頃にようやく好意を自覚できるはずはないのだけど。

 

 ――例えば、そのきっかけになるような出来事でもない限りは。

 

 

「そういえば……こういう時は身体に聞くんでしょう? この前勉強したから大丈夫、任せて……ね?」

『いやいやいやちょっと待てちょっと待て!』

 

 

 内心ですごく慌てている彼を少しおかしく思いながらぎゅう、とその頭を抱きしめる。ごめんね、と心の中で謝ってその記憶を探る。

 

 

『うわわわ、待て、待て! そうだ、先生! 先生とか他の生徒とか入ってきたら大変だろって伝える手段がないじゃないか!?』

「大丈夫よ。教室(ここ)に誰か入ってくることはないから……安心して?」

 

 

 なんて、彼の心の叫びに答えつつ、この直前の記憶――つまりは先ほどの告白の時の記憶だけど、それを見ていく。本当はこんなことをしたくはなかったのだけど、想定外のことがおきて、彼の様子がおかしくなっている以上は不可抗力のようなものでしょう。

 

 ……ん、だめね。もっと深く見るためには、もう少し肌の接触が多く欲しいところ。それからキスなんかも見やすくなるし、出来ることならそうして彼に負担が無いようにしたいかな。

 彼の慌てるところが見れるという楽しさもあるし、ここは思い切って攻めてみるのもいいと思う。

 

 セーターを脱いで、ワイシャツのボタンを外してしまう。同時に、彼の上着も脱がしてシャツ一枚という状態にする。……その、ここまでの流れは割とスムーズに出来たのだけど。いざやろうとすると、照れからなのか、緊張してしまって手が震える。いけないいけない。彼の部屋で見つけたあの教科書(薄い本)では女の子から迫って、横になった男の子の上に乗って積極的に動いていたもの。多分、それが彼の求めている女の子像ということだと考えると、こんなところで怖気づいてはいられない。

 

 

「それじゃあ――」

 

 

 ただ。ちょっとキスをしたくなっただけ。怖気づいたとかではない。うん。……嘘。本当は結構怖い。こんな不安定な状態の彼には拒絶されるんじゃないかとか、不安定だからこそ身体を重ねてしまって安心したい気持ちがあったりとか、全然余裕なんてない。

 

 だから、ちょっとだけほっとしてしまったのは内緒だった。

 

 

「ふぇ?」

 

 

 ――赤。鮮血が二人を濡らす。

 スプリンクラーのように彼の鼻から噴き出す血はやがて静かに止まった。後には血を噴き出して気絶した彼と、血のせいで行為が中断されて、どこかでほっとしてしまっているわたし。

 

 

「……ふふっ、あなたはいつもそうね。けれど……うん。今回はやっぱり助かったかな。あのまま行っても何にもならなかったでしょうし」

 

 

 やっぱり彼は、いつも通り、これまで通りの彼だ。

 なんだか安心してしまった。いえ、鼻血を噴いて気絶しているから安心できる状態とは程遠いのだけど。それでも昔と同じような状態なのはどこか安心できた。

 

 とりあえず今は片づけとかをしてしまいましょう。鮮血に塗れた教室なんてあからさまに何か事件が起きたことを示しているようなものだし。気絶してしまった彼は……そうね、うちに連れていくべきね。久しぶりに料理を食べてほしいし。

 

 

 

 

 ――そういえば。もし、彼の状態が、他の誰かが原因だったなら。今度こそ彼を苦しめる原因になりうる、全ての人類を消し去っていたところだったけど、今は気分もいいし、考えるのはやめておきましょうか。




アズレンのサンディエゴ鯖ルーム3でサンディエゴと結婚してずっと秘書にしてる、発言のやべーやつがいたら多分私エゴ

次の話は?

  • スイート
  • ノーマル
  • ビター
  • デーモンコア

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