なんと、パチュリーさんは現代の家で居候しています。がランキングに入っておりました。
有難いことです。
引き続き、ランキングに載っても、いつもの感じで書いていきますので、よろしくお願いいたします。
「なぜこちらの人たちは学校に行くのかしら?」
夕食を食べている時に話された言葉だった。
ちなみに夕食の内容はパチュリーさんのリクエストである紅茶漬けご飯だ。意外と合う。
「勉強なんかしなくても自分で知識を身につければいいだけの話だと思うのよ」
確かにそれはそうと言える。
実際に、自分の興味のないものの知識を身につける必要はないと感じる。
俺自身の考えであれば、義務教育を修了した時点でそこからは個々の道へと進む。それならば、その道に進むために必要な知識のみを蓄えればいいのではないのか。
ただ、勉強はしないといけないという思考が頭の中で形成されている。
「なんででしょうかね……。自分の中では勉強しないといけない気がするんですよね」
「必要でないことを学ぶのは学習するのは学ぶとは言えない。必要であるものを学ぶことを学ぶと呼ぶのよ」
パチュリーさんはサラっと名言を言ってのけた。
確かにその通りなのだろう。その通りなのだが、仮にも高校に通わせてもらっている身。
簡単に学校をやめることはできないのだ。
「パチュリーさんが教えてくれるならばまた違うのでしょうねー」
「私に教えることが出来るのは少ないわよ」
「多くの知識を持っているのにですか?」
「知識を理解するのと教えるのは似て非なるものよ」
理解するのと教えるのとでは勝手が違うことはよく分かる。
よく昔にこの部分教えろだの古典文法を教えてだのと言われた記憶がある。
その度にどう説明すると理解しやすいかとかを考えていた。
「ねえ、魔導書とかないの?」
「ありません」
「ぱそこんの説明書とかは?」
「ありますよ?」
「寝る前に読ませて」
「承りました」
ここまででやっと気付いた。
パチュリーさん、いつの間に説明書を知ったのだ?
買い物から帰ってきてから何も触っていないはず。触ることが出来る時間は……。
まあ、一つだけあるが、差し支えのない問題のため、その思考を停止し、頭の奥の方へと追いやった。
意識をパチュリーさんへも向けると、パチュリーさんは目を輝かせながら、ウキウキとしていた。
新しい知識がタダで手に入るのだ。
とても喜ばしいことだろう。
「あ、聞くのを忘れてたのだけれど、シャワーとかあるかしら?」
「勿論です。廊下を歩いて右にあります」
「入るわね」
「了解です」
そう言ってパチュリーさんは案内した通りに、風呂場へと入っていった。
…………ん?
そういえばパチュリーさんって着替えの服を持ってなかったよな?
当然のことだが、服は洗わないといけない。
ならば、パチュリーさんは何を着るべきなのだ?
そして、もう一つ当然のことであるのだが、俺の家には俺の分の服、男性物しかない。
その中でパチュリーさんが着られるようなものを見繕うべきか?
頭がショート寸前になりながらも、必死にタンスを漁った。
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「用意されているものを着たのだけれど……。これでいいのかしら?」
脱衣所から出てきたパチュリーさんは、白の無地のシャツと少しダボッとした灰色のズボンを身につけていた。
俺が頭をフル回転させて、見繕った服だ。
見て分かる通り、なんの特徴もない服だ。
ただ一つだけ言えるのは、そんななんの特徴もないからこそ、身体のラインがくっきりと出る。
他の人よりも少し大きめの胸に視線が行くのは、男性であるならば仕方ないことだと言えよう。
「少し大きいわね」
そして、萌え袖。
最高ですね。
「何か変なことでも考えているでしょう」
「いえ全く」
変なことは考えていないです。