ソードアート・オンライン ──月夜の黒猫──   作:夕凪楓

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急いで書いたので拙いです。
ゴメンなさい。
この話を読まずに飛ばして次の話に移行しても、何の支障も無いくらいの蛇足なので、スーッと軽く読んでくださればと思います。



ではどうぞ。




Ep.76 この世の何処に

 

 

 

 

 アキトの位置情報がロストして、もう三日以上が経過していた。

 空はそんな事など知る由もないと、快晴を示している。彼が居たなら、間違い無く昼寝を決め込む程に。

 爽やかな風が皮肉を告げる。この世界に来た時には誰もが絶望し、嫌悪した筈の世界の風は、苦しい程に心地良かった。

 

 76層《アークソフィア》では、今までと変わらず人が賑わっている。特別大きな変化は見られず、アキトが消えた事など、誰も知りはしないし、知り得ない。

 その西洋的なイメージを抱かせる街並み無機質ながらは、過ごす人達の活気によって、生き生きとして見えた。

 

 

 でも。そんな《アークソフィア》に生きるプレイヤーの全てが、活力に溢れている訳じゃなかった。

 今この世界には、確かに存在していた筈の存在がいない。

 《黒の剣士》に代わり、誰かの為にと命を削ってきた存在が、この世界から消え去っていた。

 その存在と強く関わりを持ち、絆を少なからず感じていた筈の人達は、必ずしも元気という訳では無い。

 

 彼らは知らない。

 皆が笑っているこの状況は、一人の黒の剣士によって実現されているという事実を。

 誰によって守られている笑顔なのか、誰一人知らない。

 彼は人知れずこうして、この街の人達を救って来てくれていたのだ。

 プレイヤーも、NPCも。

 

 そして今、彼がこの世界にいない事すら、彼らは知らないのかもしれない。

 気にもなってないのかもしれない。気にする事すら、忘れているのかもしれない。

 誰かが助けてくれる。攻略組がなんとかしてくれる。自分達には関係無い。そんな人達が集まり、自身では愉悦に浸り、この世界である程度の娯楽を興じている。

 もしそれが脅かされる事になるのなら、きっと責められるのは攻略組。

 なんともまた、皮肉にも上手く回る世界である。

 

 今まで、誰のおかげで75層まで来れたと思ってる。

 誰のおかげで、76層から今まで、駆け上がる事が出来たと思ってる。

 

 そう、だからこそ彼らは、ここで平然と暮らしている六千人以上のプレイヤーの幸せを、守った事になる。

 彼が色んな人の為に頑張ってきたのなら、それはきっと。

 彼自身も幸せにならなければならなかったのに。

 それこそ、六千人全てが束になってかかってきても比にならないくらい、幸せにならないと嘘だ。

 

 《二刀流》

 

 それは、この世界に抗う全ての人達の希望。

 《勇者》として、この世界で最後まで生き、世界を救い、終わらせなければならない。

 それがこの世界のルールで、呪いでもある。

 だからこそ、キリトという存在はこの世界を終わらせる為に、現実世界のプレイヤーの身体を案じたからこその、無謀な挑戦をしたのだ。

 それが、《二刀流》を手にする《勇者》の役割だったから。

 

 だが、結局それは届かない。

 この世界で誰よりも強かったその剣士は、その世界に消され、居なくなった。

 そして、その穴を補完する代替品のように、別の勇者が現れた。

 

 

 その人は一言で言うなら、とても脆く、不出来な勇者。

 元々、そんな使命が課せられる筈の無い一般のプレイヤーだったのだから、それは当然で。

 けれど、誰よりも優しく、気高く、そして強いと思った。

 

 

 そして、誰よりも弱いと思った。

 

 

 彼の過去を、そのカーソルの隣りに寄り添う黒猫の意味を、誰も知らない。

 けれど分かってしまうのだ。その心はとても儚く、触れてしまえば壊れてしまうのではないかと感じてしまう程に、ひび割れた硝子そのものだという事は。

 何かを求め、欲したものが彼にもあった筈で。手にしたものがあった筈で。

 そして、それを全て失ってきっと、今孤独で前線に立っている。

 

 誰よりも頑張って。誰よりも傷付いて。誰よりも痛みを感じやすくて。

 誰よりも、人の心に寄り添える人だった。

 

 この世界、《カーディナル》が彼に求めるのは、決して《幸福》なんかじゃない。

 このアインクラッドという浮遊城を終わらせる《使命》だ。

 それがプログラムとしての正常な動きで、効率的に機能しているという事実が、とても腹立たしかった。

 

 もし、《カーディナル》に意志があるのならば。

 お前がこうして世界を稼働し、管理している世界の中、彼らが笑っているのは、《黒の剣士》のおかげなんだぞ、と。

 この世界に、確かに存在した筈の《黒の剣士》。それは個人の名ではなくなっていた。

 

 アキトという、一人の少年によって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつの日か、そんな彼に付いていって見付けた、綺麗で小さな丘。

 すぐ目の前には果てが無いのではと錯覚する程に広大な湖が広がる。照った日差しが水面に映り、反射する眩しさに目を細める。

 その丘に腰を下ろしていたアスナは、震える指を空中に彷徨わせた。

 

 

 「っ……」

 

 

 アスナはウィンドウを開き、そこに表示されたフレンド欄から、《Akito》の文字を見つけ、タップする。

 その位置情報は不明(ロスト)。いつもなら一日程で消えるその表示は、もう三日も継続されていた。

 

 

 「……アキト、君……」

 

 

 ふとその名を呼ぶも、それは空虚なもので。

 吐いた息と共に、霧散していってしまった。

 

 あの日、彼はこの世界から消えてしまった。

 《ホロウ・エリア》へと赴いたのならそれでいい。けれど、いつもは一日程で帰ってくるのだ。

 三日以上もこのままなのは、とても異様に感じた。もしかしたら、彼に何かあったのではないかと、彼を知る誰もがそう思った。

 けれど自分達には、彼と同じ場所へと向かう術が無い。

 

 それ以前に、私達にはその資格すら無いのかもしれない。

 あの時、《二刀流》を使用して、私達を助けてくれたアキトという少年に対して、こちらがした事はあまりにも身勝手なものだった。

 感謝より先に困惑。第一声に疑惑。アキトより、キリト。彼がキリトという存在と重ねて見えてしまった瞬間に、私達はアキトを視界から外してしまっていたのだと、あの時は理解出来ていなかった。

 もしかしたら彼は、こんな勝手な自分達に会いたくなくて、《ホロウ・エリア》へと居る時間を延ばしているのではないだろうか。

 それならそれで構わない。生きている事が最善なのだ。

 でも、もしそうじゃなかったら────

 

 

 アキトが居なくなったあの日、目を覚ましたユイは、彼の位置情報がロストした事実に再び泣き出してしまった。

 《二刀流》を使用し、原因不明の気絶、アスナ達とのすれ違い、それらがあった後の《ホロウ・エリア》なのだ。心配しない方がおかしい。

 二日経って、三日経って、誰もが慌て出したその時。もしかしたら、彼はもう死んでしまったのではないかと、密かに心のどこかで思っていたかもしれない。

 私達は彼を傷付け、そして見放した。アキトが投げやりになってしまった可能性だって捨て切れない。

 

 けれど、それでもユイだけは。

『アキトは絶対に生きている』と、そう言って譲らなかった。

 涙を流しながらに訴える彼女は、本当は無理をしていてるであろう事は、その場にいる誰もが理解していた。

 アキトがいない。生きているのか、本当は不安。それでも尚、彼の存命を信じていて。

 けれど、それを確かめる術を持たなくて。

 

 アスナは、自身の娘の泣き顔を思い出し、思わず歯噛みした。

 自分は一体何に対して怒って、泣いて、苦しんでいるのだろう。

 

 

 「……」

 

 

 ──── 彼と初めて会ったのは、76層のフィールドボス討伐作戦時の会議の時だった。

 

 最愛であったキリトの死、攻略組の中心となっていたヒースクリフの不在。それらが自分達を混乱させ、絶望させた。

 かく言うアスナも、どこか死に急いでいたのかもしれないと、冷静になった今なら分かる。

 何もかもがどうでも良くなり、生きる意味などもう無いのだと、普段なら決してとらない作戦内容を説明した。

 NPCにヘイトを取らせる、囮作戦。勿論反対の声はあった。クラインは、キリトなら絶対に賛成しないと、分かりきった事を言っていたのを思い出す。

 キリトはもういない。戦力は圧倒的に足りない。ならば、作戦を変えなければならないという思考は当然だった。

 誰もがそれは正しい事だと理解していたけれど、きっとその作戦は間違っていると思っただろう。

 だが、キリトを失ったアスナに、『お前は間違っている』と、そう言える人はいなかった。

 

 

 けれど。

 

 

 

 

『異議ありに決まってんだろ。この攻略組のリーダーは馬鹿なんじゃねえの?』

 

 

 

 

 そんな風に会議室の静寂を斬り裂いたのが、アキトという少年だった。

 誰もがアスナを心配していた中、たった一人。自分の意見を貫こうとするプレイヤーがいたのだ。

 出会った時はその装備の色や雰囲気に腹を立てたものだ。なにせ、自分の愛した人ととても酷似していたから。

 黒いコートに、濃い紫色の魔剣。長めの黒髪に、透き通る様な青い瞳。

 その容姿こそは似て居なかったけれど、一緒にいる内に、気付けば重ねて見えてしまっていた。

 そのちょっとした部分や、横柄な態度の中に見える優しさが、とても微笑ましくて。

 

 

 生きる意味が無いと思っていた自分に、彼は言ってくれた。

 生きる意味は、これから先で見付けられる筈だと。いつか、生きていて良かったと、そう思える日が来るかもしれないと。

 

 今は、本当にそう思う。

 生きていて良かったと、心からそう思える。

 

 このまま自棄になってしまえば、いつかは辿る筈だった死。

 それを救ってくれたのも、間違いに気付かせてくれたのも、いつだってアキトだった。

 死んでしまえば、リズベットが秘めていた想いにも、ユイの感じていた悲しみにも気付けなかった。

 大切だったキリトの事も、思い出せなくなるところだった。

 

 

 「……私は」

 

 

 気付いてしまった。

 いや、本当は知っていた。

 だからこそ、改めて理解した。

 

 

 自分は、いつだって。

 《黒の剣士》という名を持つ少年に助けてもらっていた事を。

 

 この世界が本物である事を教えてくれたキリト。

 この世界が残酷である事を教えてくれたアキト。

 

 彼らはどんな時も、自分を助けてくれた。寂しい時、怖い時に傍に居てくれた。

 泣いていれば、励ましてくれた。

 そんな彼らが居なくなった場所に、ただ一人座る自身は、とても弱く見えた。

 

 救われていたのはいつだってこちらで。

 傷付いていたのはいつだって、彼らで。

 

 

 「────っ」

 

 

 アスナは、考えが纏まるよりも先に、行動に移していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ●○●○

 

 

 

 マップは意味を成さない。フレンド欄から特定出来る位置情報など当てにしない。

 自分の手で、探さなきゃ、見付けなきゃ意味が無いのだ。

 何を手放してしまったのか、今一度自分に問い掛けねばならないのだ。

 石造りの西洋風な街並み、そこで歩む人々を掻き分けるように進むアスナは、必死に首を左右へ動かす。

 

 

(アキト君……アキト君、何処にいるの……!)

 

 

 人混みの中、紅白のユニフォームが乱雑に動く。

 周りが彼女に見惚れる中、アスナは気にせず走り回った。

 辺りを見渡し、必死に黒いコートのプレイヤーを探した。血眼になって、なんて表現が、もしかしたら正しいのかもしれない。

 

 みんな、アキトの事を待ってる。

 無意識に諦めているかもしれないけれど、本当は生きていて欲しいって、絶対に生きているって、そうも思っている筈なのだ。

 

 荒い呼吸を抑える事無く、休む事無く走り回る。

 マップにはロストの表示。ここには居ない、存在しない。そんな事は分かっている。

 けれど、それでも探すのをやめたりしない。

 

 きっと生きてる。絶対に生きているんだ。

 

 そう言い聞かせても、不安ばかりが頭を過ぎる。

 彼が行きそうな場所を、何度も何度も向かう。自身がしてしまった罪を、独りにしてしまった彼を、どちらも放っては置けなかったから。

 独りにしたのは、自分達。

 守ってくれた彼に対する仕打ちが、きっと彼を傷付けて。

 

 自分達は、アキトという少年を知らない。

 76層からの彼しか知らない。

 だから知りたい、君の事を。

 間違えたくない、あの時みたいに。

 

 そう思っても、現実は非常で。

 システムでこの世界が動く以上、マップに反応が無いのなら、それはここに居ないという事で、それは覆らない。

 けれど、そう思いたくない。彼は、絶対に生きてる。

 

 

 そう思いたいのに。

 

 

 「っ……」

 

 

 彼を探しているこの時間。

 走り回っているこの時間。

 ずっと頭は同じ事を考えていた。

 

 

 「あ、アスナ……!?」

 

 「お、おい!アスナさん!?」

 

 

 リズベットとクラインの声は、走り去るアスナには小さく聞こえる。

 その頭では、一つの事のみに思考を割いていて、それでいて考えが纏まらない。

 

 

 どうして、私はアキト君をここまで気にかけ出したのだろう。

 どうして、彼がする一つ一つの行為に、笑ったり、怒ったりしたのだろう。

 どうして、《二刀流》を隠していた彼に、こんなにも憤りを感じていたのだろう。

 彼が、キリト君に似てたから?

 けれど、それだけ?

 

 

 困惑と焦りが綯い交ぜになる。

 自身への憎悪と過ちの後悔が募る。

 

 

 会いたい、けど、伝わらなくて。

 

 

 ────ああ、そうか。

 

 

 私は。

 

 

 

(何処にいるの────?)

 

 

 

 

 やがてその場に立ち尽くし、膝に手を付き、呼吸を抑える。

 荒い呼吸で酸素を大量に吸い込み、その吐く息も身体も、小さく震えていた。

 

 

 探しても探しても見付からない。

 

 

 生きている筈なのに、何処にも。

 

 

 本当に、生きているの?

 

 

 この世の何処を探しても、何処にも居ない。

 

 

 そんな事、無いよね?

 

 

 

 

 「────アキト君!!」

 

 

 

 

 転移門へと続く階段を前に、その名を叫ぶ栗色の少女。

 周りが驚き、その視線が集まる中、アスナは一人その顔を転移門へと向ける。

 辺りのプレイヤーが、散り散りになっていく中心で、アスナは涙を流しながら、荒く呼吸をしていた。

 

 

 「……アスナ」

 

 

 アスナが気になって追い掛けて来たリズベットとクラインも、彼女に対して掛ける言葉が見付からないようだった。

 アキトの名前を大声で叫ぶ彼女の心が、痛い程に伝わって。

 

 

 アスナは、そんな彼らの視線を背中に感じながら、気付いてしまった事実に目を見開いた。

 荒い呼吸と涙で、その視界は曇って見えた。

 

 

 私は。

 怖かったのかもしれない。

 

 キリトと良く似た黒の剣士。

 《二刀流》を酷使した姿、その背中が想い人と重なって、漸く理解した。

 

 キリト君を好きになって。何より大切で。

 そんな彼と同じスキルを持った彼が。《勇者》の役割を担った彼が。

 いつか、キリトと同じ未来を辿ってしまうのではないかと思うと、怖かった。

 

 

 アキト君が私達を想ってくれているように。

 きっと、私も君の事を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……うるせぇな……なんだよ……」

 

 

 「っ……」

 

 

 

 

 自身の瞳が、驚きで見開かれるのを感じた。とても優しくて、暖かくて、安心する大切な仲間の声。

 俯いた顔が、バッとその声の方へと向かう。

 その視線の先には、転移門へと続く階段。

 

 

 そして、その階段の先には。

 きっと、自分がずっと探していた筈の黒の剣士が立っていた。

 

 

 

 

 「……アキト、君……」

 

 

 アスナが震える声でそう呼ぶと、アキトは小さく笑った。

 

 

 「……また、泣いてんのかよ」

 

 

 そんなアキトの言葉も聞かず、アスナは走り出す。

 転移門へと向かうその階段を駆け上がる。

 

 

 アキトは、そんなアスナを視界に収めた後、その瞳を細め、やがて力無く地面へと倒れゆく。

 それを間一髪で、アスナが抱き留めた。

 アキトはそんなアスナに驚き、慌てて身体を起こそうとするが、アスナの身体が小さく震えている事に気付き、その動きを止めた。

 

 

 「……アキト君……!生きてる……生きてくれてる……!」

 

 「か、勝手に殺すなよ……ってか、悪い……今力入んなくて……」

 

 

 アスナは涙目で彼の身体を見つめる。

 所々切り傷や刺傷が見られ、アキトが心体共に疲弊しているのが分かる。

 何かがあちらであったのだろう。けれど、今は聞かないでおこう。

 アスナは謝罪するアキトに向かって、首を横に振る。

 

 

 「……ここに居るんだね、アキト君……」

 

 「っ……ああ……」

 

 

 アキトはアスナにそう言われ、言葉に詰まった。

 自分は、ここに居ると、そう言ってくれたから。

 

 

 「アキトぉ!」

 

 「アキト!」

 

 「っ……たく、相変わらず、うるせぇ奴らだな……」

 

 

 階段からこちらに向かってくるリズベットとクラインの姿を目に収め、アキトは完全に気を失った。

 ガックリと項垂れ、脱力したアキトを、アスナは精一杯支える。

 そして、クラインとリズベットが追い付き、アスナに代わって、クラインがアキトを支えた後、背中へと担いだ。

 

 

 「エギルの店に運びましょう!」

 

 「分かってる……っ……アキトの野郎……」

 

 

 その身体の切り傷を見て、その瞳が悲痛のものに変わる。

 自分達がアキトにしてしまった事を思い出し、悔しさに表情を歪めた。

 

 

 「っ……無理しやがって……」

 

 「ホントよ、もう……」

 

 

 そうして小さく笑う彼らに、アスナは涙ながらに笑った。

 クラインの背中で小さな呼吸を立てて眠るアキトという少年を見て。

 

 

 「……おかえり、アキト君」

 

 

 

 

 

 まだ彼らには、互いにすれ違っている部分がある。

 

 

 アキトが目を覚まし、そして、お互いが納得がいくように。

 

 

 今はただ、祈るしかない。

 

 








アキトが目を覚めたあとに起こるであろう、未来の話。



リズベット 「ん」

アキト 「ん?」

リズベット 「……ん!」

アキト 「う、うん……んん?」

リズベット 「ああああぁぁぁあもう!武器よ武器!早く出しなさい!メンテナンスするから!」

アキト 「あ、え、お、おう……じゃあ、頼む」

リズベット 「……ほら」

アキト 「……洞?」

リズベット 「……だから!剣よ剣!もう一本あるでしょ!《エリュシデータ》!」

アキト 「っ……あ、ああそうね、《エリュシデータ》ね……ま、まだ良いよ」

リズベット 「は?」

アキト 「《ホロウ・エリア》でも、そんなに使わなかったし……」

リズベット 「ボス戦の時使ったじゃない」

アキト 「……えと……その……」

リズベット 「……」

アキト 「……」

リズベット 「…………」

アキト 「…………」

リズベット 「……折ったわね」

アキト 「……はい」←本当は嘘つくの苦手の人



※この後、事情を説明した結果、分かってくれました。

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