マトウの狩りを知るがいい   作:星野谷 月光

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これにてお話は本当に最後。お疲れさまでした。
最後までお付き合いいただいた方には感謝を。




最終話「マトウの狩りを知るがいい」

実際、それからは大変だった。

次から次にヤバい案件が現れた。世界の歪みが表面化して週間で世界の危機になった。

 

世界中の大都市が魔界都市になったりした。ニューヨークがヘルサレムズロットに、ロンドンがあの懐かしくも忌まわしいヤーナムに。

新宿は『新宿』に。東京湾にネオ東京とトーキョーNOVAができたり。札幌はカムイ☆STARだし大阪はオーサカMOONだよ。

中国には九龍城がよみがえるわ。レムリア?アトランティス?うんもちろん浮上した。まあ魔界都市は今でもすごいことになってるよ。

 

ウェイバーを中心にした世界的な怪異対策チームはシフト制で休み無く動き続けた。

とくに赤いコート着た褐色白髪で二刀流のにいちゃんはすげえ頑張ってた。

俺もしょっちゅう手伝うことになった。大もうけするときもあれば、大赤字に頭を抱えるときもあった。

 

甘粕お前は思い出したようにノリで暴れるんじゃない!なに忘られそうになったから来た?知るか!

お前達なら俺くらいなんとかなると信じている?やかましいわ!

 

だけど、楽しかったよ。灼熱の季節だった。

 

魔術の秘匿?できるわけないだろ。

あー、まあ威力とかはだだ下がりしたけどまあその分は進歩した機械とかで補えばいいしな。

それにそもそも根源や魔術回路のやつだけが魔術じゃないしね。血の医療とかそうだろ?似たようなのいっぱいあった。

 

ちなみに魔術協会も聖堂教会もめっちゃ叩かれた。年単位で毎日逮捕者が出てたよ。ざまあ。

え、俺?捕まったよ。でも執行猶予とすげえ額の罰金で済んだよ。今まで何十回か世界を救った分の功績を鑑みてだってさ。

要するにムショにぶちこまれたくなかったらもっと働けって事らしい。

 

ものすごい動乱も破滅もあった。でも、人類は未だに生きてる。まあそんなもんだ。

世界の危機もまあ、月刊から季刊になりそうなくらいには落ち着いてきた。

とうとうこの間、宇宙へ移民が始まったよ。すごくね?

上位者との外交はすげえ大変らしいけどね・・・・・・なんかもう遠慮しなくなったのかちょくちょく侵略にくるし。

 

宇宙移民船の船長イスカンダルだってさ。なんかもう世界征服する暇も無いし国作る暇も無いからもう宇宙で建国するわって。

世界の果てを今度こそ見てくるとか言ってた。

おうがんばってこい。いい旅を。ヴォンヴォヤージ。あと遺言はもう余計なもん残すなよ!酒も控えろよ!

 

まあ、この分なら俺たちは次の世代にバトンを渡せるだろう。子供出来たし。

俺?俺はいつも通りだ。普段はごろごろして金がなくなったら冒険に行く。そこに家族サービスが加わっただけだ。

週間世界の危機の時はすげえがんばったし他人のために金も使ったし罪だって精算したんだから勘弁してくれ。

 

おっと電話だ、悪いな。

 

「おじさん、例の原稿は書けました?」

「ああ、俺の自伝?書いたよ、桜ちゃんが書け書けってうるさいから。書いちゃってよかったの?」

「いいんです。過去は過去ですし、おじさんの縁ですてきな人にも出会えましたから。

それに、ついでだったのかもしれないですけどあの時、私は間違いなくおじさんに救われたんですよ?

おじさんは私の最初のヒーローなんですよ。もっといろんな人がおじさんのことを知ってもいいと思います」

「そんなもんかね。俺なんてくだらない男だよ?」

「もう、いつもそんなことばっかり・・・・・・それで、題名はどうするんですか?」

「そうだなあ、題名はーーー」

 

 

 

マトウの狩りを知るがいい

 

 

 

 

 




警告!

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私はきっちり警告して、こういう要素があるから地雷だよ、と書きました。
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