「はい、これで契約致します」
8月31日午後4時ネオン一行はホテルベーチタクルに到着した後貸しきった階の部屋で、とある指示を受けたダルツォルネとそれを聞いていた者達以外は、和やかな雰囲気のまま荷物整理をした後、明日のオークションのための準備をしていた。
ノストラード家にとってタダ事ではない指示をした当の本人のネオンは、そんな事は忘れたと言うように、これから来るヨークシンで1番有名な美容師と電話で世間話に花を咲かせていて、車内で見せた真剣な面持ちはどこにも無かった。
ダルツォルネは複雑な心境のまま、見逃せない占いの結果をライトに報告するため別室に移動し、この時のための緊急連絡番号を押しライトが出るのを待つ。コール2回目でライトが出るが、電話口からはクラブハウスで聞くような、大音量の音楽が聞こえるためダルツォルネはライトが静かな場所に移動してくれるのを待つ。
ライトは走って移動したのだろう、息を荒げ少し焦りを含んだ声で「出たのか?」と問いただす、ダルツォルネは肯定し占いの内容を報告する。
「今までのデータを見る限りお嬢様の占いで眠りや病、地に伏す等の言葉は死を暗示するものです。この内容が出た6人の顧客の共通点は今年の地下競売に参加する予定だという事です」
「……地下競売に出ると命が危ないという事か。その6人の顧客は私から直接報告するとしてネオンはどうなのだ? まさか参加するつもりなのか?」
「えぇ、お嬢様は参加されるつもりなのとご自身を占えないのでそれとなく注意をしておきます。ですが此度の危険性においてお嬢様は承知しておられるようでして……」
「何だと? 危険があるのにわかっていながら行くつもりなのか?」
「はい、なので─────をしました」
「それは本当か!? だがあの娘のやる事だ、何か考えがある筈だ最大限応えてやれ。私もそちらに行く」
「わかりました、それでは失礼します」
ある指示を受け早急に実行したダルツォルネはライトにその事を報告しライトは驚愕した、何故ならそれはライトでは不可能でネオンだけが出来る命令だからだ。ある意味ライトより組織内ではネオンの方が権限があると言っても過言ではないのだ。
……普通実の娘といえど権力を持ち始めれば警戒するだろう、もしかしたら乗っ取られるかもしれないとなるからだ。どれだけ信頼してもそこに1%の猜疑心があってはならない、後々それが雪だるま式に大きくなり争いの火種になるのだから。
黒社会ならばそれは尚更で家族や親族と権力闘争になるのは珍しくなく最悪命を落とす事になるのだから。しかしライトは違う、容認し推奨し自身が持つ最大限の力で後押しをしてきた。
これは間違っても愛するたった1人の娘だから裏切らない、などという平和ボケした個人の希望的観測などではない。ちゃんとライトにとって裏付けがあり全幅の信頼をおける事象からの情報提供……、それはやはりネオンの念能力だ。
昔ネオン個人が力を付けてきた時である、ライトはやはり猜疑心が沸いてネオンはいつか自分を殺し組を乗っ取るつもりではないか? と思い早急に手を打とうと行動していた所、占う日が来て占いその内容を見て歓喜する。そこにはこう書かれていた──
天使を悪魔と疑ってはいけない
天使を檻に閉じ込め束縛もしてはいけない
何故なら蜘蛛にさらわれて剥がされてしまうから
天使が導くまま行くといいだろう
天使が迷うならば道を示すといいだろう
そうすればあなたはいずれ王となる
王、つまり十老頭。ライトは夢見る少年のように王になる瞬間の事を毎日思いを馳せる。
この占いを見てからライトはネオンの事を道具として見始め、ネオンもそれを受け入れた。
ここに歪な愛情が生まれる。
ダルツォルネはライトへの報告と顧客へ占いを書いた紙をFAXで送り終わり、ネオンの部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、エレベーターから見知った男の顔が現れ、右手に大きな鞄を持ち左手は車のカギをチャラチャラ鳴らしながら近づいてくる。そう言えばと思い時計を見ると午後6時30分を回っていて、ダルツォルネはいつもの事とは言え大分FAXで時間を取られたなと思う。
「よう、久しぶりだなダルツォルネ」
「あぁ半年ぶりだな、そちらはうまくやって繁盛しているな」
「はっ、いい立地、最高のレイアウト、告知にお嬢の占い……、これで繁盛しなかったらおかしいだろ?」
「ふっ、その通りだ」
2人は軽い世間話をしてネオンの部屋へと戻ると気づいたネオンが駆け寄り満面の笑顔で出迎える。ダルツォルネは部屋の電話でフロントにルームサービスで人数分の食事を頼み、もう1人の男はネオンを備え付けてある美容室で使うバーバー椅子に座らせた後、鞄から取り出したベルトを付けネオンの髪をとかす。
「注文はー、ニュアンスボブスタイルで」
「了解お姫様」
男がハサミを構えるとクラピカ達は驚く、何故なら男は念を使っていたからだ。クラピカが電話を切ったダルツォルネに「彼は何者なのか?」と問いただす。ダルツォルネは「あぁ」と言い男を紹介する。
「彼は昔グラムガスランドにサーカスを見に旅行に行っていたボス達がチンピラに絡まれていた所を助け、その礼にとボスは彼を雇いダミー会社の資本で美容院を営んでる者だ、名はビノールトという」
「その時の俺もチンピラだったがな、よろしくなルーキー達」
「そうそう、髪型と目つきすんごい悪かったよねーあの時」
「……あの時の俺はどうかしてた、髪の色を真ん中で緑と赤で分けるなんて」
ビノールトはネオンの髪を切りながら初対面のクラピカ達に軽く紹介し過去を語る。
ビノールトは昔その日暮らしに苦労していた少年時代に夫婦がサイフを落とし、それを拾い渡したら盗られたと難癖を付けられボコボコに殴られた後死にかけ、人助けなんてするもんじゃないと悟りグレていた。
人殺しはまだしていない青年時代、酒場の帰り道でチンピラ10人程に絡まれていた2人を見かけたビノールトは酒の勢いもあり「これが正真正銘最後の人助けだ」と思い、知っている男が何人か居て自分の名を呼び何かわめいていたが、構わず一方的にチンピラ達を叩きのめした。
礼も言われるのも罵倒されるのも面倒だったビノールトはさっさとその場を去ろうと足を動かした。
その時ビノールトの足裏に違和感があり、どけて見ると女物のサイフでありネオンの物なのは明らかだった。ビノールトはサイフを拾い背を向けて帰ろうとしている2人に声を掛け思い出す。この場所この時間この場面、あの時と一緒だと……、ビノールトは今度は殴られず罵倒されるだけだな、とどこか他人事のように思っていた。
そしてサイフをネオンに渡し背を向けようとすると小さな手がビノールトの左手を包んでいた。
「有り難うビノールトさん、おかげで助かりました!」
酒のせいで感傷的になっていたのだろう、その言葉を聞いたときビノールトの胸に熱いものがこみ上げた。
(あの時俺は見返りを求めていたわけでも、礼を言われたいためにやったんじゃない! ただ……ただ貧しくてもまともに生きたかっただけなんだ!)
ビノールトは気づけばネオンの両手を握り締め懺悔をするように跪いて泣いていた。あの時叶わなかった想いが報われた気分だった。
その後落ち着いたビノールトは、憑きものが落ちたような表情で2人に謝罪をし、そして感謝を素直に受け入れた。別れ際にネオンがライトの名刺をビノールトに渡すように言い、出来れば私たちの元に来て欲しいとお願いされ、1週間後ノストラードファミリーに入る事になる。
「今は護衛からは身を引いている、もう年だしな。あの時はまさか礼を言われた後雇われ、その上店を持たせてくれるとは思いもしなかった。
もう少しで後戻り出来なかった、あの時お嬢様達に会った幸運に感謝している。おかげで今は結婚もして子供も産まれ、まともな人生を歩む事が出来ている」
そう話を締めくくり照れながら優しくはにかんだ。その顔は誇らしげに見え、そして鼓動は慈愛に満ち溢れ、センリツの耳に心地良く響いた。
「これで終わりましたよお嬢様」
「有り難うビノールト」
時刻は午後7時30分ネオンのカットが終わり、ルームサービスが丁度料理を届けられ全員で広い部屋に移り共に食事をとる事になった。
この時の食事会も和やかなもので、特にクラピカは最初の冷たい印象はなりを潜め自然な笑顔を見せる、クラピカのネオンに対する評価が大きく変わったのが原因だ。クラピカは周りを見て集落にいた頃の懐かしい思い出と、ハンター試験に出会った仲間を重ね暖かな心になるのがわかった。そして同時に気づいていた、明日でこの楽しい時間は終わりだろうと。
午後9時お開きとなりビノールトは笑顔で帰り、クラピカ達は明日の護衛任務の確認をした後、交代制で休みを取ることになり、ネオンは浴室から出た後ダルツォルネに呼び止められ別室に案内される。明日のオークションには出ないよう説得されるとあっさり二つ返事で了承しダルツォルネは肩透かしを食らう。
「危ないところには行かないよ安心して、勿論ダルツォルネもね」
意味ありげな返答にダルツォルネはモヤモヤとした感情を抑えるため、水を一気飲みをして交代の時間まで休む事にした。
その後特に何も起きないまま時間が過ぎていき9月1日午後2時、ホテルにあるダンススタジアムでダルツォルネはネオンの護身術に付き合っていた。ダルツォルネはネオンの動きを見ながらこれならば襲われても勝てる者はいないだろうと思った。
それは昔心源流の師範ビスケット=クルーガーがノストラードファミリーで2年間指南している時、ネオンに対しこう評していた。
「あんたは類い希な才能を持ち将来超一流の念使いになって、勝てる奴は世界中探してもいなくなるよ」
だがそれは──
「ただし! 何度も言うようだけど念が使えず、しかも鍛えられていない一般人に限る事だからね! あんたを鍛えて強くするより、そこら辺歩いてる奴を捕まえて鍛えた方がよっぽど強くなるわさ」
そう、ネオンは念の才能があり超一流の念使いになれても戦闘の才が無かったのである。あくまで念の扱いがうまいでしかなかったのだ。しかしネオンに焦りも失望も無い、何故ならそんな事は記憶が蘇った日から半年でわかってたからだ。
最初の伸び率は秋川奈緒美としての知識もあり異常なほど良かった。ただでさえ前世の記憶を持ち、その上念能力の才能という二物を与えられ、自分は何故だかわからないが神に愛された特別な存在なんだ。と選民思想に囚われる程に……。
気づいたのは1ヵ月目だった、練の持続力の伸びが悪いと。3ヵ月目になるとネオンは毎日鍛錬をする事を止め、週1回の健康のための運動レベルに落とし、来る日に備える事した。
早い話諦めたのだ。これは当たり前の事で、原作のネオン=ノストラードがトップレベルの戦闘能力を持っているのならばいざ知らず、たかが原作知識があるというだけで強くなるわけがない。だがネオンに焦りも自身に対する失望も無い。その時にはもう勝利の方程式を理解していたのだから。
アラームが鳴り切りのいい所で止め、2人はスポーツドリンクを飲みながら今日のオークションの品や終わった後の事等を話し、部屋へ戻る準備をする。そしてダルツォルネはネオンに改めて注意を促す。
「お嬢様が護身術の類を嗜む事はお止めしませんが程々になさるようお願い致します、御身は我々がお守りします」
「有り難う。でもこれは必要な事だよ、それに体を動かすの好きだしどうせ私が……、止め止め、先に部屋に帰ってお風呂入るね」
ネオンはダルツォルネの誓いの宣言のような言葉を受け、嬉しく思い満面の笑みで返し、照れくさいので部屋から出て行く。いざとなれば雇用関係の間柄を超え、命懸けで守ってくれる事はこれまでの行動から理解していたからだ。
ネオンは部屋に帰って風呂に入った後は護衛団の面々と他愛のない話をしたり、携帯のメールのやりとりなどで時間を潰した。
オークションまで後2時間を切り、最終確認のため護衛メンバー全員で競り落とすための品を確認していた時、ドアからノックが鳴りダルツォルネが開けると、そこにはノートとペンを持っているネオンがいた。戸惑うダルツォルネをよそにネオンは微笑んだ後「お邪魔します」と言って脇をすり抜ける。
「ねぇ、聞きたいんだけど今日のオークションに行くのは正装しているそこの3人でいいのかな?」
「そうです、ヴェーゼ、イワレンコフ、トチーノで行きます。彼等なら前日お話しした通り襲撃があっても対処できるでしょう」
ダルツォルネは選出メンバーを直接攻撃ではなく間接攻撃出来る者達を選んだ、これはもし襲撃があっても逃げ帰って敵の情報を持ち帰れるよう重視したからだ。
言われなくてもこの事はメンバーに伝わっているし、他の護衛達も勿論理解している。圧倒的経験不足のネオン以外は。
「じゃあ一応占ってあげる、トチーノだけでいっか」
そう言うと「はい、これに書いて」と予め占うよう用意したペンとノートをトチーノに差し出した。
「新人さん達は私の能力を見るのは初めてだよね。前にも言った通り私の能力は100%当たる占い、4つか5つの詩で書かれていてその月の週毎に占っているの」
「書き終わりました、どうぞボス」
トチーノが書き終わりペンとノートをネオンに渡す、説明を聞いていたクラピカ達は咀嚼し理解する。占った人物がもし1週目で死ぬのならばその後の詩は書かれないという事に。
「──気づいたようだね。そう、対象者が死んじゃう未来だとその後の詩は書かれないの。だからもしここで死ぬ結果が出れば全員建物の屋上からの見張りだけにしてね。じゃあ行くよ」
ネオンは念を発動し右手に天使を具現化させる、その様子を地下競売に行く予定だった3人は特に真剣に見る。そしてネオンが書き終わりその早すぎる時間に全員が察し、渡された紙をネオン以外が見てより真剣な場の空気になる。
「その様子だとトチーノが死んじゃうみたいね、改めて言っておくけど地下競売に3人とも行かなくていいから。あとダルツォルネ、後で双子とノヴェラビルに行きたいから付き合って」
「じゃあ」と席を立ち部屋を出るネオンにトチーノが代表して礼を言う、ネオンは「当たり前の事をしただけだから」と笑顔で手を振り返し去って行く。
そしてその後3人は屋上の監視に割り振られ、緊急時の段取りを確認し合いそれぞれの持ち場へ行き来るべき瞬間に備える。
9月1日午後9時ロマンゾビル、地下競売に行く予定だった3人が屋上からセメタリービルを監視していた。
「っ! 何かおかしいわよ」
望遠鏡で見ていたヴェーゼが異変に気づき、談笑していた2名に知らせ緊急の電話をダルツォルネにかける、2人は慌ただしく望遠鏡を覗きこみほっとした表情になり顔を見合わせた。
「危なかったな、このまま地下競売に行ってたら俺たち全員オダブツだったかもな」
「そうだな、危なかった。またボスの占いで命拾いしたな」
トチーノはいつもの軽い調子で言いイワレンコフもどこか明るい口調で応じる、ただその顔からは冷や汗が流れていた。ヴェーゼはまだ実感はないが、自分ももしかしたら死んでいたかもしれないと思うと表情が険しくなる。
「リーダーから皆と合流して賊を追うよう言われたわ、車に行きましょう」
3人は急いで車に乗り込み、マフィアンコミュニティー専用の無線を聞きながら集合場所に行く、車内でトチーノ、イワレンコフはネオンに感謝し、より追従の精神を持つようになった。
同時刻ノヴェラビル前、ネオンと双子、ダルツォルネが到着しビルに入っていく。エレベーターを待っている時にダルツォルネの電話がなり、ヴェーゼから襲撃の件を聞かされ指示をする。
「お嬢様、やはり襲撃があったようです。全員に賊の追跡と可能なら捕らえるよう指示を出しておきました」
「了ー解っ」
ネオンはそれを聞き上機嫌になり鼻歌を歌い出し、それを双子が微笑ましく見守る。ダルツォルネはもしかしたら襲撃があるのを占う前から……、いや自分が入る10年前かそれ以上前に分かっていたのでは? そうでなければあの指示を行う事が出来ないと思いこの時ネオンに僅かに恐怖を覚える。
エレベーターが着きダルツォルネが屋上へ行くため最上階のボタンを押す、ネオンは壁にもたれかかり、朝から続く右目の軽い痛みを心地良さそうに感じながらこれまでの事を思い返していた。
(あぁ、長かった。これまでの努力が漸く実る……、原作のネオンは占いの能力を約3割程度しか扱えていなかった。ふふっ、あなたの敗因は私のように色々試さなかった事)
ネオンはあの日から自身の念能力を色々試行錯誤して能力の本質を知った。その瞬間ナニカに近い無敵の能力と理解する。原作ではヒソカが未来は少しずつ変わって来ていると言っていたが、正確には【占った後の未来が変わって来ている】だ
当たり前だ、占いの結果の情報を複数人で共有すれば、未来が変わるのは至極当然で自然な流れだ。しかし占いの内容を誰も知らなければ変わらなかっただろう。つまり大きく分けて3つの未来がネオンの手によって作られたのだ。
1つ占う前の未来
2つ占った後個人で対応する未来
3つ占った後で他人と協力して対応する未来
旅団の未来は3つ目であり占いの結果がズレてしまうのは仕方がない事なのだ、だがネオンの占いはズレていたとしても100%の的中率である事は変わる事がない。
何故ならもう一度占っていないのだから。
例を挙げれば先のトチーノは占う前は今日死ぬ予定であり、詩は一節しか書かれていなかった。だが死を回避した今なら? そうネオンの能力は複数回同じ対象者を占う事を前提にした能力なのだ。
しかしこれでも能力は6割程度でしか使いこなせていない。残りの4割ほどはネオンがこの能力の本質と確信している事……、それは【占いを受動的ではなく能動的に受けること】だ。占いに方向性を持たせ占う、その本質を理解した幼い頃のネオンは金策が必要だった父親にこう言った後占う。
「競馬で1等から3等になる馬を順番に選んで買ってね」
この後のノストラードファミリーの伸び率は正に鯉の滝登りの如く上がっていく、地価が暴騰したり今後開通する駅前の土地、まだ資源が発見されていない場所、今後急成長する会社の株や本体を買収等々……、このおかげで個人資産だけでライトは20番以内、ネオンは56番目に世界で財力を持つようになり、それに付随するように占う人間が増え幅広い伝手が出来、大きな権力を有する事になる。
これがネオンが言っていた占いの次の段階、つまり権力を中心とした力を得ることを目的とした占いだ。
そしてネオンは気づいた、気づいてしまった。これは人にも当てはまるのではないかと……。秋川奈緒美の頃活発な性格のおかげでボランティアを体験した事があった、その内容は海外の孤児の面倒を見るという事だ。
ネオンは考える、幻影旅団も元は流星街の住人……つまり孤児だ。という事は念の才能がある者達を幼い内から引き取り育て上げれば自然と仲間になると。そして実行する、月毎に6人の部下にネオンはこう命令した。
「それぞれ6大陸の中にいる孤児や捨て子、売買された20才未満の子で念の才能が最も優れている者を引き取って……、あっと忘れる所だった。後は────」
そしてある程度人数がそろった時に、原作知識だけで指南する事は不可能なので、原作で最も指導に優れている人物として描かれていたビスケット=クルーガーに依頼する。勿論首を縦に振らせるため占った部下を行かせる事を忘れない。
時間が経ち、鍛え上げられた子供達が能力を開発する時、カストロのようにミスをさせないため、自分に最も合い尚且つ応用の利く能力にするためネオンは占いで導く。
そう不可能なのだ、いくら原作知識があったとしても都合良く強力な念能力者に育つジュメレ、ジュメリを収集車に潰されそうな所を助けるなど。不可能だ、都合よくビノールトが仲間になるなど……必然でなければ。
その必然の結果を集めたのが今屋上に居るネオンの目に映る光景だ。国籍、人種、年齢、性別バラバラの30人のプロハンターで強力な念能力者の戦闘が得意な混成部隊、中にはゴンやキルアの肉体、念共に凌ぐ才能を持つ人間も数名いてネオンに絶対的な忠誠を誓い、ネオンの為ならば自身の命を厭わない者達が集い跪いて言葉を待つ。
「皆お疲れ様、皆にお願いしたいのは幻影旅団の抹殺。指示された日に占いの通り動いてね、これはこっちの犠牲が無い勝ちが決まったワンサイドゲーム。楽しんでね」
言い終わると全員が地面に沈み込み消えていく、念空間に消えたのだ。ネオンはそれを見送ると天を仰ぎ1分間黙祷するように目を閉じる。
「さぁ帰ろっか」
振り向いたネオンにダルツォルネとジュメレは一瞬目を疑った、ネオンの右目が無いように見えたからだ。戸惑う二人を尻目に双子の手を取りスキップをしながら屋上の階段を降りて行く、ダルツォルネは心底この組で良かったと思った。
ネオンは考える、幻影旅団も元は流星街の住人……つまり孤児だ。という事は念の才能がある者達を幼い内から引き取り育て上げれば自然と仲間になると。そして実行する、月毎に6人の部下にネオンはこう命令した。
「それぞれ6大陸の中にいる孤児や捨て子、売買された20才未満の子で念の才能が最も優れている者を引き取って……、あっと忘れる所だった。後は────」
イルミはヒソカに問う
「クラス全員好きになるとかあり得る?」
逆も然り30人が1人を好きになるのはあり得ない、命を懸けるとしたら尚更
ネオンは悪魔の言葉を続いて紡ぐ
「後は私に絶対的な忠誠を誓い、命を懸けれると思う子を最適なタイミングで連れ出してね」
そう必然でなければ──
ネオンの能力に付加効果は無いです、ただ見た目が変わっただけで何も変わりません
何故なら占い能力で十分と思ったからです。最初は色々考えていましたがキャラを動かしていくと「あれ? これだけでいけるだろ」となりました。
頭の中で全然使わなかったですし……
蜘蛛と1体1で戦える(ネオンがとは言ってません)白目