授業は特に問題もなく進み現在は4限目が始まろうとしていた。そして教室の前の扉が開き千冬が入ってくる。
「ではこれよりISの武器の特性について説明する。教科書10ページを開け」
そう言って生徒は教科書を開いていく。すると千冬は何かを思い出したかのように生徒たちに体を向ける。
「そうだ、実はクラス代表を決めないといけなかった。誰かやる者はいないか? 推薦でも構わん」
そう言われ生徒はそれぞれ手を挙げる。
「はい、織斑君がいいと思います!」
「私も織斑君がいいと思いま~す!」
そう言われ一夏は狼狽える。するといきなり
「だ、だったら俺は秋斗を推薦する!」
そう言われアキトは舌打ちをして拒否する。
「断る。そんなものをやる気はない」
「ダメだ。推薦された者は拒否権はない」
千冬にそう言われアキトは睨みながら言う。
「ここは軍学校か? てめぇの好き勝手やるクラスなのかここは?」
「ここでは私がルールだ」
そう言ってきたためアキトは我慢の限界に達しそうになると
「でしたらわたくしも立候補します」
そう言ってセシリアが立候補する。
「ほう? 立候補する理由は?」
「アキトさんが出られるのでしたら一度、ISの勝負をしてみたかったので」
そう言われアキトはセシリアとISで戦うのだったらいいかと思い拒否を取り下げる。
「では、1週間後に試合を行う。それでは授業の続きを行う」
そう言って授業は続けられた。そして授業が終わりアキトはマドカとセシリアと共に食堂に行こうとする。
「ねぇねぇアッキー」
「うん? さっきの奴か、何か用か?」
そう言ってアキトは袖がダボダボな少女に用を聞く。
「お昼さ、私も一緒に食べてもいい?」
「俺は別にいいが」
アキトがそう言うとマドカたちも別にいいよと言って少女もグループに入る。
「あ、そう言えば名前聞いてなかったな」
「私は布仏本音って言うんだ~。よろしくね~」
アキトはよろしくと言うと、ある事を思い出す。昔自分がまだ織斑秋斗だったころ一緒に公園で遊んでいた子達の一人が本音という名前だったなと。
(まさか、あの時ののほほんちゃんなのか?けど確信がないし、もうしばらく様子を見ておくか)
そう思いながら食堂に向かう。食堂に着いた4人はそれぞれ食券を買い、食堂のおばちゃんに券を渡し、配膳口で料理を貰い席に着く。アキトはダブルチーズバーガーセット、マドカは春野菜の炒め物定食、セシリアはサンドイッチセット、本音はきつねうどん。そして食べながらセシリアがアキトに質問する。
「ところでアキトさんはISは持っているんですか?」
「あぁ、政府がわざわざ俺の為に用意してくれたんだ。どんな奴かは当日に見せるよ」
「では楽しみにしておきますわ。それと例え友人であっても手加減は致しませんので」
「コッチだって手加減する気はない。軍人は敵には常に全力を持って相手をするのがモットーだからな」
そうアキトが言うとセシリアもえぇ。と言って笑顔を向ける。
「ねぇねぇ、アッキー」
「なんだ本音さん?」
「代表決定戦までどうやって訓練するの?」
「そう言えばここのアリーナって事前予約が必要なんでしたっけ」
マドカがそ言うと本音は首を縦に振る。
「うん。それでどうやって訓練するんだろうな~と思ったんだ~」
そう言われアキトはどうするか考えてみるといい人がいることを思い出す。
「そうだ。真耶さんに頼もう」
そう言うとセシリアと本音は?となるがマドカはその手が有ったかと手を叩く。
「なるほど、教師である真耶さんに頼めばアリーナの端っことかで訓練してもいいかその日の利用者に聞いてもらえますからね」
そうマドカが言うとセシリアと本音もなるほどと納得する。
「よし、後で真耶先生に頼みに行くか」
そう言ってハンバーガーに噛り付く。そして昼食を終えたアキトは真耶にアリーナの隅でもいいから借りられないか聞きに行くと今日は無理だが明日なら問題ないと言われる。そして放課後、アキトはマドカと共に寮へと帰ろうとすると
「秋斗、ちょっといい「お兄ちゃんに馴れ馴れしく近付くな」ど、退いてくれ。秋斗に話があるんだ」
一夏がアキトに話しかけようとしたがそれをマドカが阻止する。
「お兄ちゃんに言われてるよね、馴れ馴れしく呼ぶなって」
「君には関係ないだろ」
「関係ある。私はお兄ちゃんの妹だから。お兄ちゃん、帰ろ」
そう言ってアキトと一緒に帰ろうとすると
「ま、待てよ! なぁ秋斗、実は箒と一緒に訓練するんだがお前も一緒に「勝手に2人でやってろ。俺はマドカに教えてもらうから」け、けど赤の他人に教えて「お前なんて言った?」ぐっ!?」
アキトは一夏の胸倉を掴み上げる。
「マドカが赤の他人だと? マドカは俺の妹だ。お前の方が赤の他人だろうが」
そう言って胸倉を突き離す。一夏は尻もちをつき息を整える。箒は一夏を心配し近寄りアキトを睨む。
「大丈夫か一夏? お前、実の兄に何をするんだ!」
「はぁ? そいつの弟は6年前に死んでいるだろうが。織斑、お前いい加減弟が死んだ現実を受け入れろ」
そう言ってアキトとマドカが教室を出て行こうとした時、箒は木刀を取り出し二人に襲い掛かろうとしたが
「何をしているんですか篠ノ之さん!」
木刀を振り下ろそうとしたところで止まり声がした方を見ると箒を睨みつけている真耶がいた。
「何をしているのか聞いているんです! 答えなさい!」
そう言われ縮こまってしまった箒の代わりにマドカが答える。
「こいつらまたお兄ちゃんが死んだ弟だって騒いで、お兄ちゃんが違うって言って出て行こうとしたらこいつが木刀で後ろから殴ろうとしてきたんです」
「ち、ちが」
「そうなんですか、皆さん?」
真耶にそう問われ、みんなは首を縦に振る。
「目撃者は多くいるみたいですね。篠ノ之さん、一緒に生徒指導室に来てもらいます。それと木刀は没収です」
「そ、そんな!」
「当たり前です! もしこれが当たっていたら大怪我では済まなかったかもしれないんですよ!」
そう言われ真耶に木刀を没収される。
「織斑君、貴方もいい加減弟さんが亡くなったことを受け入れるべきです。アキト君は貴方の弟さんでは無いんですからね」
そう言って真耶は一夏に寮の鍵を渡して箒を連行していく。アキトはいい気味だと内心思いながらマドカと共に寮へと帰る。廊下に出てしばらく歩いていると目の前から千冬がボストンバックを持って歩いてくることに気づく。アキトとマドカは無視して帰ろうとすると
「待ってくれ」
そう言われアキトとマドカが千冬に目線を向ける。
「何か? 早く帰りたいんですが」
「お前は私の弟の「お前もか織斑千冬。いい加減にしろよ、お前ら姉弟!」!?」
アキトがそう怒鳴り睨みつける。千冬は恐怖で後ろに一歩下がる。
「お前らの弟の織斑秋斗はもう死んでいる。いい加減認めろ! これ以上言ってくるなら正式に抗議の方を政府を通して言うからな」
そう言ってアキトとマドカはその場から去る。千冬はただ茫然とその後姿を見ているしかできず立ち尽くす。
しばらく歩いた後アキトは大きく息を吐くとマドカは心配そうに尋ねる。
「大丈夫お兄ちゃん?」
「あぁ、大丈夫だ」
そう言って自分たちの部屋へと入ろうと鍵を開けて中に入ると
「お帰りなさい♡ ご飯にする? お風呂にする? それともワ・タ・シ?」
痴女がいた。
人物
セシリア・オルコット
イギリス陸軍国土防衛IS部隊に所属し、階級は上級軍曹。原作では女尊男卑に染まっていたがここでは男女平等を掲げている。原作では両親は死んでいるがこの話では現役の軍人で将軍を務めている。(父親は陸軍、母親は海軍)名門の軍貴族で代々イギリス女王に忠誠を掲げている。アキトとは米中英の合同訓練で会い、互いの得意分野である銃の解体から組み立て、さらに射撃訓練で競い合い、気付いたら友人となっていた。その時に鈴を紹介され同じように友人となる。マドカとはアキトと同じ訓練時に会い、自分が苦手としているナイフの扱い方について指南してもらい師弟に近い関係になる。
織斑千冬
アンチ対象
世界最強と言われる人物。IS学園の先生をしており生徒たちからは信頼されているが先生たちからは授業の方法が暴力的のためあまりいい感じに思われていない。一夏と秋斗を大事にしていると言っているが……。IS学園に入ってきたアキトが自分の弟かどうか詮索し始める。
織斑一夏
アンチ対象
千冬の弟でアキトの元兄。いつも直感で動き、周りのことは考えないためアキトはいつもそれの尻拭いをさせられていた。死んだと思っていた弟が生きていたと喜び、もう一度一緒に暮らそうと接しに来るがマドカやアキトの周りの人物がそれを阻止する。鈴とは幼馴染と思っているが鈴本人は……。
篠ノ之箒
アンチ対象
一夏のことが好きでいつも一緒に引っ付いている。気に食わないことがあるとすぐに暴力で解決しようとしてくる。剣道を暴力の道具としか見ていない。
次回予告
部屋へ入って謎の痴女がいたことに驚いたアキトは素早く拘束して何者か聞く。そしてその人物が過去に一緒に遊んでいた子の一人と思い出す。
次回痴女登場!~痴女じゃないわよ!~